君と白玉フラッペを

吉岡ミホ

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坂上家の白玉団子

坂の上家の白玉団子②

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うちに帰ると、ハンバーグのいい匂いが玄関まで匂ってきた。

「あ、おかえり。
夕飯の準備出来たから、白玉団子を作ろうか。
2人とも、手を洗ってきなさい」

俺も作るのか?
……仕方がない。

すると、2階から弟の誠(まこと)も降りてきた。誠は小学生だ。

「なに? なんか作るの?」
「誠も手を洗っておいで」

どうやら全員で作るらしい。普段なら手伝いしろなんて言うと、文句しか言わない誠も、なんだかワクワクしているようだ。

ボールに白玉粉を入れて、水を混ぜていく。
素早く混ぜて、捏ねる。
愛も楽しそうに小さな手でぐちゃぐちゃと遊んでいる。

「耳たぶって……んー大体こんなものかなー。
じゃあこのまとまった白玉粉を団子状にしていくわよ。なるべく小さくしてね。誰が上手に丸めることが出来るかな~?」
「あい! あい、おだんごじょうずなの!」
「俺もやる!」

愛も誠もめちゃくちゃ楽しそうだ。
しかし俺も手伝わないと、ハンバーグにありつけない。
もちろん母も参加して4人でせっせと団子を作り始めた。

そして、一通り団子状に丸め終えたものを、母親が熱湯にポロポロと入れていく。

「浮き上がってきたら出来上がりなの。
聖、こっちのボールに氷水を用意して」

俺は言われた通り、氷水を作った。
浮き上がった白玉団子が、次々と氷水の中に上げられる。

「はーい、出来ました!
愛、上手だったねぇ。お兄ちゃん達もありがとう。これは冷やしておいて、後でデザートに食べましょう」
「あい、チョコがいい! チョコかけるの~」
「チョコもいいわね。色々試してみようね。
じゃあ、ハンバーグを温め直すわね」

ちょうどハンバーグを温めているところに、父親も帰ってきたので、夕食となった。

食後に食べた白玉チョコに、愛は大満足したようだ。
誠も、自分で作った白玉団子がいたくお気に召したらしい。あんこにきな粉に色々試しながら食べていた。


……というようなことがあって、ひょっとしたら中3男子でも、白玉団子を作る過程は楽しめるのではないかと考えたのだ。





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感想 1

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