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179 私『妻』なので
ジランド中級ダンジョンの30階に到達した。
フロアボスは3メートルの羊、ヤギ、コーアラ。レベルは38と私達からしたら、高くない。
ここらまで降りると、挑戦できる冒険者も少し絞られ、ボス部屋待ちは2組。
前には女4人組で、29階の最終戦から一緒だ。
29階でミシェルが、ミノタウロスから奪った斧で狩りをしているときだった。
2・5メートルカンガーラ2匹、ヤギ1匹に苦戦している美女4人組がいた。
「めええええ!」
美女達はヤギの音波魔法で三半規管を揺らされ、カンガーラキックを食らいまくっていた。
美女なので悪い予感がしたが、ミシェルが飛び出して斧で魔物を制圧した。
私が『超回復』で傷を治して30階に降りたが、例によって私は空気。美女4人がミシェルに群がっている。
「ミシェル君、ありがと~」
「持ってる斧は特級ダンジョンのフロアボスがドロップするやつだよね。特徴あるもん」
「すごい! 強いんだ」
勝手に盛り上がっている。
「ねえねえ、ボス部屋に一緒に行かない?」
「そうだ。ミシェル君、お願い」
また、このパターンだ。モヤモヤして後ろを向いてる。
すると、肩をいきなり抱き寄せられた。
「すみません、妻と一緒なので」
妻、ツマ、つま、ワイフ。
抱き寄せられ、ミシェルの言葉に、フリーズしてしまった。
「あ、その人、奥さんなんだ」
「あ、ボス部屋空いたね」
「行こっか」
「じ、じゃあ、助けてもらってありがとう。奥さんも、お礼は後日・・」
ゴゴゴゴ!
ボス待ちスペースには、偶然にも2人きり。
「ごめん、まだ秘密だし婚約しかしてないのに」
私はきっとにやけている。
「・・いい。別に、構わないよ。私のために言ってくれたんだもんね」
「アイリス」の4人で一緒に寝たり、たまにキスしたり。体の関係まで秒読み段階。
だけど、ドキドキの感じがまた違う。
2人の時に他人に妻と紹介された。そんだけで舞い上がりそうだ。
◆◆
ここからは、いい気分で行軍。さくさくとでかい羊とヤギを狩りまくった。
「妻と一緒なので、か。ミールとノエルに自慢しなきゃ」
女避けに緑ミシェルにしようとしたこと。反省です。
この辺の羊は3メートル。
カンガーラ2・2メートル、コーアラ1・8メートル、ヤギが2・4メートル。
39階に降りれば、羊が3・5メートルで他もでかい。
だけど、等価交換用の肉を効率よく集めるのは、ここが最適なのだ。
3人組の冒険者を見つけた。彼らは今、羊2匹、ヤギ1匹のセットを倒した。
「いきなりだけど、相談があるんだけど」
「どうしたの」
「私達、羊が欲しいから、他の獲物と交換してくれない」
「まじ?」。すごい、いい反応だった。
ここで捕まえられるのは4種の哺乳類。地上なら羊は肉がおいしくて、羊毛も価値がある。
ここに限っては、地上とは逆なのだ。
なぜか羊肉がバサバサで、羊毛は藁の手触り。売っても二束三文だ。
逆にコーアラ、ヤギらカンガーラの、地上で好まれない動物の肉に独特の旨味があっておいしい。
ジランドグルメ。その名で、ダンジョン横のジラン街の名物となっている。
小型コーアラ1匹に対し、2匹の大きな羊で交渉した。
相手からしたら、廃棄してもいい羊。喜んで引き受けてくれた。
噂となり、交換希望者が日を追うごとに増えた。
10日で羊、ヤギなど混合200匹の予定が、7日で大きな羊ばかりで258匹。
1匹平均500キロもあり、ダチョウの肉集めよりも効率がいい。
◆
ミール達との合流までに残りは5日あるが、地上に戻った。
