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四章
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「ヴガァァァァ!!」
ゾンビダラボッチが吠えた。固有スキル『瀕死波動』を発動しているようだけど、目が光るばかりで影響はない。
攻撃抑止が働いているんだ。
俺はみんなを後ろに庇って、最初にはっきり言っておくことにした。
もう誰も、失いたくないからな。
「みんな、下手に攻撃しないでくれ。さっきの二の舞になるからな」
「ええ」
「わかってる」
「そうだね」
「そうじゃな」
「リョーカイ」
こら、フェイルノ、お前は何もできないだろ?
「ティト、俺と聖櫃を奴の口元に飛ばしてくれ」
「うむ、風の精霊よ、古の契約により……」
「ギルバート、俺の合図で奴の口元を聖騎士の槍で砕いて、口を閉じられないようにしてくれ」
「いつでもどうぞ」
「フィオ、みんなをシールドで守ってくれ!」
「わかった」
「ケルヴィン殿下、みんなのサポートをお願いします。それから、フェイルノを託します」
「了解」
「行ってくる!」
魔導士ティトの詠唱を受けて、俺の体が聖櫃と共に浮き上がり始める。
「我が意の通りに、浮遊させよ、ロエン・アウドィ!!」
浮遊スピードが、加速しだした。
俺は弓矢を射て、ゾンビダラボッチの意識を向けさせる。
みるみる奴の口元が近づいてきて、俺は聖櫃の縁に手をかけて叫んだ。
「ギルバート!!」
「わかった! 我らが神よ、この槍に力を宿らせ、悪きものを滅ぼしたまえ!」
彼は半人半馬族の強力な足腰を使って、聖なる気を宿した槍を、一直線に投げる。
ドガァァァ!!
ゾンビダラボッチの顎が砕けて、口が開いたままになった。
口元が再生する前に、入らないと!!
俺は聖櫃ごと、口の中に飛び込む。
「く……!!」
食道を抜けて、胃液の中に聖櫃と一緒に落ちた。
すごい邪気だ。大帝神龍王の力がなければ、すぐに侵食されてゾンビダラボッチの一部になるだろう。
どうにもならないのは、この臭い。
我慢だ……今だけは!!
泥沼のような奴の腹の胃液の中で、俺は聖櫃の蓋を開いてひっくり返した。
「いっけぇぇぇ!!」
霊泉の水は、ゾンビダラボッチの胃液と混じると、ものすごい勢いで周りを浄化し始める。
怨念を纏うかのような墓土の鎧が、カチカチに乾燥していき、眩い光と共に砕け散った。
バキーン!!
俺は聖櫃と一緒に弾き出され、地面に激突しそうになったところを、魔導士ティトが魔法で受け止める。
あっぶね。
頭を打つところだった。
それにしても、奴の胃袋に落ちたから、臭うなぁ。
「うぇ、う!ごほ!」
咳をしながら、吐き気を我慢していると、スッと一瞬で全身が綺麗になる。
「え?」
驚く俺に、フィオが笑いかけてくる。
浄化してくれたのか?
シールドを張りながら、浄化まで。
すごいな、フィオ。
「ありがとう、フィオ」
「とういたしまして、アーチロビン」
彼女の笑顔に力をもらって、俺はゾンビダラボッチの本体と対峙した。
まるでスライムのような、軟体の体。
もう一度、墓土を纏おうとしているようだけれど、怨念の抜けた土は応えない。
ゾンビダラボッチは、全身を波打たせて、俺たちに襲い掛かろうとした。
けれど、力場に捕らえているから、二回の攻撃抑止の後、三回目で自身の体がドロドロに溶け出す。
溶ける?
