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王都のあちらこちらから人々の悲痛な叫び声が聞こえてくる。
声の響き方からすればここからかなり離れている場所なので、そこに行くまでが大変だけど、マダム・リリーから限りなく聖女に近い行動を取るようにと言われているユリアの中の聖女のイメージだと、困った人に対して自分が出来る事を惜しみなく提供する性格の者が聖女に近いのだろうと想像していた。
その想像になるべく近い性格のフリをするのであれば、あの悲痛な叫び声の元へ直ぐに駆け付けなければならない。
面倒臭いけれど。
ユリアの知る聖女に近い性格の者はエレアやスーラだろう。
あの二人は聖魔力を持ち生まれてきただけあり、きっと心の中を覗けば善の部分が多いだろう。
誰かが困れば何とかしなければと他人の困っている事をまるで自分の問題かのように請け負ってしまう性格だ。
だから敬愛するマダム・リリーが無理難題を吹っ掛けてもそれを拒むでもなく受け入れてしまっている。
それを傍から眺めると危う過ぎて見てられない。
エレアの場合は生まれが高位貴族で王族に嫁がす目的で育てられた事もあり、今日食べる物がないといった生きていく環境が厳しいというわけではなく、お屋敷の中で最高級の物を与えられて暮らしていた者は世俗に疎くても仕方がない。
それに加えて聖魔力を持っていたことで国としても大切な存在として扱われていたのだろう。
突然向けられた悪意や周囲の手のひら返しに心が荒むでもなく、良い意味でエレアらしさを保ったまま魔族領でもここでも生きているようだった。
スーラのほうはたいした聖魔力ではないとわかると使い物にならないと売り飛ばされるという、なかなか厳しい環境で生まれ育った割りに、マダム・リリーの庇護下に入った時にも呑気な様子で、やはり持って生まれた善の部分を減らす事もなく暮らしている。
ユリアはふと自分の事を振り返ってみた。
自分の心とは今はどうなのだろうか?
ユリアの心にはマダム・リリーの秘蔵っ子と呼ばれる喜びに満たされ、マダム・リリーから頼まれると嫌とは言えず、頼まれるままにマダム・リリーの望む秘蔵っ子ユリアの役を演じている。
ユリアがマダム・リリーから求められた役割はその儚げな美しさで多くのお金持ちの心を掴み、なるべく多くのマダム・リリーへの出資者を集めることだった。
マダム・リリーが聖女に執着して集めている事も傍で見ていて知っていた。
だから自分が聖女になれれば本当にマダム・リリーから寵愛を受けることができるのではないかといつも考えていた。
自分の体の中の空洞の部分が聖魔力で満たされればきっと今よりももっとマダム・リリーに愛されるだろうと。
今も対外的にはユリアの事を一番に寵愛している風で、治療院もスコーン店もユリアを前面に出しているが、マダム・リリーに忠実だという事と機転が利くという点でなのだ。
ライラが他者から奪った聖魔力で自らを大聖女にしていく計画を無にする為にも子爵家で奪った聖魔力を返してもらわなければならない。
◇◇◇
群衆に紛れて自分を守ってくれているマダム・リリーの使用人達の顔ぶれを確認し、ユリアはマーカスの佇む方に顔を向けた。
マーカスと目が合うとマーカスも意図を汲み取ったのか頷いた。
(きっとマダム・リリーに特別手当を要求する目だわ・・・まぁね・・・こんな状況になるなんて聞いてもいないだろうし、マダム・リリーがけち臭いことするわけないからいいんだけど)
それに周囲の力を借りながだったが聖魔力を使っている様子を見せることが出来たのだし、これでリザルド王国には聖騎士が訪れるほどの実力を持つ聖女がいる噂が本当だと見せることも出来たのだ。
ユリアの名で治療院を作っていたが、一般に治療している場面を公開していたわけではないので、先程の光景を見た者達の口から人伝にその様子は流れていくだろう。
「聖騎士マーカス~」
ユリアがマーカスの側に行こう足を動かそうとした時に、誰かがマーカスの名を呼んだ。
甘ったるい声が鼻についた。
こういった甘い声はマダム・リリーの娼館のお姉様達が仕事として客に声をかける時に発するが、とういことは声の人物はマーカスにそういう意図で近づこうとしているのだろう。
声の主はすぐに分かった。
白い膝丈のワンピースの上にレースのヴェールをすっぽりと被った髪飾りがジャラジャラと付いた女がこちらに向かっているのだ。
ユリアが身に着けている白いワンピースに似てはいるがあちらのほうが手の込んだ作りのようで、緻密なレースのフリルもふんだんに使われている。
