4 / 7
4.女王様の首輪①(美形S男がメスに堕とされる話)
しおりを挟む
―――跪け。と彼、ルイは言う。
後ろ手に縛られた女は大人しく柔らかな絨毯の上に膝を付き、うるんだ瞳で男を見上げる。
「何度見ても滑稽だな」
彼は言葉とは裏腹に無表情であった。
筋肉のしっかりついた逞しい身体は、きっちり着込まれた服の上からでも分かるほどである。
対する女は布1枚纏わぬ裸体。
正確に言えば腕と上半身にはしっかりと荒縄が張り巡らされ、ふくよかな乳房が卑猥な形に歪められる。そして縄以外は隠すものがない。
緊縛と言うにはあまりにも簡素な縄飾りに、女は寧ろ乞うような瞳を向ける。
しかし彼は女の声無き要求に応えることはなかった。
「舐めろ」
そう言って突き出したのは裸足の足。
女は不躾な命令を、うっとりとした顔で易々と受け入れるのだ。
『はい』とただ一言鳴いて。
「ぁ……む、んっ……んんっ……ぅ」
足の指一本一本、その間まで。丹念に舐めてしゃぶり尽くしていく。
薄暗い部屋に、ぴちゃぴちゃという何処か淫靡な水音が響く。
それはまるで性器に舌を這わすような。女の腰が揺れ息が荒々しくなり、媚びるような色で目の前の男を見上げる。
……まるで神を崇めるかのように。
「この淫売め」
彼は乱暴に足を女の涎まみれの口から引き抜くと、傍らに立てかけてあった鞭を取り出して呟いた。
馬用の鞭、乗馬鞭である。黒く光るそれは女の白い肌によく生えるだろうか。
それが付ける紅い痕跡も、きっと良く似合うだろうと彼が先日女に購入させたものである。
「あぁっ、ご主人様ぁっ」
女が叫んだ。落とした腰を無様に揺らし、内股をすり合わせて興奮と期待に目を輝かせて。
そんな女の浅ましい姿にも、彼は眉ひとつ動かすことは無い。ただ冷酷に命令し、罰を与えていくだけだ。
それがまた、この女の股を濡らし歓喜の叫びと喘ぎを引き出すのを充分に承知しているのである。
■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪
「ねぇ、起きてよ」
―――彼の意識は、そんな囁きで浮上した。
重い瞼をようやく開けば、飛び込んで来たのは予想以上の光の世界。
反射的に目を閉じ、彼は再び用心深く視界を開いた。
(ここは)
彼の部屋ではない。かと言って、あの女の部屋でもない。
他に沢山いる、性奴隷のどの部屋でもない。もちろん、よく利用するホテルの一室でもなく。
全く知らない部屋のフローリングの床に転がされた彼の心に、じわりと焦りと危機感がつのり始めた瞬間である。
「やっと起きたね。お寝坊さん」
朗らかな声が降ってきた。
彼は顔を上げ、身体を起こそうとする。しかしそれは遂に叶わなかった。
何故なら、その四肢は縄できつく戒められていたからである。
しかも、幾重にも縄が掛けられた手首と足首。それらを手足首纏めて縛られている為、自然と身体を開く形になってしまう。
しかも身体は全裸である。縄のみを纏ったあられもない格好で仰向けに引き倒されていた。
「くっ……な、なんだこれっ!?」
「あははっ、結構良く縛れたでしょ」
驚き慌てる彼に、その声は楽しげに言葉を紡ぐ。
辛うじて視界の端に映ったのは、彼とそう歳かさの変わらない若い男であった。
肌の白い彼と対象に、浅黒い肌。大きく肥大したといっても過言じゃない筋肉。そして、その顔にまるで似合わない柔和な顔。
「腕、ちょっと痛いかな? でも足と手を纏めて繋いじゃうと、隠せなくなるよね」
ツツツ、と指先で彼の身体をなぞった。
その感覚に嫌悪が掻き立てられた男は息を詰めて、次の瞬間声の方向を睨みつける。
「っ……き、貴様、誰だ! なんのためにっ……ぐっ、こんな事を……」
足掻けば足掻くだけ。それどころか身動ぎするだけでギリギリと食い込む荒縄。
痛みと苦しみに息を詰め、上がる息に唇を噛み締めている。
「本来なら『人に名前を聞くときは自分から』って言うんだけどねぇ。ま、良いかな。ルイ君、素敵な名前だ。僕のことはご主人様とでも呼びなよ。もっと君が良い子になれば、名前教えてあげるから」
ご主人様、と名乗る男をルイは射殺さんばかりに睨みつける
その逞しく美しい彫像のような身体も、緊縛されれば大きく動かすことは出来ない。
普段女たちを縛り、冷たく視姦するその整った容姿も今や怒りと驚愕によって薄紅く染まっていた。
「君がたくさんの女達を性奴として飼っていることは知っているよ。僕は君みたいな男が大好きでね。彼女達のご主人様である君を調教する事にしたんだ」
「何を勝手な事をっ! 貴様、こんな事をして許されると……」
告げられた身勝手な言葉に、彼は牙を剥くように声を上げる。
しかし悲しいかな、その威勢の良さは言葉だけで男はやはり穏やかな表情を崩さない。
むしろ慈しみを持って縄にまみれた白い肌をゆっくり撫で回し、耳元に息と言葉を吹き込む。
「まぁゆっくり思い知れば良いさ……己の無力を」
「くっ……変態め」
男は笑みを崩さず、彼は嫌悪に顔を歪めた。
■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□
「ぅ……っ、さ、触るな……」
「まずここを開発していこうか」
彼の低い声と、男の笑みを含んだ声。
身体中に得体の知れぬ粘着質な液体をかけられた時は、思わず悲鳴を上げた彼だ。しかしそれはローションらしく、ヌチヌチと淫猥な音をさせて完璧とも言える肉体がいやらしい光を帯びる。
しかも先程からしつこく弄られているのは胸の二つの飾り。先ずはぷっくりと膨らんだ乳輪を丹念に、焦らすようになぞり始める。
ひたすら優しく片手の三本指で、くるくるとマッサージでも施すような手つきだ。
同時にもう片方はゆっくりと下肢に下ろされた。
「ひっ……!」
突然握りこまれた事で、怯えた声を上げる様に気を良くしたのか。男は大して焦らすことなく彼の性器をなぶり始める。
「うぁ、っ、くっ……んんっ、ぅく……っ」
声を殺しつつも、その的確で性急な刺激に腰が揺れ始め明らかに快感を追い始めていた。
その間にも乳首への愛撫は止まらい。連動させるかのような動きに、いつしか彼はそこに何やら別の感覚を感じ取り始めていた。
(な、なんか、変な、感じ……が)
脳の錯覚だと自身に喝を入れるが、次第に上がっていく息と高まる快感には無力である。
「あっ、くぅ……ぅ、っ……っはぁ、あっ、あっ……」
「おや? もしかしてここ気持ちよくなってきちゃったかな」
「っ、誰がッ、こ、の……いぃ゙ッ!?」
完全に喘ぎ声になった彼の反応に、揶揄うような男の声。
悔しさに口を開けども、乳首をキュッと強く抓り上げられ悲鳴を上げた。
「い、痛っ、や、やめっ……ひぃんッ!」
「ほらほら。素直になりな」
優しい愛撫と痛み。絶妙なタイミングで与えられた身体はビクビクと震え、下肢で継続して与えられる快楽と共に彼の脳にある意識を埋め込んでいく。
(や、やばいっ、ち、乳首が……っ)
「あはは、気持ちよさそうな顔しちゃって……女の子みたい」
「だ、誰がッ! っあ……ン、気持ち、良く、なんてぇ……っ、ァ、うぅっ……」
「うーん、強情だなぁ。困ったぞ」
言葉とは裏腹に男の声と顔はとても楽しそうである。
今にも吐精してしまいそうな張り詰めたペニスをゆるゆると刺激しながら思案していた。
さて、どうやって陥落させてやろうかと―――。
「うぅっ、あ、っ、はぁ、ン……っくぅ」
彼は己の吐き出したい欲に抗いながら、じわじわと苛み始めた新しい性感に戸惑っていた。
その脳裏には、先日乳首責めだけで絶頂させた女の様が過ぎる。
開発済のそこに電マを当てられ、淫猥な言葉の数々を喚き散らしながら昇天した淫らな女。
今自分がその女と同じ仕打ちを受けている。そして、今にも泣き叫び腰をガクつかせてイってしまいそう。
数多くの女達のご主人様であった彼のプライドが粉々に打ち壊されてしまう恐怖に怯えたのだ。
……しかしその時は確実に訪れる。
「はっ、ぁっ、うぅ、っく、ンぁ、あぁ」
(ダメだ! 我慢、できない)
ペニスへの刺激だけじゃない、いつしか乳首責めによる快感が嫌と言うほど彼を高ぶらせていた。
「ほら我慢せずにイっちゃいなよ。あの淫乱女達みたいに」
「!? ……ぅあアッ、あっ、あっ、あっ、はぁん」
耳元で囁かれた呪いのような言葉に、ヒクリと背中を震わせる。
(い、淫乱!? 俺の事か)
女のようだと嗤われ、緩急つけて嬲られる性感帯にいよいよ絶頂が近づいていく。
「はぅっ……ぅ、あっあっあっあっ、はぁ、んんんっ、ああぁぁ゙ぁ゙ぁ゙っ!」
ビクビクとの陸に上げられた魚のようにのたうつ身体。しかし彼は気付いていなかった。
……達する少し前から、男がペニスを扱く手を止めていた事に。
つまり、彼は乳首だけの刺激でイッたのである。いわゆるメスイキのひとつであり、深い快感とその余韻は雄の射精とは一線を画す。
いわゆる『賢者タイム』というものも存在しない為、彼の身体はまた新たな性的刺激を求めて知らず知らずのうちに身を捩っていたのである。
「可愛い」
男はそう囁くと、彼の頬に口付けを落とした。
まるで母から子に送る慈愛と優しさに溢れたキスである。彼は身動ぎ、子犬が甘えるかのような吐息を漏らす。
「ね、ルイ君。上手に気持ちよくなれたね」
「うっ……ん、だ、誰が貴様なんか、の……っ」
すぐに理性を取り戻したのは流石と言うべきか。しかしこの事こそ、彼にこれから降りかかる悲劇の発端と言えなくもなかった。
男は、うっそりと微笑む。
「そうかぁ……じゃ、もっと頑張ろうかなぁ」
「っ、何を、する……ぅ゙あ゙ッ! き、貴様!どこに触っ……ぅぐっ」
おもむろに触れられたのは尻穴である。
排泄器であるそこを乱暴に指を突刺すと、やはり強力な男の括約筋がその侵入を阻む。
第一関節すら入らないその乾いた箇所の感触に、男は処女を感じてほくそ笑んだ。
「今からここをルイ君のメス穴に作り替えちゃおうねぇ」
「め、メス!? ……っぎぃ!」
抗議もさせさせて貰えず、再びローションをたっぷりまぶされたそこに先ずは一本、と人差し指が差し込まれる。
滑りを借りての侵入に、彼は初めての異物感を感じて強く眉を寄せた。
指は無遠慮に出し入れを繰り返したり、ナカを探るように曲げ伸ばしされたり、と予想不可能な動きを繰り返す。
無論、まだそこに快楽など感じ得ることはない。
「うん、痛くないみたいだね。良い子だよ」
優しいその口調はまるで犬を褒めるかのようだ。牙を剥くような呻き声が彼の口から発せられたとしても、その柔和な表情は変わらない。
「き、気色悪い事っ、しやがって……っ!?」
「ハイハイ、もう一本」
ハナから話など聞いていない、とばかりに今度は中指が捩じ込まれる。
増えた圧迫感に一瞬たじろぐも、やはり痛みはない。
彼は知らなかったが、事の最中に使われているこのローションはただの量産品ではない。
この男が独自に開発、調合させた特別製である。いわゆる淫催効果のある成分が多量に含まれており、その効果は少なくとも今現在彼の白い肌を上気させるには充分なシロモノだった。
「うぐぅ……っ、くそっ、この変態、野郎めぇ……」
(俺は絶対屈さない。陥落などするものか)
唯一自由になる眼光鋭く男を睨み、ギリッと奥歯を噛み締める。
その表情こそが、男に調教の暗い歓びを増幅させることを知らずに。
「ふふっ、いいね。うん、ここ、かなぁ」
ローションを直接垂らされ、より滑りの良くなったそこがぐちゅぐちゅと聞くに耐えない水音を響かせる。
必死で尻穴を締めて抵抗を試みる彼だったが、不意にビクリと痙攣を起こした。
「お! ……ここかぁ」
嬉しそうに、ニンマリ笑ったその笑顔。彼は恐れ息をのむ。
「ひっ、い、今のは……違っ……っあ゙!? うぉ゙」
思わず妙な声を上げるほど、ソコは異質な箇所であった。
前立腺……その知識の欠片ほどはあったが、ノンケで更にSの彼にとっては不要な所であったし、それは気持ちいい等と言う言葉で表す事の出来ない感覚。
(な、なんだこれっ……こ、怖い)
「ここね。君がオンナノコになれる場所の一つだよ。覚えておこう、ねっ」
「うぁ゙っ……おぉ゙っ、や、やめ……っ、んぎぃッ!?」
そこをさすられると同時に指がまた一本増やされ、更にペニスへの刺激も開始される。
下半身に集中するその強すぎる刺激に、喉を晒し身を捩って耐える。
もはや咆哮に近い喘ぎに、男は小さく笑った。
「あらあら。ルイ君感じやすいんだねぇ……初めてで、こんなに激しくなっちゃう子。僕見たことないなぁ……本当に君、ノンケだったの?」
「ひ、っぃ、ぁがっ、はぁ……っ……う、うるさ……こ、こんな、事……っあぁっ……!!」
「あーぁ、こりゃもうメスだよ。君はメス。メスで、こうやって酷く激しくされるほど感じちゃうマゾネコちゃんだ」
「何をっ、勝手な、ぁぁっ、はぁぁぁ、んんッ……」
「あははっ。いやらしくケツ振って、指三本じゃ足りなくなっちゃった?」
ペニスを扱く手を止めて、その筋肉のついた尻を揉みしだく。
媚薬入りローションと前立腺への刺激で、すっかり出来上がっていたしなやかな身体は、張り巡らされた縄を自ら締め付けながら、ビクビクッと震えて感じ入っていた。
さらに掛けられた屈辱的な言葉に、激しい怒りを感じながらも、抵抗の言葉の合間には堪えきれず漏れる喘ぎが止まらない。
暴力的な快感に攫われ泣く姿に、男はゴクリと生唾を飲み込んだ。
「こんなに煽って。君は本当に、悪い子だなぁ」
「ひぃんッ……!! っはぁ、何を言って……ま、まさか! やめろ、それだけは、頼むから、やめてくれ……」
指を引き抜かれてすぐに当てられた生々しい肉の感触。男であれば、なんの瞬間か分かる。チヌチヌとローションまみれのそこを男の肉棒が擦り付けて挿入を焦らす。
