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第一章 - 出会いと成長
37話 闇の王って?
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「そもそも闇の王って……なに? 知らないんですけど?」
「闇の王ってのはね、闇の支配者で暗闇を支配して負の感情と負のオーラを支配する存在で……悪の存在である魔物や魔界全てを支配する者だぞ!」ツンとした表情と可愛い仕草で説明をしてくれた。うん。リリスの仕草が可愛くて、あまり話が入ってこないかも。
それは、すごい。だが……そんな者になった覚えはないぞ。
「あの槍はイメージをしたら勝手に出てきたんだから、似たような物が出てきただけじゃないの?」まさか、他人の物を召喚って……それ、泥棒じゃん!?
「そのオーラ、その威圧感は間違いなく闇の支配者の証である槍です」ディアブロが頭を下げたまま答えた。
まあ、分からないことを話し合っても時間の無駄だし、なんでも良いやぁ。……俺専用の武器も手に入ったし、戻るか。
「さ、戻るぞ~。ディアブロも擬態してー」向きを変えて、二人に言った。
「王の背中に背負われるのに抵抗があるのですが……レイニー様」とディアブロが気まずそうに言ってきた。
「王じゃないし、命令だよっ。早くしてよぉ~置いてくよ!」
「……はい。命令とあらば……お願いします」いつもとは違い、ディアブロは緊張した感じだった。
あーちゃんが可愛いぬいぐるみのバッグに擬態し、リリスと二人の元へ戻った。武器を二人に自慢したかったが、説明が面倒なのでやめておいた。というか……説明できないし。理解していないものを自慢しても良いことはないと思う。厄介ごとに巻き込まれるだけだよなぁ……
「おかえりーお兄ちゃん! なにしてたの?」エリゼが心配をした表情で聞いてきた。
「魔物の討伐と話を少しね」そりゃ聞かれるよね。答えを用意をしていなくて、思いついたことを言って誤魔化した。
「ふぅ~ん……話って?」とエリゼがジト目で見ながらさらに聞いてきた。
「しつこい女は嫌われるぞっ」とリリスが呟くと、エリゼはムスッとした表情になったが、納得したのか俯いて黙ってしまった。
「武器の話とか、魔法の話だよな~リリス?」とリリスの頬をむにゅっと摘みながら聞いた。
「痛いっ。もぉ……そうよ。武器と魔法の話だけ!」とリリスが涙目になりながら答え、睨んできた。
やっぱりリリスの頬は触り心地がいいなぁ~♪ ぷにっと柔らかく弾力があって、温かくしっとりしてる! ぷにぷにと触りながら話を続けた。
「そろそろ帰らないとなぁ……」と俺が呟いた。
「帰るって……どこに帰るんだよっ。私たちはどうすれば良いんだ? ここで待機とかイヤだぞ!? なぁ~、ロディー!」とリリスが頬を揉まれながら聞いてきた。
「ボクはご主人様とご一緒したいです。お役に立てるよう頑張りますので、是非お傍に!」とロディーが近寄ってきて、俺の服を掴みながら言った。
黙って聞いていたエリゼが慌てたように口を開いた。「ねぇ、さっき会ったばかりなんだよね? ちょっと危険じゃない? 子供だけでこんなところにいるのもおかしいし……あやしすぎだよっ」と、二人を怪しんでいる表情で見つめた。
リリスがエリゼの反撃を受けて、触っていた頬が膨れるのが分かった。
「アナタの『お・と・も・だ・ち』は、こんな所に困った子供の私たちを残していくような人じゃないだろ。子供だけでこんな所にいるって……お前たちも同じだろ!? こんな所に置き去りにしろとかって、お前は悪魔なのかっ!」とリリスが「お友達」を強調して言った。それに「悪魔なのか!」って……自分たちが、悪魔だったんじゃないのか?