白いワンピースで清楚をアピールするのであれば出来るだけシンプルなほうがいい。
自己アピールが上回ってしまった結果がああなのだろう。
ユリアは不快なものを見るかのように近づいてくる者を見た。
後ろに慌てたように神官達が付いて走って来ているが、似たような思考なのかジャラジャラと神具を身に着けている。
この神具は高価な宝石が付いている物が多く、神殿が金満になっている証拠だろう。
白いワンピースの女はサムル王国から来国して極潰しのような滞在をしているという聖女ライラだ。
極潰しという表現はマダム・リリーからの感想で、実際には王宮の中でスイーツスイーツとお菓子作りばかりして何の役にも立たなかっただけで、ようやく重い腰を上げたのか神殿で当初の聖女ライラが力を貸してリザルド王国の結界を張ってくれる・・・が今なのだ。
ライラと顔を合わすのは今はよろしくないとユリアはしゃがみ込み体調の悪いフリをした。
本当であればこのあとマーカスと走って別の騒ぎのある場所へと向かう予定だったが、思わぬ人物が現れたのだ。
騒ぎが収まった途端に現れるとはタイミングを見計らったワザとらしい登場だろう。
考えが透けて見える。
ユリアがしゃがみ込めば適当に周囲に控えているマダム・リリーの使用人が助けてくれるだろうと予想していたが、想定通りに使用人が駆け寄る中に馴染みの顔が見えた。
モロウ商会の会長の顔だ。
モロウ商会の会長はユリア推しの中でもぶっちぎり過ぎて、過度な寄付、過度なプレゼントと過度過ぎてあのマダム・リリーがお金の使い方について苦言したほどユリアを推しまくっている。
何かに熱中しなければ生きていけない人というのは世の中に一定数いるとは聞いているが、熱中するものとしてユリアを選んでしまったのだろう。
マダム・リリーはけっして善人ではないが、それほど悪人でもなく、悪い金の集め方をしている商人や貴族からは根こそぎ毟り取る勢いだが、真っ当な商売や働き方をしている者に対してはほどほどと決めているのだ。
とはいえもうモロウ商会会長のユリアへの課金はほどほどを越えているが。
「ユリアたん!!」
二人っきりの時にだけの呼び名だと約束していた呼び名で会長はユリアの元へと一番に駆け寄ってきた。
「あぁ!こんなに無理して何ていう事だ!」
声が裏返りながらユリアを抱き上げた。
「会長!ユリア様を運ぶのであれば私が」
会長付きのお供の者が会長自ら抱き上げたユリアを預かろうとするが、会長は断固として譲らなかった。
「ユリアたんに触れるなど!しかも抱いて運ぶ等許されることではないぞ!」
ユリアは静かにこの場から退場したかったのだが、どうやらそうもいかなくなってしまった。
声の響き方からすればここからかなり離れている場所なので、そこに行くまでが大変だけど、マダム・リリーから限りなく聖女に近い行動を取るようにと言われているユリアの中の聖女のイメージだと、困った人に対して自分が出来る事を惜しみなく提供する性格の者が聖女に近いのだろうと想像していた。
その想像になるべく近い性格のフリをするのであれば、あの悲痛な叫び声の元へ直ぐに駆け付けなければならない。
面倒臭いけれど。
ユリアの知る聖女に近い性格の者はエレアやスーラだろう。
あの二人は聖魔力を持ち生まれてきただけあり、きっと心の中を覗けば善の部分が多いだろう。
誰かが困れば何とかしなければと他人の困っている事をまるで自分の問題かのように請け負ってしまう性格だ。
だから敬愛するマダム・リリーが無理難題を吹っ掛けてもそれを拒むでもなく受け入れてしまっている。
それを傍から眺めると危う過ぎて見てられない。
エレアの場合は生まれが高位貴族で王族に嫁がす目的で育てられた事もあり、今日食べる物がないといった生きていく環境が厳しいというわけではなく、お屋敷の中で最高級の物を与えられて暮らしていた者は世俗に疎くても仕方がない。
それに加えて聖魔力を持っていたことで国としても大切な存在として扱われていたのだろう。
突然向けられた悪意や周囲の手のひら返しに心が荒むでもなく、良い意味でエレアらしさを保ったまま魔族領でもここでも生きているようだった。
スーラのほうはたいした聖魔力ではないとわかると使い物にならないと売り飛ばされるという、なかなか厳しい環境で生まれ育った割りに、マダム・リリーの庇護下に入った時にも呑気な様子で、やはり持って生まれた善の部分を減らす事もなく暮らしている。
ユリアはふと自分の事を振り返ってみた。
自分の心とは今はどうなのだろうか?
