世界を救った勇者ですが童帝(童貞)の嫁になるようです

田中 乃那加

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ヤンデレなドS男に愛を囁かれてもメーワクです3

「なにこの甘ったりぃ空気……」

 ゲンナリとした様子のつぶやきは、ため息と共に吐き出された。

「君さァ。かなりキャラ変わったんじゃないの」

 後ろから抱きすくめ、肩を甘噛みしてくる男にイヤミをぶつけてもムダらしく。

「……」
「だ・か・らっ、噛むなっつの!!!」

 カプカプと大型のネコ科動物じゃあるまいし、やはりらしくない甘えっぷりである。
 というか。
 いくら甘噛みでも、痛いモノは痛い。
 しかもセックスの後で、疲労困憊ひろうこんぱいという状態の時にだ。

「ついに頭おかしくなっちまったのかよ」
「失礼な。メス犬のくせに」
「あー、はいはい。そこはいつも通りなんだな」

 回した手で、胸の飾りを弄ってくるシセロを押しのける。

「貴方、生意気なんですよ……メス犬のくせに。」
「なんなんだよ、ちょっとオカシイんじゃないか」

 振り払っても伸びてくる腕に辟易へきえきしながら、首だけそちらに向けて睨みつけた。

「お、おい」
「アレン」

 なんと安らかな顔をしているか。
 一見すれば、いつものクールな表情。しかし違うのは、その眼差しである。
 
「こういうの。好きなんでしょう」
「…………は?」

 こういうの、とは。
 そう問いかける前に、強く腰を抱かれた。

とはこういう事してた」
「な、何言ってんだ? って、おい! なんか当たってんぞ!!!」

 グイグイと押し付けられる、存在感。つまり。

「当ててんです。気づきなさい、この鈍感」
「ガッツリってんじゃないかぁぁっ、むっつりスケベめ!」

 そう身体や雰囲気に似合わず、案外雄々しいアレを尻臀しりたぶに擦り付けてくる。
 もう一戦交える気マンマンの彼から、慌てて逃げ出そうと暴れたが。

「おやおや? 今度は酷くされたいようで」
「!!!」

 笑みを含んだ声で低く囁かれると、もう背中が粟立つ。

「ひっ……や、やめろ」
「他の男をくわえ込んだを、しっかり教育し直さなくちゃいけませんな」
「思いっきり根に持ってるじゃないかァァァッ!!!」

 相手は恋人でもない男である。
 さらに言うなら、状況的には自分で言っといて嫉妬するという。何ともめんどくさい。

「離せって。さっきから散々してただろ!」
「エルフの執着心と性欲をナメないでいただきたい」
「それっ、エルフがとか言っていいのか!?」

 種族のイメージ的にどうなんだと叫ぶが、そんなツッコミでこの男がとまるワケもなく。

「今度は泣かしてやる」
「あ゙っ、どこ触ってんだ!」

 さっきまで受け入れていた窄まりに、いつの間にか長い指が這わされていた。
 いたぶり焦らすようになぞる。
 さっきまでの行為で濡れぼそったソコは、易々と彼の指を受け入れてしまいそうだ。

「濡れてますね。いやらしい穴だ」
「そ、それは君がさっき――」
「人のせいにしないでください。気持ちよさそうに喘いでたのは、貴方でしょう?」
「ゔっ」

 責めるような言い草と同時に、指を躊躇なく差し込まれた。

「あ゙ァっ、あっあっ、か、掻き回すなぁぁ」
「ぐちゃぐちゃですね。ほら、さっきの精液が馴染むまでしてあげますよ」
「やめっ、やぁ、ぁ、ひぃぅ゙っ」

 これみよがしに激しくこねくり回される胎内と、トロトロに蕩けた尻穴。
 腰をガクつかせ、早くもアヘ顔晒すしか出来なくなる。

「こら、なに前触ろうとしてるんですか」
「い゙ぃっ!? だ、だって……ここっ、さわんないと……」
「メスならちゃんと、膣だけでイきなさい」
「めっ、めす、じゃぁ……あぁ゙ぁァァァっ、ぁ」

 両手ごと捕まえられ。指を引き抜かれたと思ったら、勢いよく腰を推し進めた。
 思わず悲鳴に近い啼き声をあげれば、満足そうに背後で笑う男。
 
「やらっ、や゙ぁ、ぉ゙っ、お゙っ、ぁ゙ぁ」
「だから可愛く喘ぎなさいってば」
「ひぃ゙、ッ、あぅっ、あぁぁ……だ、だってぇ゙ぇ」

 的確に弱いトコロをえぐってくる抽挿ちゅうそうに、シーツにすがって耐えるしかない。

「ま。こういう所も、好きですけどっ、ね」
「!!!」
 
 後ろから穿ちながら、うなじに落とされた口付け。
 途端。ドクリ、と心臓が跳ねる。

「ねぇアレン。私はもう我慢出来ないのですよ」
「な、なにをっ」
「……どうやったら、貴方は手に入る?」
「い゙ぃっ!」

 胸元をさまよっていた指が、乳首を抓りあげた。
 そうしつつも、陰のこもった声でシセロは自分がいかに彼を愛しているのか。そして今までの顛末の一部を、滔々とうとうと語ってのけたのだ。

