41 / 62
39話 お昼寝(セレナ視点あり)
しおりを挟む
「「美味しかった……」」
満足したのか、腹を擦るライラさんとミレイちゃん。
初めて食べたうどんは満足してくれたようだ。
フォークを器用に使って食べていたけど、自作箸で食べる僕を不思議そうに眺めていた。
そんな中、セレナが少し恥ずかしそうにしている。
「セレナ。遠慮なんてしなくていいからな」
「う、うん! お、おかわり!」
『! 僕もおかわりニャ!』
両手で大事そうにどんぶりを前に出すセレナと、大皿を前の足で押し込むポンちゃん。
「はいよ~うどん!」
二人の皿に新しいうどんが現れる。
香ばしいつゆの匂いが周囲に広がる。
完成したうどんを二人に渡すと、美味しそうにパクパク食べ始めた。
ポンちゃんは器用に舌を使って食べていて、火傷の心配をしたけど、どうやら異世界ならではのそういう耐性を持っているらしく、あつあつでも楽に食べていた。
セレナも同様で、【暴食】はあらゆる食べることに対する耐性を持つらしく、あつあつでも美味しそうに食べていた。
たこ焼きの時も気になっていたけど、パクパク食べられるのはそういう体制があるからなんだな。
ポンちゃんはおかわりを三回、セレナは十回おかわりした。
新しいメニューで昼食を食べて満足している僕達の視界に、ひと際急ぎ足で走り去る馬車が見えた。
貴族にはそれぞれ爵位を示す模様があって、その馬車には子爵紋が描かれていた。
「シーラー街から子爵家の馬車か~」
ふと一人の貴族を思い出した。
ふくよかで横暴な態度を取りながら、でもちゃんと料金を支払ってくれた子爵様。
その利益で新しいレシピも購入できたけどね。
「そういや、あので……こほん。あの子爵様は今頃何しているのかな~」
「あの馬車に乗って、私達を探していたりして」
えっ……? まさか…………。
「まあ、満足してくれたとは思うけど、銀貨五十枚もの食事だったからね。もう来ないんじゃない?」
「それもそうね。銀貨五十枚の食事を毎日食べられるとは思えないもんね」
「ああ。それにしてもこの丘は見晴らしがいいな」
「うん!」
食べ終わったどんぶりは、ミレイちゃんが魔法で綺麗に洗ってくれた。
最後にテーブルを拭いて【簡易収納】に入れたら、暫くボーっと景色を眺める。
少しして寝息が聞こえるなと思ったら、ミレイちゃんがライラさんの膝枕で眠っていた。
「僕も少しお昼寝しようかな……」
昨晩は眠れなかったからな……。
「少し寝ていいよ? 守りは私とポンちゃんに任せていいからね」
「ありがとう。セレナ。ポンちゃん。ライラさんをよろしく……」
満腹もそうだけど、凄く安心してしまって一気に眠気に襲われた。
僕は倒れ込むように眠りについた。
◇セレナ視点◇
いつもなら元気いっぱいのノアが朝から眠そうにしていて、ようやく眠りについた。
ポンちゃんに守りをお願いして、眠ったノアの頭を私の膝に乗せる。
「ふふっ。お兄ちゃんと妹みたいですね」
そう話すライラさんは、優しい笑みを浮かべた。
「はい。ノアもミレイちゃんを妹のように慕っていますから」
まだ出会ってそう長い期間は経過していない。でも私達はノアを中心に団結していて、毎日一緒に過ごしている仲だ。
「今日のノアさん。あまり寝てなさそうでしたね」
「!? そ、そ、そうですね……」
その原因を私は知っている。
実を言うと私もあまり眠れていない。
私は【暴食】の力で、短い睡眠でも十分に力を発揮できるのだけれど、眠ろうと思えば眠れる。なのに、昨晩は眠れなくて、ずっと高まる心臓の音に耐え続けた。
ノアの寝息も聞こえてこなくて、朝までずっと起きているのも知っている。
昨晩はとんでもないことをしてしまったんだなと反省していた。
でも…………私のことをノアにちゃんと伝えられたのなら…………嬉しい。
「里に住んでいた頃は、こういう風に旅に出るなんて想像もしてなくて……娘が魔法を使えると知った時は絶望してました。ノアさんにもセレナさんにも本当に感謝しています」
「いえ……私はなにも……」
「きっとセレナさんがいなかったら、ノアさんは私達に手を差し伸べてはくれませんでした。セレナさんのおかげです。ですから――――これからノアさんとの関係は応援させてくださいね」
「!?」
あたふたする私を見て「若いっていいわね~」と笑うライラさんに、顔が熱くなるのを感じた。
満足したのか、腹を擦るライラさんとミレイちゃん。
初めて食べたうどんは満足してくれたようだ。
フォークを器用に使って食べていたけど、自作箸で食べる僕を不思議そうに眺めていた。
そんな中、セレナが少し恥ずかしそうにしている。
「セレナ。遠慮なんてしなくていいからな」
「う、うん! お、おかわり!」
『! 僕もおかわりニャ!』
両手で大事そうにどんぶりを前に出すセレナと、大皿を前の足で押し込むポンちゃん。
「はいよ~うどん!」
二人の皿に新しいうどんが現れる。
香ばしいつゆの匂いが周囲に広がる。
完成したうどんを二人に渡すと、美味しそうにパクパク食べ始めた。
ポンちゃんは器用に舌を使って食べていて、火傷の心配をしたけど、どうやら異世界ならではのそういう耐性を持っているらしく、あつあつでも楽に食べていた。
セレナも同様で、【暴食】はあらゆる食べることに対する耐性を持つらしく、あつあつでも美味しそうに食べていた。
たこ焼きの時も気になっていたけど、パクパク食べられるのはそういう体制があるからなんだな。
ポンちゃんはおかわりを三回、セレナは十回おかわりした。
新しいメニューで昼食を食べて満足している僕達の視界に、ひと際急ぎ足で走り去る馬車が見えた。
貴族にはそれぞれ爵位を示す模様があって、その馬車には子爵紋が描かれていた。
「シーラー街から子爵家の馬車か~」
ふと一人の貴族を思い出した。
ふくよかで横暴な態度を取りながら、でもちゃんと料金を支払ってくれた子爵様。
その利益で新しいレシピも購入できたけどね。
「そういや、あので……こほん。あの子爵様は今頃何しているのかな~」
「あの馬車に乗って、私達を探していたりして」
えっ……? まさか…………。
「まあ、満足してくれたとは思うけど、銀貨五十枚もの食事だったからね。もう来ないんじゃない?」