何が起きたのだろう。
「ワシらに、強力な溶解液をかけようとしたみたいじゃな。己の身を溶かしておるわ」
と、魔導士ティトが教えてくれた。
ケルヴィン殿下は、俺の隣からその様子を見て、額の汗を拭う。
「こうして自滅していく様ばかり見ていると、まるで弱いかのように思えるが……違うな。強いからこそ、ほぼ一撃で自滅するんだな」
「ケルヴィン殿下、その考えは正しいのです。彼らは決して『弱く』はない。勇者クラスが、やっと勝利するだけの攻撃力を持つのです」
「だから、己の攻撃力で自身も倒される、か。アーチロビン、お前が味方で本当に良かったよ」
「ありがとうございます、ケルヴィン殿下」
自分の力でも、攻撃として受けた時、恐ろしいものだよな。
防ぐ術がないから。
ドロドロドロン……ジュウゥゥゥゥ。
俺たちが話す間に、巨体はどんどん溶けていく。
おっと、近くの草木まで溶かしだしたな。
このままでは、巻き添えだ。
「アーチロビン、これだけの溶解液の中に巨体が溶けたら、ボクたちも溶けるかも……」
聖騎士ギルバートが、溶けていくゾンビダラボッチを心配そうな目で見ていた。
確かにな。
溶解液が、体の外に溢れてきているから。
「一気に焼き払おう」
俺は大帝神龍王の力の一つ、『蒼炎』を使うことにする。
他の力を、出し惜しみすることはやめた。
使いどころを間違えなければ、大丈夫のはずだ。
俺がみんなに言うと、魔導士ティトが驚愕した表情で声を上擦らせた。
「そ、そ、蒼炎じゃと? あの世すら焼き尽くすと言われる、あの技まで出せるのか?」
「だって、下手に残すとまずいだろ」
「そういう問題ではないわい! お前は本当に末恐ろしいな」
「とにかくやるよ、時間がない」
俺は弓を構えて矢を射ると、溶けかけたゾンビダラボッチのスライムのような体に、矢が飲み込まれていくのを確認した。
「蒼炎……解放!!」
飲み込ませた矢から、蒼炎を噴き出させ、溶けていくゾンビダラボッチの体を焼いていく。
「アーチロビン、加減を間違えるな。下手すると、この辺の森までなくなってしまう」
ケルヴィン殿下が、後ろから声をかけてきた。確かに、それだけの力を持つ。
「わかりました」
俺は蒼炎の炎を操って、慎重にゾンビダラボッチを消滅させた。
「すごいなぁ!アーチロビン。君がいればもう、魔王なんて敵じゃないね!」
聖騎士ギルバートが、隣から弾んだ声で言う。
……だといいな。
正直、俺は魔王と直接対峙してない。ましてや、力を増した相手にどこまでやれるのか。
そう言おうとしたその時だ。
「みんな! 魔王の魂の欠片が、出てくる!!」
フィオが、ゾンビダラボッチが消えた場所に現れた、光の塊を指さした。
光の塊から目玉が浮き出てきて、俺をジロリと睨む。
……!?
突然、頭の中に、複数の龍の姿が浮かび上がった。
大帝神龍王より一回り小さいが、威風堂々とした龍たち。これはもしや……各地の龍王か。
その龍王たちを、闇が取り巻き始めた。これまで出会ったことのないような、陰鬱で禍々しい闇。
ダメだ、このままじゃ!!
