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検問所
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森の中を抜け大通りに出ると、冒険者らしき人物や商人らしき人物、一般人や馬車を使っている者などが検問所の列に並んでいた。
エル、ユキト、ナデシコの三人がすたすたと歩き、検問所の列に並ぶのに倣い、ルーチェも列に並んだ。
三人と雑談をしながら順番が回ってくるのを待つ。あまり話し過ぎてボロが出ないようにルーチェは聞き役に徹した。が、ここでも話をするのはユキトとナデシコばかり。エルは相槌を打つくらいだった。
「次の方どうぞ」
「順番が来たわね。ルーチェ、一緒に行くわよ」
「え? ですが……」
「おい、あんたも行くんだよ」
ユキトに腕を引っ張られ、ルーチェは門兵のところに連れてこられた。
「ん? メゾンの一行じゃないか。依頼は完了したのか?」
「だからここにいるんだけど? はい、身分証」
と言ってエルが出したのは冒険者のギルドカードだ。列に並んでいる間にナデシコから見せてもらった。
冒険者のほとんどは、身分証として冒険者のギルドカードを使っているらしい。他の各ギルドでも身分証になるギルドカードを発行していると聞いた。なので、住民カードを身分証に使っているのは、どのギルドにも所属していない者か、できない子どもくらいだそう。
エルに続き、ユキトとナデシコもチェックは終了している。次はルーチェだ。
「どうした、この別嬪な嬢ちゃんは? メゾンの一行には新しいメンバーが入ったのか? でも行きがけはいなかったよな?」
「途中で知り合ったんだよ。名前はルーチェ。身分証になる物は何も持ってないみたいだから、手続きしてあげて」
エルが全て説明してくれた。しかし、一番驚いたのは名前をちゃんと覚えてくれていたこと。先ほどから「お前」としか呼ばれないから、忘れているのかと思っていた。これはユキトにも言えることだが。
「そうか、珍しいな……」
「通行料を払えば中には入れるんじゃねぇのか?」
「そうそう。あと犯罪歴を調べるのよね? ルーチェなら大丈夫よ」
「おいおい、いっぺんに喋らんでくれ! えーっと、何だったか……ああ、通行料だったな。銀貨一枚だ」
三人のおかげでスムーズに話が通っている。世話になってばかりだ。今度何かお礼をしなければと心に留めておく。
銀貨一枚と言われたので、ポケットから出すフリをしてアイテムボックスから取り出す。当分の生活に困らない程度の金額をブラフマがくれていたのだ。
「はい、銀貨一枚です」
「おう、確かに預かった。あとは……おーい、アレを持ってこい! ちょっと待っててくれよ」
近くにいた部下と思われる若い門兵に叫んでアレなる物を取りに行かせ、ルーチェに待つように言う。
「はぁはぁっ……はあ、コレで、いいんです、よね」
「ああ、ありがとうよ」
「では、自分はこれで」
息を切らせながら走って取りに行ってくれた門兵に、目礼しておいた。目が合った瞬間、顔は真っ赤になっていたが。
若い門兵が持ってきたアレとは透明な水晶玉のこと。つまりは、これで犯罪歴を調べられるということか。
「こいつに手を翳してくれ。翳した奴の魔力を感知して、犯罪歴がなければ青く、あれば赤く染まる」
「分かりました」
ルーチェの心臓はかなり荒れ狂っているが、表面上はにこりと微笑みを浮かべ、そんな素振りは決して見せない。
ゆっくり手を翳すと青く染まった。気づかれないようにホッと小さく息を吐く。今までの人生で一番ドキドキしたかもしれない。
「よし、青だな」
「当然よ。さ、行くわよ、ルーチェ」
「はい、ナデシコさん。あの、ありがとうございました、門兵さん」
「オレはダモンだ。手続きは終わりだ、行っていい」
ナデシコに手を引かれた為、丁寧にはできなかったが軽くお辞儀をして検問所を後にした。
門を通って最初に目に入ったのは、赤茶色のレンガ造りの家々。ベランダには様々な種類の花々が飾られている。景観が統一されているせいか、美しいと思える街だ。
「とりあえずギルドに行くか」
「そうね。報告とルーチェの登録をしにね」
「よろしくお願いします」
冒険者ギルドは剣と盾をモチーフにしたマークが目印で、大通りを真っ直ぐ進めばすぐに着くとのこと。
聞くところによると、トルソネルの冒険者ギルドのギルドマスターはちょっと変わっているらしい。だが、仕事はできる人だから安心して欲しいと言われた。仕事ができるなら、多少変わっていてもいいのではないかとルーチェは思った。
「ほら、着いたよ」
先導していたエルが振り向いた。
聞いていた通り、本当にすぐ着くことができた。大きな剣と盾の看板に、二メートルは超える巨大な木の扉が印象的だ。
「大きな扉ですね」
「冒険者には身体のデカい奴が多いからな。おい、いつまでも突っ立ってないで行くぞ」
ユキトが扉を開けてくれ、冒険者ギルドの中へ足を踏み入れた。
エル、ユキト、ナデシコの三人がすたすたと歩き、検問所の列に並ぶのに倣い、ルーチェも列に並んだ。
三人と雑談をしながら順番が回ってくるのを待つ。あまり話し過ぎてボロが出ないようにルーチェは聞き役に徹した。が、ここでも話をするのはユキトとナデシコばかり。エルは相槌を打つくらいだった。
「次の方どうぞ」
「順番が来たわね。ルーチェ、一緒に行くわよ」
「え? ですが……」
「おい、あんたも行くんだよ」
ユキトに腕を引っ張られ、ルーチェは門兵のところに連れてこられた。
「ん? メゾンの一行じゃないか。依頼は完了したのか?」
「だからここにいるんだけど? はい、身分証」
と言ってエルが出したのは冒険者のギルドカードだ。列に並んでいる間にナデシコから見せてもらった。
冒険者のほとんどは、身分証として冒険者のギルドカードを使っているらしい。他の各ギルドでも身分証になるギルドカードを発行していると聞いた。なので、住民カードを身分証に使っているのは、どのギルドにも所属していない者か、できない子どもくらいだそう。
エルに続き、ユキトとナデシコもチェックは終了している。次はルーチェだ。
「どうした、この別嬪な嬢ちゃんは? メゾンの一行には新しいメンバーが入ったのか? でも行きがけはいなかったよな?」
「途中で知り合ったんだよ。名前はルーチェ。身分証になる物は何も持ってないみたいだから、手続きしてあげて」
エルが全て説明してくれた。しかし、一番驚いたのは名前をちゃんと覚えてくれていたこと。先ほどから「お前」としか呼ばれないから、忘れているのかと思っていた。これはユキトにも言えることだが。
「そうか、珍しいな……」
「通行料を払えば中には入れるんじゃねぇのか?」
「そうそう。あと犯罪歴を調べるのよね? ルーチェなら大丈夫よ」
「おいおい、いっぺんに喋らんでくれ! えーっと、何だったか……ああ、通行料だったな。銀貨一枚だ」
三人のおかげでスムーズに話が通っている。世話になってばかりだ。今度何かお礼をしなければと心に留めておく。
銀貨一枚と言われたので、ポケットから出すフリをしてアイテムボックスから取り出す。当分の生活に困らない程度の金額をブラフマがくれていたのだ。
「はい、銀貨一枚です」
「おう、確かに預かった。あとは……おーい、アレを持ってこい! ちょっと待っててくれよ」
近くにいた部下と思われる若い門兵に叫んでアレなる物を取りに行かせ、ルーチェに待つように言う。
「はぁはぁっ……はあ、コレで、いいんです、よね」
「ああ、ありがとうよ」
「では、自分はこれで」
息を切らせながら走って取りに行ってくれた門兵に、目礼しておいた。目が合った瞬間、顔は真っ赤になっていたが。
若い門兵が持ってきたアレとは透明な水晶玉のこと。つまりは、これで犯罪歴を調べられるということか。
「こいつに手を翳してくれ。翳した奴の魔力を感知して、犯罪歴がなければ青く、あれば赤く染まる」
「分かりました」
ルーチェの心臓はかなり荒れ狂っているが、表面上はにこりと微笑みを浮かべ、そんな素振りは決して見せない。
ゆっくり手を翳すと青く染まった。気づかれないようにホッと小さく息を吐く。今までの人生で一番ドキドキしたかもしれない。
「よし、青だな」
「当然よ。さ、行くわよ、ルーチェ」
「はい、ナデシコさん。あの、ありがとうございました、門兵さん」
「オレはダモンだ。手続きは終わりだ、行っていい」
ナデシコに手を引かれた為、丁寧にはできなかったが軽くお辞儀をして検問所を後にした。
門を通って最初に目に入ったのは、赤茶色のレンガ造りの家々。ベランダには様々な種類の花々が飾られている。景観が統一されているせいか、美しいと思える街だ。
「とりあえずギルドに行くか」
「そうね。報告とルーチェの登録をしにね」
「よろしくお願いします」
冒険者ギルドは剣と盾をモチーフにしたマークが目印で、大通りを真っ直ぐ進めばすぐに着くとのこと。
聞くところによると、トルソネルの冒険者ギルドのギルドマスターはちょっと変わっているらしい。だが、仕事はできる人だから安心して欲しいと言われた。仕事ができるなら、多少変わっていてもいいのではないかとルーチェは思った。
「ほら、着いたよ」
先導していたエルが振り向いた。
聞いていた通り、本当にすぐ着くことができた。大きな剣と盾の看板に、二メートルは超える巨大な木の扉が印象的だ。
「大きな扉ですね」
「冒険者には身体のデカい奴が多いからな。おい、いつまでも突っ立ってないで行くぞ」
ユキトが扉を開けてくれ、冒険者ギルドの中へ足を踏み入れた。
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