能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。

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最終章

第99話 ドールマスターですか?

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 遺跡の中は、『新生・ヴァレン』と同じ構造になっていた。

 僕達が古代機械と呼んでいる文明は、全てこういう作りになっているとアイちゃんから聞いている。

 アイちゃん情報で、真っすぐ廊下を走り抜ける。

 暫く走ると広場に辿り着いた。

「ほぉ……タイターンを破っただけの事はある。ここに辿り着けるとはな」

「ん? その格好……元王国の国王!?」

「ああ……お前達にはそういう風に映っているのか。如何にも、我がその国王である」

 『自由国』が建国される前、王国に最後の通達の直前に消えた国王と王太子。

 まさか……ここにいたとは……。

「あれ? もしかして……王国が『ヴァレンシア』を使えていたのも!?」

「ああ、我の防衛の為にな。しかし、『ヴァレンシア』をも破った人間がいるとは、中々凄いものだ……わざわざ偽勇者も本当の勇者・・・・・も魔王も全員を謀ったというのに……まさか、彼らではない人間がここに辿り着くとは」

「え? 偽勇者? 本当の勇者?」

「ここに辿り着いたその努力を褒めて教えてあげよう。我々『ドールマスター』は古代からずっと人間を操り続けて来た一族だ。お前達の勇者と魔王だけが我々の脅威となり得る。だから我々は偽勇者をでっち上げ、魔族を謀り戦いに仕向けた。人間は見事にひっかかり、本来の勇者は地の果てに死に、偽勇者を追った魔族は偽勇者によって滅ぼされ、人間は魔族と戦いを始めた。馬鹿な魔王は甘い考えて偽勇者に斬られ……我々の支配は完璧なモノになるはずであった」

 偽勇者というのは……恐らく、クラフトくんだろうね。

 魔王はエヴァに間違いないだろう。

 本当の勇者は……既に亡くなっているのか……。

「お前達が幾ら束になって掛かって来ようが、我ら『ドールマスター』には傷一つ付けられないだろう」

「それはやってみなきゃ分からないだろう! お前達の身勝手な支配でどれだけの人が傷ついたと思ってる! 僕はお前達を絶対に許さない!」

「お前の意思などどうでもよい。ゴミの王よ。お前をここで滅ぼして我々の支配をより強硬なモノとしよう」

 後方から『ドールマスター』が他に四人出現した。

 更に『カリシュラム平原』で見かけていた戦闘人形が大量に召喚された。

「アイリス! 絶対無理はしないでよ!」

「分かった! アレクもね!」

「勿論! スキル! ゴミ召喚! 千本刃の花びら!」「奥義! 暗黒ノ魔女!」

 無数の刃が戦闘人形達を切り刻む。

 戦闘人形達は特殊金属ではないようで、僕の必殺技でも簡単に斬られた。

 アイリスは黒ドレスから真っ黒の大きな武器が幾つも出ており、周辺の戦闘人形を切り捨てている。

 数分後、全ての戦闘人形を倒した僕達は『ドールマスター』五人を追い詰めた。

「後はお前達だけだ! 覚悟しろ!」

 最初に僕が大きく仕掛ける。

 三メートルくらいの斬鉄剣で『ドールマスター』を斬った。

 カーン

 金属同士がぶつかる音が響く。

 斬鉄剣は『ドールマスター』を斬ることが出来ず、止まっていた。

「スキル! ゴミ召喚! 千本刃の花びら!」

 千本の刃が『ドールマスター』を包み込んだ。

 しかし、直後黒い炎が燃え盛り、僕の千本の刃は全て焼かれて溶けていった。

「くっ」

「アレク! 今度は私が! スキル! 魔女ノ鎌!」

 昔とは比べ物にならない大きな鎌が四つ現れ、『ドールマスター』を襲う。

 『ドールマスター』が両手をあげると、黒炎の壁が現れ『魔女ノ鎌』を飲み込んだ。

 『ドールマスター』は何もなかったかのように、平然と立ち尽くしている。

 まるで……何をしても効かないと言わんばかりに、僕達を嘲笑うかのようだった。


「アイリス、次はあれで行く!」

「分かった!」

 来い! 聖剣と魔剣!

 僕の右手に聖剣、左手に魔剣が現れた。

「な、なっ、どうしてお前が聖剣と魔剣を!?」

 思っていた通り、『ドールマスター』は動揺し始める。

 後方の『ドールマスター』四人にも指示をするくらいには、焦っているのが分かる。

「では行くぞ!」

 聖剣と魔剣の力を全開にして貰い、僕は両剣を使い『ドールマスター』に襲い掛かる。

 さっきとは明らかに違う反応で、防ぐのではなく必死に避け始めた。

 ――――これは、斬られたくないのだろう。

 『ドールマスター』自ら言っていた「お前達の勇者と魔王だけが我々の脅威となり得る」という言葉。

 勇者と魔王だけというのは……恐らく、この聖剣と魔剣の事だろうと考えていたけど、やはり正解のようね。

 アイリスが『魔女ノ鎖』で援護し始め、最初に王太子の格好をしていた『ドールマスター』を斬った。

「ぎゃぁああああああ」

 無機物のような格好から奇声があがり、数秒後、溶けて消えていった。

 そうか……『ドールマスター』が倒せる唯一の武器はこの聖剣と魔剣なのだな。
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