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承『記憶喪失の《討伐者》』
第51話 最終決戦6「自爆」
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「ぐぎぎぎぎゃ……」
奴に洗脳されているモンスターが、奇声を上げながら俺たちの前に立ちはだかる。俺は剣を取り出し、片手で構えた。ロックも同じように構える。スケルトンは、自身の右腕の骨を剣状に変化させた。
「行くぞ」
俺の声と共に、モンスターも俺たちも前に向かって進撃し始める。巨大な穴の近く、五十体はいるモンスターに、俺たちは三人だけで立ち向かう。いや、空中には何体かドラゴンがいるし、援軍として他の人たちもやって来てくれるはずだ。信じて待ちながら、戦おう。
洗脳されているモンスターの多くはゴブリンやホブゴブリン。ヤツらの棍棒を避けつつも、確実に仕留めるよう首に剣を突き刺していく。スケルトンは、その鋭く尖った腕で何体ものゴブリンの心臓を貫いていく。
「間に合ったか」
ここにガイアさんとディールとジャガーノートが合流した。森の方で戦っていたらしいが、片付いたのでこっちに来たとのこと。ガイアさんは、大剣を振り回して、ゴブリンたちを薙ぎ倒す。それをディールが丁寧に、心臓に剣を突き刺す。取りこぼしたゴブリンを、ジャガーノートが踏み潰して行く。
まとまって動いている敵には、俺たちが一体一体倒すよりも効果的な策がある。
「任せろ」
空中にいる何体ものドラゴンが、まとまったゴブリンの集団に向かって火を放つ。空を制しているため、こちら側の方が有利だ。
と思っていたが、宙に浮いていたドラゴンのうちの一体が地面に堕ちた。空を見ると、ドラゴンではない謎の大量のモンスターが、空を飛んでいた。
「ヴァンパイアとファントムだ! ガスを吸って洗脳されたのだろう。早めにケリをつけるぞ!」
ドラゴンたちはドラゴンたちで、洗脳された同胞たちを憐れみつつも、自らの手で殺している。そうだ、時間がかかればそれだけ多くの人間やモンスターが奴に洗脳される。となると、現に遠くの地からモンスターが押し寄せてくるはず。
「村の方面からゴブリンが大量に出現!」
三本の煙突の近くに村があるのだが、その村から何百体……いや何千体ものゴブリンが押し寄せて来ている。
既に遅かったか。疲労しきっている者が多い、このままでは押し切られて終わりだ。どうにか煙突を無力化できれば、被害拡大は防げる。
「煙突の無効化に、アレアとシアンが向かったはずだ。もう少し待とう」
ロックの言葉通りに、俺はその場での戦闘を続けた。
奴の死体は消滅していた。
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「巨人が来るぞ!」
空中にいるドラゴンが、上からの状況を逐一報告してくれるため、状況整理は何とかなっている。15m程の巨人が三体、森から現れた。ゴーレムが巨人らの足を固めて、その隙にスケルトンが自身の骨で巨人らを串刺しにする。
「オークが草原の方から----気をつけろ!」
何十体ものオークが、ノシノシと俺らの方に向かって走ってくる。人間より少し大きいくらいのモンスターで、ゴブリン同様棍棒も持ち合わせている。ゴーレムは巨人を固めているし、ドラゴンは空中戦を繰り広げている。
オークの足を止める者は誰もいない。俺たちがやるしか……何だ? 突然オークの動きが止まった。
近寄って足元を見てみると、オークの足に蜘蛛の糸のような物が引っかかっている。足元には八本足を持った、ゴブリンと同じくらいの大きさの蜘蛛がいる。蜘蛛の横には、水色の半透明の塊があった。
「スパイダーとスライム君ですよ」
横にいたスケルトンが説明した。なるほど、ダンジョンに居た者たちか。俺はダンジョンを隅々まで探検した訳ではないから、奥の方にいたモンスターたちは知らなかった。
スライムは蜘蛛の糸で動けなくなったオークたちの口の中に分裂して入った。驚いて見ていると、何故かオークたちは爆発し、更に中から小さなスライムの大群が現れた。小さなスライムは合体して、やがて元の大きさのスライムへと戻る。
「スライムの攻撃方法は”自爆”です。本人は生き残りますので、ご心配なく」
特殊なモンスターもいるもんだ。何より、無事で安心した。
「俺たちもゴブリン討伐に加勢しよう」
この足で村の方へ向かった。既に百体くらいのゴブリンは倒されていたが、それでもまだ全然残っている。
雨でドラゴンの炎の攻撃が広範囲に命中しないのが原因だろう。何体かのドラゴンは炎での攻撃を諦め、村の建物を薙ぎ倒すように体当たりでゴブリンたちを蹴散らしている。その体当たりでも生き残る者はいる、そいつらを俺たちは倒す。
シュー……
と、ここで、三本の煙突から出ていた紫色のガスは消えた。煙突は停止したのか、紫色の液体が足らなくなったのか。ここはモンスターやガイアさんたちに任せて、俺とロックは巨大な穴の近くに戻った。
一体のドラゴンを呼び、巨大な穴の中に入ってもらった。もしヘイトリッドとシアンが煙突をどうにかして止めたのなら、強制労働所の底にいるはずだ。
その予想は的中したみたいだ。
昇ってきたドラゴンの背中に、ヘイトリッドとシアンが掴まっていた。2人をモンスターが居ない木の側に避難させ、話を聞くことにした。
「僕とシアンで止めた。地下に紫色の液体の貯蔵庫があって、それと煙突を繋いでいる回路を断ち切ったら止まった。帝王を倒したのなら、洗脳も止まるはずなのに……」
確かにそうだ。奴の息の根を止めたはずなのに、洗脳されたまま、俺たちのことを襲ってくる。それどころか、遠くの地から遥々俺たちのことを狙ってくるモンスターもいる。
これは洗脳が止まっていないという証拠だ。もしくは、奴を倒すことと洗脳を解除することは別なのかもしれない。奴を倒しても、洗脳は解除されない……となると、全世界の生物が俺たちを狙ってくることになる。相当厄介だ、いつか俺たちに限界が来る。
「とりあえず、周りのモンスターを片付けよう。上にいるドラゴンたちが援護してくれるからな」
ロックの言葉通りに、俺たちは巨大な穴の近くで戦闘を開始した。
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「ぐぎぎぎぎゃ……」
奴に洗脳されているモンスターが、奇声を上げながら俺たちの前に立ちはだかる。俺は剣を取り出し、片手で構えた。ロックも同じように構える。スケルトンは、自身の右腕の骨を剣状に変化させた。
「行くぞ」
俺の声と共に、モンスターも俺たちも前に向かって進撃し始める。巨大な穴の近く、五十体はいるモンスターに、俺たちは三人だけで立ち向かう。いや、空中には何体かドラゴンがいるし、援軍として他の人たちもやって来てくれるはずだ。信じて待ちながら、戦おう。
洗脳されているモンスターの多くはゴブリンやホブゴブリン。ヤツらの棍棒を避けつつも、確実に仕留めるよう首に剣を突き刺していく。スケルトンは、その鋭く尖った腕で何体ものゴブリンの心臓を貫いていく。
「間に合ったか」
ここにガイアさんとディールとジャガーノートが合流した。森の方で戦っていたらしいが、片付いたのでこっちに来たとのこと。ガイアさんは、大剣を振り回して、ゴブリンたちを薙ぎ倒す。それをディールが丁寧に、心臓に剣を突き刺す。取りこぼしたゴブリンを、ジャガーノートが踏み潰して行く。
まとまって動いている敵には、俺たちが一体一体倒すよりも効果的な策がある。
「任せろ」
空中にいる何体ものドラゴンが、まとまったゴブリンの集団に向かって火を放つ。空を制しているため、こちら側の方が有利だ。
と思っていたが、宙に浮いていたドラゴンのうちの一体が地面に堕ちた。空を見ると、ドラゴンではない謎の大量のモンスターが、空を飛んでいた。
「ヴァンパイアとファントムだ! ガスを吸って洗脳されたのだろう。早めにケリをつけるぞ!」
ドラゴンたちはドラゴンたちで、洗脳された同胞たちを憐れみつつも、自らの手で殺している。そうだ、時間がかかればそれだけ多くの人間やモンスターが奴に洗脳される。となると、現に遠くの地からモンスターが押し寄せてくるはず。
「村の方面からゴブリンが大量に出現!」
三本の煙突の近くに村があるのだが、その村から何百体……いや何千体ものゴブリンが押し寄せて来ている。
既に遅かったか。疲労しきっている者が多い、このままでは押し切られて終わりだ。どうにか煙突を無力化できれば、被害拡大は防げる。
「煙突の無効化に、アレアとシアンが向かったはずだ。もう少し待とう」
ロックの言葉通りに、俺はその場での戦闘を続けた。
奴の死体は消滅していた。
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「巨人が来るぞ!」
空中にいるドラゴンが、上からの状況を逐一報告してくれるため、状況整理は何とかなっている。15m程の巨人が三体、森から現れた。ゴーレムが巨人らの足を固めて、その隙にスケルトンが自身の骨で巨人らを串刺しにする。
「オークが草原の方から----気をつけろ!」
何十体ものオークが、ノシノシと俺らの方に向かって走ってくる。人間より少し大きいくらいのモンスターで、ゴブリン同様棍棒も持ち合わせている。ゴーレムは巨人を固めているし、ドラゴンは空中戦を繰り広げている。
オークの足を止める者は誰もいない。俺たちがやるしか……何だ? 突然オークの動きが止まった。
近寄って足元を見てみると、オークの足に蜘蛛の糸のような物が引っかかっている。足元には八本足を持った、ゴブリンと同じくらいの大きさの蜘蛛がいる。蜘蛛の横には、水色の半透明の塊があった。
「スパイダーとスライム君ですよ」
横にいたスケルトンが説明した。なるほど、ダンジョンに居た者たちか。俺はダンジョンを隅々まで探検した訳ではないから、奥の方にいたモンスターたちは知らなかった。
スライムは蜘蛛の糸で動けなくなったオークたちの口の中に分裂して入った。驚いて見ていると、何故かオークたちは爆発し、更に中から小さなスライムの大群が現れた。小さなスライムは合体して、やがて元の大きさのスライムへと戻る。
「スライムの攻撃方法は”自爆”です。本人は生き残りますので、ご心配なく」
特殊なモンスターもいるもんだ。何より、無事で安心した。
「俺たちもゴブリン討伐に加勢しよう」
この足で村の方へ向かった。既に百体くらいのゴブリンは倒されていたが、それでもまだ全然残っている。
雨でドラゴンの炎の攻撃が広範囲に命中しないのが原因だろう。何体かのドラゴンは炎での攻撃を諦め、村の建物を薙ぎ倒すように体当たりでゴブリンたちを蹴散らしている。その体当たりでも生き残る者はいる、そいつらを俺たちは倒す。
シュー……
と、ここで、三本の煙突から出ていた紫色のガスは消えた。煙突は停止したのか、紫色の液体が足らなくなったのか。ここはモンスターやガイアさんたちに任せて、俺とロックは巨大な穴の近くに戻った。
一体のドラゴンを呼び、巨大な穴の中に入ってもらった。もしヘイトリッドとシアンが煙突をどうにかして止めたのなら、強制労働所の底にいるはずだ。
その予想は的中したみたいだ。
昇ってきたドラゴンの背中に、ヘイトリッドとシアンが掴まっていた。2人をモンスターが居ない木の側に避難させ、話を聞くことにした。
「僕とシアンで止めた。地下に紫色の液体の貯蔵庫があって、それと煙突を繋いでいる回路を断ち切ったら止まった。帝王を倒したのなら、洗脳も止まるはずなのに……」
確かにそうだ。奴の息の根を止めたはずなのに、洗脳されたまま、俺たちのことを襲ってくる。それどころか、遠くの地から遥々俺たちのことを狙ってくるモンスターもいる。
これは洗脳が止まっていないという証拠だ。もしくは、奴を倒すことと洗脳を解除することは別なのかもしれない。奴を倒しても、洗脳は解除されない……となると、全世界の生物が俺たちを狙ってくることになる。相当厄介だ、いつか俺たちに限界が来る。
「とりあえず、周りのモンスターを片付けよう。上にいるドラゴンたちが援護してくれるからな」
ロックの言葉通りに、俺たちは巨大な穴の近くで戦闘を開始した。
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