世界を救った勇者ですが童帝(童貞)の嫁になるようです

田中 乃那加

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世界を救った勇者様

 魔法と剣の世界。それが危機に瀕した時、その男は現れた。

「ふん、楽勝だな」

 ――瘴気に満ちた魔城。
 それが破壊され、分厚い雲間から差した光に照らされる。
 長い戦いが終わったのだ。
 数多くのモンスター達と戦い、人を助け仲間と出会った。
 とは言ってもすべて女性。つまりハーレムである。
 容姿端麗、頭脳明晰。そして剣の腕はピカイチ。女にモテまくり、敵はバッタバッタと切り倒す。
 それがアレン。伝説の勇者である。

 彼は異世界転生者だった。
 前世は平凡な男子高校生。彼の場合は、家族とのタイ旅行で暴れだした象に轢かれて死亡。
 という、なんともアレな死に方だった。
 しかしお約束のアレコレがあったのか定かではないが、アレンは神からチート能力を授かりこの世界を救うために遣わされた。

「これで世界は救われましたわ」
 
 静かに神に祈りを捧げて言うのは、シスター・マリア。彼女は人間でなくエルフ。古教会でオーガ達に襲われそうになっていた所をアレンが助けた。
 白魔法を使い、彼に守護魔法をかけて支えてきたのだ。

「やったね☆ 勇者様!」

 褐色の肌を持つ少女が眩しい笑みで、彼の肩を叩く。
 彼女は盗賊の娘、カリーナ。
 妹や弟達を人質にされた彼女とは、襲ってきた盗賊団の一味として出会った。
 そして妹達ともどもアレンに助だされ、仲間に。
 他にもお色気たっぷりな、元踊り子で黒魔法使いのフジコ。
 寡黙な美少女。召喚術士のミアなど。

 ――沢山の美少女、美女に囲まれた魔王討伐の旅もこれで終わる。

「長かったな……」

 アレンは感慨深げにつぶやいた。
 チート能力を授かって、やたら敵を倒した気がする。
 どんな女も自分が微笑めばだいたい頬を染め、金や魔法の道具を差し出してくるのだ。
 剣を適当に一振りすれば、取り囲んでいたモンスター共も紙くずのように吹っ飛んでいく。
 これが俺TUEEEEか、快適だなとほくそ笑む日々。
 セックスだってし放題。
 なんなら龍神族ドラゴンの娘も抱いたこともある。
 修行? そんな汗臭いコトしたことなんてない。
 だって彼はチート能力者だから。

『強い女をメロメロにする力』

 能力や知力、特に魔力の高い女ほどひれ伏した。
 彼が最強なのも、強い武器と能力を女神から授かったから。
 つまり女神にまで虜にしたのだ。

「勇者様は、英雄ですわね」

 清廉にて絶世の美少女。さらには類まれなる強い魔法を操るシスター・マリアが微笑む。

「ま、今までとそう変わらないがな」

 その美しい頬に指を這わせながら、アレンは肩をすくめた。

「どうせ、この世界異世界では僕が主人公さ」

 前世に読んだ、異世界転生チートものを思い出しながら彼は笑う。



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