心に重くのしかかる闇を振り払い、弓を構えると、魔王の魂は激しく光って飛び去った。
「各地の龍王たちの姿が見えた……魔王が思念を見せたのか……?」
「転生の秘術が、完成間近になったのじゃ。タインシュタ・フランによると、残るは一体。そやつを倒せば、魔王は復活する」
魔導士ティトが、ロッドを握る手に力を込める。
「天に選ばれたはずの、勇者ネプォン義兄上の神剣は使い物にならない。このまま俺たちが立ち向かうしかない」
ケルヴィン殿下は、魔王の魂の欠片が飛び去った方の空を見て、拳を握った。
「なぜ、各地の龍王の姿を見せたんだろうね?」
聖騎士ギルバートも、不安そうに俺を見た。
俺もそれは気になった。
「俺の力が、大帝神龍王のものだと勘付かれたのだと思う」
「ま、まさか!」
「ああ、一つだけあるんだ。無敵といわれた大帝神龍王と、五分で渡り合う方法」
俺はネプォンたちと、大帝神龍王に挑む前に、各地の龍王を倒し回ったことを話す。
「そうじゃったな。大帝神龍王は、各地の龍王を全て倒し、龍神に認められた勇者が五分で渡り合えるのじゃ」
「ああ、ネプォンは面倒がって、全部倒しきれなかったから、残りは数体のはずだ」
「いや、ボクは、先代が倒されると、別の龍達が競い合って龍王を決めると聞いたことある。今は多分龍王の数は元に戻ってるはず。」
「詳しいな、ギルバート」
「へへ、はい、ケルヴィン殿下。実は、ボクも一度は大帝神龍王に挑もうとしてたんです。でも、各地の龍王もそれは強くて。一人では無理だと、諦めたんですよ」
「一人で龍王に?無茶苦茶だよ……」
「自分の強さを、試したくなる時があるんですよ。龍王を倒すなんて、名誉なことだし」
「名誉か」
「えぇ。でも、上には上がいました。アーチロビンが、ね」
「いや、俺は大帝神龍王を倒したわけじゃない」
「大帝神龍王の魂を浄化するなんて、常人のできることじゃないよ、アーチロビン。君はおそらくネプォンを超える存在なんだ」
「またまた」
俺は使いっ走りの、ただの弓使いだったのに。
「う、うーん……」
「あ、シャーリー様!」
フィオが、ゾンビダラボッチの消えた跡に倒れているシャーリーを見つけた。
取り込まれていたのか?
「気をつけろ、フィオ。彼女は『魔の患い人』だそうだ。ゾンビ化したら、襲ってくるぞ」
俺が言うと、フィオは慎重に近づく。
するとシャーリーは、カッと目を見開いて、起き上がった。
フィオが危ない!!
「フィオ!」
俺は危険と判断して、彼女の前に回り込む。
正気か? ゾンビ化しているのか?
もし、後者ならもう一度……!
俺の心配をよそに、シャーリーは瞬きすると、ニヤリと笑って叫んだ。
「やったわ! 私が倒したのよ!? ゾンビダラボッチ!!」
な、なんだ、なんだ?
彼女は目の前で、歓喜の舞を舞い続けた。
思い込みの激しい性格……かな?
ゾンビダラボッチが吠えた。固有スキル『瀕死波動』を発動しているようだけど、目が光るばかりで影響はない。
攻撃抑止が働いているんだ。
俺はみんなを後ろに庇って、最初にはっきり言っておくことにした。
もう誰も、失いたくないからな。
「みんな、下手に攻撃しないでくれ。さっきの二の舞になるからな」
「ええ」
「わかってる」
「そうだね」
「そうじゃな」
「リョーカイ」
こら、フェイルノ、お前は何もできないだろ?
「ティト、俺と聖櫃を奴の口元に飛ばしてくれ」
「うむ、風の精霊よ、古の契約により……」
「ギルバート、俺の合図で奴の口元を聖騎士の槍で砕いて、口を閉じられないようにしてくれ」
「いつでもどうぞ」
「フィオ、みんなをシールドで守ってくれ!」
「わかった」
「ケルヴィン殿下、みんなのサポートをお願いします。それから、フェイルノを託します」
「了解」
「行ってくる!」
魔導士ティトの詠唱を受けて、俺の体が聖櫃と共に浮き上がり始める。
「我が意の通りに、浮遊させよ、ロエン・アウドィ!!」
浮遊スピードが、加速しだした。
俺は弓矢を射て、ゾンビダラボッチの意識を向けさせる。
みるみる奴の口元が近づいてきて、俺は聖櫃の縁に手をかけて叫んだ。
「ギルバート!!」
「わかった! 我らが神よ、この槍に力を宿らせ、悪きものを滅ぼしたまえ!」
彼は半人半馬族の強力な足腰を使って、聖なる気を宿した槍を、一直線に投げる。
ドガァァァ!!
ゾンビダラボッチの顎が砕けて、口が開いたままになった。
口元が再生する前に、入らないと!!
俺は聖櫃ごと、口の中に飛び込む。
「く……!!」
食道を抜けて、胃液の中に聖櫃と一緒に落ちた。
すごい邪気だ。大帝神龍王の力がなければ、すぐに侵食されてゾンビダラボッチの一部になるだろう。
どうにもならないのは、この臭い。
我慢だ……今だけは!!