俺がぷにぷにの頬を触っていると、リリスはエリゼの方を向いていたが、俺の隣にいたロディーの方に顔をグイッと向けた。「貴様、わたしを置いていくような発言だなぁ~。自分だけ『おそばにおいて下さい!』って感じだな……この、裏切り者め……ふんっ」
「決して、そのようなことは……うぅ、レイニー様ぁ……」とロディーが、すがるような子犬のような目で見つめた。
ん……転生をして随分と性格が変わったのか、元々の性格が現れているのか? 幼い頃の性格が出ているのか? ロディーが甘えん坊になり、リリスは男の子っぽい性格になっていて面白く可愛い。まあ、二人とも可愛い姿だから許されることだけどねぇ。
「あぁ……この二人は大丈夫だよ。なにか不審な行動をしたら放り出すからぁ~♪ それにヒドかったら捕らえるしっ」二人を改めて見つめて話した。
「それはないぞ。私はお前に仕えると決めたんだ、裏切るわけがないだろう」とリリスが言い終わると元の向きに戻り、ちらっと俺の方を向いた。「んっ。話は終わったぞ、続きは良いのか?」と言って一歩下がり、頬を触って欲しいのか寄り添ってきた。
リリスも、もしかして頬を触られるのが気に入ってたりして? 俺も気に入ってるけどね。このぷにっとした柔らかさ最高だなぁ……
「ボクだって、裏切るわけがないじゃないですか。ずっと一緒にいると約束しましたよっ」と俺の目を見つめて言い、抱きついてきた。
二人がウソを言っている感じはしない。それどころか好意を感じられた。特にリリスからは、異性に対する好きだという感情も。
あの槍を召喚したからなのか、俺のレベルが上がったからなのか、能力の変化が現れているのに気づいた。
「もぉ……だったら、わたしも……そばにいる! 二人だけずるいっ」ムスッとした表情でエリゼが、地面を見つめて拗ねている口調で言ってきた。
話が終わりかけていたのに……また、おかしな気配が現れた。気づいているのは俺だけなのか? いつもならあーちゃんがビクッと反応するのに……? このダンジョンのある山の上空で距離があるから気づいていないのかな? まだ安全だと思っているのか……
明らかに異質な存在で、人でも悪魔でもない感じなんですけど……上空にいる時点で人間ではないんだけど。
こちらの反応を伺っているのか、徐々に近づいてきた。だが、ダンジョンに入ると転移を使ったのか突然、俺たちの目の前に現れた。
「闇の王ってのはね、闇の支配者で暗闇を支配して負の感情と負のオーラを支配する存在で……悪の存在である魔物や魔界全てを支配する者だぞ!」ツンとした表情と可愛い仕草で説明をしてくれた。うん。リリスの仕草が可愛くて、あまり話が入ってこないかも。
それは、すごい。だが……そんな者になった覚えはないぞ。
「あの槍はイメージをしたら勝手に出てきたんだから、似たような物が出てきただけじゃないの?」まさか、他人の物を召喚って……それ、泥棒じゃん!?
「そのオーラ、その威圧感は間違いなく闇の支配者の証である槍です」ディアブロが頭を下げたまま答えた。
まあ、分からないことを話し合っても時間の無駄だし、なんでも良いやぁ。……俺専用の武器も手に入ったし、戻るか。
「さ、戻るぞ~。ディアブロも擬態してー」向きを変えて、二人に言った。
「王の背中に背負われるのに抵抗があるのですが……レイニー様」とディアブロが気まずそうに言ってきた。
「王じゃないし、命令だよっ。早くしてよぉ~置いてくよ!」
「……はい。命令とあらば……お願いします」いつもとは違い、ディアブロは緊張した感じだった。
あーちゃんが可愛いぬいぐるみのバッグに擬態し、リリスと二人の元へ戻った。武器を二人に自慢したかったが、説明が面倒なのでやめておいた。というか……説明できないし。理解していないものを自慢しても良いことはないと思う。厄介ごとに巻き込まれるだけだよなぁ……
「おかえりーお兄ちゃん! なにしてたの?」エリゼが心配をした表情で聞いてきた。
「魔物の討伐と話を少しね」そりゃ聞かれるよね。答えを用意をしていなくて、思いついたことを言って誤魔化した。
