101 / 102
最終章
最終話 ゴミの王と真の魔王です
しおりを挟む
『ドールマスター』との攻防も数十分、遂に最初の『ドールマスター』たった一人になった。
「ま、まさか……お前が聖剣と魔剣を使えるとは……」
「ああ……お前がクラフトくんを……魔王を……本当の勇者を……謀ってくれたおかげで、僕はこうして剣を手にしてお前の前に立っている。全てはお前が成した事が自分に返ってきただけなんだよ」
「…………人間風情が!」
『ドールマスター』の最後の攻撃が始まった。
黒炎を扱えるのはこの『ドールマスター』だけのようで、聖剣と魔剣を持ってしても簡単には通してくれなかった。
その時。
『ドールマスター』の左腕が飛んできた。
咄嗟に魔剣で防いだが、飛んできた腕により丸ごと弾き飛ばされた。
「ッ!? 魔剣が!」
「クックックッ、これでお前に魔剣はない。こうなれば問題ないのだ」
『ドールマスター』が突撃してきた。
何合か聖剣の剣戟と『ドールマスター』の黒炎も纏った右腕がぶつかり合う。
僕は隙を見て『ドールマスター』の腹部に聖剣を刺し込んだ。
「『ドールマスター』! これで終わりだ!」
「クックックッ、残念ながらそれでは我は倒せない。残念だったな、聖剣だけじゃ我は倒せないのだ!」
『ドールマスター』の言葉通り、消滅する気配が全くない。
直後、『ドールマスター』は両足で僕の身体を巻き付けた。
「このままお前を絞め殺してやろう」
「くっ、なん……の…………」
しかし、『ドールマスター』はびくりともしなかった。
◇
アレクの魔剣が『ドールマスター』に吹っ飛ばされてしまった。
私は…………このままただ見ている事しか出来ないのだろうか?
ううん。
そんな事は絶対にない。
私はいつでもアレクと共に歩んできた。
いつも助けて貰った。
だから、アレクが困っている時には、私が助けなくちゃ。
私は全力で魔剣に向かって走った。
魔剣を吹き飛ばした『ドールマスター』の腕は転がっていたけど、気持ち悪かったので、魔女ノ鎖で遠くに吹き飛ばした。
そして、魔剣を手にする。
……。
…………。
そうか……。
魔剣ヘルハザードさんありがとう。
私の『壁』って……こういう事だったのね。
アレクが直ぐに超えた『壁』。
でも私は超えられずに、ずっと焦っていたの。
それが……。
漸く、超えられた。
考えてみれば、いつもアレクの背中を追いかけて必死に走ってきた。
最後の最後まで……アレクを追いかける為に超えられたのね。
「ヘルハザードさん。私に力を貸して! アレクを助けたいの。――――――秘儀、『純白ノ戦乙女』」
私の真っ黒いドレスは真っ白なドレスに変わった。
身体の内側から溢れる力を感じる。
アレク。
今すぐ助けてあげるからね!
――――私は一目散に『ドールマスター』首を魔剣ヘルハザードで斬り落とした。
◇
くっ……このままでは……。
こんな所で死んだら、誰がアイリスを守るんだ!
僕は何の為に強くなったんだ!
アイリスを……皆を……守る為ではないのか!
最後の力を振り出せ!
――とその時。
サクッ。
と音が聞こえ、『ドールマスター』の頭だけが綺麗な放物線を描いて、空に飛んでいた。
え??
