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ここは少し前まではレベル11のダンジョンであり、女性型の<淫魔族>であるレベル43のサキュバスが存在していた四宮のダンジョン。
「おい、シノイチ!!どこに行った!!」
自らのダンジョンであるにもかかわらず、目の前にいたはずの眷属の状況が掴めなくなってしまいその姿も見えない四宮は、最後の盾であり鉾のシノイチを必死で呼び出そうとする。
もちろん眷属契約は強引ではあるが完全に断ち切られているので、いくらダンジョンマスターであろうが、無関係となった魔物の状態を簡単に知る事等出来はしない。
「ど、どうなっていやがる!!」
侵入者の存在もいなくなった事が分かった四宮は、冒険者が罠にかかったのだと思い、祈りを止めた所でシノイチが消えている事に気が付いたのだ。
「ま、まて。落ち着け……」
命の危険にさらされている以上、状況把握と対策はしなくてはならないと深く深呼吸して自分を落ち着かせる四宮。
「先ずは、ダンジョンの状況か……」
<四宮>のダンジョン レベル18 内包魔力2800 <保有レベル21>
突然レベル11から18にまで上昇して、それに伴って内包魔力や眷属にのみ付与できるレベルも21に増加している。
「おいおい、これなら……シノイチを強化すればレベル64!無敵じゃねーか!!」
だんだんと余裕が出て来た四宮だが、保有レベルに意識を持って行くと致命的なメッセージが浮かんできたのだ。
……眷属が存在しない為、レベル付与できません……
以前であれば、各眷属のレベルと名前が出てきていたはずなのだ。
既にシノニ、シノサン、シノヨンが死亡している事は、戦闘時にコアルームの扉の向こうから聞こえた声によって把握している四宮。
眷属三体を亡き者にした冒険者を始末したのがシノイチなのだから、いやでも理解できている。
そして、このメッセージによればシノイチも、少し前まで感じていた侵入者の存在によって亡き者にされたと判断した四宮。
何故ダンジョンマスターの自分が無事なのかはよく分からないが、恐らくシノイチによって致命的な傷を負ったのか、自分を相手にする余裕はなかったかの何れかだと思う事にした。
これ程鮮やかな行動が出来る者が侵入者であれば、短い時間にダンジョンのレベルが7も上昇する事は有りえるだろうと判断したのだ。
当然各階層に侵入者の亡骸、シノイチの亡骸も存在しないので、シノイチが自分を守っている最中にダンジョンの外に強制的に連れていかれ、そこで相打ちになった……こう結論付けるしかないのだ。
その事実を受け入れざるを得ず、ガタガタ震えながらも何とかダンジョンを強化するべく必死で考える四宮。
「こ、この内包魔力が全てだ……」
ダンジョンのレベルが18にもなれば気温や天候も大きく変動させる事が出来るし、侵入者に重傷を負わせるような罠の設置も可能で、呼び出せる魔物もレベル10まで呼び出す事が出来る。
先ずは二階層に設置してある傾斜の罠はそのままにしておき、三階層は階層を拡張して弱めの毒を霧状にして長く摂取させ、視界と体力を奪い、同じように傾斜の罠はそのまま設置しておく。
四階層は灼熱の溶岩のステージとして足場や見通しも非常に悪くした上で魔物に襲撃させる事にしたのだが、灼熱の溶岩ステージの変更はおろか、レベル10の魔物を召喚するのにも内包魔力が不足したのだ。
今迄の変更で、
①三階層の拡張 200
②三階層の環境変化(大)毒霧 2400
となり、残りの内包魔力は200しかないのだ。
10階層のダンジョンにしてからの変更であったために必要な内包魔力が大幅に増大したのだが、仕様上5階層、10階層と階層が増えるたびに消費する内包魔力が倍になると言う、一刻も早く階層を増やして安全な環境にしたいと言うダンジョンマスターにとってはこれ以上ない程に不利な条件が存在していた。
この事実は<淫魔族>しか知らない事であり、湯原や水野のダンジョンも含めて全てのダンジョンに適用されるのだが、長きを生きるダンジョンマスターであれば、同じような変更をした際の内包魔力消費量が変わっている事には気がついている。
その制約に引っかかり、レベル10の魔物50体を召喚するのに内包魔力が2400必要になっているので、今呼べる魔物は、必要内包魔力が200のレベル1の魔物しか存在しない。
無い物を嘆いても事態は改善しないので、金髪をかきむしりながらも召喚できる魔物を調べる四宮だが、レベル1の魔物はスライムや見た目雑草のウイドと呼ばれる魔物しかいない。
四宮や辰巳は召喚した魔物を転移させる事が出来る能力を取っていない為、一度召喚すると、例えば階層を移動するには自らの力で移動してもらう他ないが、呼べる魔物はスライムと雑草……
移動速度と言うよりも、そもそも雑草に見える魔物ウイドは召喚した場所から動く事は出来ない上、毒霧によっても弱体化するので、三階層で使用する事は出来ない。
