本当に自分が思うより闇が深かった

千夜 すう

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現在で未来は幸せだと感じた

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私の家族は一般の人とは少し違う精神を掲げてる。


「助け合いの精神」


我が家の家訓である。


人は一人で生きていけるとは思ってない。

助け合わなければ生きてけないと思ってる。



でも、私はこの言葉が世界で1番嫌いだ。


助け合いの精神と言う人ほどに、ではなくに位置する者達だ。


現に、父の親戚に助け合いの精神と言って、施しを貰っている。


父も親戚も疑問を持たずに、それが当たり前だと受け入れてる。


私はその事実が心底気持ち悪くてしょうがない。


両親は共働きだが、収入としては、普通である。


決して、他人に施しをするほどの余裕と裕福さはない。


それなのに、父は父方の祖父母に姉にその子供を甘やかしてる。


母に聞いたことがある。
何故、父方の人達にお金をあげたりするの?と....


田舎の人達で父が長男だからしょうがない。同居をしないだけマシだよと言われた。


当時、幼かった私には理解が出来なかった。


大人になった今でも理解できるどころか、理不尽な事だと気づいてる。


私はそのせいで、好きな物が欲しくても、お金が無くて諦めろと言われた。


どんなに泣いて、辛くてまともにご飯が食べれなかった日でも、私がワガママだと怒られた。


私は幼い時に流行ってるゲームソフトが欲しかった。


私は我慢させられて、同い年の従兄弟にはそのゲームソフトをクリスマスプレゼントと言って、あげたのを今でも忘れない。


その人たちのせいで、お金が無くて我慢させられたのに、何故私が欲しかったものを従兄弟にあげたの?


理解が出来ない。


私は中学の時から、新聞配達を始めた。


微々なるものだが、ないよりはマシだと思って、3年間欠かさずにやった。


高校では、友達を作らずに勉強とバイト生活に力を入れた。


バイトは同時期に何個も掛け持ちするのが当たり前で、睡眠不足になりながらも、こなしていた。


その間、従兄弟は所謂、青春を謳歌していった。


バイトを一切せずに、従兄弟両親、祖父母、私の両親からお小遣いを貰っていた。


一応、両親から私へのお小遣いを貰っていたが、私は従兄弟両親にも祖父母にもお小遣いを貰ったことが無かった。


従兄弟両親と祖父母のお小遣いと言われてるものだって、元を辿れば、私の両親が稼いで貢がれた金である。


そのお金で友達やら彼氏やらと遊んでた。


学生の本文の勉強を一切、しないで


おかげで、従兄弟はバカ校なのに、学年でもビリの成績を取ってる。


それでも、友達が沢山いて、色んな男性から告白されて、モテてるから、皆が羨む、高校生活をおくってる。


それに反して私の高校生活はボッチで可哀想らしい。


大して聞いてないのに、メールで延々と自慢されていた。


小さい時から甘やかされて育った。


私の両親でさえも、私より従兄弟を優先してきたから、私は従兄弟の引き立て役。格下認定されている。


だから、羨ましいでしょ。私は本当に可哀想ねと自慢メールを送ってくる。


正直、鬱陶しいと思ってるが、無視したら更なる、面倒臭い事になる事が目に見えてる為に、適当に相槌を打ってる。


勉強にバイトに忙しいのに、くだらないメールを受けるのはイライラするものである。


大学進学には、中学の時の新聞配達と高校3年間のバイトで賄った。


大学に進学してからも、高校と変わらずにバイトを続けて、学費を稼いでいた。


勉学もバイトも手を抜かずに頑張ったお陰か、大手の会社に就職する際、大学費用を両親や奨学制度に頼らず、自らバイトで稼いだ中で、いい成績を残したのと、沢山のバイト経験があったこと、そして、その中でも色々と就職に有利そうな資格を片っ端から取っていた事から無事に就職の内定を貰った。


