便利すぎるチュートリアルスキルで異世界ぽよんぽよん生活

御峰。

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3巻

3-2

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 〇


 対談の日になった。
 少し緊張はするけど、ゆっくり朝食を食べて庭に出ると、今日も増えたスライムたちが僕に近づいてきた。
 庭を見渡すと、キラリと光る巨大な魔石が目立つ。
 スライムは食べたモノを魔素に変換して生きていて、緑色スライムたちはその過程で魔石を生んでくれる。
 魔石はダンジョンの魔物を倒した時にまれに落とすドロップ品だ。手に入れるためにはダンジョンに潜って魔物と戦う必要があり、高価なのもそういう理由だ。
 緑色スライムたちがこうして魔石を生んでくれれば、魔道具が広まって街のためになるかもしれない。
 魔石を渡してくれる緑色スライムからは嬉しそうな気持ちが伝わってくる。

「ありがとう!」

 緑色スライムたちをなでなでしてあげる。
 そしてコテツと一緒に対談の会場に向かった。


 会場は物々しい雰囲気に包まれていて、魔族の皆さんは緊張した表情を浮かべていた。
 まだお互いわだかまりがあるからね。
 会場となる大きい天幕の中に入って自分の席に座って待っていると、外がざわついてきた。
 人族が着いたようだ。

「エ、エヴァ様! 向こうの代表者がやってきました!」
「分かったわ。ここまで丁重に案内してちょうだい」
「かしこまりました!」

 衛兵さんが出てから数分して、大勢の足音が聞こえてきた。
 その足取りからは緊張感は伝わってくるものの、魔族に対して敵意むき出しのそれではない。
 天幕の入口を衛兵さんが開くと、人族が大勢入ってきた。中には以前会った人もいる。
 それぞれの代表者がテーブルの前に立ち、護衛の方々が後ろに立つ。

「初めまして。魔族の代表の魔王エヴァと申します」
「丁寧なご挨拶、痛み入ります。私は人族の代表の一人、ホーリーランド神聖国しんせいこくの教皇アダムと申します」

 教皇様は神聖国で一番偉い人だ。

「わしはバンガルシア帝国の帝王ギルガメッシュ・ベル・バンガルシアである。帝王としてこの場に参っているので敬語は使わないことを理解してもらおう」

 人族最大規模の国である帝国。その王だからこそ、威厳を守るためにこうした振る舞いをすると事前に聞いている。

「初めまして。私はエデンソ王国の女王セリアン・エデンソと申します。どうぞよろしく」

 エデンソ王国の王は女王様だ。とても若くエヴァさんや『ぽよんぽよんリラックス』の運営を担ってくれているセレナさんと近い年齢に見える。

「失礼します。大地の聖女ステラと申します。本日は人族と魔族の対談にお集まりいただきありがとうございます。私は人族ではありますが、司会として中立の立場から務めさせていただきます。そして、私と共に人族と魔族の架け橋となられるお方――――ワタル様をご紹介いたします」
「ワ、ワタルです! よろしくお願いします!」

 皆さんの視線が僕に集まる。緊張もあって自分の顔が強張こわばるのが分かる。
 こういう大勢の人の前で何かを話すのは苦手で、前世でも色々苦労していたっけ……。
 挨拶も終わったので、それぞれの代表者が席に座る。魔族側はエヴァさんと僕が座った。ちょっとだけ場違いに感じてしまう。
 こうして人族と魔族の対談が始まった。
 座って早々、目の前の水を一気飲みする。自分の一言で状況が大きく変わると思うと緊張して上手く喋れるか不安になる。

「ではまず、魔族側の意見をお聞かせ願えますか?」

 皆さんの視線がエヴァさんに集まった。

「我々魔族は最初から人族との争いなど望んでいません。それは今でも変わりません」

 今回の戦争も元を辿れば、勇者一人のわがままから始まったはずだ。

「我々としては、これ以上の戦いは望みません。そう願っています」
「ありがとうございます。では、人族を代表して教皇様。お願いします」
「事前にエレノアから話を聞いておりましたが、こうして魔王様から直接戦いの意思がないと聞くことができ、とても嬉しく思います。我々としても魔族との戦いは望みません。ですが一方で、人族の中における問題がございます」

 同族といっても、国が違えばルールや文化の違いがある。
 前世でもそうだったけど、人族同士の問題も大きいのは知っているつもりだ。

「フェアラート王国ですね?」
「ええ。魔族の国エラシアに最も近い国で、今回の戦いの始まりとなった国で今でも戦争を続けたいようですね。我々人族には彼らの意思を無下むげにすることはできません。どうしても拒否できない理由があるのです」

 教皇様は一度呼吸を整える。

「あの国には――――勇者様がおります。人族にとって勇者様は誰よりも優先するべき存在です。今でもフェアラート王国に勇者様が滞在し戦いを望まれているため……我々は彼らに従わざるを得ません……」
「あ、あの!」