泥沼のような奴の腹の胃液の中で、俺は聖櫃の蓋を開いてひっくり返した。
「いっけぇぇぇ!!」
霊泉の水は、ゾンビダラボッチの胃液と混じると、ものすごい勢いで周りを浄化し始める。
怨念を纏うかのような墓土の鎧が、カチカチに乾燥していき、眩い光と共に砕け散った。
バキーン!!
俺は聖櫃と一緒に弾き出され、地面に激突しそうになったところを、魔導士ティトが魔法で受け止める。
あっぶね。
頭を打つところだった。
それにしても、奴の胃袋に落ちたから、臭うなぁ。
「うぇ、う!ごほ!」
咳をしながら、吐き気を我慢していると、スッと一瞬で全身が綺麗になる。
「え?」
驚く俺に、フィオが笑いかけてくる。
浄化してくれたのか?
シールドを張りながら、浄化まで。
すごいな、フィオ。
「ありがとう、フィオ」
「とういたしまして、アーチロビン」
彼女の笑顔に力をもらって、俺はゾンビダラボッチの本体と対峙した。
まるでスライムのような、軟体の体。
もう一度、墓土を纏おうとしているようだけれど、怨念の抜けた土は応えない。
ゾンビダラボッチは、全身を波打たせて、俺たちに襲い掛かろうとした。
けれど、力場に捕らえているから、二回の攻撃抑止の後、三回目で自身の体がドロドロに溶け出す。
溶ける?
何が起きたのだろう。
「ワシらに、強力な溶解液をかけようとしたみたいじゃな。己の身を溶かしておるわ」
と、魔導士ティトが教えてくれた。
ケルヴィン殿下は、俺の隣からその様子を見て、額の汗を拭う。
「こうして自滅していく様ばかり見ていると、まるで弱いかのように思えるが……違うな。強いからこそ、ほぼ一撃で自滅するんだな」
「ケルヴィン殿下、その考えは正しいのです。彼らは決して『弱く』はない。勇者クラスが、やっと勝利するだけの攻撃力を持つのです」
「だから、己の攻撃力で自身も倒される、か。アーチロビン、お前が味方で本当に良かったよ」
「ありがとうございます、ケルヴィン殿下」
自分の力でも、攻撃として受けた時、恐ろしいものだよな。
防ぐ術がないから。
ドロドロドロン……ジュウゥゥゥゥ。
俺たちが話す間に、巨体はどんどん溶けていく。
おっと、近くの草木まで溶かしだしたな。
このままでは、巻き添えだ。
「アーチロビン、これだけの溶解液の中に巨体が溶けたら、ボクたちも溶けるかも……」
聖騎士ギルバートが、溶けていくゾンビダラボッチを心配そうな目で見ていた。
確かにな。
溶解液が、体の外に溢れてきているから。
「一気に焼き払おう」
俺は大帝神龍王の力の一つ、『蒼炎』を使うことにする。
他の力を、出し惜しみすることはやめた。
使いどころを間違えなければ、大丈夫のはずだ。
俺がみんなに言うと、魔導士ティトが驚愕した表情で声を上擦らせた。
「そ、そ、蒼炎じゃと? あの世すら焼き尽くすと言われる、あの技まで出せるのか?」
「だって、下手に残すとまずいだろ」
「そういう問題ではないわい! お前は本当に末恐ろしいな」
「とにかくやるよ、時間がない」
俺は弓を構えて矢を射ると、溶けかけたゾンビダラボッチのスライムのような体に、矢が飲み込まれていくのを確認した。
「蒼炎……解放!!」
飲み込ませた矢から、蒼炎を噴き出させ、溶けていくゾンビダラボッチの体を焼いていく。
「アーチロビン、加減を間違えるな。下手すると、この辺の森までなくなってしまう」
ケルヴィン殿下が、後ろから声をかけてきた。確かに、それだけの力を持つ。
「わかりました」
俺は蒼炎の炎を操って、慎重にゾンビダラボッチを消滅させた。
「すごいなぁ!アーチロビン。君がいればもう、魔王なんて敵じゃないね!」
聖騎士ギルバートが、隣から弾んだ声で言う。
……だといいな。
正直、俺は魔王と直接対峙してない。ましてや、力を増した相手にどこまでやれるのか。
そう言おうとしたその時だ。
「みんな! 魔王の魂の欠片が、出てくる!!」
フィオが、ゾンビダラボッチが消えた場所に現れた、光の塊を指さした。
光の塊から目玉が浮き出てきて、俺をジロリと睨む。
……!?
