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三章
第58話 戦後処理ですか?
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何とかアイリスに手を出さずに夜を過ごした。
実は、一晩一睡も出来なかった。
寝たふりをしたら、アイリスはそのまま眠ってくれた。
はぁ。
人の心も知らないで、良くそんな気持ちよさそうに寝れるね。
◇
果てしない眠気を何とか我慢して起きた僕は、ヘルドさんに呼ばれて大きな作戦用テントに向かった。
「よお、アレク。昨日はお疲れ」
「ヘルドさんこそ、無茶し過ぎですよ」
「クハハハッ! あいつらと戦うのに無茶せずには勝てないだろうよ。それはそうと、昨日はお前の活躍が無けりゃこんなにすんなり勝てなかった。改めて礼を言うぞ」
「寧ろ、大型ゴミを手に入れられたので、こちらこそ感謝したいくらいですよ」
「大型ゴミ?」
「はい、あの『ヴァレンシア』の砲台と頭部をゲットしましたから」
「クハハハッ! あれを再利用するのか! 面白い力に面白い考えだ! そういや、平原に散らばっている残骸も回収するか?」
「え! いいんですか!?」
「ああ、寧ろそうしてくれた方が、こちらの手間がなくなるから助かる。掃除代金は別に支払うから頼んだ」
「分かりました!」
僕は喜んで平原に回収に向かった。
ゴミ超収集で一気に残骸を全て手に入れる事が出来た。
実はこの残骸。
僕が欲していた理由がある。
『ヴァレンシア』はどういう金属かは分からないけど、今の時代では作れない金属で出来ている。
多くの『古代機械』がこういう特殊な金属で出来ているんだけど、この金属の特徴としては、硬さも勿論なんだけど、最も目を引くのは、『魔法耐性』の高さである。
殆どの魔法が効かない。
それは最強の盾になり得る。
僕の『城壁』は物理面で強いが、実は魔法にとても脆かった。
そこでヴァレンシアの破片を使う事で魔法にも強い『城壁』を作り出せるんじゃないかというのが、今回の回収の最大目的だった。
更に掃除代金も貰えるんだしな。
◇
回収を終えて、ヘルドさんに断わりを入れ、僕達はその足で久々のベータ町に帰ってきた。
「アレクニキ! お帰りなさい!」
町民達皆、僕達の帰還を喜んでくれた。
防衛をお願いしていたシグマくんとタロが大活躍のようで、『特製ポーション』でブーストアップした遊撃隊と共にギルティファングを乱獲していた。
既に僕達が防衛に当たらなくでも、豚肉の貯蔵は増える一方らしい。
僕達がいない間に、研究が終わったシーマくんが指揮を執り、町の環境改善に勤しんでいて、何故か皆から「町長!」と呼ばれていた。
まあ、僕としては町長なんて務まらないから、シーマくんに務めて貰えるとありがたい限りなんだけどね。
「――――――、てな感じだったよ」
僕はシーマくんと二人きりでテラスから果実酒と豚肉を楽しみながら、戦争での事を話した。
まだ強いお酒はもう少し大人になってから飲むように、アースさんから言われているから、今は果実酒が僕らのお供だ。
「それは中々の災難だったな、まさか……王国が大型破壊兵器なんて持っているとは」
「うん。うちらに向けられなくて助かったよ~ほんと。ヘルドさんには頭が上がらないよ」
「ふふっ、最初はどうなることやらと心配していたら、思いのほか優しい人だったみたいで良かった」
「だね~、でも基本的には他人は信用しないし、弱い人はバッサリと切る事でも有名みたいね」
「まあ、上に立つ人間ならそういう所もあるだろう。寧ろ、弱い人間を切る事で、戦場で死なせるよりは良いと思っているかもね」
「なんだかんだ口は悪いけど、ほんと良い人だよ」
僕とシーマくんの中にあるヘルドさん株がぐーっと上がった瞬間だった。
「あ、それはそうと…………そろそろアイリスと、やったか?」
