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未だ若干日本にいた頃の意識を持っているのか、無条件で助けてくれると思っている節がある二人。
名乗った相手の苗字もどう見ても日本人であった事からも、深く考える事無く受け入れてしまったのだ。
「良かろう。そちらに儂のダンジョンの魔物を送り込んで防衛させよう。ただし、無償と言う訳にはいかぬ事位は分かるじゃろ?」
「英断だよ。でもタダじゃないよ?」
四宮と辰巳にとっては救世主とも呼べる淀嶋と水元からの思いがけない一言に一瞬声を失うが、次の言葉で全てを受け入れた。
「内包魔力を月に5割、レベルは何れは不要になるが、その辺りを譲渡してくれれば良い。この程度で命が助かるのであれば、安いもんじゃろ?」
「月に内包魔力の5割とレベルの5割で、手を打つよ?」
両者ともに自分の身の安全を保障すると言ってくれるのであれば、レベルや内包魔力は不要と考えたのだ。
こうしてそれぞれのダンジョンのコアルームに淀嶋と水元の眷属の光族が現れた頃には、表を囲っていた冒険者は全滅していた。
ダンジョンレベル46を超える事で他のダンジョンマスターを配下にできるようになるのだが、眷属の中に契約魔法を使える者が存在する事が条件になる。
二人のコアルームに現れている光族は、レベル40を超える事で魔人族と同様に契約魔法を行える種族であり、こうして淀嶋と水元の条件を呑んだ四宮と辰巳は、その場で契約を行う事になった。
その後に光族は転移魔法陣C……異なるダンジョンの間で、ダンジョンマスターが許可した者が転移できる魔法陣を設置しようと試みたのだが、そもそも転移魔法陣Cを設置できるだけのダンジョンレベルに無い四宮と辰巳のダンジョン。
更に設置に対しては内包魔力が4800必要になるのだが……この惨状を見ている淀嶋と水元は、この部分は肩代わりしようと考えていた。
しかし、ダンジョンレベルがそもそも不足しているのであれば話は別で即必要なレベル21になる様に指示を出すのだが、一気にそこまで上げる戦力が無いので止む無く力を貸す二人のダンジョンマスター。
冒険者の亡骸をそれぞれのダンジョンに持ち込み、何とか二つのダンジョンレベルを21にまで引き上げた後、主である立場の者達だけが自由に行き来できる転移魔法陣を設置した。
当然レベル21になるまでに得られた内包魔力は全て没収されているが、レベルは没収すると魔法陣が消失するので維持されている。
更に、主であるダンジョンマスター管理している魔物が魔法陣を使って転送され、各階層にレベル30の魔物が多数配置された。
自らが持っていた最強戦力の<淫魔族>よりもレベルは少々低いが、数の暴力で押し切れるほどの魔物が階層に生息するようになっているのだ。
四宮のダンジョンには、狼型の魔物であるレベル30のウルビアが各階層に数十頭配備され、辰巳のダンジョンにも同様に各階層にレベル30のマンティスと呼ばれる蟷螂型の魔物が配備された。
更に嬉しい事に毎日転移魔法陣から食料も供給されるので、見かけだけ豪華なコアルームの中で悠々自適な生活を送り始める事に成功した。
この転移魔法陣Cはレベルの二桁目の数だけ設置する事が出来るので、レベル21の四宮と辰巳は二か所設置する事が出来る。
そこで、主であるダンジョンマスターの指示によってマスター側だけが自由に使えるマスターのコアルーム直結魔法陣の他に、残りの一つは互いのコアルーム、四宮と辰巳のコアルームを繋げたのだ。
一見悠々自適に見えるのだが、その実は搾取されるだけの飼い殺しであり自由はないのでダンジョンから外に出るのにも許可がいる状態になっているのだが、本人達も今迄の恐怖からダンジョンの外に出るつもりはないので不自由は感じていない。
だが、長く同じ環境にいれば慣れて来る事も有って、やがて飽きが来て騒ぎ出す事は間違いないだろう。
冒険者達としては差し向けていた人物が全滅した上、あくまで調査の為に一階層に侵入した瞬間にマンティスやウルビアに襲われた事から、非常に強力なダンジョンであるとの認識になり、ラスリ王国から続く街道脇にできた四つのダンジョンの内の地上型の二つのダンジョンは攻略を放棄する事が決定した。
地下型の二つのダンジョン跡地については既に枯れていると判断されて、誰も近寄る事が無くなっていたのだ。
召喚者の冒険者であったとしても、個人でこのダンジョンに侵入しては攻略できないと言う判断で撤退していた。
こうなると、四宮のダンジョンと辰巳のダンジョンは内包魔力を稼ぐどころか、ダンジョンのレベルアップも見込めない。
手を差し伸べた二人のダンジョンマスター達もここまで使えない配下になってしまうとは思っておらず、愚痴を言い合っている程だ。
「水元の。今回は大失敗だったかもしれないのう?」
「本当だよね。まさか僕もこれ程までに戦力増強にならないマスターだとは思わなかったよ。困ったものだよね?淀嶋ジィ。これじゃあ、何時まで経っても弦間には手も足も出ない」
「しかしのう?あの転移魔法陣Cはともかくとして、“ダンジョン配下”を実行するのに内包魔力を32万も持っていかれたからのう。そう易々と見捨てるには……辛い所じゃよ」
実際に配下にするにも内包魔力が必要になり、特に淀嶋のダンジョンは50階層も有るので、必要な内包魔力は跳ね上がっているのだ。
その為、膨大な投資を回収できずに放置する塩漬け状態にすることにした二人だ。
名乗った相手の苗字もどう見ても日本人であった事からも、深く考える事無く受け入れてしまったのだ。