「貴方に近づく男たちは、だいたいしてきたのに」

 ――まずは魔王討伐の旅から始まる。

 道中、多くの出会いがあった。しかしそのほとんどが、なぜか女性。
 男の仲間は、魔王が扮していた青年だけだったのだ。
 それは偶然ではない。
 単純に、この男が先回りして始末してきただけ。
 それが村人Aであろうと、山賊であろうと。

「オーガなんてのは一番最初に、ぶっ潰しましたけどね」

 男でも女でも見境なく性欲を向けるオーガ (これはシセロ自身のとんでもない偏見である。実際はそんな習性も特性もない) に対して、手をこまねいているハズもなく。
 サッサと周辺の屈強そうで強そうな。それでいて彼らの敵になりそうな者達を、片っ端から痛めつけてきたというのだ。
 大臣、という。決してヒマとは言えない立場の彼が。
 隠されていた執着に、今更ながら震え上がる。

「なのに貴方ときたら、簡単にを引き入れてしまった」

 ここで言う『あの男』とは、アレックスのことではないらしい。
 忌々しげに吐き捨てるシセロの脳裏にあるのは、恐らく魔王が扮した裏切り者。ファシルのことだろう。
 
「青二才と言えど、魔王は危険でした。私は、彼を出し抜く必要があったのです」
「だ、出し抜くって――あぁっ!」

 黙れとばかりの激しい抽挿に、髪を振り乱し悶える。
 
「すべては私の計画通り、だったのに」

 悔しげな言葉。
 シセロは、こともあろうに魔王と手を結んだのだ。
 一旦は死んだように見せかけ。その後すぐに前国王の後継者として、ある少年を立たせる。
 それが魔王が扮した、童帝ビルガだ。

「隙を見て、あのクソガキを暗殺してやろうと思ってたんですけどね」
「こ、このっ、ろくでなし……あぁんっ」

 勇者たちおろか、国全体を裏切っていたなんて。
 噂はあながち、ウソではなかった。
 しかしさらにそれを裏切ろうとは、魔王も思ってはみなかったのではないか。

「思ったよりさとくて、驚きましたけどね」
 
 最初の計画としては。アレンを花嫁として洗脳させると称し、逆に手に入れて魔王暗殺してしまうものだった。
 しかし肝心の彼が逃げ出してしまった。

「さっさと私のモノになってしまえばよかったのに」

 腹立たしげにつぶやいてから、なおいっそう乱暴に抱く。
 肉と肉がぶつかる音。
 時折噛みつかれる肌の痛みに、喉奥で悲鳴をあげた。
 
「ゆ、ゆるさ、ない。この、裏切り、ものっ」
「許しを乞うのは、貴方でしょう」
「ぃ゙ぁっ! ああっ、ぅ、ひっ」

 いたぶられる悦びだけは、身体に叩き込まれている。
 ようやく絞り出した罵声も、嬌声に掻き消えた。
 
「貴方を一時的にも失って、私がどんな想いをしたと」
「そ、そんなこと」

 知るものか、と吐き捨ててやりたかった。
 しかし。

(泣いてる!?)

 深い海の色ごとく、青い瞳は薄く涙の膜が張っていた。
 それが堪えきれずにあふれた雫は、そっとその白い頬を濡らす。

「お、おい?」

 狼狽うろたえてしまうのも仕方ない。
 思わず目元を拭おうと、手を伸ばす。

「アレン」
「ぐえっ!!!」

 やおら力任せに抱きしめられ、カエルが潰れたような声があがるがお構い無し。
 捨てられた犬のような。そして縋るような声が耳元で囁かれる。
 
「私じゃ駄目ですか」
「ゔぅっ、そ、そーゆー、問題じゃあ……」
「こんなに愛してるのに」
「ぐぉ゙っ!? ぐ、ぐるじ……」
「愛してる。初めてなんだ。こんなに心が揺さぶられる恋は」
「ま゙、ま゙でっ、まずは、離ぜぇ゙ぇッ」
「もう離したくない」
「そーじゃなぃ゙ぃ゙ぃ」

 見た目によらないのは、チ〇コの大きさだけじゃない――そう内心独りごちながら。
 アレンはその馬鹿力によりギリギリと締めあげられ、白目をむいていた。






 

 
 


 

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