転生したら王族だった

みみっく

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第一章 - 出会いと成長

62話 招かざる客

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 屋敷でくつろいでいると、強大な気配が複数ここを目掛けてやってくる気配がする。まだ、誰も気づいていないのか、くつろいだままだった。
 
 この村に目掛けて一直線で向かってくるので、明らかに上空からで間違いなさそうだ。
 
 地上からならば速度が落ちるし、森なので木が生えているし巨木もたくさん生えていて直進をするのは難しい。

「わぁっ!レイニーくん、あのぅ……わたしに、やっかいな客人が来てしまったぁ。ごめーん、この辺りに被害が出るかも……」ミアが申し訳無さそうな表情で言ってきた。

「ミアと他のメンバーも屋敷の中で待機しててくれるかな。」ドラゴンのミアが負傷をする程のワイバーンでしょ?他のメンバーも危ないかもだし。

 リリスだけがムスッとした表情で、他のメンバーは素直に頷いていた。

 あぁ~ワイバーンの群れかぁ。でも、ドラゴンなら10匹程度なら余裕じゃないのか?と思いつつ屋敷の外へ出て開けた場所へ移動をすると、初めて見るワイバーンだったが……これって、ドラゴンじゃないの!?大きさも空を覆うほどに大きく、威圧感も他の魔獣と比べても桁違いだし……攻撃力も高そうじゃん。

 ミアは、こんなのが棲む巣にイタズラをしたの!?はぁ……そりゃ、勝てないっていうのも理解できるわぁ。しかもさぁ……1体でも面倒そうなのに、群れで襲われたって言ってたよね、それって今の状況じゃないの!?

上空を旋回し、ミアの気配を探っているとか?魔獣だよね!?かなりの知能の高さがあったりして……だとしたら連携とかされたら面倒じゃん。

 「とっとと片づけよ……森を荒らされちゃ困るしさぁ。」と思っていると先手を打たれ、ファイアブレスを放ってきた。それは、巨大で火力もあり森が火の海になるほどの威力がありそうだった。

 バリアで防ぎ、お返しに手を翳し黒炎弾を放つが小さくか弱い黒炎が放たれ途中で消滅した。

 はぁ?あれ?え?魔力切れとか??こんな戦闘中に……マズイでしょ。でも……普段通りに過ごしてたし、魔法は転移と屋敷の魔石に魔力を……補充……しちゃったね。魔石に補充したのが原因か……?

 待てよ、バリアも魔法だよね。他の魔法を試してみるか……手を翳し、狙いを定めて「ファイアショット」と呟き魔法を放った。

 黒炎弾が小さくか弱い感じだったので、魔力量をいつもよりも少し増やし放ったので、巨大な火球閃光を放ち勢いよくワイバーンを目掛けていった。

 うわっ、デカ過ぎでしょ……あれじゃファイアボールじゃん。

 ゴォォォっと地鳴りのような低い音を放ち上空に飛んでいきワイバーンには当たらずに消えたが、ファイアショットの軌道の近くにいたワイバーンが正面にバリアを張っていたが、熱のダメージで完全に焼かれ体から煙を上げながら落下をしていくのが見えた。

 あれ?いつも通りに戻ってる。闇魔法の調子が悪いのかも……。

 さっきの黒炎弾の事で不安になり、多重魔法を使い頭上に複数の赤く光る魔法陣が展開し、ワイバーンに目標を定めると自動で閃光を放ちファイアショットがワイバーンを目掛け飛んでいき、ワイバーンの張ったバリアを軽々と貫通し7体のワイバーンが墜落し2体のワイバーンが初弾の大きなファイアショットで身の危険を察知をして、すでに逃げていた。

 そういえば、文献か兵士かにワイバーンは美味しいという情報を得ていた気がする。その前にワイバーンって……倒せるやつがいるのか!?うちの王国の兵士じゃムリだぞ……。ワイバーンは飛んでるし、魔法も射程外だと思うし。

 もし攻撃で低空飛行をしていたとしても剣や槍の武器でダメージが入る可能性はないと思う。魔法も通じないと思う……ということは、デマじゃない?まあ、ミアのようなもの好きが倒したワイバーンを見つけて調理した者がいたのかもなぁ。

 一応、非常食でワイバーンを回収をしておくか~。倒した全ての獲物をアイテムボックスに収納した。

 村の近くで1体のワイバーンを収納から出し、解体を始めると巨大な魔石を発見した。そこで思いついたのが、スキルの「合成と分離スキル」のレベルが上がっていて、上位の「加工スキル」の使用が可能となっていた。

 デカい魔石を球体に加工をして、破壊された結界の魔石の場所へ置き、結界の付与魔法を付与した。転移をして6箇所に魔力を補充すると、無事に結界が張られたのを確認ができた。これで、村全体が結界で守られている。

 結界の効果で紫のモヤが村から消え去り、不気味な雰囲気も遮断されて快適空間となった。

 不気味な雰囲気と言うか……負のオーラのような感じ何じゃないかなぁ……?とか考えながら、廃村を歩き屋敷へ戻っているとキョロキョロと辺りを見回し、深い紫色のような黒髪を揺らした少女が向かいから早歩きで、こちらへ向かってきていた。

「ん?リリス?」大きめな声を出し呼ぶと、気が付き嬉しそうな表情をして駆け寄ってきた。

「もぉ!おそいぞ。心配掛けるなよなぁ~」安心するとムスッとした表情になり、文句を言って俺の服をそっと掴んでそっぽを向いた。その仕草が可愛くてニコニコしてしまう。

「……なによ。人が怒ってるのに、ニコニコするなよなぁ~」そっぽを向いていたはずのリリスがチラチラと俺の表情を確認して怒っていた。

「えぇ~だって、リリスが迎えに来てくれたんだもん。嬉しいじゃん♪」リリスの手を取ると、手を繋ぎ歩き始めた。
 
「は?違うし、迎えに来てないし。勘違いしないするなよな~ふんっ」言葉とは裏腹に嬉しそうな表情をして、手を握り返してきた。
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