「ミシェル、ダンジョン攻略は必要ないよね」
「また30階から挑戦できるから、いずれやらしてもらうよ」
なんてダンジョン横にある冒険者ギルドでやってると、男3人が目の前にいた。
「ねえ、兄ちゃん達」
男というか、少年である。
装備は薄い鉄の胸当てでボロボロ。金なさそう。
手に1・1メートルの小型羊を持っている。
「ひ、羊を高い素材と交換してくれるって本当か」
「本当だけど・・」
3人に歓喜の色が浮かんだが・・
私達の手元には、もう羊しかない。
何か違う物、ミノタウロスでも渡そうか・・
そんなこと考えてると、ミシェルが少年達に提案した。
「君達、4日間くらいダンジョンに潜れる?」
「行けるけど、なんで?」
「まだ獲物が足りなくて、取りに行くとこなんだ。一緒に行かない?」
ミシェルからハンドサイン。
「勝手だけどお願い」
すると少年達が弾んだ声で言った。
「ご夫婦に同行させてもらって大丈夫かな」
「奥さん、いいの?」
「オッケー!」
『ご夫婦、奥さん』
ダブルパンチを食らった私は、秒で返事を返してしまった。
彼らは裕福でない家の子。
ダン、マイク、ロビン。共通点は親や兄弟のために稼ぎたいそうだ。
「じゃあ、3人は21階まで転移装置を使えるのね」
「使えるけど、先輩のCランクパーティーに連れ行ってもらって、転移装置を開いただけなんだ」
「俺ら3人のときは、まだ12階が限界」
有無を言わさず転移装置で21階へ。そのまま22階に降りた。
いきなり狩り。人が多い22階では3回しか敵が出なかった。
だから24階に降りた。彼らのレベルは18前後でHPも180程度。
装備も粗末だし、中級ダンジョンでは15階でも難しい。
それに収納指輪なし。3人で持ち帰れる獲物も限界がある。
3人の中のマイクを見たとき思った。
顔も格好も、初めて会ったときのミシェルと似てる。
目も。頑張りたいって、気持ちが伝わってくる。
助けたいと思った。そしたら、ミシェルが先に言ってくれた。
ミシェルは、人を助けられる力を手に入れた。
そして今、かつての自分のような少年を迷わず助ける選択をした。
そんなミシェルに、妻は黙って付いていく。
フロアボスは3メートルの羊、ヤギ、コーアラ。レベルは38と私達からしたら、高くない。
ここらまで降りると、挑戦できる冒険者も少し絞られ、ボス部屋待ちは2組。
前には女4人組で、29階の最終戦から一緒だ。
29階でミシェルが、ミノタウロスから奪った斧で狩りをしているときだった。
2・5メートルカンガーラ2匹、ヤギ1匹に苦戦している美女4人組がいた。
「めええええ!」
美女達はヤギの音波魔法で三半規管を揺らされ、カンガーラキックを食らいまくっていた。
美女なので悪い予感がしたが、ミシェルが飛び出して斧で魔物を制圧した。
私が『超回復』で傷を治して30階に降りたが、例によって私は空気。美女4人がミシェルに群がっている。
「ミシェル君、ありがと~」
「持ってる斧は特級ダンジョンのフロアボスがドロップするやつだよね。特徴あるもん」
「すごい! 強いんだ」
勝手に盛り上がっている。
「ねえねえ、ボス部屋に一緒に行かない?」
「そうだ。ミシェル君、お願い」
また、このパターンだ。モヤモヤして後ろを向いてる。
すると、肩をいきなり抱き寄せられた。
「すみません、妻と一緒なので」
妻、ツマ、つま、ワイフ。
抱き寄せられ、ミシェルの言葉に、フリーズしてしまった。
「あ、その人、奥さんなんだ」
「あ、ボス部屋空いたね」
「行こっか」
「じ、じゃあ、助けてもらってありがとう。奥さんも、お礼は後日・・」
ゴゴゴゴ!
