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第四十一話 仇討 その九
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「そう言えば、さっきノイ様に喧嘩を売った奴はどうなりましたかねえ?」
「ああ、さっきぶん殴った奴か。生きてはいないぞ」
「とりあえず、探してみましょう」
「それも、そうだな」
ノイは公一立ち止まって、まじまじと見つめた。
「なにか? この格好ですか? 確かに不格好ですよね。あとで何とかしますから」
「……あ、ああ。まあな」
ノイは少し目を伏せて返事をした。
「……鈍感」
「何か言いましたか?」
「いいや、なんでもない。たしか、あっちにぶっ飛ばしたんだったな」
「どうにも記憶があいまいで、まだぼんやりとしてます」
二人はハイエナ頭が吹き飛んだ方向に向かって歩き出した。
「あ、数珠が無い!」
「いまさら何を言っているのか。お前が牙を飲み込んだ時に、
服と一緒に燃えてしまったよ」
「失敗したなあ。あれは便利だったのに、最初に外せばよかったです。身体は熱かったのは、なんとなく覚えていますが、まさか燃えてしまうなんて」
「まあ、いいじゃないか。ずっと強くなったんだ。これから判るからな」
「少しずつでも試します。お、いたいた。随分と変わりましたね
ハイエナ頭は壁に叩きつけられた勢いでつぶれ、一枚の革で出来た飾りになっていた。
「言った奴がこの有り様か。まあこんなもんだ」
「ところで牙は上下で四本ですよね」
「残りは一本だ。こいつが持ってきた牙は下の牙だ」
「どうして一本だけなんですか? 上の牙もあるじゃないですか」
「とうしてもこあしても、上の牙は私以外には絶対に取れないからな」
「そうですか。持っている奴は必ず来ます。腕に自信があるなら、名を上げる良い機会のはずです」
「これが戦の狼煙の代わりにはなるだろ。少しは役に立ったな」
ノイなりの宣戦布告だった。
公一の顔に笑みがこぼれた。
仲間の死を面に出さないノイの強い心にだった。
「何をニヤニヤしている?」
ノイは口を尖らせた。
「凛々しい、ノイ様も可愛いかなと」
「いつも私は強いぞ」
公一は黙ってノイの肩を抱きよせた。
初めはむずがったノイだったが、すぐに身をまかせてくれた。
「必ず仇はとりましょう」
「ああ、取るとも。ただ、抱いている男がもう少し男前なら、歌にもうたわれるものを。そこが残念だ」
照れ隠しに憎まれ口をきいた。
公一はなにも言わずにノイを抱く腕に力を込めた。
壁に張り付いた化け物の死体を、見上げる男女の姿を、他の人間が見ればどう思うだろう。
「必ず後悔はさせてやる。公一頼むぞ」
ノイは息巻まいた。
「さて、行きますか。地図を確かめながらですが」
「そうだな、こいつが言っていた人間が、何のためにここに来かを調べるのも面白いだろう
「まずは大龍のもとに行きましょう」
「そうだな、それも大事なことだ。忘れてはいないからな」
ノイの組んだ指を鳴らした。
「それで、どっちに行く?」
「こいつが出てきた天井の穴とつながる通路があると思います」
「よし分かった。小鬼の通り道を探せばいいんだな」
ノイは声をあげた
「ああ、見つけた。この先に広間の出入り口があるはずだ。公一、ついてこい」
道をたどると二人は難なく広間の出入り口を見つけ、豪華な装飾が施されたアーチ状の門をくぐった。
公一は右腕の数珠を触ろうとして苦笑した。
「いつもの癖ですね。それに指輪もない」
「言葉も判るだろう? 私の力の恩恵だ。ありがたく思え」
公一は通路に流れる空気の流れを顔に受けた。
「一旦、引き返しましょう。広間に戻ります」
「どうした? 何かいるのか?」
