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決意の結果
看守
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作戦が開始された。距離は500メートル。『エリート武芸者』は身体能力を高めるときにも使うことができる。なので、俺はミナミ、エミリアを抜いて2、30秒で着いた。
「ミナトくーん、はーやーいー。」
遠くからミナミのぼやく声が聞こえる。頑張って叫んでいるみたいだ。
彼女たちを待っている間、俺は刑務所周りを観察してみることにした。
巨大な壁、それに加えて分厚いコンクリート。壁を破壊して中へ、という方法は使えないだろう。さて、どうしたものか。刑務所の周りを歩いているうちに、ミナミもエミリアも到着した。
「近くでみたら、もっと迫力があるねー。ここで一生過ごすなんて考えられないよ。」
「そうね。絶対にここには住みたくないわ。」
「そんなことを言ってる場合じゃないだろ。監視カメラは数分しか保たないんだ。どうにかしてできるだけ見つからないように中に入れるところを見つけないと。」
「そうだね。私も探してくるよ。」
「同じく。」
「よろしく頼むよ。時間は一刻を争うんだから。」
各々刑務所への入り口を探しに行った。
30秒程で入り口は見つかった。周りより少し壁が低いのだ。それでも15メートルはあるが。
「ミナミ、エミリアここ登れるか?」
「無理だよ…」
「無理ね。」
両者共に無理みたいだ。というわけで俺が二人を壁の上まで運ぶことになった。
「変なとこ触んないでね?」
「触らねーよ。」
ミナミが冗談を言ってくるが、戦闘前にこれぐらいの余裕は持っていたほうがいいだろう。
「じゃあ、行くぞ。」
ダシュッ!
勢いよく俺の足が地面を蹴る。少し地面が凹んだみたいだが、気にするまでもない。
「とーうちゃーく。」
「ありがとう。」
今更だが、エミリアとミナミの性格が違いすぎて、ギャップをとても感じてしまう。何度も言うが、余裕を持てるのも、実力のうちだ。
「いよいよ中に入る。気を引き締めていけよ。」
「了解!」
「了解。」
二人の様子が少し変わった。二人とも目が真剣だ。
「何か変なことに気づいたらすぐに言ってくれ。」
俺は後ろの二人に向かって警戒するように言った。
刑務所の中…
予想と違い、衛生状態は良いようだ。蛍光灯が真っ白な廊下を照らし、眩しいとも感じる。正面玄関には…やはり看守がいた。人数は二人。上手くいけば一瞬で無力化できるはずだ。だが、時間が惜しい。何と言っても監視カメラは数分しか保たない。ここで戦闘は避けたいが…
「ねえねえ、あれ倒さない?」
「いいわね。コソコソしたことばっかりで飽き飽きしていたところよ。」
連れの二人は戦いたいらしい。一応説得はしてみる。
「バレて戦闘が長引いて、監視カメラの制御権を失ってたらどうするんだよ?」
「すぐ倒せばいいだけじゃない。」
「そうだ、そうだー。」
この二人に説得は無理だと判断した俺は、戦うことに決めた。
「相手は二人だが油断はするな。一応超エリート刑務所の看守だ。最低でも俺たちの学校の教師ぐらいはあると考えていい。」
「はいはい。そんなのわかってるよ。」
「はあ…もういい。すぐ終わらせる。」
「そう来なくっちゃ!」
その頃看守たちは、
「何かまた新しいやつが入ってきたみたいだな。コウってのが本名らしい。」
「こんなところに来るんだ。どうせやばスギルことでもやったんだろ?」
「どうやら、前の刑務所から救出目的で誰かが…名前なんだったっけ?まあとりあえず前の刑務所を襲ったらしい。」
「そりゃすごいな。あっ、だからここに収容したのか。」
「なるほど。襲撃をここなら防げるってことか。」
「余裕で防げるだろ。もし来たら、俺が殴ってボコボコにして、引き渡してやるよ。」
「ははは、どうせ来ないと思うがな。ここに囚人の救出に来るだなんて来たくても考え直すんじゃねーか?」
「俺の正義の鉄槌で殴ってやれないのは、残念だが…」
「何だよ、正義の鉄槌って…ダセー名前だな。」
「かっこいいと言え。」
「はいはい、どうせ今日も何も起こらないから、しゃべってても誰にも怒られないしいいな。」
「そうだな。何か刺激があった方が集中できる気がするんだが…」
