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琵琶湖ドライブ①
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「おい! 早くお起きろよ」
「……んー? たいちくん……」
「今日は出かけるぞ」
「出かける……ってどこに?」
「琵琶湖」
飲み会明けの休日だというのに、朝から起こされてバタバタと準備をし、なぜか私は高野が運転する車で名神高速道路を東へと走っていた。
たしか昨日は、先にソファーで寝てしまった高野を切なく眺めながら眠りについたんだっけ。
疲れているのだろうと思っていたけど、今の高野はフル充電状態だ。なんだかすごく楽しそう……。
「大津に着くまで少しかかるから寝ていてもいいぞ」
「今は眠くないよ。それより、お腹が空いた」
高野が早く早くと急かすので、朝食を作ることもできなかった。
「琵琶湖のヨットハーバーでハワイアン料理を楽しめるところがあるんだ。そこでブランチにしよう」
「ハワイアン料理!」
それは楽しみだ。
「でもどうして突然琵琶湖へ向かっているの?」
「え、ああ……一次試験に合格した褒美だ。花緒、よく頑張ったからな」
「太一くん……」
どうしよう、嬉しい……! まさか高野がそんなことを考えてくれていると思わなかったので、ちょっとうるっとしてしまう。
「今日くらいは遊んでもいいだろう?」
「うん。ありがとう!」
高野の優しさが嬉しかった。昨日までの距離感が一気に縮まった気がする。
「俺も今週から忙しくなりそうだし、お互いに英気を養うためにも息抜きは必要だ」
「……和歌山のプロジェクト、選ばれたんだってね」
「知っていたのか……ああ、生島に聞いたんだな」
「おめでとう。忙しくなりそうだね」
「たくさんいる設計士の一人だけどな。でもニュータウンはやってみたかったからいい経験ができそうだ」
どんどん差が開いていくな……。
でも高野は院卒で工学博士。一級建築士の資格を持っているうえに登録まで済ませているのだ。自分とはキャリアがまったく違う。認められていて当然だ。
それでも喜ばしい話のはずなのに、仕事の話を聞いてしまうと焦る自分がいる。私はまだスタートラインにも立たせてもらえないのだから。
正直なところ、実技試験に一発合格できる自信はない。おそらく今回の実技はダメだろう。そんなんじゃ設計に異動なんてさせてもらえないよね……。
そう思うと、理不尽だなーなんて思ったり、力不足なんだから仕方ないよなーと思ったり、落ち込むことばかりだ。
でも、こうやってドライブに連れ出してくれている高野の気持ちを思うと嬉しい。
とりあえず、告白してきた女性たちではなく、私をドライブの相棒に選んでくれたんだから、私も今日は楽しませてもらおう。
大津で高速を下り、私たちは高野お勧めのハワイアン料理を堪能した。
「……んー? たいちくん……」
「今日は出かけるぞ」
「出かける……ってどこに?」
「琵琶湖」
飲み会明けの休日だというのに、朝から起こされてバタバタと準備をし、なぜか私は高野が運転する車で名神高速道路を東へと走っていた。
たしか昨日は、先にソファーで寝てしまった高野を切なく眺めながら眠りについたんだっけ。
疲れているのだろうと思っていたけど、今の高野はフル充電状態だ。なんだかすごく楽しそう……。
「大津に着くまで少しかかるから寝ていてもいいぞ」
「今は眠くないよ。それより、お腹が空いた」
高野が早く早くと急かすので、朝食を作ることもできなかった。
「琵琶湖のヨットハーバーでハワイアン料理を楽しめるところがあるんだ。そこでブランチにしよう」
「ハワイアン料理!」
それは楽しみだ。
「でもどうして突然琵琶湖へ向かっているの?」
「え、ああ……一次試験に合格した褒美だ。花緒、よく頑張ったからな」
「太一くん……」
どうしよう、嬉しい……! まさか高野がそんなことを考えてくれていると思わなかったので、ちょっとうるっとしてしまう。
「今日くらいは遊んでもいいだろう?」
「うん。ありがとう!」
高野の優しさが嬉しかった。昨日までの距離感が一気に縮まった気がする。
「俺も今週から忙しくなりそうだし、お互いに英気を養うためにも息抜きは必要だ」
「……和歌山のプロジェクト、選ばれたんだってね」
「知っていたのか……ああ、生島に聞いたんだな」
「おめでとう。忙しくなりそうだね」
「たくさんいる設計士の一人だけどな。でもニュータウンはやってみたかったからいい経験ができそうだ」
どんどん差が開いていくな……。
でも高野は院卒で工学博士。一級建築士の資格を持っているうえに登録まで済ませているのだ。自分とはキャリアがまったく違う。認められていて当然だ。
それでも喜ばしい話のはずなのに、仕事の話を聞いてしまうと焦る自分がいる。私はまだスタートラインにも立たせてもらえないのだから。
正直なところ、実技試験に一発合格できる自信はない。おそらく今回の実技はダメだろう。そんなんじゃ設計に異動なんてさせてもらえないよね……。
そう思うと、理不尽だなーなんて思ったり、力不足なんだから仕方ないよなーと思ったり、落ち込むことばかりだ。
でも、こうやってドライブに連れ出してくれている高野の気持ちを思うと嬉しい。
とりあえず、告白してきた女性たちではなく、私をドライブの相棒に選んでくれたんだから、私も今日は楽しませてもらおう。
大津で高速を下り、私たちは高野お勧めのハワイアン料理を堪能した。
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