彼は己が女のように抱かれる、という避けようもない現実に恐慄き思わず懇願した。
「駄目だよ。今から君は僕と愛情たっぷりの処女セックスするんだ。ほら、初めてだから優しくしてあげる……ね、嬉しいでしょ?」
「何を狂った事をっ! やっ、擦り付け、ん、なぁぁっ……あ゙ぁ゙っ、やだッ、入っ、ちゃ……やだぁぁぁっ!!」
必死で腰を揺らし挿入から逃れようとするが、それは無駄な抵抗である。現に大量のローションの滑りで、ゆっくりだが確実に大きく怒張した肉棒が彼のナカに侵入してきているのだ。
「ぁがッ……ぃい゙、痛ぃぃっ、ぬ、抜いて、くれ……」
「嘘、ばっかり。そんなに痛くないでしょ。でも確かにすごくキツい、ねぇ……っと」
男はおもむろに、ぶるぶる震えている首筋に唇を寄せた。
そしてとびきり優しいキスを何度か落とす。
ちゅ、ちゅ、ちゅ、と慰めるようなその口付けは彼にとってどんな救いになるのだろうか。
そして次に耳朶に息を吹きかけ、舌で触れる。ビクンッと大きく震え、圧迫感と苦痛で泣いていた声に微か色が交じる。
そのまま大胆にも舌を耳の穴に捩じ込むように這わせ始めた。
ゾクゾクと悪寒のような感覚が背骨を走り、思わず『あっ……』と鼻にかかった声を上げれば、女のようだと嗤われる。
(くそっ、ダメだ。力が抜けちまう)
腰にズン、と重く甘い疼きを感じた瞬間に楔のように更に深く打ち込まれた男の感触を意識してしまう。
「これで僕達ひとつになったね。ほら、見てごらん……君のお尻の穴、遂にオンナノコだよ」
「死ねッ! このクズ野郎が……ひぐっ!? う、動かす、なっ……ぇっ」
挿入箇所の縁を嬉しそうに指でなぞっていた男だが、彼の悪態を最後まで聞くことなく律動を始めたのだ。
ずりゅっ、ずりゅっ、とまるで入れる時のが嘘のような性急な動き。 慣れぬ事に苦しみ喘ぐ彼のことなんかお構い無しだ。
それは機械的で無情で冷酷で。皮肉な事に、彼が行う常々女達とのまぐわいに非常に似ていた。まるでオナホールのようなぞんざいな扱いは、彼の精神を崩しにかかっているのは明白だった。
「ゔぐっ、ひぎっ、あ゙ぁ゙っ……いぃぃ」
「あははは、ひっどい声だねぇ。どう? ……ただの穴扱いされるのは」
「き、貴様ッ……がっ、さ、さっさと、終わらせ、ろ」
もはや開き直ったように再び殺気立った視線を寄越す綺麗な顔に、男は穏やかな笑みをますます深める。
男の脳裏にはただ一つ、タイミングをはかっていた。
……飴と鎖の絶妙なタイミングを。
「ルイ君は本当はMで、こうやって酷くされる方が好きなのかな? それとも……」
「っ!? ぃひっ、はぁ、んあっ、そ、そこはっ……!」
苦痛に身構えた身体に突如狙われた弱い箇所。
途端彼の怒りの表情が、だらしなにモノに変わり始める。
覚えたての前立腺への快感をガシガシ叩き込まれて、堪らず半開きになった口からは女のような喘ぎ声が止まらなくなった。
「んぁっ、ああっん、は、ひぐぅ、や、やめぇぇッ、これ、やだぁぁっ、し、死ぬぅ、壊れ、ちまうぅぅっ」
「……壊れて良いんだよ。そして僕のモノになるんだから」
「だっ、誰が貴様、んぁっ……のモノに、なんか……俺はっ……」
彼とてプライドというものがある。
其の類まれなる容姿と恵まれた体躯。まさに神が創りし芸術品のような男として数多くの女達の上に君臨してきた。
更に外見だけではない。知能が高く、他者の心を掴むのに長けたタラシでもある。特に女性の扱いには、催眠術でも使っているんじゃなかろうかと囁かれるほどだった。
―――そんな彼が、今まさに1人の男に組み敷かれ全てを暴かれて屈服を余儀なくされている。
初めての甘く激しい快楽に揺さぶられ、生娘のように身体を震わせて啼いているのだ。
その高いプライドをへし折らんと、男の暗い微笑みを浮かべた。
「あっそ……じゃあ、これからルイ君のここをめちゃくちゃに突きまくっちゃおう。途中でやめてって泣いても止めない。その代わり先にイったら、君の負けだよ?」
「こんなふざけた事っ……!」
「あれぇ? もしかして自信ないのかな。イイトコロたくさん刺激されて恥ずかしいメスイキしちゃうとか……まさかねぇ。あのご主人様が、ね」
「貴様ッ」
何度目にもなる反抗的な眼差しに、軽く頷いいた男はそれを合意と受け取ったらしい。
身体を強ばらせる彼を調教する準備は整ったようだ。
「……じゃ、頑張ってね」
男は彼の額にひとつ、口付けた―――。
■□▪▫■□▫▪■□▪▫
※ちょっと力尽きました。
文字数の関係もありますので、一旦区切ります。
後ろ手に縛られた女は大人しく柔らかな絨毯の上に膝を付き、うるんだ瞳で男を見上げる。
「何度見ても滑稽だな」
彼は言葉とは裏腹に無表情であった。
筋肉のしっかりついた逞しい身体は、きっちり着込まれた服の上からでも分かるほどである。
対する女は布1枚纏わぬ裸体。
正確に言えば腕と上半身にはしっかりと荒縄が張り巡らされ、ふくよかな乳房が卑猥な形に歪められる。そして縄以外は隠すものがない。
緊縛と言うにはあまりにも簡素な縄飾りに、女は寧ろ乞うような瞳を向ける。
しかし彼は女の声無き要求に応えることはなかった。
「舐めろ」
そう言って突き出したのは裸足の足。
女は不躾な命令を、うっとりとした顔で易々と受け入れるのだ。
『はい』とただ一言鳴いて。
「ぁ……む、んっ……んんっ……ぅ」
足の指一本一本、その間まで。丹念に舐めてしゃぶり尽くしていく。
薄暗い部屋に、ぴちゃぴちゃという何処か淫靡な水音が響く。
それはまるで性器に舌を這わすような。女の腰が揺れ息が荒々しくなり、媚びるような色で目の前の男を見上げる。
……まるで神を崇めるかのように。
「この淫売め」
彼は乱暴に足を女の涎まみれの口から引き抜くと、傍らに立てかけてあった鞭を取り出して呟いた。
馬用の鞭、乗馬鞭である。黒く光るそれは女の白い肌によく生えるだろうか。
それが付ける紅い痕跡も、きっと良く似合うだろうと彼が先日女に購入させたものである。
「あぁっ、ご主人様ぁっ」
女が叫んだ。落とした腰を無様に揺らし、内股をすり合わせて興奮と期待に目を輝かせて。
そんな女の浅ましい姿にも、彼は眉ひとつ動かすことは無い。ただ冷酷に命令し、罰を与えていくだけだ。
それがまた、この女の股を濡らし歓喜の叫びと喘ぎを引き出すのを充分に承知しているのである。
■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪
「ねぇ、起きてよ」
―――彼の意識は、そんな囁きで浮上した。
重い瞼をようやく開けば、飛び込んで来たのは予想以上の光の世界。
反射的に目を閉じ、彼は再び用心深く視界を開いた。
(ここは)
彼の部屋ではない。かと言って、あの女の部屋でもない。
他に沢山いる、性奴隷のどの部屋でもない。もちろん、よく利用するホテルの一室でもなく。
全く知らない部屋のフローリングの床に転がされた彼の心に、じわりと焦りと危機感がつのり始めた瞬間である。
「やっと起きたね。お寝坊さん」
朗らかな声が降ってきた。
彼は顔を上げ、身体を起こそうとする。しかしそれは遂に叶わなかった。
何故なら、その四肢は縄できつく戒められていたからである。
しかも、幾重にも縄が掛けられた手首と足首。それらを手足首纏めて縛られている為、自然と身体を開く形になってしまう。
しかも身体は全裸である。縄のみを纏ったあられもない格好で仰向けに引き倒されていた。
「くっ……な、なんだこれっ!?」
「あははっ、結構良く縛れたでしょ」
驚き慌てる彼に、その声は楽しげに言葉を紡ぐ。
辛うじて視界の端に映ったのは、彼とそう歳かさの変わらない若い男であった。
肌の白い彼と対象に、浅黒い肌。大きく肥大したといっても過言じゃない筋肉。そして、その顔にまるで似合わない柔和な顔。
「腕、ちょっと痛いかな? でも足と手を纏めて繋いじゃうと、隠せなくなるよね」
ツツツ、と指先で彼の身体をなぞった。
その感覚に嫌悪が掻き立てられた男は息を詰めて、次の瞬間声の方向を睨みつける。
「っ……き、貴様、誰だ! なんのためにっ……ぐっ、こんな事を……」
足掻けば足掻くだけ。それどころか身動ぎするだけでギリギリと食い込む荒縄。
痛みと苦しみに息を詰め、上がる息に唇を噛み締めている。
「本来なら『人に名前を聞くときは自分から』って言うんだけどねぇ。ま、良いかな。ルイ君、素敵な名前だ。僕のことはご主人様とでも呼びなよ。もっと君が良い子になれば、名前教えてあげるから」
ご主人様、と名乗る男をルイは射殺さんばかりに睨みつける
その逞しく美しい彫像のような身体も、緊縛されれば大きく動かすことは出来ない。
普段女たちを縛り、冷たく視姦するその整った容姿も今や怒りと驚愕によって薄紅く染まっていた。
「君がたくさんの女達を性奴として飼っていることは知っているよ。僕は君みたいな男が大好きでね。彼女達のご主人様である君を調教する事にしたんだ」
「何を勝手な事をっ! 貴様、こんな事をして許されると……」
告げられた身勝手な言葉に、彼は牙を剥くように声を上げる。
