能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。

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四章

第82話 聖剣ですか?

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 僕の予想とは真逆に『ゴミの祝福』は最早呪いだった。

 だって!

 全てのステータスを最低のEにした上に、上昇する効果すら受け付けないなんて!

 どこが祝福なんだよ!!

 絶望している僕にアイリスは優しい笑顔で慰めてくれた。

 ううっ……今はその優しさが辛いよ……。


「あ! アレク! そう言えば、さっき、剣を収集したとか言わなかった?」


「うん? あ~勇者の聖剣は収集したよ?」

「見たい! 見たい!」

 アイリスが子供みたいに駄々こねる仕草がまた可愛らしい。

「はいはい、今出すから」

 僕はゴミ箱の中にいた『聖剣グランドクロス』を召喚した。

 僕の右手に現れた『聖剣』は、誰もを祝福するかのように光り輝い――――てはいなかった。

 しかも。


【この、ばかもん!!! 儂をあんな臭いゴミの中に入れるとか許さないからな!! お前なんぞに力は貸さない!!!】


 と、幻聴が聞こえた。

「アレク、聖剣は自我を持っていて、その力を貸す人のみに声が聞こえると伝わる。それは幻聴じゃなくて、本物の聖剣の声だ」

 へ、へぇー!

 聖剣って意志があるのね。

 そうか……。

 そうなのか……。

「ねえ、聖剣さん?」

【…………】

「僕に力を貸さないとどうなるか……教えてあげるよ」

 ゴミの祝福で暗黒化している僕に、誰かを容赦する寛大な心は既に残っていない!

 しかも、この剣、何だかめちゃ偉そう!

 ちょっとムカつくので、そこら辺に投げた。

 ――そして。

「スキル! ゴミ召喚! 地獄風呂!」

 聖剣に地獄風呂をお見舞いしてやった。

 ……

 …………

 あ、どうやら剣と離れていると声は聞こえないみたい。

 まあ、いっか。


 地獄風呂を見た勇者が震え出していた。

「勇者クラフト! 最後聞くよ? 魔族との戦いになった原因は、お前が魔族を攻めたのが原因なんだな?」

「え? は、はい! 聖剣に魔族を倒さないとレベルが上がらないからと、俺のレベルを上げる為に魔族を沢山狩りました!」

 あ……やっぱ救いのないやつ……。

 と言いたかったけど、そもそも勇者のレベルって魔族を倒す事で上がるのか。

 それは……仕方ない事だったのかも知れないね。

 でも……。

 ここまで来る間の町々を見かけると心が痛む。

 そもそも、レベルを上げる為だけの理由で戦いを仕掛けたのなら、やっぱり僕としては人間側が悪いと思う。

 あとで、ヘルドさんにもちゃんと相談しておかなくちゃね。


 それはそうと、『聖剣』が勇者の手から僕の手に渡ってから聖女があたふたしている。

 『聖剣』の行方が気になるみたいだ。

 『聖剣』さんもそろそろ反省したはずだろうし、もう一度手にしてみるか。


【こ、この! 最低野郎! 儂――――】

 ぽいっ――。

 ……

 …………

【や、やめてくれ! もうゴミは――――】

 ぽいっ――。

 ……

 …………

 ………………

【ご主人様! 何でも言う事を聞きます!】

 僕の右手に握られていた聖剣からは、溢れんばかりの光が放たれた。

 聖剣を高々と掲げた僕は、まさしく『勇者』っぽく見えるのだろう。

 『ゴミの祝福』の衝撃から少しは心が癒えるようだ……。



「ぷぷっ、アレクったら、聖剣の手名付け方も完璧なのね」



 偉そうな聖剣はこれくらいが丁度良いと思うんだよ。うん。

 ポカーンと見ている勇者と聖女。

 僕は彼らの前に立った。

勇者! 聖女! お前達には罰を受けて貰う!」





「秘儀! ゴミの祝福~!」

 こうして、人類から勇者と聖女が消えた瞬間だった……。





 って消えてないけどね!!
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