私は頑張って良かったと心から思った。


大学の授業の課題が多く、資格勉強をするのが大変だった。


複数の掛け持ちバイトでまったく、時間がない中でやっていたからだ。


眠いし、頭がこんがらがるし死ぬかと思った。


体調を崩す日もあったが、それでも、自分の体に鞭を打って頑張った。


就職して、一人暮らしを始めた。


覚える事が沢山だったが、学生生活してる時もり快適だった。


仕事も家事もバイト経験で難なくこなしていた。


色んなバイトして大変だったけど、報われないものがない。


経験は役に立つと思って頑張ってきたが、本当に役に立っていた。


実家に居るよりも、両親や父方の親族に関わらないだけ、快適だった。


学生の時のバイト代も就職しての給料も父にお金が無くて困ってると取られそうに何回もあったが、その都度、断ってる。


現金、通帳、判子は絶対に見つからない場所に隠した。


そのせいか、父とは不仲だし、家が微妙な空気になったと母にも恨まれた。


それでも、私は構わなかった。


私の人生は私のものだ。


私は誰にも奴隷で居たくなかったから、楽しい学生生活を捨てた。





私も歳を重ねて、好きな人が出来た。


告白され、そして、結婚した。


自分よりも相手を気遣う優しい人。
そして、私を優先して甘やかしてくれる人。


甘やかされるのに慣れてなくて、困っていた。


私は両親から貰え無かった愛をこの人に代わりに求めてるんではないかと、自分が怖くなった。


彼の家でプロポーズされた時に、嫌われる覚悟で言った。


それを理由に断ろうとしたのだ。


結局、そんな私も好きだと、甘やかしたいから頑張って慣れてと言われて、そのまま結婚を承諾した。


張り詰めていたものが溶かされるように、ジワジワと心が暖かくなるように感じた。


彼の両親に挨拶しに行った。


私の事情も全て話した。


これで断られてもしょうがないと思ってた。


それでも、この人を諦めたくないから、認めて貰えるまで何回も出向こうと覚悟してた。


拍子抜けで終わったが


結婚に反対する所か、早く結婚して、名実ともにうちの娘になりなさい。


彼に私を守るんですよと2人は言った。


嬉しくて、泣いてしまった。


暖かくて優しいこの人を育てただけあり、ご両親も暖かくて優しかったのだ。


彼の親戚にも集まりの時に紹介してもらって、歓迎された。


ここは、天国か、この人たちは天使だと本気で思ってる。


結婚自体に、反対されなかったが、私の両親に挨拶をするかどうかに議論が持たれた。


綺麗に半々と別れてしまったのだ。


そして、激化してしまった。


1番の原因は彼の両親が対立してしまったのだ。


お義母さんは、しなくていい。長年、私を苦しませた。
就職して、何年も顔合わせてない私の気持ちを考えろと言った。
  

お義父さんは、気持ちは分かる。だが、ケジメとして1回は会っとくべきだと言っていた。


私は両親に会いたくないからお義母さんを応援したいが、お義父さんの言いたいことも理解できる。


彼はそれぞれの話を聞いて、私にも質問してきた。


私の両親に会いたい?


今後、私の両親とどう付き合う予定なの?


今だけ、会わずに過ごすのか、それとも、永遠に会わないのかを聞かれてしまった。


私はずっと、あの人達から逃げたかった。


私にはどれくらいの覚悟を持っていのかは改めて、自分でも考えた。


そして、直ぐに答えがストンと思考に落ちた。


私は自分が思っているよりも、家族を恨んでいたことに気づいてしまった。


あの人たちが死んでもどうでもいいと思えるくらいに


私は愛されたかった。


私は従兄弟よりも我慢をさせられたのが許せなかった。


父方の祖父母と従兄弟両親の厚かましくも醜い怠慢が許せなかった。


母方の親戚も異常には気づいていたのに、黙ったままなのが許せなかった。


父は自分を家族の事を助ける善人者だと思って、私を犠牲にしたのが許せなかった。


母は自分が悲劇のヒロインかのように、健気に夫に尽くしてる良き妻だと思って、私を犠牲にし、良き母であれなかった事を許せなかった。


 
自分が怖い。


ありのままを彼や彼の両親、彼の親戚の前で話した。


彼は分かったと言った。


彼は私の両親や両方の祖父母に従兄弟家族に会いたいと言った。


何故と疑問に思った。


ほかの人たちもそうだ、


彼の意図を理解したのは、お義父さんだけだった。


お義母さんがなんで?と彼に聞いた。


彼は、どうして私がこんな辛い目にあわなきゃいけないこと等を聞きたい。


そして、結婚することによって二度と私には近づかないように宣言するのと、書面にも残したい。


私にとっては辛い事だよね。ごめんねと言った。


二度とあの人達と関わりたくない。


それは、これから生まれるであろう私の子供たちにも関わって欲しくない。


私だけじゃない。


私と彼が結婚して、私と関わることで、暖かな彼や彼の両親や親戚を関わらせたくない。


今、何も言わずに結婚しても、どこからかバレて、厄介な事を連れてくるかもしれない。


なら、今、正式に関わない事を知らせれば、私はこの人たちを守れる。


親戚の1人が弁護士だった。


私への行為は虐待である。証拠もあり、関わらないように法的措置も出来ると言われた。


証拠は私の日課の日記だった。


小学生の時から、周りの人達の理不尽なことに対しての自分の不満をぶつけるようにノートに書いてた。


高校からは、勉強とバイトの忙しさで、頭を整理するためにノートに何があったのか、これからの予定を書いていた。


勉強の参考書や資格勉強に必要な物、大学の全ての費用を私が賄っていたことも書いてあり、そして、それを証明する書類、ペタペタとノートに貼り付けていたのだ。

 
両親が共働きで、裕福さはなくとも、それなりにいい会社に入ってる2人が、お金に苦労するはずはないのに、中学の時から新聞配達をしたり、高校にあがってからの健康を害する程のバイトや大学費用も子供である私が苦労しなければいけないほどになったのは何故か?


