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「「う……」」
同じ状態であったために、ほぼ同時に目覚める事になったシノイチとタツイチ。
程なくして目覚めそうだと連絡を受けていたので、一旦湯原のダンジョンのコアルームの前、二階層に、水野のコアルームを護衛しているレインを除いて全員が集合している。
どう見てもあの薄暗い地上型のダンジョン最下層ではない事には二体共直ぐに気が付くと共に、魔物故か、何故か自らの主が変わっている事も理解できる。
「「あなたが助けて下さったのですか?」」
本能から、それぞれの主になっている湯原と水野に向かって姿勢を正して問いかけ、二人が頷くと、深くお辞儀をする。
「やっぱり……助けてくれた、と言う言葉から、あそこにはいたくなかったと言う事で良いよね?」
以前の主である四宮や辰巳を最後まで守ると言う覚悟があったところを強引に引っ張ってきては、今後蟠りを残す可能性があるので敢えて確認したのだが、二体共に大きく首肯した。
「はい。あの主だった者は本能で守ると言う義務と言いますか、それだけしかありませんでした」
「次の時に記憶が残るかは知りませんが、次は良い主に召喚されるように願っていたのです」
黒い尻尾がヘニャっとなったので本心から言っているのだろうと思い、憂いが無くなった水野と湯原は、既に自分達のダンジョンの契約魔物になっている事や、自分達の事、元の主である四宮と辰巳の関係も含めて全てを説明する。
「で……、勝手だとは思ったけど、俺達の仲間の力を使えば助けられると言ってくれたから、助けさせてもらっている。所属不明だと、申し訳ないけど二階層しかない俺達のダンジョンで万が一があるといけないので、勝手に契約をさせて貰ったよ。事後承諾だけど、これは俺達の安全の為譲れなかった。ゴメンね」
「いいえ、むしろ契約して頂いた事で私達も仲間に加われたと確信出来て、とても嬉しいです」
「これからは、誠心誠意皆様の為、このダンジョンの為に尽くさせて頂きます」
二人が示し合わせたように美しい所作で一礼する。
その表情は喜びに満ちており、待ち望んでいた、尽くすに足る主であると確信していたのだ。
相当なリスクを負ってまで敵になる可能性……むしろ、敵の本命とも言えるダンジョンマスターの眷属を強制的に拉致してくれたのだから。
「で、君達<淫魔族>は相当な情報を持っていると聞いている。その辺りを教えて貰えると助かるのだけど、大丈夫?」
「もちろんでございます!!」
早速自らの主の力に成れる事に歓喜している二体の<淫魔族>は、黒く細い尻尾をクルクルと無意識で回している。
「では、私……」
「そうか。以前の君はシノイチ、君はタツイチと呼ばれていたはずだよね。とするとその流れを汲んで、俺の所に来てくれている元タツイチの君は、ハライチ!カーリの所に来てくれている元タツイチの君は、ミズイチで……いいよね、カーリ」
相変わらず安直だがカーリも頷いており、二体の<淫魔族>も嬉しさでフルフルしているようなので、このまま話が進む。
「主様よりハライチのお名前を頂戴いたしました私から、ダンジョンについてご説明いたします」
継続して尻尾はクルクル回ってい状態のまま、ダンジョンについて説明してくれるハライチ。
これからダンジョンのレベルが上昇すると出来る事が増えて来るのだが、その出来る事を行うにもほぼ全て内包魔力が必要になる。
その必要内包魔力は、5階層毎に倍になる極悪仕様である事がここで告げられた。
「あっぶねー!俺達二階層で留めておいてよかった」
「本当ですよね、セーギ君。皆さんは知っていましたか?」
この場にいないレインを除いた眷属全員が、その言葉を受けて否定の意を示す。
以前集めた内包魔力は二人共に6400程残っており、階層追加を気軽に行っていては今後の補強に大きなデメリットが発生する所だったのだ。
「流石はハライチ、ミズイチだ!本当に貴重な情報だ。想定した以上に頼りになる。本当に助かるよ」
「えぇ。ミズイチちゃん、ハライチちゃん。私達の今後の安全に直接つながりますから、ありがたい情報です!」
主からここまで手放しで褒められた事が無い二体の<淫魔族>は、ますます尻尾の回転が速くなる。
「あ、ありがとうございます。ここからは、私ミズイチがご説明させて頂きます」
引き継いだミズイチは、差し当たり重要な能力とおおよその内包魔力について説明してくれた。
能力のほぼ全てと必要な内包魔力を把握している事に、湯原と水野だけではなく眷属達も唖然としていた。
その結果、ダンジョンは一先ず四階層までとして階層を拡張し、レベル26で得ていた階層分割を行う事にした。
当初湯原と水野は、同じ階層で異なる環境にするための物だと認識していたのだが……
ハライチとミズイチの知識があれば、少ない内包魔力で階層を大きく強化するための手段になるのだ。