「地図の確認です。通路は広間より暗いので明かりを灯すと、良い的になりかねません」
公一は本に書いてある地図を丹念に調べ始めた。
「ああ、さっきぶん殴った奴か。生きてはいないぞ」
「とりあえず、探してみましょう」
「それも、そうだな」
ノイは公一立ち止まって、まじまじと見つめた。
「なにか? この格好ですか? 確かに不格好ですよね。あとで何とかしますから」
「……あ、ああ。まあな」
ノイは少し目を伏せて返事をした。
「……鈍感」
「何か言いましたか?」
「いいや、なんでもない。たしか、あっちにぶっ飛ばしたんだったな」
「どうにも記憶があいまいで、まだぼんやりとしてます」
二人はハイエナ頭が吹き飛んだ方向に向かって歩き出した。
「あ、数珠が無い!」
「いまさら何を言っているのか。お前が牙を飲み込んだ時に、
服と一緒に燃えてしまったよ」
「失敗したなあ。あれは便利だったのに、最初に外せばよかったです。身体は熱かったのは、なんとなく覚えていますが、まさか燃えてしまうなんて」
「まあ、いいじゃないか。ずっと強くなったんだ。これから判るからな」
「少しずつでも試します。お、いたいた。随分と変わりましたね
ハイエナ頭は壁に叩きつけられた勢いでつぶれ、一枚の革で出来た飾りになっていた。
「言った奴がこの有り様か。まあこんなもんだ」
「ところで牙は上下で四本ですよね」
「残りは一本だ。こいつが持ってきた牙は下の牙だ」
「どうして一本だけなんですか? 上の牙もあるじゃないですか」
「とうしてもこあしても、上の牙は私以外には絶対に取れないからな」
「そうですか。持っている奴は必ず来ます。腕に自信があるなら、名を上げる良い機会のはずです」
「これが戦の狼煙の代わりにはなるだろ。少しは役に立ったな」
ノイなりの宣戦布告だった。
公一の顔に笑みがこぼれた。
仲間の死を面に出さないノイの強い心にだった。
「何をニヤニヤしている?」
ノイは口を尖らせた。
「凛々しい、ノイ様も可愛いかなと」
「いつも私は強いぞ」
公一は黙ってノイの肩を抱きよせた。
初めはむずがったノイだったが、すぐに身をまかせてくれた。
「必ず仇はとりましょう」
「ああ、取るとも。ただ、抱いている男がもう少し男前なら、歌にもうたわれるものを。そこが残念だ」
照れ隠しに憎まれ口をきいた。
公一はなにも言わずにノイを抱く腕に力を込めた。
壁に張り付いた化け物の死体を、見上げる男女の姿を、他の人間が見ればどう思うだろう。
「必ず後悔はさせてやる。公一頼むぞ」
ノイは息巻まいた。
「さて、行きますか。地図を確かめながらですが」
「そうだな、こいつが言っていた人間が、何のためにここに来かを調べるのも面白いだろう
「まずは大龍のもとに行きましょう」
「そうだな、それも大事なことだ。忘れてはいないからな」
ノイの組んだ指を鳴らした。
「それで、どっちに行く?」
「こいつが出てきた天井の穴とつながる通路があると思います」
「よし分かった。小鬼の通り道を探せばいいんだな」
ノイは声をあげた
「ああ、見つけた。この先に広間の出入り口があるはずだ。公一、ついてこい」
道をたどると二人は難なく広間の出入り口を見つけ、豪華な装飾が施されたアーチ状の門をくぐった。
公一は右腕の数珠を触ろうとして苦笑した。
「いつもの癖ですね。それに指輪もない」
「言葉も判るだろう? 私の力の恩恵だ。ありがたく思え」
公一は通路に流れる空気の流れを顔に受けた。
「一旦、引き返しましょう。広間に戻ります」
「どうした? 何かいるのか?」
「地図の確認です。通路は広間より暗いので明かりを灯すと、良い的になりかねません」
公一は本に書いてある地図を丹念に調べ始めた。
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