58 / 60
連載
10
しおりを挟む
数日後。
マグナ部族に何日も通ってみんなと仲を深めた。
中でも防衛隊の隊長を任されているヘンブさんと、族長の娘のルナちゃんとはとても仲良くなった。
エレナちゃんは同年代の友達ができたと嬉しそうにエリアナさんに話していた程だ。
今日もいつものようにマグナ部族の部落を訪れる。
そんな中、遠くのところに雨雲が見えた。
「あの方角は……」
雨が降るということは戦いが起きてるってことだ。
もちろん、部落にいたみんなの表情が強張っている。
「ワタルくん。今日は帰った方がいい」
「それってここも戦いが起きるからですか?」
「……起きる確証はないが、巻き込まれる可能性がある」
ボロモロシア大荒野に住む部族達にとって雨はとても大切な資源だ。
今でこそマグナ部族にはうちが持ってきた水と絹と交換していて水不足の悩みから多少は解放されているが、それはあくまでマグナ部族だけであり、他の多くの部族は今でも水不足が一番の悩みだ。
「ヘンブさん。いくら大荒野とはいえ、水場がないとは考えにくいですが……そこは使えないんですか?」
「それは……」
何か答えにくそうに言葉を濁すヘンブさんだ。
「そんなことよりも、今は君たちの安全の方が大事だ。すぐに発った方がいい」
「ありがとうございます。ですが問題ありません。僕達にも戦う力はあります」
「だが……」
「それにマグナ部族は僕達の大切な顧客です。見て見ぬふりはできません。こちらが好き勝手にするだけなので気にしないでください」
「ワタルくん……」
「それよりも以前から気になったことではありますが……あの日、どうしてルナちゃんは一人で追われていたのかと、追っていた部族のことを教えてください」
ずっと気にはなっていたが、最初から聞くのは無粋な真似かなと思って聞いてなかった。
そのとき、突然コテツが吠えた。
「わんわん!」
「コテツ? どうしたんだ?」
「ワタルッ! コテツくんが、向こうから敵がくるって!」
「っ……!? ヘンブさん!」
「あ、ああ!」
僕も急いで【レーダー】に注目してみると、赤い丸――――つまり、こちらに敵意を持った人が何人もやってくるのが見えた。
「かなり速いですね。おそらく、ホウマドリに乗っていると思います。数は大体三十人くらい」
「どうしてそんなことを!?」
「それはあとで!」
「お、おう! 感謝する!」
ヘンブさんがすぐに走っていく。
ホウマドリというのは、ルナちゃんが乗っていた大型鳥のことで、飛べないけど長距離を走ることができて、ボロモロシア大荒野に生息していて人によく懐くから移動手段としてよく使われている鳥のことだ。
部落の中にカンカンと鐘の音が鳴り響く。
すぐにみんなが慌ただしくテントに入っていく。
「エレナちゃん! すぐにユートピア号に!」
「ワタルは!?」
「僕はここに残って戦――――」
「私も残る!」
「ダメだ!」
「ワタル……」
そのとき、僕とエレナちゃんの間にカミラさんが割り込んできた。
「カミラさん……?」
『ワタル。エレナちゃんが危なくなったら私が逃すよ。だから一緒に戦わせてあげて』
「ですが、それでは危険が……」
『危険なのはワタルだって一緒でしょう』
「だからこそです!」
『フェアラート王国との戦いでは一緒に戦ったじゃない』
「あのときは……エヴァさんや他の皆さんもいてくれて、エレナちゃんが安全なところにいたから」
『でも最後の戦いではエレナちゃんも一緒に隣で戦っていたでしょう?』
「それは……」
カミラさんの隣にいるエレナちゃんは、今にも泣き出しそうな表情だ。
『エレナちゃんが心配なのはわかるけど、ちゃんと強くなってるから。信じてあげて。それに危なくなったら私が命に代えても守るから』
「カミラさん……いえ、カミラさんも大切な仲間です。誰も……失いたくはありません」
コテツが僕の足元に立ち、体を寄せてきた。
「だから――――みんなで戦いましょう。みんなが生きられるように」