突然、頭の中に、複数の龍の姿が浮かび上がった。
大帝神龍王より一回り小さいが、威風堂々とした龍たち。これはもしや……各地の龍王か。
その龍王たちを、闇が取り巻き始めた。これまで出会ったことのないような、陰鬱で禍々しい闇。
ダメだ、このままじゃ!!
心に重くのしかかる闇を振り払い、弓を構えると、魔王の魂は激しく光って飛び去った。
「各地の龍王たちの姿が見えた……魔王が思念を見せたのか……?」
「転生の秘術が、完成間近になったのじゃ。タインシュタ・フランによると、残るは一体。そやつを倒せば、魔王は復活する」
魔導士ティトが、ロッドを握る手に力を込める。
「天に選ばれたはずの、勇者ネプォン義兄上の神剣は使い物にならない。このまま俺たちが立ち向かうしかない」
ケルヴィン殿下は、魔王の魂の欠片が飛び去った方の空を見て、拳を握った。
「なぜ、各地の龍王の姿を見せたんだろうね?」
聖騎士ギルバートも、不安そうに俺を見た。
俺もそれは気になった。
「俺の力が、大帝神龍王のものだと勘付かれたのだと思う」
「ま、まさか!」
「ああ、一つだけあるんだ。無敵といわれた大帝神龍王と、五分で渡り合う方法」
俺はネプォンたちと、大帝神龍王に挑む前に、各地の龍王を倒し回ったことを話す。
「そうじゃったな。大帝神龍王は、各地の龍王を全て倒し、龍神に認められた勇者が五分で渡り合えるのじゃ」
「ああ、ネプォンは面倒がって、全部倒しきれなかったから、残りは数体のはずだ」
「いや、ボクは、先代が倒されると、別の龍達が競い合って龍王を決めると聞いたことある。今は多分龍王の数は元に戻ってるはず。」
「詳しいな、ギルバート」
「へへ、はい、ケルヴィン殿下。実は、ボクも一度は大帝神龍王に挑もうとしてたんです。でも、各地の龍王もそれは強くて。一人では無理だと、諦めたんですよ」
「一人で龍王に?無茶苦茶だよ……」
「自分の強さを、試したくなる時があるんですよ。龍王を倒すなんて、名誉なことだし」
「名誉か」
「えぇ。でも、上には上がいました。アーチロビンが、ね」
「いや、俺は大帝神龍王を倒したわけじゃない」
「大帝神龍王の魂を浄化するなんて、常人のできることじゃないよ、アーチロビン。君はおそらくネプォンを超える存在なんだ」
「またまた」
俺は使いっ走りの、ただの弓使いだったのに。
「う、うーん……」
「あ、シャーリー様!」
フィオが、ゾンビダラボッチの消えた跡に倒れているシャーリーを見つけた。
取り込まれていたのか?
「気をつけろ、フィオ。彼女は『魔の患い人』だそうだ。ゾンビ化したら、襲ってくるぞ」
俺が言うと、フィオは慎重に近づく。
するとシャーリーは、カッと目を見開いて、起き上がった。
フィオが危ない!!
「フィオ!」
俺は危険と判断して、彼女の前に回り込む。
正気か? ゾンビ化しているのか?
もし、後者ならもう一度……!
俺の心配をよそに、シャーリーは瞬きすると、ニヤリと笑って叫んだ。
「やったわ! 私が倒したのよ!? ゾンビダラボッチ!!」
な、なんだ、なんだ?
彼女は目の前で、歓喜の舞を舞い続けた。
思い込みの激しい性格……かな?
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