同性の異性に告白された話

蛹田 双樹

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依采という人物

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 ボクのクラスにはあまり目立とうとしない大人しい女の子がいる。第一印象は、''仲良く慣れそうにない"だった。いつも本を読んでいて周りの人と話そうとしない。積極性がなくていつまでも自分の殻に閉じこもっているようなそんな印象だった。それが変化したのは、紛れもなくあの時だ。
「やっぱさ~彼氏にするならイケメンに限るよね~。」
「でも、顔は良くても中身がクズだと嫌だわw」
放課後の教室内で談笑する女子たちの会話。いつも、うるさくて鬱陶しい。そんなことを内心思いながらも、彼女たちの会話が耳に入る。
「あ~あとさ、あれも嫌だな。"男なのに女みたいな奴"。」 
ドキリとした。まるで、自分否定されているような、そんな言われようをされたような気がした。けれど、"ボク"を否定されたわけではないはずだと自分に言い聞かせて落ち着きを取り戻そうとした。その時だ。
「…話が聞こえてきて気分が悪いです。そのような話をされるなら教室でするべきではないと思いますよ。」
彼女たちの会話を真っ向から否定してきた人物がいた。それが"雨宮唯愛"だった。
「それなら聞かなければいいじゃん!雨宮さんには関係ない話でしょ?」
会話を中断されて気分が悪くなったのか一人の女子が雨宮さんに向かって強気な口調で言った。
「確かにその話は私には関係ないけど、まず声が大きすぎるんです。最低限のマナーは守っていただかないとお互い気分が悪いでしょう?」
最もな意見だと思った。彼女たちの会話は間接的にではあるが"ボク"のような人を傷つける内容だ。彼女たちに悪意はなくても傷つく人間がいることをボクは知っている。
「…っ。…行こ。」
雨宮さんの言葉に反論できなかった彼女たちは、雨宮さんから逃げるようにして帰っていった。
そのときの雨宮さんがボクはどうしても忘れられなかった。自分の足でちゃんと立って自分の意見を自分で否定しないような姿がとても 
「…かっこいい。」
これはボクが"ボク"であるための物語。そしてボクが彼女、雨宮唯愛に愛を伝え続ける物語。
………………
 小さい頃から、ボクは"普通"じゃなかった。小さい頃の記憶は、時間が経つにつれて薄れていくものだと言うけど、ボクの場合は薄れず今も当時のことが頭から離れてくれない。
 端的に言えば、ボクは"自分の性別がはっきりしていない"。"女の子でありたい自分"と"男の子でありたい自分"がいる。
雨宮唯愛を好きになったのも、"どちらの自分かはっきりしていない"まま、告白をしてしまった。自分でも無責任なことくらいはわかっているけど……今はまだボクを普通の人間として見てくれる唯愛から離れたくない。
 


    
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