「それもそうね。銀貨五十枚の食事を毎日食べられるとは思えないもんね」
「ああ。それにしてもこの丘は見晴らしがいいな」
「うん!」
食べ終わったどんぶりは、ミレイちゃんが魔法で綺麗に洗ってくれた。
最後にテーブルを拭いて【簡易収納】に入れたら、暫くボーっと景色を眺める。
少しして寝息が聞こえるなと思ったら、ミレイちゃんがライラさんの膝枕で眠っていた。
「僕も少しお昼寝しようかな……」
昨晩は眠れなかったからな……。
「少し寝ていいよ? 守りは私とポンちゃんに任せていいからね」
「ありがとう。セレナ。ポンちゃん。ライラさんをよろしく……」
満腹もそうだけど、凄く安心してしまって一気に眠気に襲われた。
僕は倒れ込むように眠りについた。
◇セレナ視点◇
いつもなら元気いっぱいのノアが朝から眠そうにしていて、ようやく眠りについた。
ポンちゃんに守りをお願いして、眠ったノアの頭を私の膝に乗せる。
「ふふっ。お兄ちゃんと妹みたいですね」
そう話すライラさんは、優しい笑みを浮かべた。
「はい。ノアもミレイちゃんを妹のように慕っていますから」
まだ出会ってそう長い期間は経過していない。でも私達はノアを中心に団結していて、毎日一緒に過ごしている仲だ。
「今日のノアさん。あまり寝てなさそうでしたね」
「!? そ、そ、そうですね……」
その原因を私は知っている。
実を言うと私もあまり眠れていない。
私は【暴食】の力で、短い睡眠でも十分に力を発揮できるのだけれど、眠ろうと思えば眠れる。なのに、昨晩は眠れなくて、ずっと高まる心臓の音に耐え続けた。
ノアの寝息も聞こえてこなくて、朝までずっと起きているのも知っている。
昨晩はとんでもないことをしてしまったんだなと反省していた。
でも…………私のことをノアにちゃんと伝えられたのなら…………嬉しい。
「里に住んでいた頃は、こういう風に旅に出るなんて想像もしてなくて……娘が魔法を使えると知った時は絶望してました。ノアさんにもセレナさんにも本当に感謝しています」
「いえ……私はなにも……」
「きっとセレナさんがいなかったら、ノアさんは私達に手を差し伸べてはくれませんでした。セレナさんのおかげです。ですから――――これからノアさんとの関係は応援させてくださいね」
「!?」
あたふたする私を見て「若いっていいわね~」と笑うライラさんに、顔が熱くなるのを感じた。
25
あなたにおすすめの小説
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
七億円当たったので異世界買ってみた!
コンビニ
ファンタジー
三十四歳、独身、家電量販店勤務の平凡な俺。
ある日、スポーツくじで7億円を当てた──と思ったら、突如現れた“自称・神様”に言われた。
「異世界を買ってみないか?」
そんなわけで購入した異世界は、荒れ果てて疫病まみれ、赤字経営まっしぐら。
でも天使の助けを借りて、街づくり・人材スカウト・ダンジョン建設に挑む日々が始まった。
一方、現実世界でもスローライフと東北の田舎に引っ越してみたが、近所の小学生に絡まれたり、ドタバタに巻き込まれていく。
異世界と現実を往復しながら、癒やされて、ときどき婚活。
チートはないけど、地に足つけたスローライフ(たまに労働)を始めます。
ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~
うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」
探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。
探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼!
単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。
そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。
小さな彼女には秘密があった。
彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。
魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。
そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。
たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。
実は彼女は人間ではなく――その正体は。
チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。
『ひまりのスローライフ便り 〜異世界でもふもふに囲まれて〜』
チャチャ
ファンタジー
孤児院育ちの23歳女子・葛西ひまりは、ある日、不思議な本に導かれて異世界へ。
そこでは、アレルギー体質がウソのように治り、もふもふたちとふれあえる夢の生活が待っていた!
畑と料理、ちょっと不思議な魔法とあったかい人々——のんびりスローな新しい毎日が、今始まる。
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
子育てスキルで異世界生活 ~かわいい子供たち(人外含む)と楽しく暮らしてます~
九頭七尾
ファンタジー
子供を庇って死んだアラサー女子の私、新川沙織。
女神様が異世界に転生させてくれるというので、ダメもとで願ってみた。
「働かないで毎日毎日ただただ可愛い子供と遊んでのんびり暮らしたい」
「その願い叶えて差し上げましょう!」
「えっ、いいの?」
転生特典として与えられたのは〈子育て〉スキル。それは子供がどんどん集まってきて、どんどん私に懐き、どんどん成長していくというもので――。
「いやいやさすがに育ち過ぎでしょ!?」
思ってたよりちょっと性能がぶっ壊れてるけど、お陰で楽しく暮らしてます。
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる