もうちょっとヒトシと一緒!

ねこにごはん

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「お腹が空かないから腹時計が仕事しないし、眠くもならないから体内時計も機能しないし、地上は太陽が昇りっぱなしだし、今は何日目なんだよ!」
「クリアしたら、時間表示の要望を伝えておきますね!」
「クリアしたら用済みなんだよ! 次からは経過時間を表示させろよ!」
「このゲームは駄目でしたでしょうか?」
「普通の掘りゲーとしてもありふれてるし、NGには不向きなんだよ! 特にログアウト出来ない僕達には苦痛でしかないんだよ! 無難にアクションゲームにしろよ!」
「僕は苦痛じゃないよ?」
「ハクシ、お前は半分脳死してる様なものだからだよ! 呆けて徘徊してる老人と変わらないよ!」
「酷い言い草だよ!」
「正直者の辛いところだよ!」
「じゃあ、せめて辛そうに言えよ!」
「それが出来ないのが辛いところなんだよ! ああ、辛いよ! こんなにも言いたいのにハクシの糞雑魚メンタルを考えると言えないよ! でも、とっても言いたいんだよ!」
「言い辛そうにすんなよ!」
「わがままなハクシは置いといて、話を戻すよ! 何をするにも最初に要望を聞いて欲しいよ! わかりきってる改善点を修正もしないのは怠慢だよ!」
「そうですね! 正直言うと、秘書隊は万が一の時の肉壁なんですよね! 一度、彼等にやらせて改善させるように言ってみますね!」
「あいつら肉壁だったのかよ!」
「はい! 表では使えない者を秘書として育成しています! ただ、お父様は大抵の事は出来てしまうので、諜報員や戦闘員としても育成しています!」
「秘書って何だったかよ?」
「秘書はサポート業務ですね! 彼等は素養を持ってはいたものの、自己肯定感の低さから使い物にならなかった為、総統であるお父様の秘書を務めさせたのが今の秘書隊です!」
「どーでもいいよ! それよりも甘やかしすぎだから、こき使ってやれよ!」
「そうですね!」
「最低でも1つのゲームに1週間は閉じ込めたいよ! 点滴とかしながらなら可能かよ?」
「現実世界の1週間は不可能ですね! まあ、使い潰すのが前提なら可能です!」
「流石に他人の駒を使い潰す気にはなれないよ! じゃあ、最低でも10人にプレイさせて改善案を10個程、挙げてもらうかよ!」
「そうですね! 明らかに駄作のまま、マスターにプレイさせるのは怠慢です!」
「後、僕達専用の休憩室を作らせておけよ!」
「ヒトシ! 疲れないのに休憩室は不要じゃないかよ?」
「休憩だけが目的じゃないんだよ! 落ち着いて作戦を立てたり、ゲーム内で画面越しにプレイ出来たりする空間が欲しいんだよ!」
「さすマス! クリア出来次第、多目的室を作る様に要請します!」
「そもそも、何用のゲームなんだよ! NGなら不向きなジャンルをやらせる理由は有るのかよ?」
「多分ありませんね! 恐らくですが、AIにジャンルだけ指定して作らせたと思われます! 単純そうな物から作らせていると考えられます!」
「単純なゲームは飽きさせない工夫が必要なんだよ! この手の掘りゲーだったら、敵と戦うとかかよ?」
「ヒトシが最初に言ってたやつかよ?」
「そうだよ! 沼の如く嵌りそうだったから自分ではやった事が無いんだけど、よ!」
「邪魔じゃないかよ?」
「普通の掘りゲーみたいに、ひたすら掘ったら終わりじゃないんだよ! 地下を掘って地上で戦うんだよ! 結局、掘るだけだと飽きるんだよ!」
「でも、パクりは良くないよ!」
「参考にする分には悪くないよ! 例えば、お邪魔キャラだとウザいだけだけど利用する事によって硬い岩盤を破壊させたり、通常では行けない場所に行けるようにしたりすれば面白くなると思うんだよ!」
「それは面白そうですね! 爆売れ間違いありません!」
「爆売れはしないよ! ゲームを爆売れさせたいのならゲーム配信を意識しないと駄目なんだよ!」
「ゲーム配信をさせるのかよ?」
「違うよ! ゲーム配信されてもマイナスにならないゲームを作る必要があるんだよ!」
「ゲーム配信がマイナスになるのかよ?」
「内容に因るよ! ストーリー物なんかは配信を見たら買おうとは思わないよ!」
「確かにそうだよ!」
「だから、逆に利用するんだよ!」
「どうやるんだよ?」
「100人から500人規模の協力&対戦ゲーを作るんだよ!」
「マスター! それでは重くなり過ぎてゲームにならないのでは?」
「その辺の対処は任せるしかないけど、よ? 例えば攻城戦をするとして、よ? 僕が配信者で視聴者からメンバーを募集するよ! そしたら僕と僕が選んだ隊長達以外を棒人間みたいにしたらどうかよ?」
「流石に試してみないと必要スペックは解りませんね!」
「ノートパソコンで遊べるのが理想だよ! それじゃあ、バイバイだよ!」
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