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二章
第33話 冒険者達ですか?
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アイリスが『まじょまじょ転移』を覚えてから一か月が経った。
この一か月間、何度か『まじょまじょ転移』を試す為に、呪われた森に遠征に赴いた。
いつもだと、帰りも考えて狩りをしなくちゃいけなかったんだけど、それを気にしなくても良いのが素晴らしかった。
うちの町では既に多くの肉が余って来たので、『自由連邦国』に売り出してみた。
思っていた以上に高く売れるようで、今までゴミを運んで貰ったのを引き取ったお金がお遊びに見えるくらいに稼いだ。
そんな生活を約一か月過ごした訳だ。
こんな美味い話はないと、自由連邦国から多くの冒険者達がベータ町にやってきた。
◇
「ここが噂の『ゴミ町』か」
冒険者達、二十人の中に、一番装備が整っているように見える偉そうな人が呟いた。
因みに、うちの町としては、町のルールさえ守ってくれれば、基本的には自由だ。
「ゴミ町って聞いていたのに、物凄く綺麗な町だわ」
「ああ、想像以上に綺麗だし、住民達もちゃんとしているな」
冒険者達がベータ町を見て驚いている。
ふふっ! これも全て僕のスキル『クリーン』のおかげなんだけどね!
「おい! お前がここの町長か?」
一番偉そうな冒険者が僕に声を掛けて来た。
「一応代表をしているアレクです」
「そうか、俺はAランク冒険者ディルディだ」
……
…………
………………
「???」
「くっ、これだから田舎者は……俺様のようなAランク冒険者様が来たんだ、ちゃんともてなせよ」
「え? 何故?」
「は? Aランク冒険者だぞ?」
Aランク冒険者が何かしたんだろうか?
彼の言い分の意味が分からずにいると、後ろの冒険者達がクスクス笑いながら「田舎町も大変ね」と呟いていた。
「くっ……我々冒険者が『ダンジョン』の魔物を駆逐しているから、町が安全を保っているんだぞ!? 自由連邦国の町は冒険者を敬うルールなんだよ!」
あ~…………つまり、Aランク冒険者がどこの町に行っても、タダで飲み食いさせろと。
「すいませんが、この町は自由連邦国の町ではありませんよ?」
「は?」
「ここは僕達が作った自由の町です、連邦国の町ではないのですよ」
ポカーンとしている冒険者達だったが、少しして漸く理解したようで、舌打ちして国は何をしているんだとぼやいていた。
ギルティファングをこの町で倒していると話すと、冒険者達は大笑いし、ギルティファングは噂だけで実は大したことないんだなと言っていた。
町の南に向かうと、ギルティファングと会えると教えてあげた。
「ねえ、アレク、あの人達、あのまま放置するの?」
「うん、別に助けなくちゃいけない事はないだろうし」
「う~ん…………連邦国が何も言ってこないといいけど……」
「まあ、そん時は、そん時かな? Aランク冒険者? らしいし、大丈夫でしょう」
冒険者達が南側に進んで、姿が見えなくなった。
恐らく、そろそろ森が見える頃だろう。
森が見えればギルティファングも見かけられるはずだ。
◇
冒険者達が見えなくなってから二時間程経過した。
向こうから砂ぼこりがあがっていると見張りから連絡があった。
防壁の上で眺めていると――――やはり、ギルティファングだった。
一匹が猛突進してくる。
その前を先程出て行ったディルディという人が必死に逃げていた。
あ……まさか……ね。
全滅って事は……ないよね? Aランク冒険者様?
「アレク、あれどうするの?」
「ん~、ギルティファングを押し付けられそうだね」
「あっ……アレク……容赦ないんだね」
「当たり前だよ、うちの町をゴミ呼ばわりした罪が深いからね」
この一か月間、何度か『まじょまじょ転移』を試す為に、呪われた森に遠征に赴いた。
いつもだと、帰りも考えて狩りをしなくちゃいけなかったんだけど、それを気にしなくても良いのが素晴らしかった。
うちの町では既に多くの肉が余って来たので、『自由連邦国』に売り出してみた。
思っていた以上に高く売れるようで、今までゴミを運んで貰ったのを引き取ったお金がお遊びに見えるくらいに稼いだ。
そんな生活を約一か月過ごした訳だ。
こんな美味い話はないと、自由連邦国から多くの冒険者達がベータ町にやってきた。
◇
「ここが噂の『ゴミ町』か」
冒険者達、二十人の中に、一番装備が整っているように見える偉そうな人が呟いた。
因みに、うちの町としては、町のルールさえ守ってくれれば、基本的には自由だ。
「ゴミ町って聞いていたのに、物凄く綺麗な町だわ」
「ああ、想像以上に綺麗だし、住民達もちゃんとしているな」
冒険者達がベータ町を見て驚いている。
ふふっ! これも全て僕のスキル『クリーン』のおかげなんだけどね!
「おい! お前がここの町長か?」
一番偉そうな冒険者が僕に声を掛けて来た。
「一応代表をしているアレクです」
「そうか、俺はAランク冒険者ディルディだ」
……
…………
………………
「???」
「くっ、これだから田舎者は……俺様のようなAランク冒険者様が来たんだ、ちゃんともてなせよ」
「え? 何故?」
「は? Aランク冒険者だぞ?」
Aランク冒険者が何かしたんだろうか?
彼の言い分の意味が分からずにいると、後ろの冒険者達がクスクス笑いながら「田舎町も大変ね」と呟いていた。
「くっ……我々冒険者が『ダンジョン』の魔物を駆逐しているから、町が安全を保っているんだぞ!? 自由連邦国の町は冒険者を敬うルールなんだよ!」
あ~…………つまり、Aランク冒険者がどこの町に行っても、タダで飲み食いさせろと。
「すいませんが、この町は自由連邦国の町ではありませんよ?」
「は?」
「ここは僕達が作った自由の町です、連邦国の町ではないのですよ」
ポカーンとしている冒険者達だったが、少しして漸く理解したようで、舌打ちして国は何をしているんだとぼやいていた。
ギルティファングをこの町で倒していると話すと、冒険者達は大笑いし、ギルティファングは噂だけで実は大したことないんだなと言っていた。
町の南に向かうと、ギルティファングと会えると教えてあげた。
「ねえ、アレク、あの人達、あのまま放置するの?」
「うん、別に助けなくちゃいけない事はないだろうし」
「う~ん…………連邦国が何も言ってこないといいけど……」
「まあ、そん時は、そん時かな? Aランク冒険者? らしいし、大丈夫でしょう」
冒険者達が南側に進んで、姿が見えなくなった。
恐らく、そろそろ森が見える頃だろう。
森が見えればギルティファングも見かけられるはずだ。
◇
冒険者達が見えなくなってから二時間程経過した。
向こうから砂ぼこりがあがっていると見張りから連絡があった。
防壁の上で眺めていると――――やはり、ギルティファングだった。
一匹が猛突進してくる。
その前を先程出て行ったディルディという人が必死に逃げていた。
あ……まさか……ね。
全滅って事は……ないよね? Aランク冒険者様?
「アレク、あれどうするの?」
「ん~、ギルティファングを押し付けられそうだね」
「あっ……アレク……容赦ないんだね」
「当たり前だよ、うちの町をゴミ呼ばわりした罪が深いからね」
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