同じ状態であったために、ほぼ同時に目覚める事になったシノイチとタツイチ。
程なくして目覚めそうだと連絡を受けていたので、一旦湯原のダンジョンのコアルームの前、二階層に、水野のコアルームを護衛しているレインを除いて全員が集合している。
どう見てもあの薄暗い地上型のダンジョン最下層ではない事には二体共直ぐに気が付くと共に、魔物故か、何故か自らの主が変わっている事も理解できる。
「「あなたが助けて下さったのですか?」」
本能から、それぞれの主になっている湯原と水野に向かって姿勢を正して問いかけ、二人が頷くと、深くお辞儀をする。
「やっぱり……助けてくれた、と言う言葉から、あそこにはいたくなかったと言う事で良いよね?」
以前の主である四宮や辰巳を最後まで守ると言う覚悟があったところを強引に引っ張ってきては、今後蟠りを残す可能性があるので敢えて確認したのだが、二体共に大きく首肯した。
「はい。あの主だった者は本能で守ると言う義務と言いますか、それだけしかありませんでした」
「次の時に記憶が残るかは知りませんが、次は良い主に召喚されるように願っていたのです」
黒い尻尾がヘニャっとなったので本心から言っているのだろうと思い、憂いが無くなった水野と湯原は、既に自分達のダンジョンの契約魔物になっている事や、自分達の事、元の主である四宮と辰巳の関係も含めて全てを説明する。
「で……、勝手だとは思ったけど、俺達の仲間の力を使えば助けられると言ってくれたから、助けさせてもらっている。所属不明だと、申し訳ないけど二階層しかない俺達のダンジョンで万が一があるといけないので、勝手に契約をさせて貰ったよ。事後承諾だけど、これは俺達の安全の為譲れなかった。ゴメンね」
「いいえ、むしろ契約して頂いた事で私達も仲間に加われたと確信出来て、とても嬉しいです」
「これからは、誠心誠意皆様の為、このダンジョンの為に尽くさせて頂きます」
二人が示し合わせたように美しい所作で一礼する。
その表情は喜びに満ちており、待ち望んでいた、尽くすに足る主であると確信していたのだ。
相当なリスクを負ってまで敵になる可能性……むしろ、敵の本命とも言えるダンジョンマスターの眷属を強制的に拉致してくれたのだから。
「で、君達<淫魔族>は相当な情報を持っていると聞いている。その辺りを教えて貰えると助かるのだけど、大丈夫?」
「もちろんでございます!!」
早速自らの主の力に成れる事に歓喜している二体の<淫魔族>は、黒く細い尻尾をクルクルと無意識で回している。
「では、私……」
「そうか。以前の君はシノイチ、君はタツイチと呼ばれていたはずだよね。とするとその流れを汲んで、俺の所に来てくれている元タツイチの君は、ハライチ!カーリの所に来てくれている元タツイチの君は、ミズイチで……いいよね、カーリ」
相変わらず安直だがカーリも頷いており、二体の<淫魔族>も嬉しさでフルフルしているようなので、このまま話が進む。
「主様よりハライチのお名前を頂戴いたしました私から、ダンジョンについてご説明いたします」
継続して尻尾はクルクル回ってい状態のまま、ダンジョンについて説明してくれるハライチ。
これからダンジョンのレベルが上昇すると出来る事が増えて来るのだが、その出来る事を行うにもほぼ全て内包魔力が必要になる。
その必要内包魔力は、5階層毎に倍になる極悪仕様である事がここで告げられた。
「あっぶねー!俺達二階層で留めておいてよかった」
「本当ですよね、セーギ君。皆さんは知っていましたか?」
この場にいないレインを除いた眷属全員が、その言葉を受けて否定の意を示す。
以前集めた内包魔力は二人共に6400程残っており、階層追加を気軽に行っていては今後の補強に大きなデメリットが発生する所だったのだ。
「流石はハライチ、ミズイチだ!本当に貴重な情報だ。想定した以上に頼りになる。本当に助かるよ」
「えぇ。ミズイチちゃん、ハライチちゃん。私達の今後の安全に直接つながりますから、ありがたい情報です!」
主からここまで手放しで褒められた事が無い二体の<淫魔族>は、ますます尻尾の回転が速くなる。
「あ、ありがとうございます。ここからは、私ミズイチがご説明させて頂きます」
引き継いだミズイチは、差し当たり重要な能力とおおよその内包魔力について説明してくれた。
能力のほぼ全てと必要な内包魔力を把握している事に、湯原と水野だけではなく眷属達も唖然としていた。
その結果、ダンジョンは一先ず四階層までとして階層を拡張し、レベル26で得ていた階層分割を行う事にした。
当初湯原と水野は、同じ階層で異なる環境にするための物だと認識していたのだが……
ハライチとミズイチの知識があれば、少ない内包魔力で階層を大きく強化するための手段になるのだ。
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