「贅沢いうなって。俺たちの仕事なんて大したことないだろ?それで金が貰えるだぜ?」
「それもそうだな。」
看守たちは、彼ら自身に向く殺意に気が付かなかった。いや、刺激か。
「ミナトくーん、はーやーいー。」
遠くからミナミのぼやく声が聞こえる。頑張って叫んでいるみたいだ。
彼女たちを待っている間、俺は刑務所周りを観察してみることにした。
巨大な壁、それに加えて分厚いコンクリート。壁を破壊して中へ、という方法は使えないだろう。さて、どうしたものか。刑務所の周りを歩いているうちに、ミナミもエミリアも到着した。
「近くでみたら、もっと迫力があるねー。ここで一生過ごすなんて考えられないよ。」
「そうね。絶対にここには住みたくないわ。」
「そんなことを言ってる場合じゃないだろ。監視カメラは数分しか保たないんだ。どうにかしてできるだけ見つからないように中に入れるところを見つけないと。」
「そうだね。私も探してくるよ。」
「同じく。」
「よろしく頼むよ。時間は一刻を争うんだから。」
各々刑務所への入り口を探しに行った。
30秒程で入り口は見つかった。周りより少し壁が低いのだ。それでも15メートルはあるが。
「ミナミ、エミリアここ登れるか?」
「無理だよ…」
「無理ね。」
両者共に無理みたいだ。というわけで俺が二人を壁の上まで運ぶことになった。
「変なとこ触んないでね?」
「触らねーよ。」
ミナミが冗談を言ってくるが、戦闘前にこれぐらいの余裕は持っていたほうがいいだろう。
「じゃあ、行くぞ。」
ダシュッ!
勢いよく俺の足が地面を蹴る。少し地面が凹んだみたいだが、気にするまでもない。
「とーうちゃーく。」
「ありがとう。」
今更だが、エミリアとミナミの性格が違いすぎて、ギャップをとても感じてしまう。何度も言うが、余裕を持てるのも、実力のうちだ。
「いよいよ中に入る。気を引き締めていけよ。」
「了解!」
「了解。」
二人の様子が少し変わった。二人とも目が真剣だ。
「何か変なことに気づいたらすぐに言ってくれ。」
俺は後ろの二人に向かって警戒するように言った。
刑務所の中…
予想と違い、衛生状態は良いようだ。蛍光灯が真っ白な廊下を照らし、眩しいとも感じる。正面玄関には…やはり看守がいた。人数は二人。上手くいけば一瞬で無力化できるはずだ。だが、時間が惜しい。何と言っても監視カメラは数分しか保たない。ここで戦闘は避けたいが…
「ねえねえ、あれ倒さない?」
「いいわね。コソコソしたことばっかりで飽き飽きしていたところよ。」
連れの二人は戦いたいらしい。一応説得はしてみる。
「バレて戦闘が長引いて、監視カメラの制御権を失ってたらどうするんだよ?」
「すぐ倒せばいいだけじゃない。」
「そうだ、そうだー。」
この二人に説得は無理だと判断した俺は、戦うことに決めた。
「相手は二人だが油断はするな。一応超エリート刑務所の看守だ。最低でも俺たちの学校の教師ぐらいはあると考えていい。」
「はいはい。そんなのわかってるよ。」
「はあ…もういい。すぐ終わらせる。」
「そう来なくっちゃ!」
その頃看守たちは、
「何かまた新しいやつが入ってきたみたいだな。コウってのが本名らしい。」
「こんなところに来るんだ。どうせやばスギルことでもやったんだろ?」
「どうやら、前の刑務所から救出目的で誰かが…名前なんだったっけ?まあとりあえず前の刑務所を襲ったらしい。」
「そりゃすごいな。あっ、だからここに収容したのか。」
「なるほど。襲撃をここなら防げるってことか。」
「余裕で防げるだろ。もし来たら、俺が殴ってボコボコにして、引き渡してやるよ。」
「ははは、どうせ来ないと思うがな。ここに囚人の救出に来るだなんて来たくても考え直すんじゃねーか?」
「俺の正義の鉄槌で殴ってやれないのは、残念だが…」
「何だよ、正義の鉄槌って…ダセー名前だな。」
「かっこいいと言え。」
「はいはい、どうせ今日も何も起こらないから、しゃべってても誰にも怒られないしいいな。」
「そうだな。何か刺激があった方が集中できる気がするんだが…」
「贅沢いうなって。俺たちの仕事なんて大したことないだろ?それで金が貰えるだぜ?」
「それもそうだな。」
看守たちは、彼ら自身に向く殺意に気が付かなかった。いや、刺激か。
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