「ふぅ~ん……話って?」とエリゼがジト目で見ながらさらに聞いてきた。
「しつこい女は嫌われるぞっ」とリリスが呟くと、エリゼはムスッとした表情になったが、納得したのか俯いて黙ってしまった。
「武器の話とか、魔法の話だよな~リリス?」とリリスの頬をむにゅっと摘みながら聞いた。
「痛いっ。もぉ……そうよ。武器と魔法の話だけ!」とリリスが涙目になりながら答え、睨んできた。
やっぱりリリスの頬は触り心地がいいなぁ~♪ ぷにっと柔らかく弾力があって、温かくしっとりしてる! ぷにぷにと触りながら話を続けた。
「そろそろ帰らないとなぁ……」と俺が呟いた。
「帰るって……どこに帰るんだよっ。私たちはどうすれば良いんだ? ここで待機とかイヤだぞ!? なぁ~、ロディー!」とリリスが頬を揉まれながら聞いてきた。
「ボクはご主人様とご一緒したいです。お役に立てるよう頑張りますので、是非お傍に!」とロディーが近寄ってきて、俺の服を掴みながら言った。
黙って聞いていたエリゼが慌てたように口を開いた。「ねぇ、さっき会ったばかりなんだよね? ちょっと危険じゃない? 子供だけでこんなところにいるのもおかしいし……あやしすぎだよっ」と、二人を怪しんでいる表情で見つめた。
リリスがエリゼの反撃を受けて、触っていた頬が膨れるのが分かった。
「アナタの『お・と・も・だ・ち』は、こんな所に困った子供の私たちを残していくような人じゃないだろ。子供だけでこんな所にいるって……お前たちも同じだろ!? こんな所に置き去りにしろとかって、お前は悪魔なのかっ!」とリリスが「お友達」を強調して言った。それに「悪魔なのか!」って……自分たちが、悪魔だったんじゃないのか?
俺がぷにぷにの頬を触っていると、リリスはエリゼの方を向いていたが、俺の隣にいたロディーの方に顔をグイッと向けた。「貴様、わたしを置いていくような発言だなぁ~。自分だけ『おそばにおいて下さい!』って感じだな……この、裏切り者め……ふんっ」
「決して、そのようなことは……うぅ、レイニー様ぁ……」とロディーが、すがるような子犬のような目で見つめた。
ん……転生をして随分と性格が変わったのか、元々の性格が現れているのか? 幼い頃の性格が出ているのか? ロディーが甘えん坊になり、リリスは男の子っぽい性格になっていて面白く可愛い。まあ、二人とも可愛い姿だから許されることだけどねぇ。
「あぁ……この二人は大丈夫だよ。なにか不審な行動をしたら放り出すからぁ~♪ それにヒドかったら捕らえるしっ」二人を改めて見つめて話した。
「それはないぞ。私はお前に仕えると決めたんだ、裏切るわけがないだろう」とリリスが言い終わると元の向きに戻り、ちらっと俺の方を向いた。「んっ。話は終わったぞ、続きは良いのか?」と言って一歩下がり、頬を触って欲しいのか寄り添ってきた。
リリスも、もしかして頬を触られるのが気に入ってたりして? 俺も気に入ってるけどね。このぷにっとした柔らかさ最高だなぁ……
「ボクだって、裏切るわけがないじゃないですか。ずっと一緒にいると約束しましたよっ」と俺の目を見つめて言い、抱きついてきた。
二人がウソを言っている感じはしない。それどころか好意を感じられた。特にリリスからは、異性に対する好きだという感情も。
あの槍を召喚したからなのか、俺のレベルが上がったからなのか、能力の変化が現れているのに気づいた。
「もぉ……だったら、わたしも……そばにいる! 二人だけずるいっ」ムスッとした表情でエリゼが、地面を見つめて拗ねている口調で言ってきた。
話が終わりかけていたのに……また、おかしな気配が現れた。気づいているのは俺だけなのか? いつもならあーちゃんがビクッと反応するのに……? このダンジョンのある山の上空で距離があるから気づいていないのかな? まだ安全だと思っているのか……
明らかに異質な存在で、人でも悪魔でもない感じなんですけど……上空にいる時点で人間ではないんだけど。
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