「俺」と皇帝=父上

らそまやかな

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サルド公爵

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「サルド公爵…なのか?」
「?はい」
嘘だろ…顔が全然違うぞ…
「サルド公爵、その顔どうしたんだ?いつもは綺麗な茶髪で緑色の瞳なのに…」
「ん?あぁ、私の領地で問題がないか視察に行ってきたので私だってばれないように髪と瞳の色を魔法で変えたんですよ」
ふふっと笑う公爵。それにしても…
「でもサルド公爵。私達だけの時は皇女様とか皇太子、とかそういうのやめてよ。私達の叔父さんなんだし」
あっ!ルカに先越された。そう、サルド公爵は父上の弟で俺達の叔父さんなんだ。
「そうだよ、俺達も3人だけの時は叔父さんって呼ぶから。昔みたいにして」
「…分かったよ。久しぶりだね、ルイ、ルカ。今日はどうしたの?」
「今日は招待状を渡しに来たの」
「招待状?」
「俺とルカの誕生日会が開かれるからそれの招待状だよ」
「えぇ、でも僕は…」
やっぱり父上に会いたくないのかな…
「嫌なら来なくても…」
「絶対来てね、叔父さん。来て、私達の誕生日をお祝いして」
「…うん、分かった」
「じゃあ日程とかは招待状に書いてあるから。私達はそろそろ行くね、まだ家出の途中だから」
「家出?家出してるの?あははっ、なら僕の屋敷に隠れとく?」
『いいの⁉︎』


「ルカ、絶対来てなんて言わなくてもよかったんじゃないか?」
「さっきも言ったでしょ、本人達が話さないとどうにもならないって。それに招待したいって言ったのルイじゃない」
「それはそうだけどさ…」
「ルイ、ルカ。この部屋を使いなさい。ここは昔ルイとルカが遊んでた部屋だよ。しばらくはここにいていいから」
「あっ、叔父さんありがとう」
「うん、僕は仕事があるから。遊んであげたいけどごめんね。何かあったら部屋の前にいる騎士に言ってね」
「はーい」
「ふぅ。叔父さん、優しいなぁ。俺達に部屋を貸してくれるなんて」
「…うん。お父様と叔父さんは何が合わないんだろうね。あんなに優しいのに」
「そうだな。ルカの言う通り叔父さんと父上がちゃんと向き合うしかないんだろうな。まぁでも俺達には家出を成功させるって言うミッションがあるから」
「ねぇルイ、その事なんだけど私達が家出をした理由って叔父さんを招待するためでしょ?ならもう帰ってもいいんじゃない?」
確かに…いや、だけど!
「今帰ったら絶対父上と母様に怒られるぞ」
「あ、そうだった…」
「とりあえず今は休憩しよう。俺、最近仕事ばっかりで疲れてたんだ」
「うん、私も礼儀作法の授業とか勉強に護身術。色々やりすぎて疲れた」
「久しぶりに叔父さんの屋敷の庭園を散歩してみるのも良さそうだな」
「あっ!それいい!私、叔父さんの屋敷の庭園に植えてあるお花、大好きなの!」
「決まりだな」
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