まさはるくんの受難

奈知

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まさはるくんの受難

お隣さんの秘密

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ある真夏の暑い夜だった。


俺はその日、窓を開けて眠っていた。


?「違うんだよ!」


夢と現の狭間で聞こえてきた声に、俺の意識は目覚めた。


(こんな夜中に、何だ?)


?「だから!俺の話し聞けよ!」


どうやら話し声は、隣のベランダからのようだ。
そういえば、隣には大学生のお兄さんがいたっけ?


隣「だから!浮気なんかしてねぇよ!」


(何だ。痴話喧嘩か?でも相手の声しないし、電話で話してるのかな?う~ん。このままだと、盗み聞きになるよなぁ)


窓を閉めれば問題ないのだが、タイミングの悪いことに、俺の部屋のエアコンは壊れていた。


お隣さんには申し訳ないが、ここは聞かなかったことにしてこのままにしておこう。


隣「何?俺の事、信用できねぇの?お前だけって言ってるだろ?」


聞こえないように努めるものの、甘いセリフは俺の神経を研ぎ澄ます。


(彼女に浮気を責められてるんだな。そう言やお隣さん結構イケメンだもんな。きっとモテるんだな)


俺はのんきに憶測する。
しかし、次の瞬間、自分の耳を疑う事になる。


隣「愛してるよ。よしひさ」


(・・・・・はいっ?)


聞こえてきた言葉に、俺は思わずベッドから跳ね起きた。


(今、なんか聞こえた?空耳!?そうか!空耳だ!きっとそうだ!)


そう自分に言い聞かせ、俺は何事もなかったように再び目を閉じた。


隣「ああ。じゃあまた明日」


(やっと終わった。これでぐっすり眠れる)


そして、そのまま俺の意識は薄れていった。


次の朝、偶然にお隣さんを見かけた。


隣に寄り添うのは、お世辞にも可愛いとは言えないガタイの逞しい・・・・。


男。だった・・・・。


そして俺は、そっと、お隣さんの前途を祈る・・・・。


(頑張れ!お隣さん!)


そして、心に誓う。


決して、窓を開けて眠るまいと・・・。



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