「良かろう。そちらに儂のダンジョンの魔物を送り込んで防衛させよう。ただし、無償と言う訳にはいかぬ事位は分かるじゃろ?」
「英断だよ。でもタダじゃないよ?」
四宮と辰巳にとっては救世主とも呼べる淀嶋と水元からの思いがけない一言に一瞬声を失うが、次の言葉で全てを受け入れた。
「内包魔力を月に5割、レベルは何れは不要になるが、その辺りを譲渡してくれれば良い。この程度で命が助かるのであれば、安いもんじゃろ?」
「月に内包魔力の5割とレベルの5割で、手を打つよ?」
両者ともに自分の身の安全を保障すると言ってくれるのであれば、レベルや内包魔力は不要と考えたのだ。
こうしてそれぞれのダンジョンのコアルームに淀嶋と水元の眷属の光族が現れた頃には、表を囲っていた冒険者は全滅していた。
ダンジョンレベル46を超える事で他のダンジョンマスターを配下にできるようになるのだが、眷属の中に契約魔法を使える者が存在する事が条件になる。
二人のコアルームに現れている光族は、レベル40を超える事で魔人族と同様に契約魔法を行える種族であり、こうして淀嶋と水元の条件を呑んだ四宮と辰巳は、その場で契約を行う事になった。
その後に光族は転移魔法陣C……異なるダンジョンの間で、ダンジョンマスターが許可した者が転移できる魔法陣を設置しようと試みたのだが、そもそも転移魔法陣Cを設置できるだけのダンジョンレベルに無い四宮と辰巳のダンジョン。
更に設置に対しては内包魔力が4800必要になるのだが……この惨状を見ている淀嶋と水元は、この部分は肩代わりしようと考えていた。
しかし、ダンジョンレベルがそもそも不足しているのであれば話は別で即必要なレベル21になる様に指示を出すのだが、一気にそこまで上げる戦力が無いので止む無く力を貸す二人のダンジョンマスター。
冒険者の亡骸をそれぞれのダンジョンに持ち込み、何とか二つのダンジョンレベルを21にまで引き上げた後、主である立場の者達だけが自由に行き来できる転移魔法陣を設置した。
当然レベル21になるまでに得られた内包魔力は全て没収されているが、レベルは没収すると魔法陣が消失するので維持されている。
更に、主であるダンジョンマスター管理している魔物が魔法陣を使って転送され、各階層にレベル30の魔物が多数配置された。
自らが持っていた最強戦力の<淫魔族>よりもレベルは少々低いが、数の暴力で押し切れるほどの魔物が階層に生息するようになっているのだ。
四宮のダンジョンには、狼型の魔物であるレベル30のウルビアが各階層に数十頭配備され、辰巳のダンジョンにも同様に各階層にレベル30のマンティスと呼ばれる蟷螂型の魔物が配備された。
更に嬉しい事に毎日転移魔法陣から食料も供給されるので、見かけだけ豪華なコアルームの中で悠々自適な生活を送り始める事に成功した。
この転移魔法陣Cはレベルの二桁目の数だけ設置する事が出来るので、レベル21の四宮と辰巳は二か所設置する事が出来る。
そこで、主であるダンジョンマスターの指示によってマスター側だけが自由に使えるマスターのコアルーム直結魔法陣の他に、残りの一つは互いのコアルーム、四宮と辰巳のコアルームを繋げたのだ。
一見悠々自適に見えるのだが、その実は搾取されるだけの飼い殺しであり自由はないのでダンジョンから外に出るのにも許可がいる状態になっているのだが、本人達も今迄の恐怖からダンジョンの外に出るつもりはないので不自由は感じていない。
だが、長く同じ環境にいれば慣れて来る事も有って、やがて飽きが来て騒ぎ出す事は間違いないだろう。
冒険者達としては差し向けていた人物が全滅した上、あくまで調査の為に一階層に侵入した瞬間にマンティスやウルビアに襲われた事から、非常に強力なダンジョンであるとの認識になり、ラスリ王国から続く街道脇にできた四つのダンジョンの内の地上型の二つのダンジョンは攻略を放棄する事が決定した。
地下型の二つのダンジョン跡地については既に枯れていると判断されて、誰も近寄る事が無くなっていたのだ。
召喚者の冒険者であったとしても、個人でこのダンジョンに侵入しては攻略できないと言う判断で撤退していた。
こうなると、四宮のダンジョンと辰巳のダンジョンは内包魔力を稼ぐどころか、ダンジョンのレベルアップも見込めない。
手を差し伸べた二人のダンジョンマスター達もここまで使えない配下になってしまうとは思っておらず、愚痴を言い合っている程だ。
「水元の。今回は大失敗だったかもしれないのう?」
「本当だよね。まさか僕もこれ程までに戦力増強にならないマスターだとは思わなかったよ。困ったものだよね?淀嶋ジィ。これじゃあ、何時まで経っても弦間には手も足も出ない」
「しかしのう?あの転移魔法陣Cはともかくとして、“ダンジョン配下”を実行するのに内包魔力を32万も持っていかれたからのう。そう易々と見捨てるには……辛い所じゃよ」
実際に配下にするにも内包魔力が必要になり、特に淀嶋のダンジョンは50階層も有るので、必要な内包魔力は跳ね上がっているのだ。
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楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
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本当に、ありがとうございます。
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