「ワタルッ!」
「うわあ!?」
飛び込んできたエレナちゃんの肌の温もりが伝わってくる。
フェアラート王国との戦いにはエレナちゃんも参加していた。
もちろん、彼女のレベルも上がり、いくつもの戦いを経て強くなったから。
でも危険だったのは間違いなく、エリアナさんには全てを報告している。
当然……エリアナさんは怒ったりはしなかった。
でも、安堵したように溜息を吐いていたエリアナさんの姿が忘れられない。
かけがえのない一人娘だからこそ、ずっと心配していたんだ。
「ホウマドリはとても素早い。エレナちゃんの弓ならきっと当てられると思うから、援護よろしくね?」
「うん! 任せて!」
少しだけ目元に涙が浮かんでいた彼女を、ハンカチで拭いてあげる。
「えへへ……」
「みんなを守ろう」
「うん!」
「カミラさん! アルトくん! コテツ! 行こう!」
『任せて』
『我に乗れ! ワタル!』
『ワンワン!』
すぐにアルトくんの背中に乗り込んで、敵がやってくる方に視線を向ける。
遥か遠くだが、土埃が見える。
――――と同時に、空から雨が降り始めた。
敵の姿が目視できるくらい近付いてきた。
どうやら以前戦った部族ではなさそう。
まだ弱く降る雨の中、一本の矢が鋭く飛んでいき、こちらに向かってくる敵を射抜いた。
続いてヘンブさん率いる護衛部隊がスリングを振り回して石を投げ始める。
ボロモロシア大荒野は木材がないからか、矢を使わずに投石で相手を攻撃するのが定石という。
こちらに仕掛けてくる敵が次から次へと倒れていく。
そんな中でも数人がこちらにたどり着いた。
大きな斧を振り回す人と対峙する。
彼の斧は子供だからと容赦するような気持ちはなく、殺意を全開に僕に向けられる。
振り下ろされた斧を交わすと同時に、アルトくんの強烈な飛び蹴りで男が吹き飛ぶ。
すぐに飛んできた石が男に降り注いだ。
一瞬だけ見えた男の頬には――――涙が流れていた。
マグナ部族に何日も通ってみんなと仲を深めた。
中でも防衛隊の隊長を任されているヘンブさんと、族長の娘のルナちゃんとはとても仲良くなった。
エレナちゃんは同年代の友達ができたと嬉しそうにエリアナさんに話していた程だ。
今日もいつものようにマグナ部族の部落を訪れる。
そんな中、遠くのところに雨雲が見えた。
「あの方角は……」
雨が降るということは戦いが起きてるってことだ。
もちろん、部落にいたみんなの表情が強張っている。
「ワタルくん。今日は帰った方がいい」
「それってここも戦いが起きるからですか?」
「……起きる確証はないが、巻き込まれる可能性がある」
ボロモロシア大荒野に住む部族達にとって雨はとても大切な資源だ。
今でこそマグナ部族にはうちが持ってきた水と絹と交換していて水不足の悩みから多少は解放されているが、それはあくまでマグナ部族だけであり、他の多くの部族は今でも水不足が一番の悩みだ。
「ヘンブさん。いくら大荒野とはいえ、水場がないとは考えにくいですが……そこは使えないんですか?」
「それは……」
何か答えにくそうに言葉を濁すヘンブさんだ。
「そんなことよりも、今は君たちの安全の方が大事だ。すぐに発った方がいい」
「ありがとうございます。ですが問題ありません。僕達にも戦う力はあります」
「だが……」
「それにマグナ部族は僕達の大切な顧客です。見て見ぬふりはできません。こちらが好き勝手にするだけなので気にしないでください」
「ワタルくん……」
「それよりも以前から気になったことではありますが……あの日、どうしてルナちゃんは一人で追われていたのかと、追っていた部族のことを教えてください」
ずっと気にはなっていたが、最初から聞くのは無粋な真似かなと思って聞いてなかった。
そのとき、突然コテツが吠えた。
「わんわん!」
「コテツ? どうしたんだ?」
「ワタルッ! コテツくんが、向こうから敵がくるって!」
「っ……!? ヘンブさん!」
「あ、ああ!」
