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決意の結果
作戦
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結局決意したものの一人でできることなどたかが知れている。考えた結果、ミナミにも話してみることにした。
「コウ君が死刑ね…聞いたよ。ありえない。いくら何でもやり過ぎだよ。」
「そこで俺から提案がある。これからいうことは他言無用だ。わかったな?」
「うん、わかった。」
ミナミが顔を引き締める。
「お前国を敵に回す覚悟はあるか?」
「国を敵?!」
ミナミは心底驚いた顔で俺を見た。だが、すぐに何かを考えている顔になる。
「え…でも、コウ君の、ためだよね?それなら…」
そうだ、ミナミも一緒にいた仲間の一人だ。できる限り何かしてあげたいと思うのは、別に不思議ではない。だが、国を敵に回すのだ。本当に覚悟があるか、もう一度念を押してみる。
「もう一度聞く。本当に覚悟はあるのか?」
「うん!…もう自分が何もできなくて悩むのはもう嫌だから。」
ミナミの目は真剣だ。きっと何かやってくれるにちがいない。
これなら大丈夫だろう。
これからは、具体的なプランを組み立てる必要がある。
だが、まだ人手が心もとない。あと一人誰か戦闘要員が必要だ。誰かいないか、と少し考えた結果、エミリアを誘ってみることにした。しかし、男の俺では、交渉力が足りないかもしれない。ここはミナミに頼むしかないな。
「ちょっとミナミ。エミリアをこの計画に引き込むことはできるか?」
「エミリアちゃんかー。巻き込むのは少し気が引けるけど…頑張ってみる。」
「エミリアには国が敵になる、ということは伏せておいてもいいぞ。あれは正直にいうと、正面からの戦闘要員ではなく、サポートメインの戦闘要員にするつもりだからな。危なくなったら、逃がすことにする。」
「まあ、そうだよね。当然か。」
「というわけで、交渉頼む。」
「了解!」
ミナミはエミリアのところに行ったから、俺は何かしらの根回しをしておく必要があるかもな。裏の協力者って感じの人が欲しい。コンピュータハッキング係ってところか。
そこで、ダメもとでケアンズに頼んでみることにした。
「先生。あの…コウ救出作戦に協力して欲しいのです!」
語尾が少し上がった。緊張しているからだろうか。
「私に何ができるというのだ?今回の事件で私は私の無力さを思い知った。確かにあのコウへの罰には納得できないが…だが、お前のその作戦は秘密にしておいてやる。しかし、私は参加するつもりはない。」
「そ、そんなことはありません。先生にはできることが山ほどあります。その力を少しだけでも貸してください!お願いします。もし作戦がばれたら、先生は脅されたと言ってください!それで先生の身の安全は保障されます!」
「お前は馬鹿か。私が生徒を見捨てるとでも思ったか!私は教師になってから、それだけはしないと誓ったんだ。…よし、今回は付き合ってやる。お前たちの作戦は、どういうものか教えろ。」
「ありがとうございます!まず、刑務所の警備システムをハックして、制御を奪います。そして…」
俺は作戦の全ての概要を伝える。できるだけ戦闘は避けたい、という旨も伝えた。
「そうか、わかった。作戦を決行するのはいつだ?」
「三日後の夜はどうでしょう?おそらく、俺の宝剣やミナミの宝剣を調整して、作戦の再確認もするとなると、そこが妥当だと思います。」
「私はできれば、もう少し時間が欲しいが…まあ、いい。それでいこう。」
「では、この話は内密にお願いします。」
ケアンズと話し終えると、ドッと疲れが出た。ふぅ…これで作戦は上手くいくはずだ。正直刑務所の警備システムを突破することができるとは思わなかった。すんなりそこは聞き入れてくれたし、おそらくできるのだろう。俺の担任は戦闘以外のことにも精通しているのかと思うと、嬉しくなってくる。さすが、としか言えない。
今日はもう休もう。いろんなことがあって頭の中を整理したいしな。
