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他のダンジョンに所属する眷属を強奪する方法を提示して見せた眷属達に、喜びの声を上げる湯原。
「良いじゃないか。凄いぞ!!」
水野は、冒険者によって<淫魔族>が危機に陥る前に救出するために指示を出す。
「じゃあ、今は硬直状態ですが、早速救出に向かって頂けますか?」
ダンジョンから出撃する眷属は言葉を発する事が出来ない眷属達だが、先ずは最も移動速度が早い<蜂族>のビーが全員を一時的に保管しているスラビを抱えて現場付近に直行する。
今までのレベルアップによる能力追加でスラエも大きさや時間に制約はあるのだが、一時的にスラビと同じ様に収納できる能力を身につけていたので、現場付近に到着した後に全員がスラエの中に入り直す事で、スラエは透明化した上で自らを隠蔽する能力によって悠々とダンジョンに侵入できるのだ。
一応スラエとスラビ、ビーの分裂体がダンジョンに残っているので、逐一情報を得ている湯原と水野。
既に出撃してから小一時間が経過しており、スラエは先ずはレベルの高い四宮のダンジョンに侵入しているのだが、そのレベル故に基礎能力も相当上昇しており移動速度は尋常ではなく、訳の分からない罠モドキも全て問題なく通過していくスラエ。
壁から突き出ている突起物に刺さる時も有るのだが、スライム故か特に何もダメージが無いままに移動する。
なるべく敵の糧にならないように短い時間で移動し終える様に注意しており、あっという間にコアルームの扉が存在している最終階層に到着しているスラエ。
階層追加の前に一階層で存在していた無駄に豪華な扉がそのまま設置されており、その中のコアルームには怯え続けているダンジョンマスターである四宮がいる。
彼は侵入者の存在は分かるのだが、冒険者達が一階層に再び侵入したと思っており、階層の様子を見ようともしない。
「頼む!あの罠で全てを始末してくれ!!」
完全に神頼みの状況で、きつく目を瞑って両手を組んで強く握り、ひたすら祈っている。
その間も、レベル49や50の他のダンジョン所属の眷属が侵入しているのでダンジョンのレベルは上がっており、内包魔力の値も上昇しているのだが、魔物召喚や罠設置等の対策もしなかった。
ひたすら恐怖に耐えつつ何かに祈っている四宮をよそに、スラエは仲間を解放する。
一瞬の出来事で、シノイチが反応する間もなくビーによって意識を奪われ、そのまま強制的にスラビに取り込まれる。
そのスラビを含めた仲間全てをスラエが取り込んで上層階……と言っても地上型なので下に降りるのだが、出口に移動しており、ダンジョン脱出後に周囲の監視からも外れる位置に来てから、再び仲間と麻痺状態にあるシノイチを出す。
そこでスラビがスラエとチェー、そしてシノイチを異次元空間に取り込み、その中でスラエがシノイチの眷属契約を消化し始め、限界に達した所でチェーがシノイチに巻き付く。
何やら不思議な物体がシノイチからあふれ出し、チェーがシノイチの体から強制的に取り出すと、そのままチェーの力によって霧散・消滅する。
レベルの高い眷属と言ってもこの一連の作業は体に相当負担がかかるので、既にシノイチの意識はないのだが命に別状はない。
再び同一の工程でタツイチも強奪すると、ビーに抱えられるスラビと言う行きと同じ状態で飛行して小一時間で帰還する。
本来馬車でも三日程度必要な距離にあるダンジョンの十階層二つから二時間と少々で眷属を強奪すると言う全ての作戦が終了してしまった事になる。
残りは、安全のためにデルによる配下の魔物となる契約を行うだけだ。
これからは<淫魔族>と言う高度な知識を得られる者が配下になるので、少し楽が出来ると思っている湯原と水野。
先ずは湯原のダンジョンのコアルームに、湯原、水野、デル、ビー、スラビ、イーシャ、そしてシノイチがいる。
「では我が主。早速契約を実施させて頂きます」
意識があろうがなかろうが契約には関係ないらしく、横たわっているシノイチに対して魔法を行使するデル。
「これで、この<淫魔族>は我が主の忠実な僕でございますが、レベルについては我ら眷属とは異なり、他の魔物同様に強敵を倒す事で上げる事になります」
「デルの言う通りですが、セーギ様。その<淫魔族>はレベル43ですので、それ以上のレベルを狙うのであればそれなりの強さの者を相手にする必要があります」
鑑定を行えるようになったレインがデルの言葉を補足するのだが、結論としては自らのレベル以上の者又は敵対する対極の存在である召喚者の冒険者を相手にしなければレベルを上げるのは難しいと言う事なので、実質このレベルで打ち止めと言っても良い状態だ。
この世界の一般論で言えばレベル43と言うのは破格の強さになっているので、仕方がない。
同様に水野のダンジョンのコアルームに移動して、同じ様に契約を完了するレベル34のタツイチ。
両<淫魔族>共に未だ意識が無いが、程なくして意識を戻すだろうと言う眷属達の判断だ。
チェーが強制的に睡眠状態を引き出して破壊する事も可能らしいが、魔物とは言え相当体に負担のかかる契約を実施したので、一先ずはゆっくりさせる事にしていた。
プリマ、レイン、チェー、そしてタツイチを水野のダンジョンに残し、眷属強奪後の二つのダンジョンを監視するために再び湯原のダンジョンのコアルームに集合する。
「良いじゃないか。凄いぞ!!」
水野は、冒険者によって<淫魔族>が危機に陥る前に救出するために指示を出す。
「じゃあ、今は硬直状態ですが、早速救出に向かって頂けますか?」
ダンジョンから出撃する眷属は言葉を発する事が出来ない眷属達だが、先ずは最も移動速度が早い<蜂族>のビーが全員を一時的に保管しているスラビを抱えて現場付近に直行する。
今までのレベルアップによる能力追加でスラエも大きさや時間に制約はあるのだが、一時的にスラビと同じ様に収納できる能力を身につけていたので、現場付近に到着した後に全員がスラエの中に入り直す事で、スラエは透明化した上で自らを隠蔽する能力によって悠々とダンジョンに侵入できるのだ。
一応スラエとスラビ、ビーの分裂体がダンジョンに残っているので、逐一情報を得ている湯原と水野。
既に出撃してから小一時間が経過しており、スラエは先ずはレベルの高い四宮のダンジョンに侵入しているのだが、そのレベル故に基礎能力も相当上昇しており移動速度は尋常ではなく、訳の分からない罠モドキも全て問題なく通過していくスラエ。
壁から突き出ている突起物に刺さる時も有るのだが、スライム故か特に何もダメージが無いままに移動する。
なるべく敵の糧にならないように短い時間で移動し終える様に注意しており、あっという間にコアルームの扉が存在している最終階層に到着しているスラエ。
階層追加の前に一階層で存在していた無駄に豪華な扉がそのまま設置されており、その中のコアルームには怯え続けているダンジョンマスターである四宮がいる。
彼は侵入者の存在は分かるのだが、冒険者達が一階層に再び侵入したと思っており、階層の様子を見ようともしない。
「頼む!あの罠で全てを始末してくれ!!」
完全に神頼みの状況で、きつく目を瞑って両手を組んで強く握り、ひたすら祈っている。
その間も、レベル49や50の他のダンジョン所属の眷属が侵入しているのでダンジョンのレベルは上がっており、内包魔力の値も上昇しているのだが、魔物召喚や罠設置等の対策もしなかった。
ひたすら恐怖に耐えつつ何かに祈っている四宮をよそに、スラエは仲間を解放する。
一瞬の出来事で、シノイチが反応する間もなくビーによって意識を奪われ、そのまま強制的にスラビに取り込まれる。
そのスラビを含めた仲間全てをスラエが取り込んで上層階……と言っても地上型なので下に降りるのだが、出口に移動しており、ダンジョン脱出後に周囲の監視からも外れる位置に来てから、再び仲間と麻痺状態にあるシノイチを出す。
そこでスラビがスラエとチェー、そしてシノイチを異次元空間に取り込み、その中でスラエがシノイチの眷属契約を消化し始め、限界に達した所でチェーがシノイチに巻き付く。
何やら不思議な物体がシノイチからあふれ出し、チェーがシノイチの体から強制的に取り出すと、そのままチェーの力によって霧散・消滅する。
レベルの高い眷属と言ってもこの一連の作業は体に相当負担がかかるので、既にシノイチの意識はないのだが命に別状はない。
再び同一の工程でタツイチも強奪すると、ビーに抱えられるスラビと言う行きと同じ状態で飛行して小一時間で帰還する。
本来馬車でも三日程度必要な距離にあるダンジョンの十階層二つから二時間と少々で眷属を強奪すると言う全ての作戦が終了してしまった事になる。
残りは、安全のためにデルによる配下の魔物となる契約を行うだけだ。
これからは<淫魔族>と言う高度な知識を得られる者が配下になるので、少し楽が出来ると思っている湯原と水野。
先ずは湯原のダンジョンのコアルームに、湯原、水野、デル、ビー、スラビ、イーシャ、そしてシノイチがいる。
「では我が主。早速契約を実施させて頂きます」
意識があろうがなかろうが契約には関係ないらしく、横たわっているシノイチに対して魔法を行使するデル。
「これで、この<淫魔族>は我が主の忠実な僕でございますが、レベルについては我ら眷属とは異なり、他の魔物同様に強敵を倒す事で上げる事になります」
「デルの言う通りですが、セーギ様。その<淫魔族>はレベル43ですので、それ以上のレベルを狙うのであればそれなりの強さの者を相手にする必要があります」
鑑定を行えるようになったレインがデルの言葉を補足するのだが、結論としては自らのレベル以上の者又は敵対する対極の存在である召喚者の冒険者を相手にしなければレベルを上げるのは難しいと言う事なので、実質このレベルで打ち止めと言っても良い状態だ。
この世界の一般論で言えばレベル43と言うのは破格の強さになっているので、仕方がない。
同様に水野のダンジョンのコアルームに移動して、同じ様に契約を完了するレベル34のタツイチ。
両<淫魔族>共に未だ意識が無いが、程なくして意識を戻すだろうと言う眷属達の判断だ。
チェーが強制的に睡眠状態を引き出して破壊する事も可能らしいが、魔物とは言え相当体に負担のかかる契約を実施したので、一先ずはゆっくりさせる事にしていた。
プリマ、レイン、チェー、そしてタツイチを水野のダンジョンに残し、眷属強奪後の二つのダンジョンを監視するために再び湯原のダンジョンのコアルームに集合する。
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Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
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