ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる

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8 勝利は拾った

カルナと戦って勝利は目前。

「ぐああ。何をやったのよユリナ。私の左手が骨と皮だけになって感覚もない!」

「必殺、死んだふり」

ぱちっ。目眩と共に身体が戻る。

「等価交換」が効いた。

130センチまで縮んだ私が、元の体に戻った。

30センチ分の材料、カルナの左手からもらった。

カルナはよろよろと片膝を付いた。

足は無事でも呼吸もおかしい。

私にたくさんの肉を奪われただけじゃない。

胸回りの血管、心臓か肺の周りにもダメージが入っている。

放っておけば、呼吸困難で死ぬだろう。

「まだ負けてないわよ」

「終わりだよ、カルナ。ウインドカッターも、必殺技ウインディトルネードも効いてないでしょ、私に」

厳密に言えば効く。

痛いから、もう食らいたくない。

「うるさい、ウインドカッター!」

ザクッ。『超回復』

視界が高くなって、また戻った。

首を横一文字に斬られ、首から上が飛び上がった。

そして『超回復』で、頭部が落ちる前にくっついた。

そうだと、思う。

「うそ・・間違いなく首を切断したのに」

「うふふ。無駄よ」

本当は、かなり焦った。

自分がとんでもなく死ににくいことにも、驚いてる。

「そろそろ諦めてよ」

「ちくしょう、のしあがるチャンスだって言うから、ジュリアに乗ったのに」

「そうだ。ジュリアは何が目的で、あのオーブを探してたの?」

「オーブ・・玉だったの」

「何か知らないで探してたのね、あなた達」

「あなたも知ってる通り、ジュリアの父は侯爵家の人間・・」

カルナは語りだした。

言葉にもう、力はない。

ジュリアの母親は平民。男の火遊びで出来た子供だった。

不遇を感じ、冒険者をしながらも貴族社会でのしあがる方法を探していた。

そんな時だ。

寿命を伸ばしたい王が、何かのアイテムを探していた。

古文書、伝記を漁り、どこかのダンジョンに延命の秘密があると、確信した。

その候補地のひとつが、私達が連れてこられた、ここダルクダンジョン。

「それで私達が連れていかれ、あの祠を探す羽目になったのね」

「ジュリアも半信半疑だったけどね・・」

お宝があるなら、王家なんかより先に手に入れる。

なくてもいい。

そんな、ジュリアの適当な考えのせいで、私の仲間は命を落とした。

「本物があれば、私が手に入れて、ジュリアより上を行こうと思ったのに・・」

「あなた達、仲間でしょ・・」

「ずる賢いジュリアは利用できるから、つるんでるだけよ。レズカップルが一組いるけど、あとは利害関係」

こいつら、仲良しのふりして、お互いを信頼なんかしてなかった。

「・・あんたら」
「ユリナ達4人も無能同士、傷をなめ合っていただけでしょ」

「ふざけんな!」


「へっ。良かったじゃない。これであなたも底辺脱出よ。死んだお仲間とは違って、バラ色の人生になるわ」

「違う!」
「違わない。私だって元は騎士爵の四女。満足に教育だって受けさせてもらってない」

「だったらなに!」

「私、風魔法の適正Bと分かったとたんに、周りが変わった」

「あんたみたいに、ならない」

「力を手にしたら、周りが変わる」

「うるさい・・」

「あなたのスキル、何か分からないけど強力だわ。せいぜい波乱の人生を楽しみなさい」

「・・」

「・・そんで、ジュリアも誰も彼もぶち殺して・・・」

もう、この女は意識が飛びかけてる。

腕から胸にダメージを受けた影響が大きい。血が正常に巡っていないのだろう。

「等価交換」。恐ろしい技だ。

カルナが意識を失う前に、ナイフを出した。

すんなり死なせない。

「カルナ、仲間の仇よ。痛みを感じながら死んで」

これは儀式だ。

喜んでくれなくても、3人の仲間に対する弔いだ。

どすっ。

「いぎっ、ああああああ!」


吐き気がした。

力を込めた。

誰も喜ばない。


収納指輪をいただいた。収納力は一辺100メートルの大容量。

中には大量の服と食料、ショートソード5本、ナイフ5本など多くの物資が入っていた。

ミスリルインナー10枚、ミスリルタンクトップ10枚、ミスリルふんどし20枚。

こちらは、綿の服と違って「等価交換」でなくならないし軽い。

死んだ3人の冒険者の武器を回収した。一辺10メートルの立方体容量の収納指輪を追加で拾った。

「またも値うちもんだ。死んでる誰かのやつかな?」

ありがたくいただいて、カルナの風の曲刀も拾って入れた。



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