格闘家は旅に出たい

Iris

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06:恋までの距離

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旅人の試合を見た

相手の武器によって戦い方を変えるタイプらしい

基本的に剣を武器に使うか守りに使う、場合によっては剣を支柱代わりにして体術も使っていた

ガンナー「あの剣軽そうだけど、何でできてるんだろ?」

奇術師「たぶん魔法で重力制御をしてる感じですね、攻撃する瞬間だけ解除してます」

格闘家「なるほどね」

対戦票を見ている

奇術師「旅人さんは・・・負けなしですか、すぐにランク上がりそうですね」

ガンナー「3戦して勝ちが1回と引き分けが2回か・・・あのスタイルだと3分は短いかもね」

格闘家「・・・」

ガンナー「どうかした?」

格闘家「いや、あの人の戦い方・・・なんか違和感があるんだよね」

奇術師「そうですかね?」

格闘家「なんとなく、後手に回ってる気がする」

ガンナー「私そろそろ行くわ」

格闘家「あ、この後あるんだった?」

ガンナー「そ、めんどくさいの」

うんざりしながら歩き出した背中に

格闘家「がんばって」

そういいながら笑っていた

奇術師「次は・・槍術師ですね、なんかあるんですか?」

格闘家「ん、あぁ、めんどくさいんだよね、その人・・・見たらわかるよ」

奇術師「はぁ」

ステージに槍を持った男が上がる

女性ファンの歓声が上がる

奇術師「あ、かっこいい人ですね」

格闘家「そ、男性の中で一番人気があるんだけど」

奇術師「だけど」

格闘家「下手な攻撃すると悪役になる」

奇術師「あぁ・・・めんどくせぇー」

ガンナーもステージに上がる

シグナルが赤から青に変わって試合が始まる

ガンナーが距離を取って両手に持ったハンドガンで風の精霊魔法を弾丸の代わりにして撃つ

槍術師が弾丸をはじきながら距離を詰めてくる

ガンナー[火の精霊をつかって髪とか燃やしたら怒られるんだろうな・・・たしかにいい男なんだけどね・・・]

そんなことを考えながら横に駆け出す

右手の風の弾丸を乱射しながら左手の弾切れになったマガジンを落として腰のベルトのマガジンを差し込む

槍術師が弾丸をかわしながら距離を詰めてくる

ガンナー[さすがに上位ランクの動きだな・・・]

槍が突き出されたタイイングで左の銃を顔に向けて撃つ

閃光が走る

槍をかわして回り込む

槍術師が目をおさえて態勢を整えいるところに後ろから抱き着いて首にナイフをあてる

胸を押し付けて耳元でささやく

ガンナー「あなたのファンに恨まれたくないから降参してもらっていいかしら?」

槍術師「・・・わかった」

試合終了

ガンナー「ごめんね、あなたとまともに戦うとファンに悪役にされそうなんだよね、手を貸そうか」

槍術師「あぁ、わかるよ、すまない救護室まで頼む」

そういって手を引きながらステージを出ていく

ガンナー「目はすぐ治せるから安心して」

槍術師「たすかるよ・・・負けて誘うのはなんだな、今日の夜は空いてるか?」

ガンナー「あなたと食事に行ったらそれこそ敵ができるから・・・」

槍術師「そうか」

ガンナー「まぁ、おごってくれるなら考えるな・・・」

槍術師「ん?」

ガンナー「みんなで飲みに行くならいいんじゃない?」

槍術師「みんな?」

ガンナー「そうだな、拳闘師は仲いい?」

槍術師「・・・悪くはないかな」

ガンナー「じゃぁ、その子と格闘家と奇術師を連れていけば打ち上げっぽくなるかな」

槍術師「ははは、そっか、なるほど・・・」

ガンナー「それでいい?」

槍術師「ぜひ、頼むよ」
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