僕も急いで【レーダー】に注目してみると、赤い丸――――つまり、こちらに敵意を持った人が何人もやってくるのが見えた。
「かなり速いですね。おそらく、ホウマドリに乗っていると思います。数は大体三十人くらい」
「どうしてそんなことを!?」
「それはあとで!」
「お、おう! 感謝する!」
ヘンブさんがすぐに走っていく。
ホウマドリというのは、ルナちゃんが乗っていた大型鳥のことで、飛べないけど長距離を走ることができて、ボロモロシア大荒野に生息していて人によく懐くから移動手段としてよく使われている鳥のことだ。
部落の中にカンカンと鐘の音が鳴り響く。
すぐにみんなが慌ただしくテントに入っていく。
「エレナちゃん! すぐにユートピア号に!」
「ワタルは!?」
「僕はここに残って戦――――」
「私も残る!」
「ダメだ!」
「ワタル……」
そのとき、僕とエレナちゃんの間にカミラさんが割り込んできた。
「カミラさん……?」
『ワタル。エレナちゃんが危なくなったら私が逃すよ。だから一緒に戦わせてあげて』
「ですが、それでは危険が……」
『危険なのはワタルだって一緒でしょう』
「だからこそです!」
『フェアラート王国との戦いでは一緒に戦ったじゃない』
「あのときは……エヴァさんや他の皆さんもいてくれて、エレナちゃんが安全なところにいたから」
『でも最後の戦いではエレナちゃんも一緒に隣で戦っていたでしょう?』
「それは……」
カミラさんの隣にいるエレナちゃんは、今にも泣き出しそうな表情だ。
『エレナちゃんが心配なのはわかるけど、ちゃんと強くなってるから。信じてあげて。それに危なくなったら私が命に代えても守るから』
「カミラさん……いえ、カミラさんも大切な仲間です。誰も……失いたくはありません」
コテツが僕の足元に立ち、体を寄せてきた。
「だから――――みんなで戦いましょう。みんなが生きられるように」
「ワタルッ!」
「うわあ!?」
飛び込んできたエレナちゃんの肌の温もりが伝わってくる。
フェアラート王国との戦いにはエレナちゃんも参加していた。
もちろん、彼女のレベルも上がり、いくつもの戦いを経て強くなったから。
でも危険だったのは間違いなく、エリアナさんには全てを報告している。
当然……エリアナさんは怒ったりはしなかった。
でも、安堵したように溜息を吐いていたエリアナさんの姿が忘れられない。
かけがえのない一人娘だからこそ、ずっと心配していたんだ。
「ホウマドリはとても素早い。エレナちゃんの弓ならきっと当てられると思うから、援護よろしくね?」
「うん! 任せて!」
少しだけ目元に涙が浮かんでいた彼女を、ハンカチで拭いてあげる。
「えへへ……」
「みんなを守ろう」
「うん!」
「カミラさん! アルトくん! コテツ! 行こう!」
『任せて』
『我に乗れ! ワタル!』
『ワンワン!』
すぐにアルトくんの背中に乗り込んで、敵がやってくる方に視線を向ける。
遥か遠くだが、土埃が見える。
――――と同時に、空から雨が降り始めた。
敵の姿が目視できるくらい近付いてきた。
どうやら以前戦った部族ではなさそう。
まだ弱く降る雨の中、一本の矢が鋭く飛んでいき、こちらに向かってくる敵を射抜いた。
続いてヘンブさん率いる護衛部隊がスリングを振り回して石を投げ始める。
ボロモロシア大荒野は木材がないからか、矢を使わずに投石で相手を攻撃するのが定石という。
こちらに仕掛けてくる敵が次から次へと倒れていく。
そんな中でも数人がこちらにたどり着いた。
大きな斧を振り回す人と対峙する。
彼の斧は子供だからと容赦するような気持ちはなく、殺意を全開に僕に向けられる。
振り下ろされた斧を交わすと同時に、アルトくんの強烈な飛び蹴りで男が吹き飛ぶ。
すぐに飛んできた石が男に降り注いだ。
一瞬だけ見えた男の頬には――――涙が流れていた。
90
あなたにおすすめの小説
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。