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幸せの白玉フラッペ
幸せの白玉フラッペ①
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「光(ひかり)ー! 出かけるぞ」
「……」
「光? 何を見てるんだ?」
「おとーさん、これ……」
娘の光が持っていたのは、赤いチェックのノートだった。
雅が中学の頃、いつも持ち歩いていたあのノートだ。
「これ……懐かしいな」
「アイス、いーっぱいあるの。
ケーキもね、いーっぱいあるの!」
「……ああ、そうだな……」
3歳になり、幼稚園に入学したばかりの長女 光は大のスイーツ好きだ。
幼稚園に持っていくお手拭きタオルも、一つだけ園カバンに付けるのが許されているマスコットも、全てケーキやアイスクリームの柄だったりする。
母の影響か。それとも血か……。
大学卒業後、俺は母校聖堂館学園小学校の教師になった。
そして雅は実家の経営する老舗洋菓子店HASEGAWAに入社。大好きな洋菓子に携わる仕事に就いた。
俺と雅は、高校、大学と順調に愛を育み、交際10年で結婚した。
結婚と同時に妊娠した雅は、長女 光を出産。その育休中に次女 恵(めぐみ)を妊娠した。
産休、育休、産休、育休と、気づけば丸3年、雅は1度も文句を言わず、家に居てくれた。
出産だけは、代わってやる事が出来ない。
しかし育児は別だ。俺が育休を取ることはできなかったが、可能な限り積極的に育児をした。
光と恵の寝かしつけは俺の役割だ。
毎夜、絵本を読んでやり、天使のような娘達の頭を撫でてやるのは俺の特権なのだ。
娘達も嫌がらず俺に懐いてくれていた。
だから俺は、恵が卒乳し、光が入園したタイミングで雅に復職を提案したのだ。
「スイーツはお前の生き甲斐なんだろう?
昔、赤いチェックのノートを見ながら言っていたじゃないか。
俺も、教師は俺の天職だと思ってる。
仕事は……楽しいよ?
雅だって、戻りたいはずだ。
幸い娘達は、うちの親にも俺にも懐いてくれている。
だから、気にせず行ってこい!」
「……」
「光? 何を見てるんだ?」
「おとーさん、これ……」
娘の光が持っていたのは、赤いチェックのノートだった。
雅が中学の頃、いつも持ち歩いていたあのノートだ。
「これ……懐かしいな」
「アイス、いーっぱいあるの。
ケーキもね、いーっぱいあるの!」
「……ああ、そうだな……」
3歳になり、幼稚園に入学したばかりの長女 光は大のスイーツ好きだ。
幼稚園に持っていくお手拭きタオルも、一つだけ園カバンに付けるのが許されているマスコットも、全てケーキやアイスクリームの柄だったりする。
母の影響か。それとも血か……。
大学卒業後、俺は母校聖堂館学園小学校の教師になった。
そして雅は実家の経営する老舗洋菓子店HASEGAWAに入社。大好きな洋菓子に携わる仕事に就いた。
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毎夜、絵本を読んでやり、天使のような娘達の頭を撫でてやるのは俺の特権なのだ。
娘達も嫌がらず俺に懐いてくれていた。
だから俺は、恵が卒乳し、光が入園したタイミングで雅に復職を提案したのだ。
「スイーツはお前の生き甲斐なんだろう?
昔、赤いチェックのノートを見ながら言っていたじゃないか。
俺も、教師は俺の天職だと思ってる。
仕事は……楽しいよ?
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だから、気にせず行ってこい!」
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