ユリアの心にはマダム・リリーの秘蔵っ子と呼ばれる喜びに満たされ、マダム・リリーから頼まれると嫌とは言えず、頼まれるままにマダム・リリーの望む秘蔵っ子ユリアの役を演じている。
ユリアがマダム・リリーから求められた役割はその儚げな美しさで多くのお金持ちの心を掴み、なるべく多くのマダム・リリーへの出資者を集めることだった。
マダム・リリーが聖女に執着して集めている事も傍で見ていて知っていた。
だから自分が聖女になれれば本当にマダム・リリーから寵愛を受けることができるのではないかといつも考えていた。
自分の体の中の空洞の部分が聖魔力で満たされればきっと今よりももっとマダム・リリーに愛されるだろうと。
今も対外的にはユリアの事を一番に寵愛している風で、治療院もスコーン店もユリアを前面に出しているが、マダム・リリーに忠実だという事と機転が利くという点でなのだ。
ライラが他者から奪った聖魔力で自らを大聖女にしていく計画を無にする為にも子爵家で奪った聖魔力を返してもらわなければならない。
◇◇◇
群衆に紛れて自分を守ってくれているマダム・リリーの使用人達の顔ぶれを確認し、ユリアはマーカスの佇む方に顔を向けた。
マーカスと目が合うとマーカスも意図を汲み取ったのか頷いた。
(きっとマダム・リリーに特別手当を要求する目だわ・・・まぁね・・・こんな状況になるなんて聞いてもいないだろうし、マダム・リリーがけち臭いことするわけないからいいんだけど)
それに周囲の力を借りながだったが聖魔力を使っている様子を見せることが出来たのだし、これでリザルド王国には聖騎士が訪れるほどの実力を持つ聖女がいる噂が本当だと見せることも出来たのだ。
ユリアの名で治療院を作っていたが、一般に治療している場面を公開していたわけではないので、先程の光景を見た者達の口から人伝にその様子は流れていくだろう。
「聖騎士マーカス~」
ユリアがマーカスの側に行こう足を動かそうとした時に、誰かがマーカスの名を呼んだ。
甘ったるい声が鼻についた。
こういった甘い声はマダム・リリーの娼館のお姉様達が仕事として客に声をかける時に発するが、とういことは声の人物はマーカスにそういう意図で近づこうとしているのだろう。
声の主はすぐに分かった。
白い膝丈のワンピースの上にレースのヴェールをすっぽりと被った髪飾りがジャラジャラと付いた女がこちらに向かっているのだ。
ユリアが身に着けている白いワンピースに似てはいるがあちらのほうが手の込んだ作りのようで、緻密なレースのフリルもふんだんに使われている。
白いワンピースで清楚をアピールするのであれば出来るだけシンプルなほうがいい。
自己アピールが上回ってしまった結果がああなのだろう。
ユリアは不快なものを見るかのように近づいてくる者を見た。
後ろに慌てたように神官達が付いて走って来ているが、似たような思考なのかジャラジャラと神具を身に着けている。
この神具は高価な宝石が付いている物が多く、神殿が金満になっている証拠だろう。
白いワンピースの女はサムル王国から来国して極潰しのような滞在をしているという聖女ライラだ。
極潰しという表現はマダム・リリーからの感想で、実際には王宮の中でスイーツスイーツとお菓子作りばかりして何の役にも立たなかっただけで、ようやく重い腰を上げたのか神殿で当初の聖女ライラが力を貸してリザルド王国の結界を張ってくれる・・・が今なのだ。
ライラと顔を合わすのは今はよろしくないとユリアはしゃがみ込み体調の悪いフリをした。
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騒ぎが収まった途端に現れるとはタイミングを見計らったワザとらしい登場だろう。
考えが透けて見える。
ユリアがしゃがみ込めば適当に周囲に控えているマダム・リリーの使用人が助けてくれるだろうと予想していたが、想定通りに使用人が駆け寄る中に馴染みの顔が見えた。
モロウ商会の会長の顔だ。
モロウ商会の会長はユリア推しの中でもぶっちぎり過ぎて、過度な寄付、過度なプレゼントと過度過ぎてあのマダム・リリーがお金の使い方について苦言したほどユリアを推しまくっている。
何かに熱中しなければ生きていけない人というのは世の中に一定数いるとは聞いているが、熱中するものとしてユリアを選んでしまったのだろう。
マダム・リリーはけっして善人ではないが、それほど悪人でもなく、悪い金の集め方をしている商人や貴族からは根こそぎ毟り取る勢いだが、真っ当な商売や働き方をしている者に対してはほどほどと決めているのだ。
とはいえもうモロウ商会会長のユリアへの課金はほどほどを越えているが。
「ユリアたん!!」
二人っきりの時にだけの呼び名だと約束していた呼び名で会長はユリアの元へと一番に駆け寄ってきた。
「あぁ!こんなに無理して何ていう事だ!」
声が裏返りながらユリアを抱き上げた。
「会長!ユリア様を運ぶのであれば私が」
会長付きのお供の者が会長自ら抱き上げたユリアを預かろうとするが、会長は断固として譲らなかった。
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