夢(いつの日か)

大神達磨

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story1 頸(クビ)

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 綺麗な空があった。
 私は一人の少女。
 私は発作的にクビの筋肉が収縮して、クビがしまってしまう病気にかかっていた。
 この病気は直しかたが分からない病気らしい。
 私はまだ小さい体と華奢な手足で知識も少ない子供であった。
 ある日、家の中に知らないおじさんがいて急いで倉庫の中に走って隠れたことがあった。
 このとき、母に(走っちゃダメよ)と言われたことを思い出す。
 私は母との約束を忘れてしまい走ったことに後悔していた。
 数分後、おじさんの気配が無くなっていた、緊張の糸がほぐれたせいかクビがしまる感覚が無くなっていた。
 そして次の日私は遊んでいた木のオモチャのささくれが手に刺さってしまった、この日もまた走って母のもとに駆け寄った、母の近くに行ったとき母は(走っちゃダメでしょ)とまた私に言う。
 だけれどやっぱりクビのいたさが引いている、母の近くに行って安心したせいなのかなと思ったが、走っているとき楽になるんじゃないかなとふと思った。
 私は母と父が居ない日に密かに家を出て走った、クビ元がとても楽になり息がしやすかった、その晩私は高熱と共に少しいつもよりクビが締まっていることに気がついた。
 母にどうしたのと聞かれたけれど怒られるのが怖くて何も言わなかった。
 私は走り回るとクビが締まらないことを知った。次の日ほぼ一日中走って走って走り回った、そこら辺にいる野良犬と走った、空を自由に飛ぶ野鳥を見ながら走った、近所の×××××××君と走った。
 私はこんなにも息がしやすいのかと驚いた。
 日が沈む、私は暖かい家に帰ろうと思った。
 家の近くには大きなおじさん達が二人居た。
 何でも道に迷ったそうだ、私は気分がよかったので案内した。
 家に帰る頃には夕日が落ち、今にも暗闇が押し寄せてきそうな微妙な明かりの中で家の前に着く、木で作られたログハウスの中からはスープの香り、お肉の香りがした。
 こんなに清々しい日々に、こんなにお腹が減ってこんなに良い匂いを感じてこんなに胸が高鳴ったのは初めてだった。
 少女はドアノブに手をかける、そうするとドアノブの冷たさが手を冷やす。
 少女はこんな気分の良い日なのだから冷たいドアノブを暖かくしたくなって、少しの間ドアノブを握る。
 外に居たせいか汗が冷えて肌寒く感じた。
 中からは母の呼ぶ声が聞こえる。
 (○○○○○○ご飯よ)
 優しい声が聞こえる、ドアノブを回そうとした瞬間、クビの根元が痙攣し始めた。
 私は驚いてドアノブから手を離す。
 私はゆっくりと締まっていくクビ元に恐怖を感じパニックになる。
 足腰に力が入らなくなる、段々と強くなっていく圧迫感はクビ元に布を巻き付けられ、私でない誰かが締めてゆく感覚がする。
 私は漏らしてしまう、だけれどお構い無しにクビは圧迫され、ついには骨が軋む音が聞こえる、ミチ、パキッ、と音が内側から籠った音と共に聞こえる。
 私はよだれをたらし涙を流しながら暴れる。声は出ない、焦る、怖い、感情が頭の中をぐるぐると回る。
 そして、ボキッと一際大きな音が鳴りそこで意識は途絶える…………。
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 朝起きるとクビに違和感がある、夢の中の感覚をそのまま持ってきたかのように。
 私はいつものように朝食を食べて、スーツを着て違和感と共に出社する。
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