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風邪 ※R18要素あり、注意
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あの日からどこかおかしくなった。
「本当に大丈夫?」
玄関で靴をはきながら綾萌が心配そうにかけてくる声にも緩慢にうなずく。
「大丈夫だってば。熱もだいぶ下がったし、頭痛も薬飲んだからすごく楽になったよ」
あの食事会から身体が異常に怠く、熱を計ってみると一時は高熱の数値を叩き出していた。
頭痛もひどくておそらくひどい風邪だろう。そう思って家にある鎮静剤を飲んで寝込んでいたのだが。
「本当に大丈夫?」
幼い子どもないざ知らず、高校生にもなれば滅多にここまで体調崩すことも少ないからか不安そうに頭を撫でてくる姉に少しくすぐったさすらあった。
「姉ちゃんは心配しすぎだって」
「でも……やっぱり休もうかなぁ」
「ダメだよ。僕のことは気にしないで、なんかあったら連絡するから」
それでも何か言いたげな彼女を少し強引に玄関から外に押し出す。
「大丈夫だから。すぐ良くなるって」
弟の風邪なんかで姉の仕事に穴を開けるわけにはいかない。だいたい今は少し熱っぽいだけだからとなんとか仕事に行かせてから、伊織は小さくため息をついた。
――うん、大丈夫。
頭がぼんやりして熱がこもったような変な感じではあるが、それでも動けないほどではない。
とりあえずもう一眠りしようと重い身体を引きずりながら部屋に戻る。
そしてすぐさまベッドの上に転がってタオルケットにくるまった。
「うぅ」
ひたすら眠たい。泥のように眠りたいと思う反面、なんだか頭の芯が妙に冴えている。
だから色々考えてしまう。
――風邪ひくなんて久しぶりだな……そういやあの時は姉ちゃんがわざわざ学校休んで看病してくれたっけ。
父はただ冷たく一言。
『綾萌と俺には伝染すなよ』
とだけ吐き捨てて仕事に出て行ったことも思い出していた。
その時、悲しかっただろうか。それとも、それはそうだと納得したのか。
――全然覚えてないや。
父に関する思い出はほとんどない。母が死ぬ前は写真も沢山あったのに、そこからは記憶もそれを写したものも何もない。
その代わりをするように綾萌がいつも隣にいてくれたのだ。
――でも姉ちゃんも結婚するんだもんな。
そしてこの家で暮らす。
――透龍さんは気まずくないのかな。
普通、配偶者の兄弟が同居なんて地雷中の地雷だと思うのだが。
しかしだからといって綾萌も透龍も伊織に家を出て欲しいとは言わなかった。むしろ透龍にいたっては。
『家族なんだから』
と将来的にもずっとこの家から大学なり職場なりに通えばいいと言う。
「なんかわかんないなぁ」
どうにも掴みどころのない男だ。しかしひとつ確かなのは彼がアルファであることと、伊織に好意は抱いているらしいということ。
――そういえば。
多少でも酒に酔っているからと流したがあの夜、透龍はとんでもない事を口にしていた事を思い出した。
「僕がオメガ……?」
荒唐無稽すぎる。ベータがオメガに転嫁するなんて漫画の読みすぎだと一蹴したいのだが、あの空気と彼の表情がそうさせなかった。
まさに獲物を狙う蛇のような。
「っ、なに馬鹿なこと考えてるんだ」
透龍の好意はあくまで恋人の弟というだけの繋がりであって、そこに深い意味なんてない。
とはいえ綾萌は知っているのだろうか。透龍がアルファであることを。もしそうならなぜ自分に言わないのかという疑問は残る。
「あぁもう」
眠ってしまいたいのに余計な思考が後から後から巡ってきてしまう。
――それにしても。
熱い、とつぶやいた。
梅雨があけてこれから夏だから気温もそれなりにあるのだが、だとしてもエアコンの効いているはずのこの部屋で汗ばむなんておかしい。
「熱あがっちゃったかなぁ」
そうして体温計を探そうと身体を起こそうとした時。
「……っ、ぅあ!?」