しかし悲しいかな、その威勢の良さは言葉だけで男はやはり穏やかな表情を崩さない。
むしろ慈しみを持って縄にまみれた白い肌をゆっくり撫で回し、耳元に息と言葉を吹き込む。
「まぁゆっくり思い知れば良いさ……己の無力を」
「くっ……変態め」
男は笑みを崩さず、彼は嫌悪に顔を歪めた。
■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□
「ぅ……っ、さ、触るな……」
「まずここを開発していこうか」
彼の低い声と、男の笑みを含んだ声。
身体中に得体の知れぬ粘着質な液体をかけられた時は、思わず悲鳴を上げた彼だ。しかしそれはローションらしく、ヌチヌチと淫猥な音をさせて完璧とも言える肉体がいやらしい光を帯びる。
しかも先程からしつこく弄られているのは胸の二つの飾り。先ずはぷっくりと膨らんだ乳輪を丹念に、焦らすようになぞり始める。
ひたすら優しく片手の三本指で、くるくるとマッサージでも施すような手つきだ。
同時にもう片方はゆっくりと下肢に下ろされた。
「ひっ……!」
突然握りこまれた事で、怯えた声を上げる様に気を良くしたのか。男は大して焦らすことなく彼の性器をなぶり始める。
「うぁ、っ、くっ……んんっ、ぅく……っ」
声を殺しつつも、その的確で性急な刺激に腰が揺れ始め明らかに快感を追い始めていた。
その間にも乳首への愛撫は止まらい。連動させるかのような動きに、いつしか彼はそこに何やら別の感覚を感じ取り始めていた。
(な、なんか、変な、感じ……が)
脳の錯覚だと自身に喝を入れるが、次第に上がっていく息と高まる快感には無力である。
「あっ、くぅ……ぅ、っ……っはぁ、あっ、あっ……」
「おや? もしかしてここ気持ちよくなってきちゃったかな」
「っ、誰がッ、こ、の……いぃ゙ッ!?」
完全に喘ぎ声になった彼の反応に、揶揄うような男の声。
悔しさに口を開けども、乳首をキュッと強く抓り上げられ悲鳴を上げた。
「い、痛っ、や、やめっ……ひぃんッ!」
「ほらほら。素直になりな」
優しい愛撫と痛み。絶妙なタイミングで与えられた身体はビクビクと震え、下肢で継続して与えられる快楽と共に彼の脳にある意識を埋め込んでいく。
(や、やばいっ、ち、乳首が……っ)
「あはは、気持ちよさそうな顔しちゃって……女の子みたい」
「だ、誰がッ! っあ……ン、気持ち、良く、なんてぇ……っ、ァ、うぅっ……」
「うーん、強情だなぁ。困ったぞ」
言葉とは裏腹に男の声と顔はとても楽しそうである。
今にも吐精してしまいそうな張り詰めたペニスをゆるゆると刺激しながら思案していた。
さて、どうやって陥落させてやろうかと―――。
「うぅっ、あ、っ、はぁ、ン……っくぅ」
彼は己の吐き出したい欲に抗いながら、じわじわと苛み始めた新しい性感に戸惑っていた。
その脳裏には、先日乳首責めだけで絶頂させた女の様が過ぎる。
開発済のそこに電マを当てられ、淫猥な言葉の数々を喚き散らしながら昇天した淫らな女。
今自分がその女と同じ仕打ちを受けている。そして、今にも泣き叫び腰をガクつかせてイってしまいそう。
数多くの女達のご主人様であった彼のプライドが粉々に打ち壊されてしまう恐怖に怯えたのだ。
……しかしその時は確実に訪れる。
「はっ、ぁっ、うぅ、っく、ンぁ、あぁ」
(ダメだ! 我慢、できない)
ペニスへの刺激だけじゃない、いつしか乳首責めによる快感が嫌と言うほど彼を高ぶらせていた。
「ほら我慢せずにイっちゃいなよ。あの淫乱女達みたいに」
「!? ……ぅあアッ、あっ、あっ、あっ、はぁん」
耳元で囁かれた呪いのような言葉に、ヒクリと背中を震わせる。
(い、淫乱!? 俺の事か)
女のようだと嗤われ、緩急つけて嬲られる性感帯にいよいよ絶頂が近づいていく。
「はぅっ……ぅ、あっあっあっあっ、はぁ、んんんっ、ああぁぁ゙ぁ゙ぁ゙っ!」
ビクビクとの陸に上げられた魚のようにのたうつ身体。しかし彼は気付いていなかった。
……達する少し前から、男がペニスを扱く手を止めていた事に。
つまり、彼は乳首だけの刺激でイッたのである。いわゆるメスイキのひとつであり、深い快感とその余韻は雄の射精とは一線を画す。
いわゆる『賢者タイム』というものも存在しない為、彼の身体はまた新たな性的刺激を求めて知らず知らずのうちに身を捩っていたのである。
「可愛い」
男はそう囁くと、彼の頬に口付けを落とした。
まるで母から子に送る慈愛と優しさに溢れたキスである。彼は身動ぎ、子犬が甘えるかのような吐息を漏らす。
「ね、ルイ君。上手に気持ちよくなれたね」
「うっ……ん、だ、誰が貴様なんか、の……っ」
すぐに理性を取り戻したのは流石と言うべきか。しかしこの事こそ、彼にこれから降りかかる悲劇の発端と言えなくもなかった。
男は、うっそりと微笑む。
「そうかぁ……じゃ、もっと頑張ろうかなぁ」
「っ、何を、する……ぅ゙あ゙ッ! き、貴様!どこに触っ……ぅぐっ」
おもむろに触れられたのは尻穴である。
排泄器であるそこを乱暴に指を突刺すと、やはり強力な男の括約筋がその侵入を阻む。
第一関節すら入らないその乾いた箇所の感触に、男は処女を感じてほくそ笑んだ。
「今からここをルイ君のメス穴に作り替えちゃおうねぇ」
「め、メス!? ……っぎぃ!」
抗議もさせさせて貰えず、再びローションをたっぷりまぶされたそこに先ずは一本、と人差し指が差し込まれる。
滑りを借りての侵入に、彼は初めての異物感を感じて強く眉を寄せた。
指は無遠慮に出し入れを繰り返したり、ナカを探るように曲げ伸ばしされたり、と予想不可能な動きを繰り返す。
無論、まだそこに快楽など感じ得ることはない。
「うん、痛くないみたいだね。良い子だよ」
優しいその口調はまるで犬を褒めるかのようだ。牙を剥くような呻き声が彼の口から発せられたとしても、その柔和な表情は変わらない。
「き、気色悪い事っ、しやがって……っ!?」
「ハイハイ、もう一本」
ハナから話など聞いていない、とばかりに今度は中指が捩じ込まれる。
増えた圧迫感に一瞬たじろぐも、やはり痛みはない。
彼は知らなかったが、事の最中に使われているこのローションはただの量産品ではない。
この男が独自に開発、調合させた特別製である。いわゆる淫催効果のある成分が多量に含まれており、その効果は少なくとも今現在彼の白い肌を上気させるには充分なシロモノだった。
「うぐぅ……っ、くそっ、この変態、野郎めぇ……」
(俺は絶対屈さない。陥落などするものか)
唯一自由になる眼光鋭く男を睨み、ギリッと奥歯を噛み締める。
その表情こそが、男に調教の暗い歓びを増幅させることを知らずに。
「ふふっ、いいね。うん、ここ、かなぁ」
ローションを直接垂らされ、より滑りの良くなったそこがぐちゅぐちゅと聞くに耐えない水音を響かせる。
必死で尻穴を締めて抵抗を試みる彼だったが、不意にビクリと痙攣を起こした。
「お! ……ここかぁ」
嬉しそうに、ニンマリ笑ったその笑顔。彼は恐れ息をのむ。
「ひっ、い、今のは……違っ……っあ゙!? うぉ゙」
思わず妙な声を上げるほど、ソコは異質な箇所であった。
前立腺……その知識の欠片ほどはあったが、ノンケで更にSの彼にとっては不要な所であったし、それは気持ちいい等と言う言葉で表す事の出来ない感覚。
(な、なんだこれっ……こ、怖い)
「ここね。君がオンナノコになれる場所の一つだよ。覚えておこう、ねっ」
「うぁ゙っ……おぉ゙っ、や、やめ……っ、んぎぃッ!?」
そこをさすられると同時に指がまた一本増やされ、更にペニスへの刺激も開始される。
下半身に集中するその強すぎる刺激に、喉を晒し身を捩って耐える。
もはや咆哮に近い喘ぎに、男は小さく笑った。
「あらあら。ルイ君感じやすいんだねぇ……初めてで、こんなに激しくなっちゃう子。僕見たことないなぁ……本当に君、ノンケだったの?」
「ひ、っぃ、ぁがっ、はぁ……っ……う、うるさ……こ、こんな、事……っあぁっ……!!」
「あーぁ、こりゃもうメスだよ。君はメス。メスで、こうやって酷く激しくされるほど感じちゃうマゾネコちゃんだ」
「何をっ、勝手な、ぁぁっ、はぁぁぁ、んんッ……」
「あははっ。いやらしくケツ振って、指三本じゃ足りなくなっちゃった?」
ペニスを扱く手を止めて、その筋肉のついた尻を揉みしだく。
媚薬入りローションと前立腺への刺激で、すっかり出来上がっていたしなやかな身体は、張り巡らされた縄を自ら締め付けながら、ビクビクッと震えて感じ入っていた。
さらに掛けられた屈辱的な言葉に、激しい怒りを感じながらも、抵抗の言葉の合間には堪えきれず漏れる喘ぎが止まらない。
暴力的な快感に攫われ泣く姿に、男はゴクリと生唾を飲み込んだ。
「こんなに煽って。君は本当に、悪い子だなぁ」
「ひぃんッ……!! っはぁ、何を言って……ま、まさか! やめろ、それだけは、頼むから、やめてくれ……」
指を引き抜かれてすぐに当てられた生々しい肉の感触。男であれば、なんの瞬間か分かる。チヌチヌとローションまみれのそこを男の肉棒が擦り付けて挿入を焦らす。
彼は己が女のように抱かれる、という避けようもない現実に恐慄き思わず懇願した。
