【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~

御峰。

文字の大きさ
44 / 62

42話 デコボコパーティー

しおりを挟む
「香ばしい匂い~!」

「深みのある味~!」

「最高の焼き加減~!」

「「「美味しい過ぎる~!」」」

 何かのコントかってくらい三人の声が揃う。

 丁度食事が終わった三人は、出されたお茶を飲みながら、食べ終わった焼肉を褒めちぎっていた。

 そんな中、セレナが興味津々のようで、質問を送る。

「みなさんは冒険者なんですか?」

「はい。冒険者やってますよ~」

 若い女性のうち一人、茶色のショートヘアで、元気っ子な女性が笑顔で答える。

 彼女は首元にかけていたプレートを見せてくれた。

「これでもCランク冒険者なんです!」

「わあ! Cランク冒険者といえば、冒険者の中でもかなり上じゃないですか!」

 冒険者は基本的にこなした依頼の難易度でランクが上がっていくシステムだ。

 最初はEランクから始まって、Dランク、Cランク、Bランクと上がっていき、Aランクが最高ランクとなる。

 駆け出し冒険者はEランクだが、実はEランク冒険者が一番多い。

 Dランクに上がるのも難しく、中でもDランクとCランクでは絶大な壁があると言われている。

 巷では衛兵と騎士の間の壁くらい違うと言っていた。

 つまり、彼らは一国の騎士にもなれる実力の持ち主であるのが分かる。

「えへへ~うちはメンバー相性がいいからね。一人一人の能力ならそんなに高くないのよ~」

 なるほど。冒険者って一人一人というより、依頼達成による成績になるから、パーティーメンバーの相性が良ければ、ランクも上がりやすいのかも知れない。

「こちらのおっちゃんがブレイン。一応リーダーですよ」

「一応リーダーをやってるブレインだ……トホホ……」

 見るからに気が弱そうで、腰にはロングソードが掛けられている。剣士系の才能かな?

 身長は百七十と、異世界でも平均的な男性で体は衣服の上からも分かるくらい細マッチョ系で、見た目は四十くらいのおじさんだ。

「私はエリナ! こちらはシスルです!」

「ど、どうも!」

 エリナさんが一番活発で、シスルさんは魔法使いっぽい格好だけど、悪い印象はない。

「剣士と魔法使いとレンジャーのパーティーなんです。冒険者としては一番相性の良い構成かな?」

 ふむふむ。前衛、中衛、後衛の方式か。なるほど……。

 うちは前衛がセレナ。中衛がポンちゃんと僕、後衛がミレイちゃんとライラさん。

 実は戦いになったら意外と相性が良いのか? まあ、セレナ一人で終わる気もするが……。

「それにしても、まさかこんな場所でこんなにも美味しい料理が食べられるとは思いもしませんでした!」

「えっへん! うちのノアは凄いんですから!」

「わあ、うちのリーダーと交換しません?」

「俺を交換するなあああ!」

「冗談よ?」

「いや、マジの目だった!」

「えっ? バレちゃった? てへっ」

「てへっ、じゃねぇええええ!」

 デコボココンビにクスッと笑いがこぼれた。

「こんなに美味しい食事をご馳走になったんだ。今日の夜番は俺達に任せてくれ」

「えっ!? いいんですか?」

「もちろんだ。最初は定食一つに大銅貨一枚は高いと思っていたが、食べてみると寧ろ安いとすら感じる。そのお礼だよ」

 元々セレナとポンちゃんを主軸に夜番を回す予定だったので丁度良かった。

「では明日の朝食をご馳走するので、よろしくお願いします」

「おお! それはありがたい。ぜひ頼む!」

 セレナにも休める時に休んで貰いたいから、いいタイミングだ。

 皿は全部ミレイちゃんが綺麗に洗ってくれて、僕達はブレインさんの厚意によって、みんなでテントの中でゆっくりと眠りについた。

 何も言わなかったけど、ポンちゃんもセレナも警戒し続けてくれる。

 初めての野営は、慌ただしく時間が過ぎた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜

双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」 授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。 途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。 ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。 駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。 しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。 毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。 翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。 使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった! 一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。 その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。 この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。 次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。 悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。 ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった! <第一部:疫病編> 一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24 二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29 三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31 四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4 五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8 六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11 七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18

七億円当たったので異世界買ってみた!

コンビニ
ファンタジー
 三十四歳、独身、家電量販店勤務の平凡な俺。  ある日、スポーツくじで7億円を当てた──と思ったら、突如現れた“自称・神様”に言われた。 「異世界を買ってみないか?」  そんなわけで購入した異世界は、荒れ果てて疫病まみれ、赤字経営まっしぐら。  でも天使の助けを借りて、街づくり・人材スカウト・ダンジョン建設に挑む日々が始まった。  一方、現実世界でもスローライフと東北の田舎に引っ越してみたが、近所の小学生に絡まれたり、ドタバタに巻き込まれていく。  異世界と現実を往復しながら、癒やされて、ときどき婚活。 チートはないけど、地に足つけたスローライフ(たまに労働)を始めます。

ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~

うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」 探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。 探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼! 単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。 そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。 小さな彼女には秘密があった。 彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。 魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。 そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。 たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。 実は彼女は人間ではなく――その正体は。 チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。

『ひまりのスローライフ便り 〜異世界でもふもふに囲まれて〜』

チャチャ
ファンタジー
孤児院育ちの23歳女子・葛西ひまりは、ある日、不思議な本に導かれて異世界へ。 そこでは、アレルギー体質がウソのように治り、もふもふたちとふれあえる夢の生活が待っていた! 畑と料理、ちょっと不思議な魔法とあったかい人々——のんびりスローな新しい毎日が、今始まる。

魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -

花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。 魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。 十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。 俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。 モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。

子育てスキルで異世界生活 ~かわいい子供たち(人外含む)と楽しく暮らしてます~

九頭七尾
ファンタジー
 子供を庇って死んだアラサー女子の私、新川沙織。  女神様が異世界に転生させてくれるというので、ダメもとで願ってみた。 「働かないで毎日毎日ただただ可愛い子供と遊んでのんびり暮らしたい」 「その願い叶えて差し上げましょう!」 「えっ、いいの?」  転生特典として与えられたのは〈子育て〉スキル。それは子供がどんどん集まってきて、どんどん私に懐き、どんどん成長していくというもので――。 「いやいやさすがに育ち過ぎでしょ!?」  思ってたよりちょっと性能がぶっ壊れてるけど、お陰で楽しく暮らしてます。

『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。 国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。 でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。 これってもしかして【動物スキル?】 笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!

スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜

もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。 ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を! 目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。 スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。 何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。 やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。 「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ! ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。 ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。   2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!

処理中です...