父方の祖父母や従兄弟家族にお金を渡していたのが原因なのは明らかである。


世間からは両親は私に虐待しているのと同じだから、今後、関わらないように書面に残す事は難しくない。


1回、絶縁宣言しに話し合うべきだと、意見がまとまった。


そこからはどんちゃん騒ぎだった。


彼の親戚達もが真剣に私を思っての話し合いで凄く嬉しかった。



----------------------




私と彼とお義父さんとお義母さんと親戚の弁護士を連れて、何年ぶりかの両親達に会う日である。


親戚の弁護士には正式に依頼をしたと同時に、勧められた興信所にも依頼をした。


虐待とされた証拠を増やすためである。


親戚の弁護士から、私の両親、両方の祖父母、従兄弟家族を予約した個室に呼びたした。


文句を言っていたそうだが、弁護士の職業に怖気付いたみたいで、素直に来ると言った。


小心者でもある人達だ。絶対に来るであろうと私は確信していた。


来なくても、虐待されたと訴えればいいだけの話だ。


部屋に入ると、私達以外の人が揃っていた。


皆、私を睨んでいた。


私は気にするまでもなく、席に座った。


自己紹介から、始まった。


私の隣にいる彼と結婚するのと彼と共に彼の両親の登場に、皆、驚いていた。


従兄弟に関しては、こんな友達が少なく、根暗ブスとよく結婚しようと思いましたねと感想を述べた。


早速、私の結婚に伴い、私の両親、両方の祖父母、従兄弟家族へ二度と関わらない絶縁宣言である。


両親と両方の祖父母に私の相続放棄の書類も揃っていて、その意思も伝えた。


理由は私の書いていたノートを証拠に私を虐待していた事実であることを伝えた。


両親は父方の人達に私に我慢をさせるまでに、お金を渡していたこと。


私は自分で稼いだお金で大学まで行ったが、従兄弟には3流のバカ高い私立大学に進学するために私の両親がお金を出したこと


今まで、私が得られるはずの権利を従兄弟に優先させたことで虐待になると


父方の祖父母は私を差別して従兄弟を優遇したことに対して
 

母方の祖父母は虐待されていた私を知っていながら、放置してことにより



従兄弟両親も生活能力があったのに、父に普段の生活から金を援助してもらって贅沢三昧していたのと、従兄弟の大学の費用を援助させた事実に対して


従兄弟は、虐待されるひとつの要因だったにも関わらず、わざと私の両親や父方の祖父母にやってもらった事を常々報告し、精神的苦痛により


これらの理由によって絶縁すると伝えた。


今後、私や私周辺の人間に関わらないこと。


関わったら、罰金としてお金も要求する。


事実無根な悪評を流したら名誉毀損罪として訴えるのと罰金としてお金も要求すること。


等が書かれてる書類にサインをするように促した。


すんなりと、素直にサインをするはずもなく反論をされたが、全て恨み辛み込めて、私の今までの思いをぶちまけて、サインをするように促した。



あんたらこころの底から気持ち悪い

 
人に寄生する父方の祖父母に従兄弟家族


娘を平気で犠牲にする両親


父方の祖父母と争いたくないからと平穏のためなら両親と同じく私を犠牲にする母方の祖父母


本当に気持ち悪い


この人たちと血が繋がってるかと思うとゾッとする。


私は最後に言った


あなた達が死のうがどうでもいいから、そういう連絡も要らない。
あなた達が人を不幸にした分、あなた達が不幸になるように祈ってるわ。
さようなら




私はこんなにも冷たい声が出せるのね


本当に自分が思うより闇が深かった。


それでも、彼はこんな私を愛してくれる。
甘やかしてもくれる。
慣れない私を楽しそうに笑う彼。

彼の両親も私を娘のように接してもらってる。
時には厳しく優しく実の娘のような愛をくれる。

彼の親戚にも歓迎され、同世代の人達と仲良くなり、ショッピングに行く仲になった。


過去は理不尽で自分は幸福ではなかった

現在で未来は幸せだと感じた。




    
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