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「ねぇ、今回の召喚者のダンジョンマスター側の話、聞いた?朋美」
「聞いてる。なんだか無駄に豪華な地上型のダンジョンみたいじゃん。で、恐らく眷属は<淫魔族>の女、サキュバスらしくて、レベル20の女性冒険者が一気に突入したら全滅したってさ」
「ふ~ん。今回のルーキーは相当知恵が回るのか、この短期間で結構な力を付けたみたいだね。こっちに飛び火が来ない様に気を付けなくちゃ」
「何なら、一度私が様子を見てこようか?お姉ちゃん」
「え?何かあったら、大変だよ!絶対ダメ。朋美は私と一緒にこのダンジョンにいるのが正しいの!情報は配下の魔物が集めているから、問題なし!」
これは、とあるダンジョンのコアルームでの話だが、二人共に既に金目金髪である事から、レベル40を超えている存在であり、片やこのダンジョンのマスターである美智と呼ばれている者と、冒険者の朋美と呼ばれている者だ。
実は彼女達は日本では双子の姉妹として生活をしていたので、突如として召喚されて逆の立場になったのだが、互いに共存している珍しい存在ではあるが、こう言った所にまで噂話で四宮達の事は伝わっているのだ。
通常の召喚者達は異なる立場の者達、冒険者であればダンマスを、ダンマスであれば冒険者達を糧にしようと画策しているのだが、互いに気心の知れている双子の姉妹は互いが互いを補完しつつ上手く活動しており、こう言った争いにはあまり興味はなく、自衛のための情報収取や戦闘のみを行っている。
このような者達は非常に稀であり、事実今回の噂を聞きつけた召喚者の冒険者の一部が、既に四宮と辰巳のダンジョン付近にまで到着している。
残念な事に二人共に男性であり、レベルは間もなく40になろうかと言う存在である為、かろうじて辰巳のダンジョンを攻略できる可能性はあるが、昼でなければ四宮のダンジョンを攻略する事は出来ない。
実は、一階層の豪華な内装を除けば、コアルームの前の10階層に至るまでは増設したままなので、昼も夜もなく、薄暗い空間になっている。
前回のダンジョン侵入時に、背後から急襲された冒険者達が慌てなければ一階層も夜の設定ではなかったために、シノイチやタツイチですら排除できたのだ。
これでは<淫魔族>としての最大限の力を発揮できる環境にはないので、本来は階層の微小変更である常夜の設定を行うべきなのだが、シノイチやタツイチはそれすら主である四宮や辰巳に進言する事はない。
例え自らの力が半減しようが、聞かれなければ答えないのだ。
しかし、熟練の冒険者達はその程度は設定しているだろうと判断しており、易々とは侵入してこない。
その情報を黙って聞いている湯原と水野は、自らのダンジョン強化を進める事にした。
「早速強化しようか!」
「はい。でも……セーギ君も知っていると思いますが、四宮君と辰巳君……は、自分で蒔いた種と言えなくもないですけれど、あのシノイチさんとタツイチさんが気の毒で」
四宮達のダンジョンの情報を仕入れてからは継続的に監視をしていた為、水野は強制的に従属している眷属である<淫魔族>の二人に同情してしまったのだ。
「……確かにそうだよね。あの二人ももう少しましなマスターに召喚されていれば……とは思うけど」
どうやって助ければ良いのか何も思い浮かばないので、何となく歯切れが悪くなってしまう湯原だ。
自らの配下の眷属の能力は把握しているダンジョンマスターである二人だが、直前に大きくレベルアップした能力を把握しきっておらず、そこに活路を見出そうとするのだが、その事を口にする前に眷属から提案があった。
「我が主。某に良い案がございます」
「あ!私もです。カーリ様!セーギ様!」
水野の希望はあの場にいる<淫魔族>二体の救出と判断した眷属達は、我先にとその方法を伝える。
実際に行動を起こすのは、スラエ、スラビ、チェー、ビー、デルになる。
この場の説明は最も早くに口を開いたデルが行う事になり、その説明によれば、今回の大幅なレベルアップに伴って行える事が増えており、その力を使って他のダンジョンマスターの眷属を強奪すると言うものだ。
強奪対象の眷属とマスターとの絆が強ければ眷属としての契約も強固になっており実行不可能だが、今まで得た情報から考えると、マスターと眷属両者にのみ行える契約の中では最も弱くなっている事は容易に想像できる。
この強奪を実施するには、レベル49と50と言う相当高いレベルにある眷属数体の力が必要になるので、普通のダンジョンマスターでは実行する事は不可能だ。
手順はこうだ。
①ビーによって対象眷属の動きを止めるべく、麻痺させる。同時に、眷属契約も麻痺させる
②ダンジョンとの繋がりによる次工程の術の阻害を防止するために、スラビによって異次元空間に対象の眷属を収納してダンジョンから脱出する
③スラエの消化により、可能な限り眷属契約自体を消化する
④チェーによって消化しきれなかった契約を縛り上げて体内から引きずり出して始末する
⑤<湯原>と<水野>のダンジョンに戻り、デルによって配下の魔物として契約する
例え絆が細くとも、ここまでの手順を踏まなければ奪えない程に眷属の契約は強固な契約になっている。
単体のマスターでは絶対に不可能な行動であり、更には何れの眷属が抜けても実行不可能だろう。
残念ながら<属性族>であるレインの出番はないが、彼女はデルと共にダンジョンに残って主の守護を行う事になる。
