【旧作改訂】イレギュラー召喚で神器をもらえませんでした。だけど、勝手に付いてきたスキルがまずまず強力です

とみっしぇる

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25 盗賊残党で泥団子遊び

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メロンとカリナの故郷、ペルミ村では歓迎された。

私達が捕まえた盗賊団に10日前に食料をとられた村に残りは乏しい。手持ちの食料を提供することになった。

「今日は宴会かな。カリナ、思い切ってお肉出そうよ」
「もちろん。他のもみんな出します。けど、村人200人分だと数日で食料が底をついてしまいますね」

「心当たりがあるから、取ってくるよ」
「どこに?」
「捕まえてるやつらのアジトだよ」
「そっか。なら3人で行こうか」

「いや、2人は久しぶりの故郷でしょ。それに警戒も解いちゃダメ。私が捕まえた盗賊にアジトを聞き出して、収納指輪にちょちょいと入れてくるよ」
「いいの?」
「盗賊相手に「泥団子」の検証もしたいし」
「なら甘えさせてもらいます」

◆◆

村の横に簡易テントを立て、外から見えないようにして盗賊団を転がしておいた。

ぽっちょ~ん。

「アジトどこ?」

誰も答えず、大半が馬鹿にした笑いを浮かべている。

2メートル沼を広げた。

笑った盗賊を魔鉄棒で殴って金目の物を剥ぎ取ると、沼の中にポイ。また1人ポイ。命乞いも聞かずポイ。30人を沈めると、残り10人がアジトの位置を教えてくれた。

ま、そいつらも沼にポイした。私の勇者の故郷を襲ったやつは死刑確定なのだ。


森の中のアジトには、まだ10人くらい残っていたので、「泥団子」の検証だ。
投げてみた。

ぺしょっ。

盗賊の肩に当たった泥団子は1メートルで地面と垂直より、少し斜めに展開した。

「わわわ!」

盗賊が頭から横の空間に飲まれ、異様な光景になった。ヘビがカエルを飲み込んでいたときとそっくりだ。

沼の真横にいって見てると、薄~い板の中に人が入っていく感じ。

最後まで足をバタバタさせていて、見方によっては泳いでいるみたいだった。

ぽちょん。

「沼」の立体版に見えて、今までの使い方と似ている部分が多い。

50センチの泥団子で盗賊Aの左腕を捕まえて揺らしたが、上下には動かない。下に出す「沼」と同じで、発動した高さが絶対のようだ。

盗賊Aは左腕の肉だけつかまれて引っ張られたから痛そうだ。そのまんま降り回しても、私には何の抵抗もない。だけど盗賊Aは大絶叫。

「あががが、腕が剥がれる!」

大声で残り8人が出てきたから、70センチの「小沼」を3個作り、8人みんなを拘束。

空中の盗賊Aと地面の小沼3個を同時に動かしてみたが、操作性は悪い。

「上と下に沼があると、意識が片方を向きやすいな。高位の敵だと、簡単に反撃食らいそう」

次は木の板を利用して、2メートルの高さで1・5メートル「泥団子」の穴を下向きに展開させた。そこで「沼」が静止した。

「え?何だ離せ。うそっ!」

ステータス任せで盗賊の頭を沼に突っ込むと、上に向かって吸い込まれていった。

ぽっちょ~ん。

逆でも効果音は同じだった。

全員を沼に沈め、貯蔵庫と思われる小屋に入った。ペルミ村だけから取ったにしては多すぎる食料を回収。近隣の村も被害者かも。

他に金貨や銀貨、武器と魔道具もあったから、全部を収納指輪に入れた。

「同じ防具がそろってたな・・。軍隊崩れか。いい傾向じゃないね」


今回は木製の塀で囲ったアジトだったが、盗賊の残党に拠点を残す必要はない。
79センチの泥団子を高さ50センチに展開。そこに2メートルの岩をくっ付けて巨大な岩ハンマーを作った。

バキッ、バキッ、バキッ。

「うっひゃっひゃ、中距離武器の出来上がりだ」

私を中心に10メートルの円を描いて飛びまくる大きな石は、盗賊の砦を瞬く間に廃墟にした。

「倒した木もばらまいたから、もう盗賊も住み着かないよね」

これは使えると思い手当たり次第、サイズの違う石を拾いながら帰った。

つくづく石に縁がある。

◆◆

ペルミ村に帰ると、メロン、カリナ、2人のお兄さん、村長を呼んだ。

「盗賊のアジトに行って、あった物を根こそぎ持ってきたよ。それをどうするか、相談したい」

「村長のダアゴです。基本、盗賊の持ち物は討伐者の物ですから、権利はパーティーを組んでいるあなた方にあります」
「なら簡単。私達は権利を放棄する。メロンとカリナは故郷を助けに来たんだもん」
「だよね」
「もちろんです」

物資を村の広場で全部出してみた。

「うちの村で持って行かれたのは、この三分一くらいです。恐らく、盗賊の奴らは近隣の2つの村からも食料を調達していたのでしょう。どちらの村も困っているという話を聞いてますから」

「それなら、アフターサービス。ペルミ村で必要なもの以外を2つに分けて、今から持っていこう」
「え?今からですか?」
「村長付き合いなよ」



ペルミ村と2つの隣村を上から見て線で結ぶと、正三角形になり村の間が約15キロ。

村長を抱えて木の板サーフィンを作って出発。物資を届けて帰って来るのに、わずか2時間で終わった。


2つの村では私がメロンとカリナの功績を猛アピールしておいた。

「何から何までありがとう。サーシャさん、メロン、カリナ」
「お兄ちゃん、サーシャのお陰だよ」

「サーシャさん、盗賊のお宝に金貨も多く入ってたよ。本当に村でもらって良かったのかい。みんな感謝してるけど、返した方がいいって意見も多いんだ」

「絶対にダメ。村で役立てて」
「けど・・」
「それならさ、余ってる場所があるんなら、少しちょうだい」
「そんなんでいいの?」

「うん、そこに小屋を建てて、故郷を作ろうかと思うんだ」

メロンのお兄さんは簡単に私の境遇を聞いたそうで、察してくれた。
メロンとカリナの両方の実家に近いところに、場所を提供してくれるそうだ。



その夜、村人全員を呼んでキンヌダンジョン19階で取った高級肉で宴会をした。

思ってなかったくらい感謝されて、英雄とか言われたけど・・


今日だけで50人くらい「沼」に沈めた。私って邪神の手下なんだよね。




    
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