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第一章 - 出会いと成長
86話 ダンジョンの7階層
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「ねぇ~、俺の出番がないんだけどぉ~?」二人に向かって呟いた。
「お兄ちゃんは、強いんだから練習をしなくても良いんじゃないのぉ?」ルフィアが首を傾げて言ってきた。
「えぇ~つまんなーい。暇なんだもーんっ!」駄々をこねる子供のように言うと、ミーニャが近寄ってきて、つま先立ちになり頭を撫でようと手を伸ばし、プルプルと足を震わせていた。「んっしょ……っ! んぅ……っ、とどかない……かがんでぇ」とミーニャが呟いた。
言われた通りに屈むと、満足気に俺の頭を撫でて「待っててね。いい子だからぁ……」その光景を見ていたルフィアが笑うのを堪えているような……気がする。俺たちに背を向けて震えてるし……。ううぅ……恥ずかしいんですけど。
「ルフィア……笑ってない? ねぇー」ムスッと頬を膨らませ、ミーニャに頭を撫でられながら文句を言った。
「え、ううん。笑って……ない……よ♪ うふふ……。だってーお兄ちゃん、可愛いっ。わたしも撫でるっ」二人に頭を撫でられ……恥ずかしいけど、悪い気はしないかも。むしろ癒やされるね。
「よし、次のボスで最後にして帰ろうか~」
「「はーい♪」」二人の返事が揃った。息がぴったりじゃん。さっきも連携をしてたし、良いコンビかもね♪
「次のボスは、連携して倒してみれば?最後だしさぁ~」
「うん。それが良いかも。いい練習になるし」ルフィアがミーニャを見て返事をした。 「うん。ルフィアとの連携、好きー」再びルフィアにガシッと抱きついた。
「うん。うん。わたしも、ミーニャとの連携攻撃好きだよー。キレイに連携が決まると気持ちいいもんね♪」ミーニャの頭を撫でてた。
次の階層に下りると雰囲気が一変した……そこは、無秩序の森に似ていて、村へ帰ってきた懐かしい感じがした。
「あれ? ここ森の感じー」ミーニャも同じ感じがするみたい。
「うん。森と同じ雰囲気だね。村に帰ってきたみたい」ルフィアも辺りを見回して呟いた。この感じは、負のオーラに近い闇の魔力が満ちている気がする。
って、事は……うちの村の警護で使っている魔物が現れる感じかな?
進んでいくと思った通り、闇属性の魔物が現れた。シャドウゴブリン、ゾンビ、ダークラットが主に現れた。ダークラットは群れで襲いかかってくるが、二人の敵にはならずに大量に倒し、大量の経験値を得た。
シャドウゴブリンやゾンビは、スケルトンウォリアーに比べれば大したことないのか、恐れもせずに倒していた。
普通ならばこの闇の魔力が満ちた場所で戦意を喪失するか精神ダメージがあると思う。二人は、ここより環境が悪い無秩序の森で生活をしていたせいで耐性が付いたみたい。
恐れていたヘルハウンドやデスナイトは……さすがに現れなかった。現れたらどうなんだろう?俺にも攻撃をしてくるのかな?
気になって、ラヴェンナに聞いてみた。「ここでさ、デスナイトが現れたら、俺にも攻撃をしてくるのかな?」
「いえ、攻撃はされないかと。特に闇属性の魔物は完全に配下になっておりますので……もし攻撃をするようでしたら私が、教育を……」と不快な表情をして答えた。
「でもさぁ~上層階で、俺を狙っていた魔物もいたよね?」
「それは、負のオーラを抑えていたからだと思います」なるほど。完全に負のオーラは消してるしね。
さらに進むと、暗いダンジョンの中、恐ろしい負のオーラを纏った魔物がその存在感を放ちながら現れた。ミーニャとルフィアはお互いに頷き、即座に連携して戦う態勢に入った。ミーニャは手甲鉤をしっかりと握り、ルフィアは双剣を構えた。
魔物が咆哮を上げて突進してくると、ミーニャは素早く前方に飛び出し、鋭い手甲鉤で魔物の脚を狙った。その動きは流れるようで、一瞬で魔物の注意を引きつけた。その隙にルフィアが背後から高速で接近し、双剣を振るって魔物の背中に鋭い一撃を加えた。
二人の連携はまさに完璧で、ミーニャが魔物の攻撃を引き受けてかわす間に、ルフィアが次々と致命的な一撃を繰り出していく。ミーニャの敏捷性とルフィアの力強い攻撃が絶妙に組み合わさり、魔物は次第に追い詰められていった。
ミーニャが魔物の注意を引きつけている間、ルフィアはその機動力を活かして高くジャンプし、空中から双剣で急所を突いた。その攻撃に魔物が苦しんでいる間、ミーニャは一瞬の隙を逃さずに手甲鉤で喉元を貫いた。魔物は力尽きて地面に崩れ落ちた。
息を整えながら、ミーニャとルフィアは互いに笑顔を交わし、連携が見事に成功したことを確かめ合った。二人の絆がさらに強くなり、連携がきれいに決まり嬉しそうだ。見ている方も二人の舞を見ているようで美しく、危なげがなく見とれてしまう程だ。
……え? あっという間に終わっちゃったんですけど……ここ、最深部だよ。俺、完全に保護者って感じで、ただ二人を後ろから見守ってただけじゃん。
まあ、二人が楽しそうに攻略してレベル上げもできたし、宝やアイテムも山ほど手に入れたし……良いか。
そういえば……最下層で見つけたアイテムに古代の書物で、ドラゴンのことが書いてあったなぁ。帰ったらゆっくりと読んでみようかなっ。
ホントならダンジョンを歩いて戻るんだけど……面倒なので、ズルをして転移で帰宅した。
初ダンジョンで7階層を制覇したってすごいんじゃないかな……確か、このダンジョンはBランクの冒険者が5人以上のパーティを組んで徐々に攻略するってエリゼが言ってた気がする。回復魔法の使い手は絶対に必要だって言ってたなぁ……回復魔法も回復アイテムも使ってない。それに俺は何にも手助けをしてない。
二人だけで冒険者のBランクの同等以上のランクがあるってことか。
「お兄ちゃんは、強いんだから練習をしなくても良いんじゃないのぉ?」ルフィアが首を傾げて言ってきた。
「えぇ~つまんなーい。暇なんだもーんっ!」駄々をこねる子供のように言うと、ミーニャが近寄ってきて、つま先立ちになり頭を撫でようと手を伸ばし、プルプルと足を震わせていた。「んっしょ……っ! んぅ……っ、とどかない……かがんでぇ」とミーニャが呟いた。
言われた通りに屈むと、満足気に俺の頭を撫でて「待っててね。いい子だからぁ……」その光景を見ていたルフィアが笑うのを堪えているような……気がする。俺たちに背を向けて震えてるし……。ううぅ……恥ずかしいんですけど。
「ルフィア……笑ってない? ねぇー」ムスッと頬を膨らませ、ミーニャに頭を撫でられながら文句を言った。
「え、ううん。笑って……ない……よ♪ うふふ……。だってーお兄ちゃん、可愛いっ。わたしも撫でるっ」二人に頭を撫でられ……恥ずかしいけど、悪い気はしないかも。むしろ癒やされるね。
「よし、次のボスで最後にして帰ろうか~」
「「はーい♪」」二人の返事が揃った。息がぴったりじゃん。さっきも連携をしてたし、良いコンビかもね♪
「次のボスは、連携して倒してみれば?最後だしさぁ~」
「うん。それが良いかも。いい練習になるし」ルフィアがミーニャを見て返事をした。 「うん。ルフィアとの連携、好きー」再びルフィアにガシッと抱きついた。
「うん。うん。わたしも、ミーニャとの連携攻撃好きだよー。キレイに連携が決まると気持ちいいもんね♪」ミーニャの頭を撫でてた。
次の階層に下りると雰囲気が一変した……そこは、無秩序の森に似ていて、村へ帰ってきた懐かしい感じがした。
「あれ? ここ森の感じー」ミーニャも同じ感じがするみたい。
「うん。森と同じ雰囲気だね。村に帰ってきたみたい」ルフィアも辺りを見回して呟いた。この感じは、負のオーラに近い闇の魔力が満ちている気がする。
って、事は……うちの村の警護で使っている魔物が現れる感じかな?