「駄目だよ。今から君は僕と愛情たっぷりの処女セックスするんだ。ほら、初めてだから優しくしてあげる……ね、嬉しいでしょ?」
「何を狂った事をっ! やっ、擦り付け、ん、なぁぁっ……あ゙ぁ゙っ、やだッ、入っ、ちゃ……やだぁぁぁっ!!」
必死で腰を揺らし挿入から逃れようとするが、それは無駄な抵抗である。現に大量のローションの滑りで、ゆっくりだが確実に大きく怒張した肉棒が彼のナカに侵入してきているのだ。
「ぁがッ……ぃい゙、痛ぃぃっ、ぬ、抜いて、くれ……」
「嘘、ばっかり。そんなに痛くないでしょ。でも確かにすごくキツい、ねぇ……っと」
男はおもむろに、ぶるぶる震えている首筋に唇を寄せた。
そしてとびきり優しいキスを何度か落とす。
ちゅ、ちゅ、ちゅ、と慰めるようなその口付けは彼にとってどんな救いになるのだろうか。
そして次に耳朶に息を吹きかけ、舌で触れる。ビクンッと大きく震え、圧迫感と苦痛で泣いていた声に微か色が交じる。
そのまま大胆にも舌を耳の穴に捩じ込むように這わせ始めた。
ゾクゾクと悪寒のような感覚が背骨を走り、思わず『あっ……』と鼻にかかった声を上げれば、女のようだと嗤われる。
(くそっ、ダメだ。力が抜けちまう)
腰にズン、と重く甘い疼きを感じた瞬間に楔のように更に深く打ち込まれた男の感触を意識してしまう。
「これで僕達ひとつになったね。ほら、見てごらん……君のお尻の穴、遂にオンナノコだよ」
「死ねッ! このクズ野郎が……ひぐっ!? う、動かす、なっ……ぇっ」
挿入箇所の縁を嬉しそうに指でなぞっていた男だが、彼の悪態を最後まで聞くことなく律動を始めたのだ。
ずりゅっ、ずりゅっ、とまるで入れる時のが嘘のような性急な動き。 慣れぬ事に苦しみ喘ぐ彼のことなんかお構い無しだ。
それは機械的で無情で冷酷で。皮肉な事に、彼が行う常々女達とのまぐわいに非常に似ていた。まるでオナホールのようなぞんざいな扱いは、彼の精神を崩しにかかっているのは明白だった。
「ゔぐっ、ひぎっ、あ゙ぁ゙っ……いぃぃ」
「あははは、ひっどい声だねぇ。どう? ……ただの穴扱いされるのは」
「き、貴様ッ……がっ、さ、さっさと、終わらせ、ろ」
もはや開き直ったように再び殺気立った視線を寄越す綺麗な顔に、男は穏やかな笑みをますます深める。
男の脳裏にはただ一つ、タイミングをはかっていた。
……飴と鎖の絶妙なタイミングを。
「ルイ君は本当はMで、こうやって酷くされる方が好きなのかな? それとも……」
「っ!? ぃひっ、はぁ、んあっ、そ、そこはっ……!」
苦痛に身構えた身体に突如狙われた弱い箇所。
途端彼の怒りの表情が、だらしなにモノに変わり始める。
覚えたての前立腺への快感をガシガシ叩き込まれて、堪らず半開きになった口からは女のような喘ぎ声が止まらなくなった。
「んぁっ、ああっん、は、ひぐぅ、や、やめぇぇッ、これ、やだぁぁっ、し、死ぬぅ、壊れ、ちまうぅぅっ」
「……壊れて良いんだよ。そして僕のモノになるんだから」
「だっ、誰が貴様、んぁっ……のモノに、なんか……俺はっ……」
彼とてプライドというものがある。
其の類まれなる容姿と恵まれた体躯。まさに神が創りし芸術品のような男として数多くの女達の上に君臨してきた。
更に外見だけではない。知能が高く、他者の心を掴むのに長けたタラシでもある。特に女性の扱いには、催眠術でも使っているんじゃなかろうかと囁かれるほどだった。
―――そんな彼が、今まさに1人の男に組み敷かれ全てを暴かれて屈服を余儀なくされている。
初めての甘く激しい快楽に揺さぶられ、生娘のように身体を震わせて啼いているのだ。
その高いプライドをへし折らんと、男の暗い微笑みを浮かべた。
「あっそ……じゃあ、これからルイ君のここをめちゃくちゃに突きまくっちゃおう。途中でやめてって泣いても止めない。その代わり先にイったら、君の負けだよ?」
「こんなふざけた事っ……!」
「あれぇ? もしかして自信ないのかな。イイトコロたくさん刺激されて恥ずかしいメスイキしちゃうとか……まさかねぇ。あのご主人様が、ね」
「貴様ッ」
何度目にもなる反抗的な眼差しに、軽く頷いいた男はそれを合意と受け取ったらしい。
身体を強ばらせる彼を調教する準備は整ったようだ。
「……じゃ、頑張ってね」
男は彼の額にひとつ、口付けた―――。
■□▪▫■□▫▪■□▪▫
※ちょっと力尽きました。
文字数の関係もありますので、一旦区切ります。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる