1 / 5
鍵をかけて 第一話
しおりを挟む
小さい頃から言われていた。ちゃんと鍵をかけなさい。
怖い人が入ってこないように。知らない人に連れて行かれないように。
開けてと言われても、決して開けてはダメだと。
その日もちゃんと鍵をかけたはずだった。
ここは、モナが住んでいる古いアパートの一室。モナは11歳。とても、小柄な女の子。今日は一人でお留守番をすることになっている。
両親はすぐに帰ってくるから、玄関の鍵をしっかりかけなさいとモナに言うと、母親が大きな見慣れぬ鍵をモナの首にかけてこう言った。
「鍵はかけるのよ。いいわね。」
モナが頷くと両親は出かけて行った。モナはしっかり玄関の鍵を回して、部屋でゲームをし始めた。
このゲーム機は、父親が海外の友人から試作機だと言って預かったものだった。
専用のソフトは、面白いものから恐ろしいものまで揃っていて、モナは今恐ろしい話のソフトに挑戦中だ。
一人になると静かで、時計の音が大きく感じる。
少し怖かったが、それでもゲームに集中して、気にしないようにしていた。
一通りゲームを終えたので、明るい気分になれるゲームに替えようと、ゲーム機を置いて、別のソフトを探し始めた。
その時、玄関のチャイムが鳴った。
モナはびっくりした。
すぐにチャイムが再び鳴り響き、ドアを叩く音がする。
モナは、両親から知らない人がきた時は、出なくていいと言われている。
ゲーム機の音を消して、息を潜め、しんとした部屋の中から、ドアを見つめた。
しばらくすると、ドアの前から足音が遠ざかり、モナはほっとした。
モナが気を取り直してゲームソフトを探し始めると、消したはずのゲーム機から音が聞こえ始めた。驚いて、ゲーム機を確認していると、また、チャイムが鳴った。
さっきと同じように玄関の方を覗く。今度は玄関のドアのノブがガチャガチャ動き始めた。
モナは怖くなったが、鍵をかけたのだから入ってこれないことはわかっていた。そのまま静観していると、静かになった。
モナがホッとして、ゲーム機のソフトを交換しようとした時、ガチャリと音が鳴った。
これまでと違い、ドアの鍵が開いた音だった。モナはハッとなってドアを見る。ノブが動いてドアが開きかけたのを見て、慌てて玄関にかけよると扉に取り付き、背伸びしてさっとチェーンロックをかけた。
チェーンロックをかけた扉は、途中まで開き、それ以上開かなかった。ピンと引っ張られたチェーンロックが、強く引かれてミシミシと音を立てている。モナは怯えながら、ドアを見つめていた。
やがてドアが閉まり、モナはすぐに玄関に戻ると鍵をかけた。
ガチャリと言う音が響いた
「やっぱり、そこにいるんだな。」
低い風が囁くような声がして、モナは縮み上がった。怖くて堪らず身体がうまく動かない。
再びドアノブがガチャガチャ言い始めた。
モナは怯えながらキッズ携帯電話を取り出し、母親に電話をかけた。
応答メッセージが流れる。
「おかけになった電話番号は、現在使われておりません。」
怖い人が入ってこないように。知らない人に連れて行かれないように。
開けてと言われても、決して開けてはダメだと。
その日もちゃんと鍵をかけたはずだった。
ここは、モナが住んでいる古いアパートの一室。モナは11歳。とても、小柄な女の子。今日は一人でお留守番をすることになっている。
両親はすぐに帰ってくるから、玄関の鍵をしっかりかけなさいとモナに言うと、母親が大きな見慣れぬ鍵をモナの首にかけてこう言った。
「鍵はかけるのよ。いいわね。」
モナが頷くと両親は出かけて行った。モナはしっかり玄関の鍵を回して、部屋でゲームをし始めた。
このゲーム機は、父親が海外の友人から試作機だと言って預かったものだった。
専用のソフトは、面白いものから恐ろしいものまで揃っていて、モナは今恐ろしい話のソフトに挑戦中だ。
一人になると静かで、時計の音が大きく感じる。
少し怖かったが、それでもゲームに集中して、気にしないようにしていた。
一通りゲームを終えたので、明るい気分になれるゲームに替えようと、ゲーム機を置いて、別のソフトを探し始めた。
その時、玄関のチャイムが鳴った。
モナはびっくりした。
すぐにチャイムが再び鳴り響き、ドアを叩く音がする。
モナは、両親から知らない人がきた時は、出なくていいと言われている。
ゲーム機の音を消して、息を潜め、しんとした部屋の中から、ドアを見つめた。
しばらくすると、ドアの前から足音が遠ざかり、モナはほっとした。
モナが気を取り直してゲームソフトを探し始めると、消したはずのゲーム機から音が聞こえ始めた。驚いて、ゲーム機を確認していると、また、チャイムが鳴った。
さっきと同じように玄関の方を覗く。今度は玄関のドアのノブがガチャガチャ動き始めた。
モナは怖くなったが、鍵をかけたのだから入ってこれないことはわかっていた。そのまま静観していると、静かになった。
モナがホッとして、ゲーム機のソフトを交換しようとした時、ガチャリと音が鳴った。
これまでと違い、ドアの鍵が開いた音だった。モナはハッとなってドアを見る。ノブが動いてドアが開きかけたのを見て、慌てて玄関にかけよると扉に取り付き、背伸びしてさっとチェーンロックをかけた。
チェーンロックをかけた扉は、途中まで開き、それ以上開かなかった。ピンと引っ張られたチェーンロックが、強く引かれてミシミシと音を立てている。モナは怯えながら、ドアを見つめていた。
やがてドアが閉まり、モナはすぐに玄関に戻ると鍵をかけた。
ガチャリと言う音が響いた
「やっぱり、そこにいるんだな。」
低い風が囁くような声がして、モナは縮み上がった。怖くて堪らず身体がうまく動かない。
再びドアノブがガチャガチャ言い始めた。
モナは怯えながらキッズ携帯電話を取り出し、母親に電話をかけた。
応答メッセージが流れる。
「おかけになった電話番号は、現在使われておりません。」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる