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四章
目覚めた貴女
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瀕死状態から何とか命は取り止めだが、未だにカトレアは目を覚ましていなかった。
「傷も回復し、問題はありません。」と診断を終えた魔法医が言う。
「ではどうして目覚めないのだ!」
「申し訳ありません。しかし、これ以上の治療はできません。」
「もう、1ヶ月だぞ!それでも世界一の魔法医なのか!」と怒鳴るクラウドに「殿下、落ち着いて下さい。」とガイが止めに入る。
「お前は、くやっ。。。」
悔しくないのかと、詰め寄ろうとするクラウドはその言葉を飲み込んだ。
ガイのその手から血が滴り落ちていたからだ。
「みんな悲しくて、辛いに決まってます。」とサラはガイの手をハンカチで包む。ガイは「すみません。」とそのハンカチを受け取る。
クラウドもわかっている。どうしようもないのだと。今はカトレアの体力を信じるしかないと言うことは分かっている。それでも、カトレアはいまだに目覚めない。敵の足取りすら掴めていない状況で、このやるせない気持ちをおさめることはできなかった。
「取り乱してすまなかった。一度、王宮に戻る。」
「俺も、仕事に戻ります。」
クラウドとガイは静かに部屋を出て行った。
サラはカトレアの手を握る。
「お嬢様、早く目を覚ましてくださらないとこの屋敷は寂し過ぎます。お友達が毎日お見舞いに来てくれてますよ。素敵な友達を持ちましたね。でも、ファーラ様は部屋に閉じこもってどんどん痩せ細ってしまって今にも倒れそうです。カトレア様が会いに行かないといけないんですよ。それにみんな、貴女がいないと闇の中でさまよってしまいます。お嬢様、私もすごくさびしいですよ。。。」
サラは静かに涙を流した。
*******
半月がたったが未だにカトレアは目を覚さない。
それどころかどんどん痩せ細っていっている。
誰の目から見ても、このままではカトレアの命が尽きてしまう事は歴然であった。
「カトレア様、俺は貴女がいない世界で生きていけません。約束したじゃないですか。そばに居るって、帰ってきてください。カトレア様。」
ガイがカトレアの手に触れたときだったぴくりと指が動いた気がした。
「カトレア様、カトレア様!!」
名前に反応するかのようにまたぴくりと手が動く。
「カトレア様、起きてください。お願いします。」
「っ……。ガ。イ?」
カトレアの開かなかった目がゆっくりと開き、ガイを見る。
「また、かな…しませて、しまったのね。」
「…………っ」
話したいことがあるのに声が出ない。ガイはただただ震える手でカトレアの手を握りしめる。
もうどこにも行かないように。
「……カトレア様っ。」
やっと出た言葉は愛おしい人の名前だった。
「心配かけて……ごめんね。」
ガシャンと言う食器の落ちる音の方を振り返るとそこには、サラが呆然と立っていた。
「サラ、泣かないで。」
その言葉でサラはゆっくりとカトレアの元に近づき、泣き崩れる。
「っ…よかったっ。」
カトレアは弱々しい手付きで、サラの頭を撫でる。
「王宮にすぐに連絡しますので、サラ。お願いします。」
そう言うとガイはその場を離れすぐに王宮へと連絡を送った。
「…よかった。」
ガイの目から一粒の涙が頬をつたった。
「傷も回復し、問題はありません。」と診断を終えた魔法医が言う。
「ではどうして目覚めないのだ!」
「申し訳ありません。しかし、これ以上の治療はできません。」
「もう、1ヶ月だぞ!それでも世界一の魔法医なのか!」と怒鳴るクラウドに「殿下、落ち着いて下さい。」とガイが止めに入る。
「お前は、くやっ。。。」
悔しくないのかと、詰め寄ろうとするクラウドはその言葉を飲み込んだ。
ガイのその手から血が滴り落ちていたからだ。
「みんな悲しくて、辛いに決まってます。」とサラはガイの手をハンカチで包む。ガイは「すみません。」とそのハンカチを受け取る。
クラウドもわかっている。どうしようもないのだと。今はカトレアの体力を信じるしかないと言うことは分かっている。それでも、カトレアはいまだに目覚めない。敵の足取りすら掴めていない状況で、このやるせない気持ちをおさめることはできなかった。
「取り乱してすまなかった。一度、王宮に戻る。」
「俺も、仕事に戻ります。」
クラウドとガイは静かに部屋を出て行った。
サラはカトレアの手を握る。
「お嬢様、早く目を覚ましてくださらないとこの屋敷は寂し過ぎます。お友達が毎日お見舞いに来てくれてますよ。素敵な友達を持ちましたね。でも、ファーラ様は部屋に閉じこもってどんどん痩せ細ってしまって今にも倒れそうです。カトレア様が会いに行かないといけないんですよ。それにみんな、貴女がいないと闇の中でさまよってしまいます。お嬢様、私もすごくさびしいですよ。。。」
サラは静かに涙を流した。
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半月がたったが未だにカトレアは目を覚さない。
それどころかどんどん痩せ細っていっている。
誰の目から見ても、このままではカトレアの命が尽きてしまう事は歴然であった。
「カトレア様、俺は貴女がいない世界で生きていけません。約束したじゃないですか。そばに居るって、帰ってきてください。カトレア様。」
ガイがカトレアの手に触れたときだったぴくりと指が動いた気がした。
「カトレア様、カトレア様!!」
名前に反応するかのようにまたぴくりと手が動く。
「カトレア様、起きてください。お願いします。」
「っ……。ガ。イ?」
カトレアの開かなかった目がゆっくりと開き、ガイを見る。
「また、かな…しませて、しまったのね。」
「…………っ」
話したいことがあるのに声が出ない。ガイはただただ震える手でカトレアの手を握りしめる。
もうどこにも行かないように。
「……カトレア様っ。」
やっと出た言葉は愛おしい人の名前だった。
「心配かけて……ごめんね。」
ガシャンと言う食器の落ちる音の方を振り返るとそこには、サラが呆然と立っていた。
「サラ、泣かないで。」
その言葉でサラはゆっくりとカトレアの元に近づき、泣き崩れる。
「っ…よかったっ。」
カトレアは弱々しい手付きで、サラの頭を撫でる。
「王宮にすぐに連絡しますので、サラ。お願いします。」
そう言うとガイはその場を離れすぐに王宮へと連絡を送った。
「…よかった。」
ガイの目から一粒の涙が頬をつたった。
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『最近容赦にですね』→(最近容赦ないですね) だと思います!
主人公が最終的、誰と結ばれるのか楽しみです(><*)ノ
立花 詩季様指摘ありがとうございます(o^^o)
少しお人好しにし過ぎかなと悩んでいたのですが好きと言っていただき嬉しいです!
私も書きながらこの先どうなるかワクワクしています。
最後まで楽しんでいただけたらそれだけで本当に嬉しいです(о´∀`о)
不束者ですが応援よろしくお願いします。
指摘は…不安の文章での「カトレア、お誕生日おめとう(ございます)。」のことではないでしょうか?(・_・?)
黒猫様
教えていただきありがとうございます。
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