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しおりを挟む「いやぁ、助かったよ!ありがとなぁ嬢ちゃん!」
怪我をしていたハイオーガさんは、兎1匹分の肉を平らげると、傷がみるみるうちに治りすっかり元気になっていた。
「いやぁ、お役に立てて良かったですぅ」
「そんなへっぴり腰で突っ立ってないで、こっち来いよ!」
私は、子鹿のように足を震わせながらハイオーガさんと一定の距離を保っていた。
だって怖いんだもん!
やたら友好的だし!
あ、でも、肉を平らげたあとも無防備に寛いでるハイオーガさんは、私に攻撃しようとしてない。
それどころか、片腕を立てて横になっている
休日のお父さんかよ!!!
渾身のツッコミを心の中で叫んだ私は、対話を試みた。
「あの、ハイオーガ、さん…?」
「なんだぁ?嬢ちゃん」
「えっと、どうして私に攻撃してこないんですか…?」
ハイオーガさんはぽかんとした顔でこちらを見つめる。
しまったぁ!あまりにもド直球な質問だったァ!
機嫌損ねたりしたら待つのは死なのに!!!
ところが、ハイオーガさんは想像とは正反対の反応を見せた。
「だはははぁ!面白いことを言うな嬢ちゃん!俺たちゃ人間とは争わねぇよ。そう魔王様に言われてるからな。それに、魔王様と人間の国の王は仲がいいんだぜ?」
え????
私を呼び出した爺さんよ。話が違うようですが?
「なんでそんなことを聞くんだ?」
「えっと、実はですね…」
私はこの世界に来た時の事、爺さんに言われたこと、そしてここに落とされた時のことをハイオーガさんに説明した。
ーーーーーー
「ほぅ。そいつはきっと、ガラナ教団っていう魔術師集団の長だな。そいつらは人間の国王や魔王様を引きずり下ろして、自分たちがこの世界の頂点に立とうとしてるんだ」
「えっ、それじゃあ私以外の生徒はどうなるんですか?」
「おそらくは洗脳されてガラナ教団の教徒にさせられるだろうな。」
なんと。
あの爺さん、そんな薄汚い事をしていたとは。
「しかし、あまり放ってもおけねぇんだ。ガラナ教団は年に一度黒魔術を使って堕天使を呼び出す。そいつらの力はとんでもなく強い。魔王様でも互角ってとこだな」
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「いや?あと3ヶ月くらいだろ」
いやいやいや
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ん?いや待てよ?
なんでハイオーガさんはこんなに穏やかなんだ??
もうすぐ戦争になるっていうのに。
「ハイオーガさんは戦争になったらどうするんですか?」
「いや?戦争なんて起きねぇぞ?」
何を言ってるんだこの人は???
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