「おい、シノイチ!!どこに行った!!」
自らのダンジョンであるにもかかわらず、目の前にいたはずの眷属の状況が掴めなくなってしまいその姿も見えない四宮は、最後の盾であり鉾のシノイチを必死で呼び出そうとする。
もちろん眷属契約は強引ではあるが完全に断ち切られているので、いくらダンジョンマスターであろうが、無関係となった魔物の状態を簡単に知る事等出来はしない。
「ど、どうなっていやがる!!」
侵入者の存在もいなくなった事が分かった四宮は、冒険者が罠にかかったのだと思い、祈りを止めた所でシノイチが消えている事に気が付いたのだ。
「ま、まて。落ち着け……」
命の危険にさらされている以上、状況把握と対策はしなくてはならないと深く深呼吸して自分を落ち着かせる四宮。
「先ずは、ダンジョンの状況か……」
<四宮>のダンジョン レベル18 内包魔力2800 <保有レベル21>
突然レベル11から18にまで上昇して、それに伴って内包魔力や眷属にのみ付与できるレベルも21に増加している。
「おいおい、これなら……シノイチを強化すればレベル64!無敵じゃねーか!!」
だんだんと余裕が出て来た四宮だが、保有レベルに意識を持って行くと致命的なメッセージが浮かんできたのだ。
……眷属が存在しない為、レベル付与できません……
以前であれば、各眷属のレベルと名前が出てきていたはずなのだ。
既にシノニ、シノサン、シノヨンが死亡している事は、戦闘時にコアルームの扉の向こうから聞こえた声によって把握している四宮。
眷属三体を亡き者にした冒険者を始末したのがシノイチなのだから、いやでも理解できている。
そして、このメッセージによればシノイチも、少し前まで感じていた侵入者の存在によって亡き者にされたと判断した四宮。
何故ダンジョンマスターの自分が無事なのかはよく分からないが、恐らくシノイチによって致命的な傷を負ったのか、自分を相手にする余裕はなかったかの何れかだと思う事にした。
これ程鮮やかな行動が出来る者が侵入者であれば、短い時間にダンジョンのレベルが7も上昇する事は有りえるだろうと判断したのだ。
当然各階層に侵入者の亡骸、シノイチの亡骸も存在しないので、シノイチが自分を守っている最中にダンジョンの外に強制的に連れていかれ、そこで相打ちになった……こう結論付けるしかないのだ。
その事実を受け入れざるを得ず、ガタガタ震えながらも何とかダンジョンを強化するべく必死で考える四宮。
「こ、この内包魔力が全てだ……」
ダンジョンのレベルが18にもなれば気温や天候も大きく変動させる事が出来るし、侵入者に重傷を負わせるような罠の設置も可能で、呼び出せる魔物もレベル10まで呼び出す事が出来る。
先ずは二階層に設置してある傾斜の罠はそのままにしておき、三階層は階層を拡張して弱めの毒を霧状にして長く摂取させ、視界と体力を奪い、同じように傾斜の罠はそのまま設置しておく。
四階層は灼熱の溶岩のステージとして足場や見通しも非常に悪くした上で魔物に襲撃させる事にしたのだが、灼熱の溶岩ステージの変更はおろか、レベル10の魔物を召喚するのにも内包魔力が不足したのだ。
今迄の変更で、
①三階層の拡張 200
②三階層の環境変化(大)毒霧 2400
となり、残りの内包魔力は200しかないのだ。
10階層のダンジョンにしてからの変更であったために必要な内包魔力が大幅に増大したのだが、仕様上5階層、10階層と階層が増えるたびに消費する内包魔力が倍になると言う、一刻も早く階層を増やして安全な環境にしたいと言うダンジョンマスターにとってはこれ以上ない程に不利な条件が存在していた。
この事実は<淫魔族>しか知らない事であり、湯原や水野のダンジョンも含めて全てのダンジョンに適用されるのだが、長きを生きるダンジョンマスターであれば、同じような変更をした際の内包魔力消費量が変わっている事には気がついている。
その制約に引っかかり、レベル10の魔物50体を召喚するのに内包魔力が2400必要になっているので、今呼べる魔物は、必要内包魔力が200のレベル1の魔物しか存在しない。
無い物を嘆いても事態は改善しないので、金髪をかきむしりながらも召喚できる魔物を調べる四宮だが、レベル1の魔物はスライムや見た目雑草のウイドと呼ばれる魔物しかいない。
四宮や辰巳は召喚した魔物を転移させる事が出来る能力を取っていない為、一度召喚すると、例えば階層を移動するには自らの力で移動してもらう他ないが、呼べる魔物はスライムと雑草……
移動速度と言うよりも、そもそも雑草に見える魔物ウイドは召喚した場所から動く事は出来ない上、毒霧によっても弱体化するので、三階層で使用する事は出来ない。
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