 手を挙げると、ステラさんが優しい笑みを浮かべて小さく頷いてくれる。

「ワタル様。どうぞ」
「その勇者とは……どうやって決めるんですか?」
「それはとても簡単です――――勇者の証である聖剣エクスカリバーを持つことができることです」

 聖剣エクスカリバー。勇者である証。それはステラさんに聞いている。

「皆さん。今の勇者が聖剣を持っているのは確認できてますか?」
「……それはどういう意味でしょうか?」
「えっと、今、聖剣エクスカリバーを持っているのは誰なのか、皆さんはご存知ですか?」

 そう聞くと、みんな顔を見合わせて首を横に振った。

「そもそも聖剣は勇者様にしか持つことができません。今でも勇者様が持っていると思いますが……」
「分かりました。なら一つだけ聞かせてください。もし勇者がいないなら、皆さんは魔族との戦いをやめてくださいますか?」
「ふむ……少なくともここにいる三国はそういうつもりで集まっております」

 教皇様が他の王様二人を見つめると、肯定するかのように頷いてくれた。

「分かりました。なら問題は勇者――――いえ、聖剣の持ち主の件ですね」
「聖剣の持ち主は勇者様のみ。それこそが女神様が決められたことです」
「そうですね。なら――――もし皆さんが知っている勇者が、聖剣を持っていないとしたらどうでしょう?」
「もしそうでしたらフェアラート王国に正義はないということでしょう。そもそも戦争によって……負傷者も多くいるのですから」

 その答えを聞けたら一安心だ。
 僕はその場に立ち名前を呼ぶ。

「コテツ~!」

 僕の足下で待機していたコテツが、机の上に跳び上がってきた。

「犬……?」
「こちらは僕のペットのコテツです」
「ワンワン!」

 皆さんが少し驚いた表情でコテツと僕を見る。

「教皇様は聖剣を持つ者が勇者だと仰いましたね? では紹介します。うちのコテツの――――――勇者モードです!」

 コテツにスキル【武器防具生成】を使って、聖剣エクスカリバーを召喚する。
 コテツが空中に現れた聖剣エクスカリバーを口に咥えると、光り輝いた。

「こ、これは!?」

 皆さんがその場に立ち上がって驚いている。

「実はこちらに攻めてきた勇者と僕が戦って、その時に聖剣をこちらが保管しました。残念ながら僕は聖剣に認められませんでしたが……うちのコテツは認めてもらえまして、今ではコテツを介して僕たちに力を貸してくれています!」
「まさか……聖剣が勇者様の手を離れているとは…………そうか……聖剣は今、その犬が咥えているのか…………あはは……あははは~!」

 急に教皇様が腹を抱えて笑い始め、周りも釣られて笑顔に染まり始めた。
 勇者が使っていた頃と比べると随分と小さくなっているけど、ちゃんともとの聖剣の形を保っているし、コテツから放たれている光は勇者そのものだ。
 テーブルの上で聖剣を咥えてドヤ顔をするコテツが凛々りりしくてかっこよかった。

「皆さん。聖剣に認められたコテツは勇者だと思います! コテツに強制するつもりはありませんが、魔族の国で僕たちは楽しく生きています。魔族は敵ではありません。聖剣のために戦わなければならなかったのなら……どうかこれを機に、魔族と平和の道を歩いてもらいたいです」

 僕の話を聞き、誰よりも先にエレノアさんが拍手をしてくれると、ステラさんや他の王様、教皇様までもが拍手を送ってくれる。
 みんなが戦いたいわけじゃない。それを深く感じる日となった。


 〇


「「「乾杯~!」」」

 シェーン街の広場に作られた祭りの会場では、大きなコップを合わせて皆さんが声を上げている。
 いつもなら魔族や白狐族が集まるのだが、今日はとても珍しく人族も一緒になっている。
 うちのコテツが勇者として教皇様と大地の聖女ステラさんに認められたってことで、皆さんの信頼を得たようだ。とても柔らかい表情で誰一人武器を携帯していない。
 僕はエヴァさんとステラさんと共に人族の皆さんに挨拶をして回る。
 バンガルシア帝国、エデンソ王国、ホーリーランド神聖国。王様だけでなく国を担う重鎮の皆さんと挨拶を交わす。
 人があまりにも多すぎて全員の名前を覚えられるか心配だけど、礼儀として向こうが先に名乗ってくれるから、それに合わせればいいとステラさんから言われて気が楽になった。
 ここ最近では一番慌ただしい一日となったけど、こうして種族を越えて笑顔で美味しい食事を楽しむ姿を見られて、本当に幸せだなと思えた。
 人族の皆さんには魔族が人族と変わらず平和を望む、温かい人たちであることを感じてもらえたら嬉しい。


 次の日。
 今日は改めて各国との対談がある。
 昨日のような戦いのことではなく、お互いに手を取り合ったからこそ、これからどういう交流を持つのかを話し合う対談だ。
 あとはフェアラート王国をどうするかだけど、勇者の証となる聖剣が手元にないにもかかわらず、周りの国々をだまして援助を求めているそうだ。
 その話し合いもきっとあるだろう。


 朝食を食べてから、皆さんと一緒に会場となるシェーン街の城に向かっている最中の出来事だった。
 街の外から空気を揺らす振動が響いてきた。

「ワ、ワタルッ! 外が大変だよ!」

 慌てたエレナちゃんが遠くから走ってきて声を上げた。
 対談があるけど、何よりも皆さんの安全が優先なので、僕は急いで街の外に向かった。


 街を囲む城壁の外。
 そこに広がっていたのは地面を覆う大きな影。
 曇りならそれも理解できるけど、今日は晴天だ。そもそもこのエデンイール世界は争いの前兆以外では雨は降らない。だから曇るってこともない。
 なのに大地を覆う影の存在というのは――――その理由は、船だ。
 そう。船。
 ただし、こちらから見えるのは船の底の部分だ。
 僕たちが見上げているのは、文字通り「空飛ぶ船」である。

「すごい~! ワタルッ! 船が飛んでるよ~?」
「そ、そうだね。まさかこんなにも早く完成するとは思いもしなかったよ」

 ゆっくりと城壁のすぐ傍に下りてくる空飛ぶ船。
 甲板のところでこちらに向かって手を振るのは、グライン街に住む魔道具研究者のリオくんと幼馴染のシアラちゃんだ。

「シアラちゃ~ん! 久しぶり~!」
「ワタルくん~! エレナちゃん~! やっほ~!」

 お互いの声は届かないけど、なんとなく伝わってくる。
 空飛ぶ船から城壁へ大きな渡り橋が架けられシアラちゃんがやってきた。

「みんな~久しぶり! リオはすぐに来ると思う!」
「うん! まさかこんなにも早くできるなんて思わなかったよ!」

 以前、リオくんに人を運ぶことのできる飛行艇を作ってほしいと頼んでいたのだ。

「ふふっ。グライン街のみんなが手伝ってくれたんだ。それに――――ホワイトナイトの件がみんなにもすごい刺激になったんだ!」
「そうだったんだ……皆さんに感謝しないと!」

 そこへ空飛ぶ船の中から複数人の魔族が軽やかな足取りでやってきた。

「リオくん!」
「やあ。ワタル。元気そうで何よりだよ」


「リオくんもね。それにしても早すぎだよ~」
「まあ、色々あってさ。それに関しては今度話すとして、エヴァ様に僕を紹介してくれるか?」
「多分今頃向かってくれてると思う。少しここで待とうか」
「ああ」

 リオくんが乗ってきた空飛ぶ船を眺める。
 城壁と同じくらいの高さがあり、形は船そのもの。
 前世の飛行機のような羽はなく、だからといってプロペラみたいなものも見当たらない。
 見た目だけなら海に浮かんでいてもなんら違和感のない船だ。それがこんな平原に立っている。
 着地する際には本体を支える脚が現れる仕組みのようだ。

「ワタルく~ん!」

 遠くから声が聞こえて、慌てた様子のエヴァさんたちの姿が見える。他国の代表の皆さんも一緒だ。

「エヴァさ~ん! こちらは友達のリオくんで~す!」
「ワタル。もうちょっと近づいてから紹介してくれ」
「あ。そ、それはそうだね」

 呆れたように溜息をくリオくんに、シアラちゃんがクスクスと笑った。
 皆さんがやってきたので、リオくんを紹介する。

「エヴァさん。紹介します。グライン街で魔道具の研究をしているリオくんです。以前僕が大型船の製作をお願いしたんですけど、こんなに早く完成するとは思わなくてびっくりしてます。もっと時間がかかると思ってました」
「初めまして。エヴァよ」
「お会いできて光栄です。グライン街で魔道具研究者をやっているリオです」

 エヴァさんとリオくんが握手を交わす。

「まさかこんなものを作ろうと思っていたなんて……ワタルくんっていつもとんでもないわね」
「あはは……リオくん。後ろの皆さんは、昨日対談のために来てくださった人族の方々だよ」
「人族? まぁワタルがいるんだし、気にする必要はないか」

 リオくんはエヴァさんたちに挨拶をし、僕は船の製作を手伝ってくれたというチームメンバーの六人の魔族と挨拶を交わす。
 みんな白衣を着込んでいて研究者っぽいといえば研究者っぽいね。
 空飛ぶ船に興味津々な皆さんに、リオくんが詳細を説明してくれる。もちろん人族の皆さんも集中して聞いていた。
 こういうワクワクするものは種族や国関係なく、みんなに届くものだね。これをきっかけにより仲良くなれたら嬉しいな。
 説明が終わると、おもむろにエヴァさんが僕に聞いてきた。

「ワタルくん。この船の名前は何?」
「名前ですか? リオくん~この船の名前は?」
「ん? なぜそれを僕に聞くんだい? この船は――――――ワタルのものだから、名前もワタルがつけるんだぞ?」

 みんなの視線が僕に集まる。

「ええええ!?」
「「「本人が驚いている!?」」」
「だって、作ってくれたのはリオくんだから……」
「いやいや、資金も素材もアイデアも全てワタルが提供してくれたからな。正真正銘ワタルの所有物だよ。この船は」

 確かに心臓部分となる素材とか資金とか色々提供しているけど……でも実際に作ってくれたのは彼なのに……。

「むしろ、こんな大作に関わらせてもらえただけで名誉あることだよ」
「そ、そういうもんなの?」
「ああ。だから気にせずこの船は自分のモノとして考えてくれ。船の名前もワタルが決めてな?」
「……エヴァさん!」
「もらわないわよ?」
「そんな……」
「こんなすごいものはもらえないからね!? ワタルくん!」

 エヴァさんの反応にみんなが笑い声を上げた。
 元々はエヴァさんのところで役に立ててもらえたらいいなと思って作ったものなんだけど……自分で色々考えなくちゃいけなくなってしまった。

「ワタルッ! 船の名前はどうするの?」
「ううっ……」

 名前……どうしよう……。

「どんなかっこいい名前になるのか楽しみ~!」

 みんなが僕に注目する。
 うう……こういうのは慣れていないんだけどな……。
 ただの飛空艇とかじゃダメかな? 多くの人や荷物を乗せて運ぶ。そんな思いを込めたい。その時、ふと人族の皆さんが視界に映った。
 最初は魔族のために欲しいと願っていたけど、人族との架け橋にもなってくれるんじゃないか?

「魔族と人族の架け橋……種族の壁を越えた理想郷……この船にはそういう存在になってほしい。だから船の名前は――――理想郷ユートピア。ユートピア号はどうかな?」

 エレナちゃんたちが一瞬だけ考え込むと、すぐに歓声を上げた。

「うん! とても素敵な名前だと思う! 意味はよく分からないけど~」

 前世の知識から名前をつけたけど、でも思いはしっかり込められた気がする。

「ではこちらの飛空艇は、オーナーであるワタルの意向により、ユートピア号と命名された! みんな、すぐに下部に名前を刻むよ!」
「「「イエッサー」」」

 リオくんの指示で作業員の皆さんが船の下部に向かう。
 その様子を見ていると、みんなリオくんのゴーレム、ホワイトナイトに似たゴーレムに乗っている。

「あれ? ホワイトナイト増えたね?」
「ああ。それもまたいずれ話すよ。長くなるから。それより、僕はこれからグライン街に戻りたい。だから一度船をグライン街まで運ぶから、その間に操縦方法を聞いてくれ」
「ええええ!? リオくんが船長になってくれるんじゃないの!?」
「勘弁してくれ。僕はずっと研究がしたいんだ。そもそも船はワタルのものなんだからな。それはそれとして、僕にこれからも投資してくれよな?」
「あはは……もちろん! こんな素敵な船を作ってくれたんだもの。僕の貯金なら好きなだけ使ってくれて構わないよ」
「おおお! それは助かる~!」

 正直、お金の使い道もなかったので、これからリオくんが色々開発してくれたら魔族だけでなく多くの人族も助かるかもしれない。それくらい魔道具は便利なものだから。
 すると教皇様が口を開く。

「ワタル様。もしよろしければ、我々も一緒に搭乗させていただいても? 時間がかかるのなら船内で話し合いを行いたいのですが……」
「えっと、僕は構わないんですが……」

 それを聞いてエデンソ王国の女王様も言う。

「あら、いい考えですね。ワタルくんが魔族と人族の架け橋になってほしいと願って名前をつけた船ですもの。対談に一番よい場所かもしれませんわ」
「はい。その通りでございます。皆様も問題ありませんね?」

 教皇様の質問に各国の王様たちも二つ返事で、ユートピア号の移動中に対談を行うことになった。
 急な登場となったユートピア号だったけど、リオくんたちを送るためにグライン街に向かって出発する。
 もちろん、使用人数が限られる転移スキルを使っていた今までの旅とは違って、行きたい人はみんな乗れるし、僕の従魔のスライムたちもたくさん乗り込んできた。
 ――――しかし、この一件で世界がとんでもないことになるとは、その時の僕は知る由もなかった。


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