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第十章
Ⅳ
しおりを挟む…舞台?
『やっぱり~気づかれてなかった~
先週会った時点で分かってたことだけど~』
「は、え?」
『記念すべきたっくんと翠さんの初デートでご観劇いただきました「燃えるマリーゴールド」で魔法使い役を演じました、新人女優の琥珀です!』
「デッ、まっ、え?」
急に慌て出す私に、龍海さんが不審そうな顔をする。
デートじゃないけど、いや、それより…
…言ってた。
魔法使い役知り合いだって、龍海さん、言ってた!
『また、たっくんから取り立てのような圧を受け勝ち取りました「ヨルと森」でベラを演じております!』
獅音さんが言っていた…
知り合いの方に圧をかけていたと…!
「あっ、あぁ…」
「おい、大丈夫か。」
『次に会った時に、魔法使いの杖からなんで火が出たか、教えますね』
龍海さんが、知り合いに聞いておくと、言っていた…
「…ごめんなさい。琥珀さん。」
『…謝ることなんて、なにもないでしょう。
また今度、是非劇場までご来場ください。
よかったらうちのバカ兄二号と一緒に。』
「…はい。」
『まぁ、不甲斐ないたっくんに愛想が尽きても、私とは友達になってください!
私、翠さんのこと大好きになっちゃった!』
「ふふっ、私も大好きです。」
「えっ…」
『わ~い、両思い!あはは!
誤解がとけてよかった!
じゃあたっくんに代わってもらえますか?
喝入れとくんで!』
「ふふっ、分かりました。
…琥珀さん、ありがとうございます。」
『こちらこそ、ありがとうございます。』
「…はい、龍海さん。ありがとうございました。」
「っ、あぁ」
何故か少し耳が赤い龍海さんに携帯を返した。
応援ありがとうございます!
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