身体に巻きついたシーツが身じろいだ時に締め付けた瞬間、とある衝撃が伊織を襲った。
「ひ、ぁ」
次に汗を含んだ衣服が肌に張り付いた事でまた痺れるような刺激でもんどり打って倒れ込んでしまう。
「あっ、あ……な、んで……!?」
突然の刺激に、伊織はシーツに皺を作りながら身悶えた。
――なにこれ、身体おかしい、おかしくなる。
ちょっとした感覚がまるで全身をくまなく愛撫されたかのような刺激となって彼を苛むのだ。
先程までの熱がただのそれでなく、紛れもなく性的興奮であることを頭の端で理解した。
「はぁっ……ぁ……」
――なんとかしないと。
思考の回らぬ頭でこの熱を逃がす方法を必死に考える。しかしどうも冷静な思考は出来ないらしい。
情けなさに半泣きになりながら自らのルームウェアを下着ごとはだけさせる。
「んぅっ」
すでに芯を持ち先端を濡らしはじめてまでいるソコは、空気に触れただけでも達してしまいそうになっていた。
「あ……ぁ、あぁぁっ、ぁ」
触れるのさえ怖いほどのそれは彼がそっと手を添えただけで呆気なく精を吐き出してしまう。
――そんな。
伊織は愕然とした。
出せばある程度落ち着くだろうと思ったのに、なぜか萎えるどころかむしろまだ足りぬとばかりに熱を帯びる。
「や……ぁ、やだっ、なんで……」
またベソをかきながら自らを慰める。すると今度は二、三度しごいただけで吐精した。
「は……ぁ……なんで、おわんない……っ」
ついに泣き出してしまった伊織だが、はだけた服の端が自分の胸に触れた瞬間にまた大きく仰け反って悶えた。
「ひぃぃっ!?」
それだけでまた絶頂。今度はおずおずと自分でそこに手をやってしまうと。
「いっ、ぁ、ああ、んぅ」
――ダメ、気持ちいい。
こうなればもう理性なんて吹っ飛んでしまう。
まるで狂ったかのように快楽を貪り耽る。
「あああっ、あっ、うひぃ、あっ、あぁ」
――きもちい、きもちぃ、しんじゃうぅ。
もう何も考えたくない。考えられない、とばかりに伊織はベッドの上で自慰し続ける。
それは完全に彼の体力が尽き、寝落ちるまで続いた。
「本当に大丈夫?」
玄関で靴をはきながら綾萌が心配そうにかけてくる声にも緩慢にうなずく。
「大丈夫だってば。熱もだいぶ下がったし、頭痛も薬飲んだからすごく楽になったよ」
あの食事会から身体が異常に怠く、熱を計ってみると一時は高熱の数値を叩き出していた。
頭痛もひどくておそらくひどい風邪だろう。そう思って家にある鎮静剤を飲んで寝込んでいたのだが。
「本当に大丈夫?」
幼い子どもないざ知らず、高校生にもなれば滅多にここまで体調崩すことも少ないからか不安そうに頭を撫でてくる姉に少しくすぐったさすらあった。
「姉ちゃんは心配しすぎだって」
「でも……やっぱり休もうかなぁ」
「ダメだよ。僕のことは気にしないで、なんかあったら連絡するから」
それでも何か言いたげな彼女を少し強引に玄関から外に押し出す。
「大丈夫だから。すぐ良くなるって」
弟の風邪なんかで姉の仕事に穴を開けるわけにはいかない。だいたい今は少し熱っぽいだけだからとなんとか仕事に行かせてから、伊織は小さくため息をついた。
――うん、大丈夫。
頭がぼんやりして熱がこもったような変な感じではあるが、それでも動けないほどではない。
とりあえずもう一眠りしようと重い身体を引きずりながら部屋に戻る。
そしてすぐさまベッドの上に転がってタオルケットにくるまった。
「うぅ」
ひたすら眠たい。泥のように眠りたいと思う反面、なんだか頭の芯が妙に冴えている。
だから色々考えてしまう。
――風邪ひくなんて久しぶりだな……そういやあの時は姉ちゃんがわざわざ学校休んで看病してくれたっけ。
父はただ冷たく一言。
『綾萌と俺には伝染すなよ』
とだけ吐き捨てて仕事に出て行ったことも思い出していた。
その時、悲しかっただろうか。それとも、それはそうだと納得したのか。
――全然覚えてないや。