ボス待ちスペースには、偶然にも2人きり。
「ごめん、まだ秘密だし婚約しかしてないのに」
私はきっとにやけている。
「・・いい。別に、構わないよ。私のために言ってくれたんだもんね」
「アイリス」の4人で一緒に寝たり、たまにキスしたり。体の関係まで秒読み段階。
だけど、ドキドキの感じがまた違う。
2人の時に他人に妻と紹介された。そんだけで舞い上がりそうだ。
◆◆
ここからは、いい気分で行軍。さくさくとでかい羊とヤギを狩りまくった。
「妻と一緒なので、か。ミールとノエルに自慢しなきゃ」
女避けに緑ミシェルにしようとしたこと。反省です。
この辺の羊は3メートル。
カンガーラ2・2メートル、コーアラ1・8メートル、ヤギが2・4メートル。
39階に降りれば、羊が3・5メートルで他もでかい。
だけど、等価交換用の肉を効率よく集めるのは、ここが最適なのだ。
3人組の冒険者を見つけた。彼らは今、羊2匹、ヤギ1匹のセットを倒した。
「いきなりだけど、相談があるんだけど」
「どうしたの」
「私達、羊が欲しいから、他の獲物と交換してくれない」
「まじ?」。すごい、いい反応だった。
ここで捕まえられるのは4種の哺乳類。地上なら羊は肉がおいしくて、羊毛も価値がある。
ここに限っては、地上とは逆なのだ。
なぜか羊肉がバサバサで、羊毛は藁の手触り。売っても二束三文だ。
逆にコーアラ、ヤギらカンガーラの、地上で好まれない動物の肉に独特の旨味があっておいしい。
ジランドグルメ。その名で、ダンジョン横のジラン街の名物となっている。
小型コーアラ1匹に対し、2匹の大きな羊で交渉した。
相手からしたら、廃棄してもいい羊。喜んで引き受けてくれた。
噂となり、交換希望者が日を追うごとに増えた。
10日で羊、ヤギなど混合200匹の予定が、7日で大きな羊ばかりで258匹。
1匹平均500キロもあり、ダチョウの肉集めよりも効率がいい。
◆
ミール達との合流までに残りは5日あるが、地上に戻った。
「ミシェル、ダンジョン攻略は必要ないよね」
「また30階から挑戦できるから、いずれやらしてもらうよ」
なんてダンジョン横にある冒険者ギルドでやってると、男3人が目の前にいた。
「ねえ、兄ちゃん達」
男というか、少年である。
装備は薄い鉄の胸当てでボロボロ。金なさそう。
手に1・1メートルの小型羊を持っている。
「ひ、羊を高い素材と交換してくれるって本当か」
「本当だけど・・」
3人に歓喜の色が浮かんだが・・
私達の手元には、もう羊しかない。
何か違う物、ミノタウロスでも渡そうか・・
そんなこと考えてると、ミシェルが少年達に提案した。
「君達、4日間くらいダンジョンに潜れる?」
「行けるけど、なんで?」
「まだ獲物が足りなくて、取りに行くとこなんだ。一緒に行かない?」
ミシェルからハンドサイン。
「勝手だけどお願い」
すると少年達が弾んだ声で言った。
「ご夫婦に同行させてもらって大丈夫かな」
「奥さん、いいの?」
「オッケー!」
『ご夫婦、奥さん』
ダブルパンチを食らった私は、秒で返事を返してしまった。
彼らは裕福でない家の子。
ダン、マイク、ロビン。共通点は親や兄弟のために稼ぎたいそうだ。
「じゃあ、3人は21階まで転移装置を使えるのね」
「使えるけど、先輩のCランクパーティーに連れ行ってもらって、転移装置を開いただけなんだ」
「俺ら3人のときは、まだ12階が限界」
有無を言わさず転移装置で21階へ。そのまま22階に降りた。
いきなり狩り。人が多い22階では3回しか敵が出なかった。
だから24階に降りた。彼らのレベルは18前後でHPも180程度。
装備も粗末だし、中級ダンジョンでは15階でも難しい。
それに収納指輪なし。3人で持ち帰れる獲物も限界がある。
3人の中のマイクを見たとき思った。
顔も格好も、初めて会ったときのミシェルと似てる。
目も。頑張りたいって、気持ちが伝わってくる。
助けたいと思った。そしたら、ミシェルが先に言ってくれた。
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