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変わらない日々からの変化
8話
しおりを挟む挨拶回りをしていると、多くの人にいろんな目で見られた。
その目は嫌悪や憎悪や気味の悪いと言葉に出していないのに私に言ってきてるようだ。
それでもヒステリ様は孫のことは気にしていないといった感じで貴族の方達と楽しそうに話していた。
そんなヒステリ様に対しては貴族の方達は同情や尊敬といった善の気持ちが多かった。
結果として商会の宣伝には成功して多くの貴族に興味を持ってもらえた。
ミナリー様やアリア様は貴族のご婦人たちとなにか盛り上がっていた。
耳を澄ましてみると、私の話をしているようだった。
「あら、義理の息子には苦労しているのね」
「ええ、そうなんです。あの見た目でも苦労しているのに、鈍臭くて」
「あら、でもそんな子を見捨てないで面倒見ていてすごいわ」
「いいえ、当たり前のことをしているだけです」
そうは言っているが心の中では優越感でいっぱいだろう。
ミナリー様はそんなお母さまの横でニコニコ笑っている。
内心は王子様に早く会いたいと思っているだろう。
話がひと段落したと思ったら、大きな音がなった。
パッパラパー
『国王陛下、王妃殿下、第一王子、第二王子のおなーり』
その声が聴こえた途端会場にいた全ての人が臣下の礼をとった。
そして、陛下が皆を一通り見て声を出した。
「皆今日は、第一王子のドレイユ・ハイブ・カーティストのことで知らせたいことがあって皆に集まってもらった。詳しくは息子に話してもらうとしよう」
「紹介にあずかりました、第一王子のドレイユです。皆さん、楽なシセになって下さい。今日は私ごとに集まってくださりありがとうございます。今日皆さんに知らせたいことがあります」
そう、ドレイユ王子が言うと多くの人が期待の目や少し緊張した様子で話を聞く。
しかし、第二王子はあまり良い顔をしなかった。
「今回、私は婚約者を決めることになりましたがその基準は家柄などよりも人格や有能なのかにより決めようと思っています。その判断は、学園で決めようと思っています」
そういった瞬間、あるものは嬉しそうに顔が輝き、あるものは顔色が悪くなった。
「なので、学園では常識の範囲で皆さんと関わっていこうと思います」
そういうと、国王陛下に話が戻った。
「そう言うことなので、皆よろしく頼む。さて、硬い話はここまでにして、パーティーを再開しよう。皆今日は楽しんでくれ」
そう陛下が言うと音楽が流れ始めた。
しかし、多くの人はあまりこの後は楽しむ事はできず王子に取り入ろうとしたり、陛下に挨拶をしたりで楽しめない事は間違いない。
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