そのころ、ケアンズは…
「すみません、ケアンズと申しますが、少しお耳に入れておいた方がよいような案件がありまして…」
「コウ君が死刑ね…聞いたよ。ありえない。いくら何でもやり過ぎだよ。」
「そこで俺から提案がある。これからいうことは他言無用だ。わかったな?」
「うん、わかった。」
ミナミが顔を引き締める。
「お前国を敵に回す覚悟はあるか?」
「国を敵?!」
ミナミは心底驚いた顔で俺を見た。だが、すぐに何かを考えている顔になる。
「え…でも、コウ君の、ためだよね?それなら…」
そうだ、ミナミも一緒にいた仲間の一人だ。できる限り何かしてあげたいと思うのは、別に不思議ではない。だが、国を敵に回すのだ。本当に覚悟があるか、もう一度念を押してみる。
「もう一度聞く。本当に覚悟はあるのか?」
「うん!…もう自分が何もできなくて悩むのはもう嫌だから。」
ミナミの目は真剣だ。きっと何かやってくれるにちがいない。
これなら大丈夫だろう。
これからは、具体的なプランを組み立てる必要がある。
だが、まだ人手が心もとない。あと一人誰か戦闘要員が必要だ。誰かいないか、と少し考えた結果、エミリアを誘ってみることにした。しかし、男の俺では、交渉力が足りないかもしれない。ここはミナミに頼むしかないな。
「ちょっとミナミ。エミリアをこの計画に引き込むことはできるか?」
「エミリアちゃんかー。巻き込むのは少し気が引けるけど…頑張ってみる。」
「エミリアには国が敵になる、ということは伏せておいてもいいぞ。あれは正直にいうと、正面からの戦闘要員ではなく、サポートメインの戦闘要員にするつもりだからな。危なくなったら、逃がすことにする。」
「まあ、そうだよね。当然か。」
「というわけで、交渉頼む。」
「了解!」
ミナミはエミリアのところに行ったから、俺は何かしらの根回しをしておく必要があるかもな。裏の協力者って感じの人が欲しい。コンピュータハッキング係ってところか。
そこで、ダメもとでケアンズに頼んでみることにした。
「先生。あの…コウ救出作戦に協力して欲しいのです!」
語尾が少し上がった。緊張しているからだろうか。
「私に何ができるというのだ?今回の事件で私は私の無力さを思い知った。確かにあのコウへの罰には納得できないが…だが、お前のその作戦は秘密にしておいてやる。しかし、私は参加するつもりはない。」
「そ、そんなことはありません。先生にはできることが山ほどあります。その力を少しだけでも貸してください!お願いします。もし作戦がばれたら、先生は脅されたと言ってください!それで先生の身の安全は保障されます!」
「お前は馬鹿か。私が生徒を見捨てるとでも思ったか!私は教師になってから、それだけはしないと誓ったんだ。…よし、今回は付き合ってやる。お前たちの作戦は、どういうものか教えろ。」
「ありがとうございます!まず、刑務所の警備システムをハックして、制御を奪います。そして…」
俺は作戦の全ての概要を伝える。できるだけ戦闘は避けたい、という旨も伝えた。
「そうか、わかった。作戦を決行するのはいつだ?」
「三日後の夜はどうでしょう?おそらく、俺の宝剣やミナミの宝剣を調整して、作戦の再確認もするとなると、そこが妥当だと思います。」
「私はできれば、もう少し時間が欲しいが…まあ、いい。それでいこう。」
「では、この話は内密にお願いします。」
ケアンズと話し終えると、ドッと疲れが出た。ふぅ…これで作戦は上手くいくはずだ。正直刑務所の警備システムを突破することができるとは思わなかった。すんなりそこは聞き入れてくれたし、おそらくできるのだろう。俺の担任は戦闘以外のことにも精通しているのかと思うと、嬉しくなってくる。さすが、としか言えない。
今日はもう休もう。いろんなことがあって頭の中を整理したいしな。
そのころ、ケアンズは…
「すみません、ケアンズと申しますが、少しお耳に入れておいた方がよいような案件がありまして…」
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