ある老人の残した日記帳

大神達磨

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一冊目××年~○○年まで約4年間20歳~24歳

××年10 月14日 酷い一日

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 今日ははっきりとした幻覚を見た。
 朝起きると綺麗な白の毛にスラッとした体の狐が目の前に居た。
 この日は幻聴はあまり起きず狐は私に何か話しかけているような仕草をし、消えた。
 今日は一段とひどい幻覚を朝から見てしまった。
 会社でも最近では頻繁に見えてしまい仕事が手につかない。
 昼頃に私の持っていた握り飯が取られていた、仕事場には物を盗むような奴が居ないことは分かっていたので家に忘れて来たのだと思うことにした。(結局家にも握り飯は1つも無かった。)
 夜になると、私の寝床の上に今朝居た狐が座っていた、私は握り飯をこいつに食われたと思ったが、幻覚と思い出しアホらしくなって寝床に転がった。
 狐は私に触らないよう部屋を歩いていたので触ることが出来なかった(本物かどうか確認のため触ろうとする。)
 狐は私が寝転んでいる寝床の前に座り朝と同じ様に口を動かす。
 此処で私はふと狐の鳴き声は何だったかと考え出した。
 (確かコンコンだったかな?犬のようにワンワンと鳴くという話も聞いたことがある。)
 そんなことを考えていると狐の方から大分しわがれた声で(貴様の名前はなんと言う)と聞こえた気がした。
 一瞬驚いたが幻聴だと思い私はラジオを付けた、ラジオからはいつものラジオ番組の音ではなく砂嵐の音が鳴り響くだけであった。
 はて、いつの間にかいじってしまったかとツマミを握り局を合わせようとするが何処まで行っても砂嵐であった。
 私はこの幻聴と幻覚のせいで頭と耳と目がおかしくなったのかと思った。
 ふと狐の座っていた方に目を向けるとそこにはまだ狐が座っていた。
 私は脳内で何か異常が起きているのかと考えた。
 幻聴によって脳が錯覚してしまっていると考えた私はアホらしかったが狐に名前を言うことにした。
 名前を言うと狐はまるでそこに居なかったように一瞬で消えた。
 嗚呼、やっぱり幻覚だったかと思いラジオに耳を傾けるといつも聞いている番組が流れていた。
 ラジオを聞きながら今日はこの日記を付けている今日はこの辺りで切り上げよう。
 まだ日が上っているが明日も仕事が有る、筆を置こう。
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