「ブボー、ゲホゲホ、は!?」
僕の反応を見て、「まだか」と大笑いしているシーマくんだった。
実は、一晩一睡も出来なかった。
寝たふりをしたら、アイリスはそのまま眠ってくれた。
はぁ。
人の心も知らないで、良くそんな気持ちよさそうに寝れるね。
◇
果てしない眠気を何とか我慢して起きた僕は、ヘルドさんに呼ばれて大きな作戦用テントに向かった。
「よお、アレク。昨日はお疲れ」
「ヘルドさんこそ、無茶し過ぎですよ」
「クハハハッ! あいつらと戦うのに無茶せずには勝てないだろうよ。それはそうと、昨日はお前の活躍が無けりゃこんなにすんなり勝てなかった。改めて礼を言うぞ」
「寧ろ、大型ゴミを手に入れられたので、こちらこそ感謝したいくらいですよ」
「大型ゴミ?」
「はい、あの『ヴァレンシア』の砲台と頭部をゲットしましたから」
「クハハハッ! あれを再利用するのか! 面白い力に面白い考えだ! そういや、平原に散らばっている残骸も回収するか?」
「え! いいんですか!?」
「ああ、寧ろそうしてくれた方が、こちらの手間がなくなるから助かる。掃除代金は別に支払うから頼んだ」
「分かりました!」
僕は喜んで平原に回収に向かった。
ゴミ超収集で一気に残骸を全て手に入れる事が出来た。
実はこの残骸。
僕が欲していた理由がある。
『ヴァレンシア』はどういう金属かは分からないけど、今の時代では作れない金属で出来ている。
多くの『古代機械』がこういう特殊な金属で出来ているんだけど、この金属の特徴としては、硬さも勿論なんだけど、最も目を引くのは、『魔法耐性』の高さである。
殆どの魔法が効かない。
それは最強の盾になり得る。
僕の『城壁』は物理面で強いが、実は魔法にとても脆かった。
そこでヴァレンシアの破片を使う事で魔法にも強い『城壁』を作り出せるんじゃないかというのが、今回の回収の最大目的だった。
更に掃除代金も貰えるんだしな。
◇
回収を終えて、ヘルドさんに断わりを入れ、僕達はその足で久々のベータ町に帰ってきた。
「アレクニキ! お帰りなさい!」
町民達皆、僕達の帰還を喜んでくれた。
防衛をお願いしていたシグマくんとタロが大活躍のようで、『特製ポーション』でブーストアップした遊撃隊と共にギルティファングを乱獲していた。
既に僕達が防衛に当たらなくでも、豚肉の貯蔵は増える一方らしい。
僕達がいない間に、研究が終わったシーマくんが指揮を執り、町の環境改善に勤しんでいて、何故か皆から「町長!」と呼ばれていた。
まあ、僕としては町長なんて務まらないから、シーマくんに務めて貰えるとありがたい限りなんだけどね。
「――――――、てな感じだったよ」
僕はシーマくんと二人きりでテラスから果実酒と豚肉を楽しみながら、戦争での事を話した。
まだ強いお酒はもう少し大人になってから飲むように、アースさんから言われているから、今は果実酒が僕らのお供だ。
「それは中々の災難だったな、まさか……王国が大型破壊兵器なんて持っているとは」
「うん。うちらに向けられなくて助かったよ~ほんと。ヘルドさんには頭が上がらないよ」
「ふふっ、最初はどうなることやらと心配していたら、思いのほか優しい人だったみたいで良かった」
「だね~、でも基本的には他人は信用しないし、弱い人はバッサリと切る事でも有名みたいね」
「まあ、上に立つ人間ならそういう所もあるだろう。寧ろ、弱い人間を切る事で、戦場で死なせるよりは良いと思っているかもね」
「なんだかんだ口は悪いけど、ほんと良い人だよ」
僕とシーマくんの中にあるヘルドさん株がぐーっと上がった瞬間だった。
「あ、それはそうと…………そろそろアイリスと、やったか?」
「ブボー、ゲホゲホ、は!?」
僕の反応を見て、「まだか」と大笑いしているシーマくんだった。
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