「聞いてる。なんだか無駄に豪華な地上型のダンジョンみたいじゃん。で、恐らく眷属は<淫魔族>の女、サキュバスらしくて、レベル20の女性冒険者が一気に突入したら全滅したってさ」
「ふ~ん。今回のルーキーは相当知恵が回るのか、この短期間で結構な力を付けたみたいだね。こっちに飛び火が来ない様に気を付けなくちゃ」
「何なら、一度私が様子を見てこようか?お姉ちゃん」
「え?何かあったら、大変だよ!絶対ダメ。朋美は私と一緒にこのダンジョンにいるのが正しいの!情報は配下の魔物が集めているから、問題なし!」
これは、とあるダンジョンのコアルームでの話だが、二人共に既に金目金髪である事から、レベル40を超えている存在であり、片やこのダンジョンのマスターである美智と呼ばれている者と、冒険者の朋美と呼ばれている者だ。
実は彼女達は日本では双子の姉妹として生活をしていたので、突如として召喚されて逆の立場になったのだが、互いに共存している珍しい存在ではあるが、こう言った所にまで噂話で四宮達の事は伝わっているのだ。
通常の召喚者達は異なる立場の者達、冒険者であればダンマスを、ダンマスであれば冒険者達を糧にしようと画策しているのだが、互いに気心の知れている双子の姉妹は互いが互いを補完しつつ上手く活動しており、こう言った争いにはあまり興味はなく、自衛のための情報収取や戦闘のみを行っている。
このような者達は非常に稀であり、事実今回の噂を聞きつけた召喚者の冒険者の一部が、既に四宮と辰巳のダンジョン付近にまで到着している。
残念な事に二人共に男性であり、レベルは間もなく40になろうかと言う存在である為、かろうじて辰巳のダンジョンを攻略できる可能性はあるが、昼でなければ四宮のダンジョンを攻略する事は出来ない。
実は、一階層の豪華な内装を除けば、コアルームの前の10階層に至るまでは増設したままなので、昼も夜もなく、薄暗い空間になっている。
前回のダンジョン侵入時に、背後から急襲された冒険者達が慌てなければ一階層も夜の設定ではなかったために、シノイチやタツイチですら排除できたのだ。
これでは<淫魔族>としての最大限の力を発揮できる環境にはないので、本来は階層の微小変更である常夜の設定を行うべきなのだが、シノイチやタツイチはそれすら主である四宮や辰巳に進言する事はない。
例え自らの力が半減しようが、聞かれなければ答えないのだ。
しかし、熟練の冒険者達はその程度は設定しているだろうと判断しており、易々とは侵入してこない。
その情報を黙って聞いている湯原と水野は、自らのダンジョン強化を進める事にした。
「早速強化しようか!」
「はい。でも……セーギ君も知っていると思いますが、四宮君と辰巳君……は、自分で蒔いた種と言えなくもないですけれど、あのシノイチさんとタツイチさんが気の毒で」
四宮達のダンジョンの情報を仕入れてからは継続的に監視をしていた為、水野は強制的に従属している眷属である<淫魔族>の二人に同情してしまったのだ。
「……確かにそうだよね。あの二人ももう少しましなマスターに召喚されていれば……とは思うけど」
どうやって助ければ良いのか何も思い浮かばないので、何となく歯切れが悪くなってしまう湯原だ。
自らの配下の眷属の能力は把握しているダンジョンマスターである二人だが、直前に大きくレベルアップした能力を把握しきっておらず、そこに活路を見出そうとするのだが、その事を口にする前に眷属から提案があった。
「我が主。某に良い案がございます」
「あ!私もです。カーリ様!セーギ様!」
水野の希望はあの場にいる<淫魔族>二体の救出と判断した眷属達は、我先にとその方法を伝える。
実際に行動を起こすのは、スラエ、スラビ、チェー、ビー、デルになる。
この場の説明は最も早くに口を開いたデルが行う事になり、その説明によれば、今回の大幅なレベルアップに伴って行える事が増えており、その力を使って他のダンジョンマスターの眷属を強奪すると言うものだ。
強奪対象の眷属とマスターとの絆が強ければ眷属としての契約も強固になっており実行不可能だが、今まで得た情報から考えると、マスターと眷属両者にのみ行える契約の中では最も弱くなっている事は容易に想像できる。
この強奪を実施するには、レベル49と50と言う相当高いレベルにある眷属数体の力が必要になるので、普通のダンジョンマスターでは実行する事は不可能だ。
手順はこうだ。
①ビーによって対象眷属の動きを止めるべく、麻痺させる。同時に、眷属契約も麻痺させる
②ダンジョンとの繋がりによる次工程の術の阻害を防止するために、スラビによって異次元空間に対象の眷属を収納してダンジョンから脱出する
③スラエの消化により、可能な限り眷属契約自体を消化する
④チェーによって消化しきれなかった契約を縛り上げて体内から引きずり出して始末する
⑤<湯原>と<水野>のダンジョンに戻り、デルによって配下の魔物として契約する
例え絆が細くとも、ここまでの手順を踏まなければ奪えない程に眷属の契約は強固な契約になっている。
単体のマスターでは絶対に不可能な行動であり、更には何れの眷属が抜けても実行不可能だろう。
残念ながら<属性族>であるレインの出番はないが、彼女はデルと共にダンジョンに残って主の守護を行う事になる。
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