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番外編
土下座
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学園祭が終わり、授業が再開されるその日、私は教室の1番前で土下座していた。
今日初めてクリスティーナとして学園へ来ている。
「黙っていてごめんなさい!」
クラスメイト達が騒めく。
ヘンリーが私の横にやって来て、事情を話してくれた。
皆笑って許してくれたが、一部の女子から、青春を返せと怒鳴られた。
彼女達の青春とは一体、、。
その日の昼休み、アルに捕まり誓約書を書かされている。
何の誓約書かと言うと、ずっと騙されていた事で心が傷付いたから、新しく出来た薬の実験台になれといったものだ。
「ねぇ、これ飲んで死んだりしないよね?」
私は罪悪感から承諾したものの、アルの薬でロクな目に合ってきていない。
怖くて仕方がない。
「大丈夫、大丈夫!死にはしないから。」
「えっ、、死には?ねぇそれ大丈夫なの?」
マグリットもやって来た。
お前は来なくて良い、私は半眼で睨む。
「何面白い事やってるんだ?」
アルは笑顔で答えた。
「ほら、前言ってたやつ!出来たんだよ、これがあれば、劇的に良くなるよ!」
「ねぇ、ボヤッと説明しないでよ、飲んだらどうなるのか教えてよ。」
私は半泣きだ。
遠巻きに心配そうなシャルロットと、苦笑いしたイザベルの姿が見える。
「えー、もう良いじゃん、言ったら薬の効果か分からなくなるかもしれないし。」
ほら飲んでと言って、私の口にガラス瓶を当てがう。
私は覚悟を決め一気に飲み干した。
「???」
特に何も起こらないようだが、、
するとアルが私の目を真剣に見つめて聞いてきた。
「クリスは何の動物が好き?」
アル、マグリット、ヘンリーは私の事をそのままクリスと呼ぶ。
「、、好きな動物?んー羊かな?」
アルはゆっくりとした口調で言った。
「自分の身体をゆーっくり見てみて?クリス、羊になってるよ?」
何をバカなことを。
私は鼻で笑った。
でも、私は自分の身体を見て固まる。
白いモコモコの身体、そして四つ足、、顔は確認出来ないが、私はまぎれも無く羊へと姿を変えていた。
「!!!!」
ビックリしたが、言葉が出ない。
羊になったらせいか、、これ治るの?不安になって涙がポロポロ出て来た。
アルが頭を撫でる。
「大丈夫、大丈夫、ちゃんと戻るから。」
その時教室の扉が開いた。
用事で出ていたイサキオスとヘンリーが戻って来る。
私が泣いているのに気付き、イサキオスが駆け寄って来た。
「ティーナどうしたんだ?」
彼は私をティーナと呼ぶ。
私は答えたかったが声が出ない。
「メェー。」
これしか言えない。
メソメソ泣く。
その姿にアルとマグリットが吹き出して笑い出した。
あんまりだ。
イサキオスはアルに一体これは?とオロオロ聞いた。
「新しい薬を開発したんだよ!これを飲ませて、スパイにお前は俺達の仲間だぞって言えば、信用して何でも話しちゃうって用途の薬なんだけど、今クリスは羊になってるの。」
私は実際は羊になってはいなかったのだ。なっていると思い込んでいるのは、私だけ。
イサキオスは心配そうにアルに聞いた。
「これいつ効果が切れるんだ?」
精神が羊化した私は、イサキオスに擦りついている。毛を付けたら申し訳ないと思いながらも、不安で近寄らずにはいられない。
そこで気が付く。
私今お尻丸出しじゃない!?
「メェー!!!」
あぁ、お尻を隠したいが、言葉も話せない。とりあえず座ろう。お尻を隠そう。
急に取り乱した私が座り込んだので、イサキオスはさらに慌てる。
「どうしたんだ?気分が悪いのか?保健室へ行こう、それでは授業にもならないだろうし。」
イサキオスは私を抱えようとするが、私はお尻を見られたくない一心で必死に抵抗する。
服は着てたはずなのに、一体どうなってるんだぁぁ!?
しかし、イサキオスの力に敵うはずがない。私はイサキオスにお姫様抱っこされ、保健室へ連れて行かれる。
「、、メェー、、。」
赤っ恥だ、、尻尾でせめて1番大事な所を隠せれれば、、尻尾ってどうやって動かすのぉぉぉ。
イサキオスは真っ赤な顔のメェーと鳴く恋人を連れて困惑していた。
最初のうちは心配していたが、今はただただ可愛らしく感じている。
あぁこのまま連れて帰って飼うわけにはいけないか?
クリスティーナは今日から男装をやめ、ワンピースを着て登園している。
それだけでも2倍増しに可愛く見える恋人が、さらに可愛く見えてもうキャパオーバーだ。
人として間違いをおかす前に、何とか保健室へ連れて行こうと足を早めるのだった。
本当は30分程で効果が切れるはずの薬なのだが、クリスティーナが元に戻ったのは次の日の朝だった。
彼女が洗脳されやすいのだと分かり、イサキオスは自分がしっかりせねばと思った。
こうして彼は脳筋化せず、文武両道とても優れた騎士へと育っていくのだ。
そして、この日私は皆を騙していた事を許されたのだった。
今日初めてクリスティーナとして学園へ来ている。
「黙っていてごめんなさい!」
クラスメイト達が騒めく。
ヘンリーが私の横にやって来て、事情を話してくれた。
皆笑って許してくれたが、一部の女子から、青春を返せと怒鳴られた。
彼女達の青春とは一体、、。
その日の昼休み、アルに捕まり誓約書を書かされている。
何の誓約書かと言うと、ずっと騙されていた事で心が傷付いたから、新しく出来た薬の実験台になれといったものだ。
「ねぇ、これ飲んで死んだりしないよね?」
私は罪悪感から承諾したものの、アルの薬でロクな目に合ってきていない。
怖くて仕方がない。
「大丈夫、大丈夫!死にはしないから。」
「えっ、、死には?ねぇそれ大丈夫なの?」
マグリットもやって来た。
お前は来なくて良い、私は半眼で睨む。
「何面白い事やってるんだ?」
アルは笑顔で答えた。
「ほら、前言ってたやつ!出来たんだよ、これがあれば、劇的に良くなるよ!」
「ねぇ、ボヤッと説明しないでよ、飲んだらどうなるのか教えてよ。」
私は半泣きだ。
遠巻きに心配そうなシャルロットと、苦笑いしたイザベルの姿が見える。
「えー、もう良いじゃん、言ったら薬の効果か分からなくなるかもしれないし。」
ほら飲んでと言って、私の口にガラス瓶を当てがう。
私は覚悟を決め一気に飲み干した。
「???」
特に何も起こらないようだが、、
するとアルが私の目を真剣に見つめて聞いてきた。
「クリスは何の動物が好き?」
アル、マグリット、ヘンリーは私の事をそのままクリスと呼ぶ。
「、、好きな動物?んー羊かな?」
アルはゆっくりとした口調で言った。
「自分の身体をゆーっくり見てみて?クリス、羊になってるよ?」
何をバカなことを。
私は鼻で笑った。
でも、私は自分の身体を見て固まる。
白いモコモコの身体、そして四つ足、、顔は確認出来ないが、私はまぎれも無く羊へと姿を変えていた。
「!!!!」
ビックリしたが、言葉が出ない。
羊になったらせいか、、これ治るの?不安になって涙がポロポロ出て来た。
アルが頭を撫でる。
「大丈夫、大丈夫、ちゃんと戻るから。」
その時教室の扉が開いた。
用事で出ていたイサキオスとヘンリーが戻って来る。
私が泣いているのに気付き、イサキオスが駆け寄って来た。
「ティーナどうしたんだ?」
彼は私をティーナと呼ぶ。
私は答えたかったが声が出ない。
「メェー。」
これしか言えない。
メソメソ泣く。
その姿にアルとマグリットが吹き出して笑い出した。
あんまりだ。
イサキオスはアルに一体これは?とオロオロ聞いた。
「新しい薬を開発したんだよ!これを飲ませて、スパイにお前は俺達の仲間だぞって言えば、信用して何でも話しちゃうって用途の薬なんだけど、今クリスは羊になってるの。」
私は実際は羊になってはいなかったのだ。なっていると思い込んでいるのは、私だけ。
イサキオスは心配そうにアルに聞いた。
「これいつ効果が切れるんだ?」
精神が羊化した私は、イサキオスに擦りついている。毛を付けたら申し訳ないと思いながらも、不安で近寄らずにはいられない。
そこで気が付く。
私今お尻丸出しじゃない!?
「メェー!!!」
あぁ、お尻を隠したいが、言葉も話せない。とりあえず座ろう。お尻を隠そう。
急に取り乱した私が座り込んだので、イサキオスはさらに慌てる。
「どうしたんだ?気分が悪いのか?保健室へ行こう、それでは授業にもならないだろうし。」
イサキオスは私を抱えようとするが、私はお尻を見られたくない一心で必死に抵抗する。
服は着てたはずなのに、一体どうなってるんだぁぁ!?
しかし、イサキオスの力に敵うはずがない。私はイサキオスにお姫様抱っこされ、保健室へ連れて行かれる。
「、、メェー、、。」
赤っ恥だ、、尻尾でせめて1番大事な所を隠せれれば、、尻尾ってどうやって動かすのぉぉぉ。
イサキオスは真っ赤な顔のメェーと鳴く恋人を連れて困惑していた。
最初のうちは心配していたが、今はただただ可愛らしく感じている。
あぁこのまま連れて帰って飼うわけにはいけないか?
クリスティーナは今日から男装をやめ、ワンピースを着て登園している。
それだけでも2倍増しに可愛く見える恋人が、さらに可愛く見えてもうキャパオーバーだ。
人として間違いをおかす前に、何とか保健室へ連れて行こうと足を早めるのだった。
本当は30分程で効果が切れるはずの薬なのだが、クリスティーナが元に戻ったのは次の日の朝だった。
彼女が洗脳されやすいのだと分かり、イサキオスは自分がしっかりせねばと思った。
こうして彼は脳筋化せず、文武両道とても優れた騎士へと育っていくのだ。
そして、この日私は皆を騙していた事を許されたのだった。
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