私勇者です!がんばります!!

春夏秋彦

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黒幕

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 勇を乗せた船に海中からサハギンの群れが
飛び乗ってきた、その数10体
対する冒険者パーティは6名

パーティ名:フルスロットル
クラス2nd(セカンド)の剣士セルアク、2ndの盾騎士ディボ
3rd(サード)の魔法使いトーシ、3rdの神官キブレー、
3rdの弓使いトレジャーハンターのビナ、3rd短剣二刀流アサシンのドルハン

彼らには出航直前に今回の作戦を伝えてある
自身の身を守る事を一番に善戦する
荷の事は無視、わざと取らせるくらいでいい

寄せの集めの冒険者ではなく
普段から連携の取れたパーティーの為
10体のサハギンなら追い返す事も可能だったが
彼らは作戦を忠実に実行した
戦闘において作戦を実行するという事は
ただ戦うよりも難易度は上がる
さすがアディオが進めてくれたパーティという事だろう

 『外が騒がしくなってきたね』

勇がお宝に扮した木箱の中で
エリカに小声で話かける

 『そうね、恐らく襲撃を受けた、かな
 作戦の第一段階は成功ね、フフ』

しめしめという顔をしたエリカが
ニヤッと笑い勇に小声で返した
勇は目を閉じて周囲の状況を把握しようとする

 『魔物が、8、9、10体かな
 船に上がってきてる』

勇がエリカに魔物の数を伝えた

 『そんな事わかるんだ!?
 でもちょうどいい感じの数ね
 明らかにこっちの冒険者の数を
 把握してる
 いつも冒険者より少し多い数
 アディオさんが言ってた事は
 本当のようね』

エリカは情報漏洩は人間側からだと
身をもって理解した
コソコソ話を続けていると
急に体が斜めになった
2人の隠れていた木箱がどうやら魔物に
持ち上げられ運ばれている様子だった
エリカと勇が目を合わせうなづく
そしてエリカが2人を結界で包み
さらに空気を圧縮した小さな結界を
もしもの時の為にたくさん作っておいた

激しく揺れる木箱
中で勇とエリカも左右に揺さぶられる
2人に緊張が走る
ふわっと浮く感覚
その後、着水した衝撃が木箱を伝う
直後2人の周りが浸水していき
あっという間に海水に包まれた
海中をフワフワと運ばれる感覚
海の魔物サハギンが2人の入った木箱を
水の抵抗を物ともせず海中を運んでいく

勇とエリカの2人は黙ったまま
ただ待つしかなかった
このままどこへ運ばれる
それはあくまでも想像の範囲
カケだったからだ

木箱が奪われた船の上
フルスロットルのパーティメンバー達は
作戦成功と安堵していた
その時誰もいなくなった船倉に
黒い渦が現れ中からフォカロルが現れた

 『ククク
 さぁて人間の勇者
 そっちの思惑通り盗んであげたよ~
 まぁここまではいつも通りなんだけどね
 君が王都で見せた力は
 圧倒的な剛力、物理全振り脳筋勇者
 って聞いてるよ
 そんな君が海中で何ができるかな~
 さぁ出てきてやっちゃいな!!我が僕(しもべ)!!
 ククク、フハハハハハ』

勇とエリカは緊張がとけて
海中を運ばれる事に身を委ねるしかないと
落ち着きを取り戻したその時だった
物凄い衝撃で木箱が破壊された
聖剣は海中へ、勇は弾き飛ばされ
エリカは起きた事が理解できずに
驚愕していた
本来ならこのままサハギンにアジト的な所へ
運ばれて、黒幕と思われる人間が荷の回収に現れる
そこをとっ捕まえて一件落着のはずだった
サハギン達も何者かに弾き飛ばされ
散り散りになっていた

続く
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