進んでいくと思った通り、闇属性の魔物が現れた。シャドウゴブリン、ゾンビ、ダークラットが主に現れた。ダークラットは群れで襲いかかってくるが、二人の敵にはならずに大量に倒し、大量の経験値を得た。
シャドウゴブリンやゾンビは、スケルトンウォリアーに比べれば大したことないのか、恐れもせずに倒していた。
普通ならばこの闇の魔力が満ちた場所で戦意を喪失するか精神ダメージがあると思う。二人は、ここより環境が悪い無秩序の森で生活をしていたせいで耐性が付いたみたい。
恐れていたヘルハウンドやデスナイトは……さすがに現れなかった。現れたらどうなんだろう?俺にも攻撃をしてくるのかな?
気になって、ラヴェンナに聞いてみた。「ここでさ、デスナイトが現れたら、俺にも攻撃をしてくるのかな?」
「いえ、攻撃はされないかと。特に闇属性の魔物は完全に配下になっておりますので……もし攻撃をするようでしたら私が、教育を……」と不快な表情をして答えた。
「でもさぁ~上層階で、俺を狙っていた魔物もいたよね?」
「それは、負のオーラを抑えていたからだと思います」なるほど。完全に負のオーラは消してるしね。
さらに進むと、暗いダンジョンの中、恐ろしい負のオーラを纏った魔物がその存在感を放ちながら現れた。ミーニャとルフィアはお互いに頷き、即座に連携して戦う態勢に入った。ミーニャは手甲鉤をしっかりと握り、ルフィアは双剣を構えた。
魔物が咆哮を上げて突進してくると、ミーニャは素早く前方に飛び出し、鋭い手甲鉤で魔物の脚を狙った。その動きは流れるようで、一瞬で魔物の注意を引きつけた。その隙にルフィアが背後から高速で接近し、双剣を振るって魔物の背中に鋭い一撃を加えた。
二人の連携はまさに完璧で、ミーニャが魔物の攻撃を引き受けてかわす間に、ルフィアが次々と致命的な一撃を繰り出していく。ミーニャの敏捷性とルフィアの力強い攻撃が絶妙に組み合わさり、魔物は次第に追い詰められていった。
ミーニャが魔物の注意を引きつけている間、ルフィアはその機動力を活かして高くジャンプし、空中から双剣で急所を突いた。その攻撃に魔物が苦しんでいる間、ミーニャは一瞬の隙を逃さずに手甲鉤で喉元を貫いた。魔物は力尽きて地面に崩れ落ちた。
息を整えながら、ミーニャとルフィアは互いに笑顔を交わし、連携が見事に成功したことを確かめ合った。二人の絆がさらに強くなり、連携がきれいに決まり嬉しそうだ。見ている方も二人の舞を見ているようで美しく、危なげがなく見とれてしまう程だ。
……え? あっという間に終わっちゃったんですけど……ここ、最深部だよ。俺、完全に保護者って感じで、ただ二人を後ろから見守ってただけじゃん。
まあ、二人が楽しそうに攻略してレベル上げもできたし、宝やアイテムも山ほど手に入れたし……良いか。
そういえば……最下層で見つけたアイテムに古代の書物で、ドラゴンのことが書いてあったなぁ。帰ったらゆっくりと読んでみようかなっ。
ホントならダンジョンを歩いて戻るんだけど……面倒なので、ズルをして転移で帰宅した。
初ダンジョンで7階層を制覇したってすごいんじゃないかな……確か、このダンジョンはBランクの冒険者が5人以上のパーティを組んで徐々に攻略するってエリゼが言ってた気がする。回復魔法の使い手は絶対に必要だって言ってたなぁ……回復魔法も回復アイテムも使ってない。それに俺は何にも手助けをしてない。
二人だけで冒険者のBランクの同等以上のランクがあるってことか。
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