父に関する思い出はほとんどない。母が死ぬ前は写真も沢山あったのに、そこからは記憶もそれを写したものも何もない。
その代わりをするように綾萌がいつも隣にいてくれたのだ。
――でも姉ちゃんも結婚するんだもんな。
そしてこの家で暮らす。
――透龍さんは気まずくないのかな。
普通、配偶者の兄弟が同居なんて地雷中の地雷だと思うのだが。
しかしだからといって綾萌も透龍も伊織に家を出て欲しいとは言わなかった。むしろ透龍にいたっては。
『家族なんだから』
と将来的にもずっとこの家から大学なり職場なりに通えばいいと言う。
「なんかわかんないなぁ」
どうにも掴みどころのない男だ。しかしひとつ確かなのは彼がアルファであることと、伊織に好意は抱いているらしいということ。
――そういえば。
多少でも酒に酔っているからと流したがあの夜、透龍はとんでもない事を口にしていた事を思い出した。
「僕がオメガ……?」
荒唐無稽すぎる。ベータがオメガに転嫁するなんて漫画の読みすぎだと一蹴したいのだが、あの空気と彼の表情がそうさせなかった。
まさに獲物を狙う蛇のような。
「っ、なに馬鹿なこと考えてるんだ」
透龍の好意はあくまで恋人の弟というだけの繋がりであって、そこに深い意味なんてない。
とはいえ綾萌は知っているのだろうか。透龍がアルファであることを。もしそうならなぜ自分に言わないのかという疑問は残る。
「あぁもう」
眠ってしまいたいのに余計な思考が後から後から巡ってきてしまう。
――それにしても。
熱い、とつぶやいた。
梅雨があけてこれから夏だから気温もそれなりにあるのだが、だとしてもエアコンの効いているはずのこの部屋で汗ばむなんておかしい。
「熱あがっちゃったかなぁ」
そうして体温計を探そうと身体を起こそうとした時。
「……っ、ぅあ!?」
身体に巻きついたシーツが身じろいだ時に締め付けた瞬間、とある衝撃が伊織を襲った。
「ひ、ぁ」
次に汗を含んだ衣服が肌に張り付いた事でまた痺れるような刺激でもんどり打って倒れ込んでしまう。
「あっ、あ……な、んで……!?」
突然の刺激に、伊織はシーツに皺を作りながら身悶えた。
――なにこれ、身体おかしい、おかしくなる。
ちょっとした感覚がまるで全身をくまなく愛撫されたかのような刺激となって彼を苛むのだ。
先程までの熱がただのそれでなく、紛れもなく性的興奮であることを頭の端で理解した。
「はぁっ……ぁ……」
――なんとかしないと。
思考の回らぬ頭でこの熱を逃がす方法を必死に考える。しかしどうも冷静な思考は出来ないらしい。
情けなさに半泣きになりながら自らのルームウェアを下着ごとはだけさせる。
「んぅっ」
すでに芯を持ち先端を濡らしはじめてまでいるソコは、空気に触れただけでも達してしまいそうになっていた。
「あ……ぁ、あぁぁっ、ぁ」
触れるのさえ怖いほどのそれは彼がそっと手を添えただけで呆気なく精を吐き出してしまう。
――そんな。
伊織は愕然とした。
出せばある程度落ち着くだろうと思ったのに、なぜか萎えるどころかむしろまだ足りぬとばかりに熱を帯びる。
「や……ぁ、やだっ、なんで……」
またベソをかきながら自らを慰める。すると今度は二、三度しごいただけで吐精した。
「は……ぁ……なんで、おわんない……っ」
ついに泣き出してしまった伊織だが、はだけた服の端が自分の胸に触れた瞬間にまた大きく仰け反って悶えた。
「ひぃぃっ!?」
それだけでまた絶頂。今度はおずおずと自分でそこに手をやってしまうと。
「いっ、ぁ、ああ、んぅ」
――ダメ、気持ちいい。
こうなればもう理性なんて吹っ飛んでしまう。
まるで狂ったかのように快楽を貪り耽る。
「あああっ、あっ、うひぃ、あっ、あぁ」
――きもちい、きもちぃ、しんじゃうぅ。
もう何も考えたくない。考えられない、とばかりに伊織はベッドの上で自慰し続ける。
それは完全に彼の体力が尽き、寝落ちるまで続いた。
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