「ば、ばか……な…………」
そして、『ドールマスター』も他の『ドールマスター』と同じく、身体ごと溶けていった。
あまりの急展開に僕は動けずにいる。
「えっ? 一体、何が……??」
「アレク~」
「うん?」
後ろを向くと、そこには――――。
そうか……最後の最後まで、君に助けられたのか。
真っ白な美しいドレスの彼女は、眩しい笑顔を僕に向けていた。
遺跡内部に『ドールマスター』が残っていない事を確認し終えた。
外に出ると、グレンとリラ、リルが可愛らしく待っていてくれている。
グレンがリラとリルと寄り添っている所を見て、僕はずっと前から準備していたあるモノと取り出した。
「アイリス。こんな場所でごめん……でも今だと思うから」
「うん?」
僕はアイリスの前に跪いた。
そして、アイリスに小さな箱を開き見せる。
――――アイリスは大きな粒の涙を流しながら、嬉しそうに承諾してくれた。
こうして、ゴミの町から始まった僕とアイリスの冒険は終わりを迎えた。
「ま、まさか……お前が聖剣と魔剣を使えるとは……」
「ああ……お前がクラフトくんを……魔王を……本当の勇者を……謀ってくれたおかげで、僕はこうして剣を手にしてお前の前に立っている。全てはお前が成した事が自分に返ってきただけなんだよ」
「…………人間風情が!」
『ドールマスター』の最後の攻撃が始まった。
黒炎を扱えるのはこの『ドールマスター』だけのようで、聖剣と魔剣を持ってしても簡単には通してくれなかった。
その時。
『ドールマスター』の左腕が飛んできた。
咄嗟に魔剣で防いだが、飛んできた腕により丸ごと弾き飛ばされた。
「ッ!? 魔剣が!」
「クックックッ、これでお前に魔剣はない。こうなれば問題ないのだ」
『ドールマスター』が突撃してきた。
何合か聖剣の剣戟と『ドールマスター』の黒炎も纏った右腕がぶつかり合う。
僕は隙を見て『ドールマスター』の腹部に聖剣を刺し込んだ。
「『ドールマスター』! これで終わりだ!」
「クックックッ、残念ながらそれでは我は倒せない。残念だったな、聖剣だけじゃ我は倒せないのだ!」
『ドールマスター』の言葉通り、消滅する気配が全くない。
直後、『ドールマスター』は両足で僕の身体を巻き付けた。
「このままお前を絞め殺してやろう」
「くっ、なん……の…………」
しかし、『ドールマスター』はびくりともしなかった。
◇
アレクの魔剣が『ドールマスター』に吹っ飛ばされてしまった。
私は…………このままただ見ている事しか出来ないのだろうか?
ううん。
そんな事は絶対にない。
私はいつでもアレクと共に歩んできた。
いつも助けて貰った。
だから、アレクが困っている時には、私が助けなくちゃ。
私は全力で魔剣に向かって走った。
魔剣を吹き飛ばした『ドールマスター』の腕は転がっていたけど、気持ち悪かったので、魔女ノ鎖で遠くに吹き飛ばした。
そして、魔剣を手にする。
……。
…………。
そうか……。
魔剣ヘルハザードさんありがとう。
私の『壁』って……こういう事だったのね。
アレクが直ぐに超えた『壁』。
でも私は超えられずに、ずっと焦っていたの。
それが……。
漸く、超えられた。
考えてみれば、いつもアレクの背中を追いかけて必死に走ってきた。
最後の最後まで……アレクを追いかける為に超えられたのね。
「ヘルハザードさん。私に力を貸して! アレクを助けたいの。――――――秘儀、『純白ノ戦乙女』」
私の真っ黒いドレスは真っ白なドレスに変わった。
身体の内側から溢れる力を感じる。
アレク。
今すぐ助けてあげるからね!
――――私は一目散に『ドールマスター』首を魔剣ヘルハザードで斬り落とした。
◇
くっ……このままでは……。
こんな所で死んだら、誰がアイリスを守るんだ!
僕は何の為に強くなったんだ!
アイリスを……皆を……守る為ではないのか!
最後の力を振り出せ!
――とその時。
サクッ。
と音が聞こえ、『ドールマスター』の頭だけが綺麗な放物線を描いて、空に飛んでいた。
え??
「ば、ばか……な…………」
そして、『ドールマスター』も他の『ドールマスター』と同じく、身体ごと溶けていった。
あまりの急展開に僕は動けずにいる。
「えっ? 一体、何が……??」
「アレク~」
「うん?」
後ろを向くと、そこには――――。
そうか……最後の最後まで、君に助けられたのか。
真っ白な美しいドレスの彼女は、眩しい笑顔を僕に向けていた。
遺跡内部に『ドールマスター』が残っていない事を確認し終えた。
外に出ると、グレンとリラ、リルが可愛らしく待っていてくれている。
グレンがリラとリルと寄り添っている所を見て、僕はずっと前から準備していたあるモノと取り出した。
「アイリス。こんな場所でごめん……でも今だと思うから」
「うん?」
僕はアイリスの前に跪いた。
そして、アイリスに小さな箱を開き見せる。
――――アイリスは大きな粒の涙を流しながら、嬉しそうに承諾してくれた。
こうして、ゴミの町から始まった僕とアイリスの冒険は終わりを迎えた。
11
あなたにおすすめの小説
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~
リーフレット
ファンタジー
「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」
帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。
アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。
帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。
死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。
「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・
神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる