転生したら王族だった

みみっく

文字の大きさ
60 / 223
第一章 - 出会いと成長

60話 領地が欲しい

しおりを挟む
 ルフィアに続きミーニャ、ミアまで獣人族の村から連れ帰り、俺の部屋やじゃ狭くなってきた。部屋は3部屋も貰っていたけど、起きていれば……俺のところへ集まってきちゃう。

 あーちゃん、リリス、ロディー、セラフィーナ、ルフィア、ミーニャ、ミアで、俺を入れて8人だ。このままいくと更に増える気がするんだけど……

 このまま部屋を増やしてもらっても……すぐにいっぱいになっちゃいそうだよねぇ……。お父さまにお願いして王都内の屋敷をもらっても獣人どころか、天使や悪魔にドラゴンまでいるしなぁ……目立つよね。なぜか獣人族はいやがられているし。ならば、いっそうのこと廃村とかが欲しいなぁ~
 どうせなら人が寄り付かなそうな広大な土地が欲しいなっ♪ 人がいない廃村や町で、王都や街から遠いなら利用価値もなくて貰えそうだよね~!

 
 さっそくお父さまに、お願いをすると領地経営に目覚めたと勘違いをされ、王都の近くの立派な領地を渡されそうになった。危ない……そんな領地じゃ、獣人族や仲間と一緒に暮らしたら大騒ぎじゃん。それにメイドさんや兵士まで送り込まれちゃうじゃん。領地の勉強で先生とか、お偉いさんもセットでしょ、多分。それは、勘弁して欲しい……

 慌てて否定をして、新しく村を作りたいとお願いすると、子供のお遊びだと思ったらしく「廃村を見つけたら好きにするが良い。立派な村を作れると良いな!楽しみにしておるぞ……レイニー」と、笑顔で了承してくれた。

「はい。がんばります! 廃村を見つけたら村作りを初めたいので、書面でお父さまの許しをお願いしまーす♪」と、ちゃっかり書面を貰っておく。

「よし。分かった、書面を発行しレイニーに渡してやってくれ」と控えていたお役人に指示を出してくれた。

「わぁ~い。村を作って良いんだね~♪」俺が喜んでいると、お父さまはニコニコして眺めていた。

 周りには目的地は言わずに、村の候補地を探しに行くとだけ伝え「しばらくは、帰れないかなぁ~良いですかぁ?お父さまぁ~」と甘えた声で、お父さまにお願いをした。勿論、許可も出たので気兼ねなく外泊が出来るようになった。

 森が良いよなぁ……森なら獣人族の村より奥地が良いよなぁ。

 書庫に入り、テーブルに地図を広げて、王都の近くのいくつかの森の名前で村を探し、本を読み漁っていると良さそうな廃村があった。書庫にあった古い文献を読んだが、すでに「無秩序の森」と記載されていた。かなり昔から危険な場所だったようだ。

 文献によると、「この地にはかつて村があり、住民たちは豊かな暮らしをしていた。しかし、魔物の出現と襲撃が多発したために物流が途絶え、村は廃村となった」と記されていた。わぁ……ここって、俺が求めている廃村じゃないのかなぁ!期待に胸が膨らむなぁ~♪

 部屋に戻り皆に引っ越しの話をしてあったので、準備はできている。
 
「さっ!みんな、引っ越しをするよ~」と、言うと皆が笑顔になった。まあ、王城じゃ気を使って居づらいよね。それに自由に出歩けないしなぁ。

 最近じゃ、王城に寝に帰ってきてるような暮らしだったし。

 おおよその位置を特定していたので、馬車で王都を抜け街の外で馬車から下りると、そこからは転移で移動した。

 一瞬で、周りの風景と雰囲気が変わり異様な雰囲気があたりを覆っていた。普通の森の雰囲気ではなく、ダンジョンの奥に進むにつれて空気が重く冷たくなるような感じに似ている。そして、最大の特徴は……ダンジョンの奥に潜む強大な魔物の発するオーラというか気配が、この辺りにしている。

「さっそく獲物にされてるっぽいね? 美味しそうに見えるのかなぁ~♪」と言うと、ルフィアが顔を引き攣らせて「お兄ちゃん、何を言ってるのぉ……ここ、ヤバい気配がいっぱいだよぉ!!」泣きそうな声で言ってきた。

「レイニー様、どこに連れてきたんだよぅ……!周りヤバい魔物だらけだぞぉー!しかも普通の魔物じゃないしっ!」リリスも顔を引き攣らせて言ってきた。

戦闘好きだったミアも顔を引き攣らせていた。「うわぁっ。ここどこ?ムリムリ……レイニーくん。たすけてっ」と言って腕に抱きついてくる。

「どこ、ここ?もりだね……。狩りできるかなぁ?」ミーニャは、魔物を恐れないのか……魔物の気配が分からない?そんな訳ないか。ミーニャは、魔物の気配を探るのが得意だし。ということは、恐れていないのかな?

 戦闘は避けて結界を張り、進んでいく。
 
 うん。ここイメージ通りかも! ここなら誰もこなさそうだし、好きに暮らせるんじゃない? 俺が転移で連れてきた者だけが入れるって感じだし。

 周りに気を使わなくて、のんびりと暮らせるね。派手に暴れても、多少なら大丈夫そうだし。広大な土地で、この村の周りに村や町は無い。

 たどり着いた村を探索すると、結構広く立派な家も建っていた。お屋敷もあり原型をとどめていたので、そこをキレイにすれば住めそうだった。

「ねぇ~こっち!この屋敷は住めそうだよ!大きくて立派だし、いい感じだよ♪」

「掃除が大変そうですねぇ……。でも、レイニーくんが言う通り屋敷自体はシッカリしてそうですね」セラフィーナが周りを見渡して言った。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

小さな貴族は色々最強!?

谷 優
ファンタジー
神様の手違いによって、別の世界の人間として生まれた清水 尊。 本来存在しない世界の異物を排除しようと見えざる者の手が働き、不運にも9歳という若さで息を引き取った。 神様はお詫びとして、記憶を持ったままの転生、そして加護を授けることを約束した。 その結果、異世界の貴族、侯爵家ウィリアム・ヴェスターとして生まれ変ることに。 転生先は優しい両親と、ちょっぴり愛の強い兄のいるとっても幸せな家庭であった。 魔法属性検査の日、ウィリアムは自分の属性に驚愕して__。 ウィリアムは、もふもふな友達と共に神様から貰った加護で皆を癒していく。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。 しかし職業は最強!? 自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!? ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。 ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。 仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。

転生チートは家族のために ユニークスキル『複合』で、快適な異世界生活を送りたい!

りーさん
ファンタジー
 ある日、異世界に転生したルイ。  前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。  そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。 「家族といたいからほっといてよ!」 ※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

処理中です...